2011/08/12

美味しいジュース

 既に、切れの良いジュースというのが現在のスタンダードである。切れが良いとは、後味がすっきりする喉越しを意味し、賞味期限の切れのことではない。果糖が多いという理由か、あるいは、製造原価の問題か、あるいは、さっぱりした後味を追及しているのか、いつしか、本物ともいえる「ストレート果汁100%」のジュースは肩身の狭い思いをしてきた。100%といっても、濃縮還元が主流を占めていた頃は、値段が高い割には今1つ果実の持つ美味しさに欠けていて、100%のジュースがいいなら、果物を直接食べる方がよいと考えている人も少なくなかったが、最近は、生産者のこだわりも生かされ、再びマーケットに「果汁100%の美味しさを求める顧客」が増えてきたようである。

  「完熟に育った果実」を食べる美味しさは格別なものがある。しかし、異なる品種の果物を同時に食べることは、なかなか出来ることではない。そんな、ストレート果汁100%どうしをブレンドして得られる絶妙な美味しさは、人の味覚の分解範囲を超えているのではないかと思える程美味しいときがある。確かに、その果物を育てている地域の人たちが、厳選した美味しさと製造コストを極限まで追及して生産しているわけで、果汁100%を知り尽くした者でなければ味わえない贅沢さを備えている。アイス珈琲、炭酸水、スポーツドリンク、急須で入れたようなお茶など、最近は、喉を通る飲料水が増えたせいなのであろうか、改めて果汁100%のジュースを冷やして飲むと、「うわー、こりゃあ美味しいわ」と、半ば感動的になってしまったのである。

 確かに最近は、香料を上手に使って本物かなと錯覚するようなジュースも多いが、逆に本物は、それほど鋭い香りがするわけでもなく、豊かでもない。むしろ大人しく上品で、そこはかとなく薫り、甘みや酸味などが漂う。特にストレート100%のジュースでは、産地の特徴までもが反映されると言われ、それは、農法、土壌や気候のほか、昼夜の温度差なども大きく影響を受けるとされている。おおよそ、果物や伝統的な野菜、お茶等の産地は、このように外的要因に影響を受けて、より優れた品質のものが収穫されている。

 今日紹介するのは、2種のジュースで、岩手県紫波郡矢巾町あたりの昼夜の温度差に恵まれた気候で育った葡萄と林檎のジュース。葡萄ジュースはキャンべルスアーリー種を100%使ったストレートタイプで酸化防止剤すら入っていない。林檎ジュースは、ジョナゴールドのストレート70%、王林のストレート30%のブレンドで酸化防止にはビタミンCが使われている。いずれも720mlの独自のプラのボトル容器に詰めてあり、要冷蔵(賞味期限は20日程度)で1パック680円で販売されている。
ではこちら
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%21995&app=WordPdf