2011/04/28

炭酸水で空腹を制御せよ

 今年も腹回りが気になる季節が目前に迫っている。毎年の健康診断でも徐々にメタボリック症候群が進んでいるようで、ウエストが絞りきれない状況が続いている。先生からは、「食べることに執着せずに、他に興味を持ったらどうですか?」と、まるで私生活を覗かれているような言葉が投げかけられる。余談になるが、先生は、かつて慈恵医科大学の第三病院に勤務されていて、もう、10年ぐらい前に我が家の近所(歩いて30秒)に開業された。年齢はほぼ同じだと推察される。当時、腹膜炎でお世話になったのが縁で、親しくさせてもらっている。話を戻すと、ウエストが絞れない理由と言うか、これには「言い訳」があって、昨年煙草を止めてから、口寂しさから何かと甘い物等を口に運び、食物を必要以上に胃袋へ溜め込んでしまう傾向がある。このような感覚は、煙草を吸っていた時期の胃袋への刺激と同じ負担を求めて、それを「満腹感として処理」をしているようで、結果的に食べ過ぎてしまうのである。

 ま、言い訳のように、そんな事を先生に理屈をこねて話すと、首を縦に小さく振りながらカルテにメモを書き込まれるのである。先生はきっと、「そんなつまらない言い訳などせず、やるべき事をちゃんとやって、節度ある生活を過ごせばいいんですよ」か、あるいは、「分かりますよ、私もお酒が好きで、ついつい飲みすぎることも多いんですよ」とおっしゃりたいのか、一度聞いてみたいのだが、何か言い訳ばかりをしている患者に対して、漠然と沈黙を守り続けるような空気が漂っていて怖くて聞けないのである。誰でも、50歳後半を迎えると、精神力に肉体が追従できない傾向が顕著になる。例えば、テレビのニュースを観ながら激怒するのは、この年代の特徴のようである。そうやって、毎日毎日押さえの利かない人間になってゆく自分がそこにいて、それ自体もストレスで、それが徐々にメタボを推進しているかもしれないと思うのである。

 とにかく、何らかのストレスの無い人はいないわけで、その大脳に起こる数々のストレスを中和する為には、やはり同じ数だけ「満足感」を与えてやらなければならない。満足感はどのような取り込み方が適しているのであろうか、やはり、自然に生活の一部になり、満足感としての効果は小さくても、回数を多く得られる方がよい。かつては、それが煙草だったわけで、その代わりと考えると、1.刺激がある、2.満足感がある、3.手軽さがある、4.リフレッシュできる、5.糖分が無い・・・などを考慮すると、必然的に「炭酸水がよい」のではないかと思えたのである。炭酸水を飲んで腹を膨らませ、空腹感を取り除き、炭酸水に含まれる天然ミネラルを摂取し、血液の中では疲労物質を取り除く、言わば泡の洗浄剤のような役割ではないだろうか。

 そんな理由から、簡単に入手できる炭酸水を幾つか集めてみた。以前に「酸素水」を続けて飲んだ事があった(紹介済み)が、酸素水は、酸素濃度が高ければ高いほど運動能力での調子を改善し、体に良く効く感じであった。酸素水は少々お値段もはるし、入手にも手間が掛かる。しかし、一方で炭酸水は、お腹が膨れると同時に胃液が急激に分解される感じがあって、確かに食欲までも無くなる。だから、小腹が空く夕方の時間帯に、気分転換程度に飲むしかないが、効き目は大きい。一般的に人の空腹感は、少しづつ大きくなりながら何度か押寄せてくる。その食欲が徐々に抑えられて効果はてきめんといえる。しかし、胃液が全てなくなってしまうのも困るので、自分に適した炭酸濃度と刺激が必要だと思われる。ということで、これによって、とりあえず腹回りにダイエット効果を出して、先生には努力して痩せたと報告しようと思っている。
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2011/04/24

キャンディーズと電線音頭

物事には、漠然とした順番と言うものがある。その掟を破られると、とても寂しく想い、体にもこたえる。これが率直な感想である。今週は、「スーちゃん早いよ」という気持ちでいっぱいになった「おっさん」が多かったに違いない。40~60歳ぐらいまでの肩を落としているおっさんの後ろ姿には、哀愁が漂っている。思い出すのは、やはりテレビ番組で、「ドリフターズの全員集合」や「電線音頭」ということになる。それは、その番組に彼女達が出演していたからである。電線音頭は、テレビ朝日の「見ごろ!食べごろ!笑いごろ!」と言う番組の中で伊東四朗さんが歌った曲であり、確かに、彼女達も上手に歌っていたが、決してキャンディーズの曲ではない。

 キャンディーズは当時から圧倒的な人気を誇っていたかと言えば、残念なことに、現在ほどではなかったと思う。レコード売り上げでは、数曲しかベスト10に入っていない。ただ、当時は現在のように、キャンディーズのファンである事を堂々と周囲に宣言できるほど、素直な社会情勢ではなかったと私は感じている。まだまだ、そういう意味で1970年代は「硬派な若者が席巻していた時代」と言ってよい。つまり、ファンでありたいと思う反面、公言するには一寸恥ずかしいという隠れファンが多かったのである。
 
 その隠れファンは、シングルレコードを購入すると言うより、そのビジュアルのファンだったのである、だから、テレビ番組でキャンディーズを眺めていたと言うのが大方のファン心理だった。石破 茂さんも、堂々とファン宣言をされているが、ファンの殆どはそんな気持ちなのだろう。今はそういう時代になっている。私も、当時は、現在のようにYou Tubeでキャンディーズの電線音頭を見られるとは思っていなかったので、保存の為Umatic(3/4インチ)カセットVTR(ベーターの前だよ)に番組を何回か密かに録画したことを記憶している。そのぐらい憧れでもあったのである。

 改めて冷静に考えても、やっぱりスーちゃんが亡くなったのは寂しい限りである。今日24日はお通夜なので、ファンとしては、You Tubeで 色々懐かしい番組を楽しんでみたい。「ご存知!悪がき一家の鬼かーちゃん」、に始まり、「CMメドレー」、「ヒット曲集」など、たっぷり楽しみながら冥福を祈りたい。そして、今日のPDFは、1976年ごろの「春一番」のシングルレコード(ドーナツ版)と同時期のレコードプレーヤPS-8750を用意した。オーディオファンから眺めた1976年と言ったところ。
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補足:カートリッジは同じデンオンのDLシリーズで、シェルの根元にあるブロックは、日本楽器製造のHA-2のプリプリアンプ部。当時、このHA-2を使用することによって、全てのレコードが見違えるほど豊かな音質になった。 

2011/04/23

桜えびの炊き込みご飯

 今日紹介するのは、「駿河湾産の新鮮な桜えびと季節の野菜を豊富に使った薄味料亭仕立ての炊き込みご飯の素」というものである。もう少し先の季節になると、5月頃からこの駿河湾の辺りでは、桜えびが天日干しになって周囲の風景を桜色に染める。新幹線で近くを通過すると、最初は、そんな風景に、ちょっぴり驚いたりしたこともある。しかし、「美味いもの好きの人」は、この季節は観光を兼ねて、小田急線で沼津あたりまで新鮮な桜えびを食べにくるらしい。良い悪いは別として、最近は暇な人がやたらとあちこち出没しているために、毎日仕事で忙しくしていて、たまにしか外出しない世間知らずのおっさんは、たまにそういう所へ出かけると戸惑うことも多いようだ。
 
 やっぱり世の中、バランスよく出来ていて、研究熱心な人は、インターネットのお店から美味しい桜えびを購入して楽しんでいる。一度は沼津まで出かけたが、やっぱり人が多くて疲れるからパソコンに向かってショッピングをした方がよいということのようだ。ただ、現地へ行けば行ったで新しい発見もあったりするし、その場で揚げたてをいただくというのも悪くはない。我々の世代のマザコンオヤジは、かつて幼いころ「外出時の買い食いは御法度」であった。何か食べてきた気配を感じさせると、母から、「あんたぁ~、何を食べてきたんね」と無理やり口を開けさせられた事を思い出すからである。その分、今となっては、外出時の買い食いは、自由自在である。もっとも、叱ってくれる人もいないのだが。そんなこともあって、買い食い自体はストレス解消の1つになっているのである。

 さて、本題の「桜えびの炊き込みご飯」なのだが、これから春先にかけてカルシウム不足を補うのに丁度よい。えび自体は、大振りな物から小さなものまで、何よりも臭いが強いので、桜えびといえども大量に使うと嫌味になるかもしれないが、好みと適量で加えれば美味そうな感じになると思う。そこで、その量の調整に使うのに重宝するのが、乾燥えびということになる。つまり、炊き込みご飯に使用する具材の桜えびが足りないと感じる人は、乾燥えびを加えるなどして調整するとよい。

 そうやって、作ったのがPDFの炊き込みご飯である。乾燥えびには、もちろん駿河湾で採れた桜えびの乾燥物で1g50円を8g使用(2合)した。他方で、臭いの強いえびに対抗するために、これまた味の濃いアサリの味噌汁と組み合わせてみた。組合せとしては、少々くどい感じではあるが、好きなお新香と併せていただくと結構な感じになる。お昼に小安く、春を感じるにはぴったりかもしれない。
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2011/04/19

支援を戴いた国々へ

  福島第1原発から放射性物質が大気中や海へ放出したことについて、隣国の韓国では、「日本に損害賠償を請求すべきだ」との声が上がっているという、併せて、北朝鮮の国営メディアからは、「制裁」という表現もなされているらしい。損害賠償は、あくまで「直接的な被害の確認」がなされないければ法的処置をとることはできないが、一方の、北朝鮮の「制裁」と言う言葉は、意味深んで、こちらの文言の方が日本政府にとって手痛い話である。それは、恐らく放射能汚染水の放出に関して、事前通報がなかったことを批判していると思えるし、やはりその行為そのものが「責任を問われる事実」だからだ。

  確かに、誰でも隣の火事は怖いのが本音である。そのこと自体を責めることは出来ない。そういう意味で、隣国には、これからもまだ大変な迷惑をかけるかもしれないので、政府には配慮ある情報発信を望みたい。一方で、放射能の影響が届かない、遠くの国々からは、たくさんの支援を戴いているようだ。全世界の反応は日本との距離や経済的な結びつきによって大きな違いが出ているようである。これも、過去の日本の支援に応えるものから、経済的思惑まで様々だとは思うが、あまり「うがった見方」をぜず、素直に感謝したい。

  その最近の例を紹介すると、クウェートは、18日東日本大震災の犠牲者に哀悼の意を表すとともに、日本との連帯を示すため、原油500万バレル(420億円相当)の無償提供をすると発表した。とてもありがたい話と言えよう。ちなみに、それは日本国内の石油関連消費量のほぼ1日分と言われている。また、ロシアは、日本に追加供給する液化天然ガス(LNG)の第1船(65,000トンを積み)約1週間かけて18日東京湾に到着した。震災翌日の3月12日にプーチン首相が、LNGや石油などの供給増を直接指示していたと言われている。手配に当たったロシア国営企業ガスプロムは、「日本が困難を迎えている今、私たちは求められれば、さらに支援を行う」とするメッセージを寄せたらしい。
 
 本来ならば、このように支援を戴いた国はもとより、勿論そうでない国、あるいは隣国に、どうやって、その気持ちや不安に報いるかと言えば、今は「災害を受けた地域の現在の状況を、いち早くお知らせする」ことでしかない。特に原子力発電所の現在の状況を、国内、国外の境界なく、数時間おきにでも国際メディアを通して、全世界に「正確な情報」を発信する使命があったはずである。それこそが「日本の礼儀」ではないだろうか。その意味で、現在の日本政府は国際社会の一員としての役割を十分に果たしていないし、各国の支援の気持ちに応えているとはいえない。

 誰が何と言おうと、日本は唯一の原子爆弾の被爆国であり、放射線の怖さを知り尽くしている筈である。だからこそ、注目もされているのである。被爆国という自覚の上で原子力発電を推進したのではなかったのか。情けないが、日本の原子力行政のいい加減さが露呈してしまっている現在、世界に向けて、我々が選んだ政府は、今回の放射線被害を「他人事として捉えているようで」申し訳ないと謝るしかないのか?そして支援を戴いた、「ありがたい国々」へはどうやって報いればよいのだろうか。その国々の一覧が外務省のホームページにあったので紹介しておきたい。支援内容も書かれている。ただ、必ずしも裕福な国ばかりではない、頭が下がる思いである。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/saigai/pdfs/bussisien.pdf

補足:うがった見方→その事に関してさまざまに臆測して、異なる意味があるように受け取ること。色々とせんさくして、たくみに言い当てたり、真相を解明しようとする視点。

2011/04/17

飲むダイズの最新作は凄かった

 何と言っても、この外形から来るイメージは、宇宙人= リトルホワイトと呼びたいくらいである。異様な雰囲気を放ち、触る者を興奮させる。恐る恐る手に取ってみても、こんなに凝った外装を纏った飲料は初めてである。どこか怪しいな、と思いながら裏を覗くと、あの大塚グループの本家本元の「大塚製薬」の製品であることがわかる。うーむ、ひとまず安心である。何はともあれ、この瓶の形状は素晴らしいデザインであり、つい中身を分解してみたくなる。カッターで包装カバーを裁断し取り除いてみると、包装カバーの内側は光を遮断するダークグレー色であった、おまけに中身の瓶も直射日光を避ける茶色である。そこまで品質に拘る品物かと期待をさせる。

 一口、口に含むと、強い炭酸が口いっぱいに広がり、超刺激的で悪くない。次に、渋くて低い声で「ううー、これは飲んだ事の無い味だー」と唸りたくなるのである。さっぱりした切れ味の中にコクがあり、そのコクが大豆製品としての実体感を強調するが、それもつかのま、あれ、もう終わり?と瓶を覗く感じで、すぐに飲み干してしまった。香料の使い方が絶妙で美味しい。こんな薫り生まれて初めてで、飲んだ後の爽やかさは抜群といえよう。とにもかくにも、1度は試飲してもらいたいと思う独特の清涼感がある。それでも、大豆まるごと飲料なんだそうである。うーむ、そ、そ、そうか。

 確かに、「ミルクのように優しいダイズ」も冬期ならば良いが、これから暑くなると、一寸飲みにくいな、と思っていた矢先の発売であった。商品名は、SOYSHで「大塚独自の新製法で大豆から大豆の栄養素を余すところ無く、封じ込めた商品」と書かれている。コンビニなどに、あれだけたくさんの清涼飲料が並んでいながら、それでも、まだ、こんなに鮮烈な清涼感を出せる、しかもダイズで?そんな手品のような商品が何故用意できるのかと感心させられるほどのインパクトであった。まさに他を圧倒する素晴らしさは、絶賛に値する。

 さて、このブログでは、いつも、この大塚グループへは厳しい態度で臨んできた。「スゴイダイズ」などは思いっきり厳しいことも書いているし、「ミルクのような優しいダイズ」には、底なしに嫌味タラタラな部分もある。ただ、今まで紹介した中で、こよなく愛せる商品として、1つだけ「大塚チルドの贅酪シリーズのヨーグルト」があったわけだが、売れないからか大塚チルドから離れてしまった。私にとってとても残念なことだった。そして、今回、このSOYSH の外観を眺めて、「触って、飲んで、感じて、唸る」、やはり、10年先、20年先を見越して、本気で勝負する商品を創造した、素晴らしい企画だと思える。その商品化までスタッフ一同、毎日エキサイティングな時間を過ごしてきたに違いないし、その成果に拍手を贈りたい。
ではこちら
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補足1:文句なし、飲んで驚く。 
補足2:贅酪シリーズは大塚チルドでは販売し切れなかった。元のブランドで販売は継続されている。

2011/04/14

ウォークマンで蘇るわが青春

 通勤電車の中は、携帯電話というか携帯端末を触るマスクをした人達でいっぱいになっていた。これが現代の通勤人の姿なのである。端末表面を指で右へ擦ったり、左へ擦ったりと忙しい。一方で音楽で耳を塞ぐ人も居たりと様々だが、一体どうしてこのような風景になったのだろうか、何々しながら何かをすることに、現代人のストレス解消法があるのか、あるいは、あらかじめ想定されるウイルスや花粉から自分を防御する為に、いつも高速で神経を張り巡らせアイドリングしているのだろうか。ちなみに高尾発の9000系には、どうも高尾山の杉の花粉が多量に舞い込んできているようである。マスクの形状は人それぞれだが、情報端末は種類が少ない。みんな同じ物を持って、同じ操作をし、多少異なるコンテンツを見ながら、退屈な車内を楽しい場所にしていると言う感じなのだろう。

 そんな流行に付いて行くのに息切れを感じる今日この頃で、自分は時代に逆行して若かりし日の機材を動かして、昔の流行歌を聴いている。ま、時々胸のポケットから巨大ともいえるウォークマンを取り出すし、カセットテープを交換している様子を周囲の若者が見ると、そ、そ、それは一体何という装置なんだろうか、と言わんばかりに見入ってくる。ただ、ウォークマン自体は、まだ継続して販売中なのだが、ブームが去ってしまった途端に、人々から忘れ去られるのがこのようなアクセサリーに近い商品の宿命なのであろう。土、日曜日にイヤホンで競馬中継を聞くのはブームではないので、いつまでも無くならない。

 さて、そんな音楽再生に拘るのは、成熟した大人らしくないと言われるかもしれないが、ウォークマンからMDプレーヤ、携帯電話になってSO-502iWMとか、SO-903iTVへ変えてきたが、どうもデジタルになれば、あるいは圧縮率が上がれば上がるほど中低音の厚みが不足して、つまらない音になったと思うことが多く、今、再びウォークマンと、それこそ25年位前に記録したテープを取り出して通勤電車を懐かしい場所にしている。ドルビーNR とか、メタルテープとか、色々あった。ミュージックテープも懐かしい物が残っている。聴き終わる頃には爽快感が漂い、当時の気分を思い出して電車を降りる事が出来る。知らず知らずのうちに足取りも軽く、ファイトが沸いて来て、何ともいえないが、若返った気分に酔いしれるのである。

 だいたい、そうやって、昔がよかったと言うような気分になるのは、体力が徐々になくなっている状況なのかもしれないが、それでも昔の物をメンテナンスして、再び使うことに喜びを感じたいのである。今日のPDFは、最近蔵から引っ張り出してきたウォークマンと周辺機器を紹介する。このモデルのWALKMANのロゴは、全世界の多くのユーザーから親しまれてきたものである。このシステムは本体は鞄に忍ばせ、丸いリモコンをベルトに挟み、左右で繋がった特殊なイヤホンへ鞄の中の本体からFM電波で音楽を送信する。いわゆるワイヤーレス・ウォークマンである。
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競馬は興行なのだ

 オッズは、競走馬の人気を表すバロメーターではあるが、ファンがそれぞれに独自の方法で馬の能力を割り出した結果でもある。勝馬を的中させて利益を得る行為は、一般の人達にとってみると賭博のように見えるかもしれないが、実は巧妙に計画された「興行」に潜むイベントなのである。ただ、全てのレースが興行とは言い切れない、そこを見抜くのが難しいのである。この興行の概念の1つには、芸術的ともいえる磨かれた技が活かされている事が多い。これは、モンキー乗りと呼ばれる、お尻を鞍から高く上げる乗り方に見る事が出来る。ファンは、この姿を眺めてレース自体が命がけの勝負のように感じるわけである。これは、演出の1つである。
 
 コースは様々な様相を呈し、得意、不得意のない能力が要求されるよう設計されている。競争結果から眺めてみると、例えば、「東京競馬の2000mの8枠は距離的にも不利なはず」とかよく言われるが、確かに過去のデーターではその傾向は若干あるものの、絶対的な統計結果にはなりえていない。このようなことは、中山、京都、阪神、名古屋、新潟、函館、小倉等でも同じ事が言える。一方で、興行主である農林水産省は、時々馬に対する能力評価の精度の高さをファンに見せ付ける事がある。これが、いわゆるハンデ戦である。能力の異なる馬に、それぞれ異なる負荷を掛けて走らせるのである。能力の高い馬には重い錘をのせ、能力の無い馬には錘をのせない、この結果、ゴールでは各馬が横一直線に並び、鼻差、首差でゴールするのである。この神業も演出である。

 それなのに、競馬に夢をかける人達は跡を絶たない。かく言う、私もはまった事がある。それもこれも引きづりこまれるきっかけがあった。それが今日紹介する30年昔の思い出の1つである。ある日、編集局長から「客が2名来るから、相手をしてやってくれ」と言われた。ええっつ、私っすか?と問いただすと、局長は「自分が聞いても分からないから」とはぐらかされた。編集局長は、ソニーの大賀さんや森園さんとも懇意にしているぐらいだったので、きっと難しい事を言う人が来るに違いないと考えていたのだが、想定に反して、いたって楽しそうでリッチそうなおっさん2名であった。

 2人は、終始笑みを浮かべながら、意外にも馬の性質、コースの妙味、レースの展開まで、様々にレクチャーしてくれた。結局要望は、自分達の30年のノウハウをポケットコンピュータのプログラムにして欲しいということだった。今から思えば、簡単なプログラムなのだが、当時は結構辛かった。会社から帰って夜時間のある時に考えて、HP-85で約1ヶ月ほどかかった記憶がある。そのプログラムを検証する為に、競馬四季報の東京と中山競馬のみ3年分試したが、これには3ヶ月掛かかっている。結果は、結構いい勝率を叩き出したが、収支としては118%程度でしかなかった。そのプログラムを移植したのが、今日紹介するポケットコンピュータHP-71Bである。プログラムが出来上がって、残念そうに説明すると、それでも2人は、十分思惑があったようで「賭け方と買い方に妙味」があると訳の分からない話をしながら喜んでいた。私には、移植に使ったこのHP-71B 2式と関連アクセサリー全てを残してくれた。ROM、HP-IL/HP-IB IF、テープドライブなど占めて70万円程度だったと思う。
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補足1:今回は前編で、この話には続きがある。

補足2:当時の国産のポケットコンピュータには、ユーザー側で定義できる函数式は設定できなかったが、この科学技術計算を得意とするHP-71Bは可能だった。
 この函数式とは、そのレースの競争馬の数を入れると、任意の馬が何枠に入っているかを計算し、暫定の結果から同じ枠組の結果を省き次を提示する。
つまり、22頭建の8番目の馬は3枠にいるが、16頭建の9番目の馬は5枠にいる。これを函数として扱う。これが出来ないと連勝複式の買目が出ない。

2011/04/06

オーディオマニア14

  前回の「オーディオマニア」は、自分のテープ歴をつらつらと書いてしまった。まあ、要約すると、自称「隠れテープ党員」であったわけだが、その公表の結果、このブログの読者にも、かつてのテープ党員が多数いることが分かってきた。まさに「仲間あってのブログ」といった感じで勇気づけられた心地である。ただ、テープ党員は一般的に高齢者が多いことが分かっており、人生の残された時間の中で、閉塞的にオーディオライフを楽しんでいるのでははないだろうかと、やや心配である。確かに、いまさら2TR38の生録の世界を楽しむには機材が古すぎるだろうし、今時、背負子(しょいこ)にテープ・デッキを担いでいる人を見かけることもない。今の若者たちは、もっとスマートにデジタル録音をこなしているに違いない。

 誰しも感じていることは同じで、30年前から生き永らえたテープ・デッキの音の調子も今1つ良くないし、テープを走らせればテープの磁性粉がヘッドやピンチローラ、ガイドなどに付着し、演奏後はテープ走行系の掃除もしなければならない。一方のテープ自体は、綺麗に巻き取って保存しなければならない。テープ・デッキのロジックコントロールなどは、いつ故障するか気が気でない。そうやって色々なことを考えれば考えるほど、今となっては面倒な機械でもある。だからこそ、いつまでも手入れをして使いたいと言う人も多い。そういうところが、他のオーディオ機器と一線を画す、ちぐはぐな性質だと思える。そして、さらにメカニズムとエレクトロニクスが一体化して機能し、キャプスタンにピンチローラが圧着してテープを引っ張り、後部にあるテンションアームで随時バックテンションを調整するという、自ら微妙な状態を調整しながら安定走行させるところが、自分の人生制御にも似た頼もしさを実感させるのではないだろうか。

 現在では、既に使用できるテープは販売されていない。テープ党員としては、残念ながら手持ちのテープを何度も繰り返して使うことになる。他方で、本来のテープ党員の中には、ミュージック・テープを再生するだけの為にテープ・デッキを保守してきたという人もいる。ミュージック・テープは、2TR38、4TR19の2種類が販売されてきた。2TR38は当時、大変高価(15,000円前後)なメディアであったが、どれも貴重な録音だったので、当時は奮発して買った。今も何本か残っている。4TR19はレコードより少し高価な程度であった。前回は、CBSソニーの歌謡曲のテープを紹介したが、今回は、1968年ごろ発売されたムードミュージックのレーモン・ルフェーヴルとポール・モーリアのテープを紹介したい。

 ポール・モーリアの方は、PHILIPS の制作で日本フォノグラムの販売。曲目は、1.恋はみずいろ、2.悲しき天使、3.この胸のときめきを、4.愛のおそれ、5.夜のメロディー、6.蒼いノクターン、7.サバの女王、8.男と女、9.ポールシカ・ポーレ、10.パリのあやつり人形、11.恋のアランフェス、12.ラスト・ワルツの12曲入り。一方のレーモン・ルフェーヴルはセブンシーズの制作でキングレコードの販売。曲目は、1.ラストワルツ、2.花のサンフランシスコ、3.男と女、4.リリースミー、5.グルーヴィン、6.ボエーム、7.青い影、8.イエスタデイ、9.バラ色の心、10.この胸のときめきを、11.リトル・マン、12.インシャラーの12曲入り。ほぼ同時期に発売されたもので、比較のために購入した。いずれも2,800円と割安。このようなムードミュージックはレコードで十分なので、テープを購入するのは、やや不経済であった。

 今、埃をかぶったケースから取り出して音を聴いても「ほぼ良好」で、テープとCDを比較して聴いてみると、テープの方が肉付きがよく、音に芯がありパワフルな感じを受ける。CDは高域がよく伸びて繊細な感じで、低音も良く引き締まっている。ま、そんな違いがあるくらいだが、再生までの手間を考えると、断然CDの方が操作は簡単である。それでも、まだ、テープ党員としては、テープに愛着がある。そんな人はPDFを見ながら、「うーむ」と、ちょっとだけ昔を懐かしんでほしい。ヘッドホンも1968年ごろのソニー製。
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補足1:2TR38、2トラサンパチと読む。約6mm幅のテープを2トラック幅で使い、秒間38cm移動して記録する。4TR19、4トラジュウキュウと読む。同じテープを4トラック幅で使い、秒間19cm移動して記録する。同じテープだと、トラックの数が少ない方がダイナミックレンジが広い。また、秒間のテープ移動距離が長いほど高域のロスが少ない。つまり、どちらかと言えば、2TR38の方がHi-Fiと言える。

補足2:ミュージックテープ関係の写真は、ディスカバリー2 (ブログ内検索にて移動早)にもある。当時のブログは、まったくと言ってよいほど通常と同じ反応しかなかったが、興味のあるテープ党員は覗いてみてほしい。その時のテープデッキはTC-9000F2。今日のテープデッキは、TC-R7-2である。

2011/04/03

世界的に波紋が広がる

 東日本大震災が発生して22日が経過した。今、最も問題視されているのが東京電力 福島第一原子力発電所の今後の成り行きである。だいたい、原発を民間会社にすべて任せること自体に問題があったとか、何か事故でも起こった時に、人の手で扱えないものを利用してはならないとか、一般からもささやかれ、それを証明するがごとく、次々と新たな難題を引きずりながら崩壊に向かってきた。そして、「IAEAの勧告」を無視し、世界から信用を失うことを平気でするような政府にも呆れるばかりである。それよりも何よりも、世界に「日本の原発は=危険な発電地域」との認識を植え付けてしまった。世界的にも今後の原発計画に「まった!」が迫られることになりそうだ。

 日本の電力供給は約3割が原子力発電である。今年の1月末現在の集計では、日本の民間原発数は54基(米、仏に次ぎ世界3位)で、さらに建設中・着工準備中の原発が合計14基ある。建設中は、1.東電 東通原発(青森県)1基=17年3月稼働予定、2.J-POWER 大間 原発(青森県)1基=14年11月稼働予定、3.中国電力 島根原発(島根県)1基=11年12月稼働予定。着工準備中の原発としては、1.東電 福島第一原発(福島県)2基=13年10月、14年10月稼働予定、2.東電 東通原発(青森県)1基=20年度以降に稼働予定、3.東北電力 東通原発1基=21年度以降に稼働予定、4.東北電力 小高原発(福島県)1基=20年度稼働予定、5.中部電力 浜岡原発(静岡県)1基=18年以降に稼働予定、6.日本原子力発電 敦賀発電所(福井県)2基=17年7月、18年7月稼働予定、7.中国電力 上関原発(山口県)2基=18年3月、22年度稼働予定、8.九州電力  川内原発(鹿児島県)1基=19年度稼働予定となっている。うーむ、本気でこんなに稼働させる計画だったのか・・・。

 もう、これらの計画がそのまま推進される可能性はない。すでに浜岡原発の原子炉建設延期や、中国電力も上関原発での工事を中断している。その他の電力各社にしても、地域住民の理解が得られないことから、計画を断念せざるおえないケースが出てきている。特に東電による新規の原発建設などは未来永劫絶対にありえない。これらにおける原発の延期、中止の電力規模は大きく、建設・計画中原発の合計出力は約2000万KWである。すでに稼働中の原発出力が4900万KWに対し、電力不足による今後の設備計画は大幅な見直しを迫られることになる。この流れは今、全世界に急速に広まっているようだ。

 しかし、環境や高騰する資源価格を考えると、簡単に石炭・石油などによる火力発電や太陽光、風力、海流などの発電に転換できるかと言われればノーである。これが、人々の意見を二分している要素でもあるといえる。確かに、現在の我々の生活だけを考えれば、今後は、壊れない原発があったとすれば50%賛成、壊れるかもしれない原発に50%反対なのである。つまりみんな同じ意見なのである。壊れてもよい原発に50%賛成しているわけではない。そこを統計値として大きな誤解をしてはならない。そして、やはり数十年後の未来の人たちの立場で原発というものを考えて、早い時期に我々自らの責任で方向性を示す必要があると思う。

 私は、昔からこの原子力に関する研究者のレベルは高いものになりえないと考えている。本当に優秀な人は、この、目に見えない危険な分野を扱わないはずである。仮に扱ったとしても、実験室レベルで高速なコンピュータがあれば十分研究はできる。つまり、研究者にとっても巨大な原子力発電装置は興味ないのである。興味あるのは電力会社だけである。したがって、理屈の中で、あくまで理屈を通して、見よう見真似で構築・運用してきたのが日本の原子力発電の歴史ということになる。優れていた点を挙げるとすれば、機械加工精度が高いといったことぐらいである。いったん事故が起きると、研究者が集められるが、その時、彼らにとって実験レベルを超えた手に負えない巨大な物体を目にするだけである。

 今後、原子力発電所を優れた施設に仕上げて行くためには、理屈上多くの事故に遭遇し、難題を解決してゆく実績が必要になるが、人類はその長い時間に恐らく我慢できなくなるに違いない。それだけは明白である。