2012/01/31

薄氷

      とても貴重と思えるような、「越中の銘菓」を頂戴した。何もそんなに興奮することもないのだが、少し震えながら薄皮一枚残るように丹念に包装を切り開いた。それは、極めてデリケートに作られた品物だからである。そして、そこには、ありがたい「小島政ニ郎の一節」が織り込んであった。よく使われる対比型強調表現だが、そこがまた美しいので、そのまま引用させてもらう。
 
 「越中の銘菓も相当あるが、石動の「薄氷」とゆふのは実によくできている。あれはたしかに一流の銘菓ですよ。よくあんな辺ピなところに、あのようなしゃれた菓子があるんでしょうね。また、あの切り方がいい。まったく冬のあしたふと目を落とした足もとのうす氷が割れた自然のかっこうである。味にしてもすばらしいもので、ちょっとよその菓子ではあじわえない高価なものです。・・・・作家小島政ニ郎 氏談より

 さて、このような和三盆を使った菓子は、宮内庁御用達とか、絵画や文芸と言った集まりの席で珍重されるもので、その感性を刺激する高貴な甘味が魅力である。よく田舎者に話すと落雁などと混同されることもあるが、全く別物である。この甘味のとりこになってしまうと、それ以外の何物を持ってしても、つまらない甘味に感じてしまうと言われているのである。長い人生の間に、一度は食べておきたい菓子と言ったところであろう。確かに、現代は甘いもので溢れている。しかし、長い歴史の中で、今もなお愛され続けている事実を自分も感じてみたいと思うわけである。

  また、これほど面倒な工程を踏んで作られる品物が、なぜ富山県で伝統の高級煎餅として愛されてきたのであろうか。歴史的にも地域的に見ても「和三盆の産地は、高松、徳島」なのである。この、まるで松本清張の点と線にも似た謎めいた構図は、誰にでも難解に写るに違いない。しかし、薄氷の由来には、紛れもなく、「特選の材料で精製したうすい真煎餅に徳島特産の高級和三盆糖を家伝の秘法により塗布したもの」とある。

  実は、真煎餅は富山特産の新大正米を使用して精製した薄い餅であること、和三盆糖の製糖の最終工程では寒水を使い、寒風にさらすため、上質の物を作るには寒冷地が適していること。それらに加えて、四国等の温かい地方の人達とは違い、寒くて凍えそうなのに、なお、根気に満ち溢れた仕事ぶりで定評のある人達が住む「あんな辺ぴなところ」であり、「冬のあしたふと目を落とした足もとのうす氷が割れた自然のかっこう」のある場所、それが富山だったのかもしれない。そうやって、徳島と富山が一つの直線で結ばれているのである。
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補足1:対比型強調表現→よくあんな「辺ピなところ」に、あのような「しゃれた」菓子の文節。辺ぴなところに対比するのは、「しゃれた」だけではなく、「切り方がいい」、「うす氷が割れた自然のかっこう」、「味にしてもすばらしい」、「よその菓子ではあじわえない高価」、と多くを褒め言葉で占めている。褒め言葉をより強調するために、最初に1か所反対の「あまりよくないとされること」を書くことがある。それが「辺ぴなところ」である。辺ぴなとは=奥地とか、僻地と言う意味で、このような品物を作るには適した地域なのかもしれないが、「よくないこと」として取り上げて、文節に組み込んでいる。
補足2:それにしても、最大の山場でこの「冬のあしたふと目を落とした足もとのうす氷が割れた自然のかっこうである」という表現にはしびれる。ういー!まいった。

2012/01/27

野菜の戦士

     味噌や醤油は、大豆の発酵食品である。発酵には、乳酸菌の力が使われている。これらの乳酸菌は、乳酸といっても乳製品に使われている乳酸菌とは違い、「植物性の乳酸菌」である。大塚チルド食品㈱は、野菜を美味しく発酵させる乳酸菌Pペントサセウスを発見し、それを応用して「野菜の戦士」と言う商品を作り上げた。その乳酸菌の株番号をIDS885と言うらしい。乳製品に使われている乳酸菌は、栄養価の高い状態でないと生息できないが、植物性乳酸菌は過酷な環境でも生き残り、胃酸にも強く、生きたまま腸に届くらしい。実験データーでは、「野菜の戦士」を4週間継続して摂取することで、腸内ビフィズス菌が2倍以上に増えたと言う報告もあるようだ。

  大塚チルド食品㈱は、この植物性乳酸菌を使って、赤野菜、黄野菜、緑野菜の3種類の「野菜の戦士(乳酸発酵野菜飲料)」をラインナップしている。全て原材料は、植物性乳酸菌と野菜である。その商品化に当たり、緑黄色野菜120gを含む野菜175g分を使い、乳酸菌は500億個が採れるように仕上げてある。赤野菜のタイプは42Kcalでトマトベースの馴染んだ味、黄野菜は49Kcal の優しいかぼちゃの甘味が際立つ、いずれも香料、砂糖、着色料不使用らしいが、大変美味しく感じる。久々によい商品で、よしよしと言った感じである。

 大塚グループの商品は、品質を重視する時は、必ずガラス瓶に入れて商品化している。今日の「野菜の戦士」もガラスの瓶入りで、これは、乳酸菌はもとより、野菜に含まれるβカロテン、αカロテン、リコピンなど、その他のカロティノイドを大切に扱っている証といえそうだ。さらに賞味期限を製造日より36日、要冷蔵10℃以下として万全を期している。植物性乳酸菌はなかなか認知度は上がらないが、むしろ日本の伝統的な乳酸菌であるとすると、日本人には比較的適性の高い乳酸菌かもしれない。

 内容量は100gで価格は150円となっており、それだけだと高価な飲み物と言った感じだが、ヤクルト400よりも100億個乳酸菌が多いとか、腸まで届く「植物性乳酸菌」であるとか、野菜の栄養分を大量に含んでいるとか、成分を考えたり、朝すっきりする効能を考慮すると、今流行りの「量より質を問いかける商品」と言えそうだ。このような商品は、今日飲んで、すぐ翌日効果が現れるというよりも、むしろ1週間後、1ヶ月後にじわっと効果を体感することが多い。摂取する動機としては、やはり、中味の理解を深めて、レベルの高い商品であることを認識することが重要だと思われる。それによって、他に与える効果と言うか、食べる物に注意を払うようになったり、洗練された食べ物への移行などを実行するようになる。それもまた良い効果である。

 大塚グループの商品は、体に優しく美味しい商品も多い。しかし、体には優しくても、喉を通りにくい商品もあって、時折怒ってしまうこともあるが、いつも、それなりにイノベーションを感じさせてくれる。そういうところが、大塚グループの最大の魅力なのである。
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2012/01/24

野菜ごろごろ祭り

    今日のこのタイトルは、商品の名前である。寒い日々が続いている折、決してお祭り騒ぎの紹介ではないが、変ったネーミングで、それほど「この商品に着目して欲しい」という気持ちの表れだと思われる。あの5000億個の乳酸菌(EC-12)を体内に取り込むことが出来る「ダイエタリーファイバー」を販売しているエム・フーズ㈱が発売した「野菜スープ」のことである。先週は、「野菜生活」と、ここのところ野菜のテーマが続き、さらに次回は「野菜戦士」を用意している。野菜尽くしの構成で、今月は、草食系にもってこいの内容になっている。

  この「祭り」シリーズには、他にも「とまと ことこと祭り」、「まめ ころころ祭り」と言うネーミングの商品も用意されているが、我々は、それなりにいつも野菜不足という不安を抱えているので、このような商品は、食べやすく保存が効くということもあって、忙しい現代人には的を得た商品企画といえる。3種類の中でも、馴染みやすく飽きがこず、人気になりそうなのは今日の「野菜ごろごろ祭り」と思える。1袋に19種類の野菜を350g以上(緑黄色野菜120g以上)使用。食塩や砂糖などの調味料も、香料、保存料、着色料も一切使用せず、野菜の甘みと旨みだけの濃縮スープになっている。

  野菜に「ごろごろ」という言葉が付け加えられている通り、溶けずに残った野菜がレトルトパウチの中にごろごろ入っている。脂質が殆どないので、そのままの常温でも食べられるし、温めても、夏場は冷やしてもいただけそうだ。それも利用価値が高い。加糖されているわけでもないのに、甘さを強く感じるのは、原材料の野菜に、かぼちゃ、じゃがいも、玉ねぎが使われている為で、自然な甘味と言えそうだ。また、この野菜スープに何かを加えて、別の料理に発展させる事も出来る。カレー粉を加えて、お肉を炙って入れカレーソースとして使うとか、パスタのソースに加えてみるとか、かって手間と時間がかかった料理の下地としても利用できる。

 トーストにブルサン・チーズをぬり、紅茶にミルクを入れウインナーをボイルする、そんな朝食にこのスープが加わることで、食卓の風景が少しだけゆったりとした流れに変る。寝起きに、温かいスープをすすり、野菜をほおばり、溶けそうになった固形を味わうことで、ゆっくりと目が覚め、じわっと元気が漲ってくるかもしれないのである。
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2012/01/21

オーディオマニア23

   スピーカは、オーディオの中でも最も趣味性が反映される装置である。楽器用とか舎内放送用等の特殊な用途を除いても、まれに劇場用の大型スピーカを家庭へ持ち込んでいる人もいるくらいで、それこそ趣味だから様々に楽しめるのである。映画鑑賞が主体ならば、厚みのある中低域と締りの良い重低音が再生できるシネマ用が欲しいかもしれないし、歌劇を中心に聞くのならアルティックのボイスオブシアターも悪くない。ライブに近いジャズを楽しみたいなら、音が前に飛び出してくるような、JBLのオリンパスやハークネス等が良い。スタジオモニターならウエストレイクか4343か、また、クラシックならタノイのオートグラフのように部屋のコーナーに置いて雄大に響かせたいと、思うに違いない。そういう装置には、使ったことのある人にしか分からない魅力があるらしい。今でもそんな残党が想いを巡らし、音量を下げて聴き入っているのである。

  また、自作派という人達もいて、キャビネットの設計からウーファのエッジの張り替えまで、自分の手で行うという人も少なくない。再生する音を聞きながら、普通は手探りで、ダクトの調整やネットワークの定数を決めたりするので、かなりマニアックではあるが、遠回りしながらも電気音響や電気回路の勉強を余儀なくされる。これがまた次から次へと展開する楽しみになって、学生時代を振り返ったり、あるいは新たな情報収集を行う必要もあった。かつて、携帯電話やインターネットがなかった頃、土日などは秋葉原に出没するマニアが多かったのも、そのような理由からである。また、家を新築したり、改築するのを契機に、部屋をぶち抜くような巨大な低音ホーンを設置したりするケースも自作派の特権である。現在の自作派は、舶来で著名な中古ユニットを買い求めたりする、ある程度高級志向に限られているようだが、その分、自分の音的な好みを大切にしている。

 おおよそ、スピーカーシステムは、帯域別に口径の異なる2~3ユニットで構成されていて、口径が小さく硬くて軽い振動板ほど高い周波数まで再生できる事になっている。一番高い周波数を担当するのが2~3cm程度の口径のユニット、人の声あたりは実口径で5~10cm程度、また、低音を出すには30cm以上の大口径ユニットが必要になる。一時期には、それらを各社個別に単体ユニットとして販売していた時期もあった。それを自分の好みで、メーカーを問わず自由に組み合わせて、システムを構成するという楽しみ方もあった。それには、帯域別にユニットの音を聞き分けたり(実際はできない)、ラジオ技術、無線と実験などの雑誌が発表したJIS箱装着時の無響室特性を参考にして、自分の志向でシステムを構成するというもので、今となっては、これにも限界とか無理な領域があるけれど、楽しむという点では、結構広い範囲で対象を把握できるという面白さもある。また、自分なりに「良いものを取り揃えるというコレクター的醍醐味もある」と言えそうだ。

 ただ、いくら趣味でも、常に理想的な姿を追求できるとは限らず、何らかの制限を受けて現実に近づけざる負えないという工夫も必要になる。それがある時は、ユニットの入手容易性であったり、コストであったり、物理的大きさであったりする。私もそんな、一人であったわけだが、今日のテーマのきっかけは、1枚の古びた写真で、そこには、30年ぐらい前のオーディオ装置が亡霊のように写り込んでしまったのである。この写真は、たまたま翌日の取材の為にカメラにフイルムを装填し、ストロボを試し打ちした時のものだと思われるが、それにしても当時は、今と違いASWなんかない時代だったし、なんとか超低音を出そうとして苦労していたので、まず、そこをきっかけに話を振り返ってみたい。今日のPDFは別冊MOVEment誌風にまとめてみた。
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補足1:「口径が小さく硬くて軽い振動板ほど高い周波数まで再生できる」 口径が小さくは=音響エネルギーとしての拡散性を重視すると、口径を小さくせざる負えないが、エネルギー変換能力が下がる。
補足2:「低音を出すには30cm以上の大口径ユニットが必要になる」=大口径が有利なことは事実だが、低音再生が、スピーカの空気排除量で決まるとするならば、振動板の振幅が取れさえすれば、比較的小音量に限るが、小口径でも優れた低音が得られる。
補足3:パッシブラジエータ方式で著名なのは、JBLのランサー・シリーズだが、それには、同じウーファユニットを使い、磁気回路を外した振動板のみが使われた。それは、かなり小型のブックシェルフタイプのスピーカでも、量感のある低音再生を可能にしていた。バスレフ方式よりも低音の実体感があり、音像を把握しやすい傾向にある。
補足4:今日の様な話を出稿しても、面白くはないとは思うが、せっかく思い出したことを、将来訪れるであろう大脳の障害などによって、忘却してしまう前に書き残しておきたいと考えたからである。

2012/01/17

ブルサンとマスカルポーネ

   未紹介、 紹介済、を問わず冷蔵庫の中はいくつもの種類のチーズがひしめき合っている。B型の乳製品好きは、つい次から次へと手が伸びて終わりがない。そして再び、新たな商品が入荷してきてしまう。なのに、ここのところ、最新のブルサンにはまり続けているのである。といっても、トーストやクラッカーにぬって食べているだけなのだが、しばらく続けても飽きが来ない。ガーリックとハーブのフレーバーが香り高く、文句なく美味しい。その独特でさわやかな味わいは、そのままでも、ぬりやすく、なめらか。また、フタ付きの容器は小型で手になじみ、冷蔵庫の出し入れも軽快で、忙しい朝食などは、ついこのブルサンを手にしてしまうのである。他にも紹介待ちの板状のチェダー等があるのに、それらを追い越して今日は、やっぱりブルサンを紹介したい。

  このブルサンは、以前は保存料を使用してなかったが、今回の入荷から保存料(ソルビン酸K)が加わった。かつては、開封後はせわしなかったが、これによって当面腐ることは無い筈である。というのも、余談になるが、私は若いころ食品会社で防腐剤を担当していたことがあって、様々な食品にこのソルビン酸Kを投入していた。その量は、保健所でチェックされていたが、少しでも、その含有量が多いと、工場は出荷停止はもとより、3日の製造停止が命じられる。もっとも食材との撹拌度合いやサンプリングによっても結果は大きく異なる。自慢するつもりはないが、私の責任で2回(3日)も製造停止にしてしまい、会社に損害を与えたことがある。
 
  一方で、そのソルビン酸Kの怖さも知っている。会社の芝生に生息していたカマキリをかごに入れて飼ったことがあるのだが、そのカマキリが飲んだ水の中に、僅かにソルビン酸Kが混入していたようで、数ヵ月後、気がつくと動かなくなっていたが、あたかも生きているかのように見間違えるほどであった。それだけではないが、そのような数多くの実験から、その防腐剤の効果を再認識し、責任の重さを実感したのである。いつしか、計測用の天秤を度々磨きあげるようにして使っていたことを思いだす。ブルサン側面のラベル表示を見ながら、そんなことを思い出してしまうのだが、それでも美味しい「ブルサンにはまっている」のである。

 そして、もう1つは、イタリアが原産だが、タカナシの北海道「マスカルポーネ」も一緒にフレームに写し込んである。こちらは、滑らかで豊かなコクが際立つクリームチーズで、ブルサンとは違いフレーバー等の香りは一切なく、様々な料理に合わせながら使用することで、味に深みや濃密な食感を演出する事が出来る。本場のマスカルポーネは、以前にテラミスに使われて話題を誘ったが、同梱のレシピには、オムレツやグラタン、あるいはホイル焼きなどにもお勧めと書いてある。勿論、それも悪くは無いが、ストレートに好きなジャムやマーマレードを加えてコクを出し、クラッカーやトーストにぬって食べるのもストレートでよい。また、パスタなどに使えばソースの風味が豊かになり、より一層上品に仕上がり美味しく感じる。
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2012/01/14

野菜生活

   採れたての、美味しい野菜を食べられる「自宅菜園で健康になる」と言う意味ではない。そんな手間を掛けずに、1日必要とされる繊維質を摂取できる「野菜ジュースの商品名」である。元々は、体の事を考えて、「飲みにくいけれども、体には凄く良い」という狙いで商品企画されたが、ただ、「体には凄く良い」けれど、飲みにくいというか「飲んでもらえなければ」商売は継続しないし、ある程度の市場規模を確保しなければ、自社で農園を拡張し、品質を万全にすることもできない。逆に、ただただ、一寸美味しく、誰にでも黙って飲んでもらえれば、市場は自然に広がるわけである。そのあたりの攻防が商品企画のポイントになっている。

 そこで、「飲みやすさとか、美味しさ」を徹底して追求し、馴染みやすく愛着の持てる商品にしたいと考えたわけである。1度でも、「野菜生活」が美味しいという印象が定着すれば、次は、その商品バリエーションの中で、自分に適した商品を見つけてもらえることになる。しかも、少しぐらい美味しくなくても、体に良いという印象が強く残っているので、どうせジュースを買うなら「野菜生活」だよね、と思ってもらうのが狙いになる。すぐには、そう上手く市場が動かないから試行錯誤があるわけで、幅広い商品群の中で、徐々に果汁を加えてみたりして飲みやすさを追求してきたわけである。

 そこで、その代表格の誰にでもお勧めできる 「野菜生活の、ずば抜けた美味しさを備えた筆頭商品」を紹介したい。季節限定のラ・フランスとデコポンをベースにした野菜・果実のミックス・ジュースである。つまらない能書きを幾つ並べても仕方ないので、一言「とにかく美味しい」。これなら、ジュース代わりに毎日2本づつぐらいは飲める。野菜50%、果汁50%のジュースなのだが、もう、喉越しは果物ジュースそのものといっても差支えは無い。スーパーなどで目にしたら、是非買い占めてもらいたい。勿論、後悔なしである。

 ただ、折角現物を写真に撮ってPDFにしてあるのに、いざスーパーに出向くと、商品の名称を忘れてしまったり、製造メーカー名を把握していなかったために、商品が分からなくなったとか、間違えて購入してしまうこともあるかもしれない。実はそのくらいこのジュース関連の売り場の面積は広いし、陳列されている商品の種類も多い、しかもパッケージ・デザインがよく似ているのである。そこで、強調したいこととして、中途半端な記憶では絶対に間違えてしまいそうなので、しっかり写真を眺めて覚えておいてほしい。カゴメのラ・フランスとデコポンと覚えて、季節限定の売切れ御免である。
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2012/01/08

長崎ノスドールのお菓子

    ちょうど1年前になるが、友人から故郷長崎のお土産に、幾つかのカステラをもらった。そのきっかけで、ブログで紹介したことがある。そんなことも、すっかり忘れていた矢先、今年も長崎のお土産が届けられた。意表を突かれて、こんなに嬉しかったことは無い。しかも、このお菓子の入手話を聞くと=すでに、彼が帰省した頃には、「お店はもう正月休みに入っとって、店の入口が閉まっとったばってん、声ば張り上げてみたら、奥から、おいが思うには、お菓子ば作っとる方のおばちゃんが出て来てくれて、親切に応対してもろうたとばい」と話してくれた。そんな話を耳にすると、そのお店の商品に対する興味も深まるし、見方も変わる。そして、その前に、カステラだけではない、もっとある「地元の美味しい菓子」を紹介したいという、彼の心意気が伝わってくるのである。今日は、その熱意を読者の皆さんにもお伝えしたいと思う。

 今度は、私の地元の方の言葉で=わっしもそうじゃったけんど、都会へ出た若いころは、盆や正月は故郷の町並みを眺めながら、都会に比べて発展がとろくしゃーの、としみじみ感じることが多かったんよね。特に近頃は、地元産業も衰退化しちょるけえ、商店街でも、年末の「威勢のええ声が響き渡る」ような活気はのうなったし、買い物をしょうる人等もまばらじゃけんのう。ほいで、「地元の美味しいもの」は、昔はそれが当たり前じゃったけえ、値打ちがよくわからんかったんよのう、今なら、その大切さが身に沁みてわかっちょるけえ、ほいじゃけえ田舎へ帰ることで、それが1つの刺激になって、チョッとしたことじゃけど、何かの熱意の行動に繋がっていくと思うんじゃ。そういう感じじゃと思うで。
 
 ・・・と勝手な背景を解説しながら、そのお土産の中味を拝見していこう。箱の中は、「長崎ノスドール」の商品と共に、他のお菓子も所狭しと寄り合っていた。どれから摘み出してよいかわからないが、開けてみると長旅をしてきた形跡が「オランダせんべい」のひびや割れとなって現れていた。それがまた、入手の難儀さを説明する実況中継のように心に響くのである。長崎ノスドールは、ホームページがあるので詳細はそちらを参照されたいが、「含蓄のある言葉で美味しさの旅へいざなうTOPページ」と、主力商品を並べて、割合さっぱりとしたお菓子紹介やら、店舗案内の地図のページで構成されている。何ともシンプルで、写真や能書きの構成よりも「たべればわかるばい」と言った感じなのである。

 そして、今日のPDF写真だが、写真の上部に配置されている「2つの正方形の缶に入ったお菓子」は、紅茶ケーキとマロンケーキである。缶は、あくまでも焼き型を兼ねている。したがって、缶の中にある以上、いつまでも清潔で安全・安心が保たれている。「紅茶ケーキ」は、紅茶のリキュールのシロップをしみ込ませてあり、缶を開けた瞬間、えも言われぬ薫に包まれる。また、「マロンケーキ」も仕上げにブランデーがしみ込ませてあり、その薫に酔いしれそうである。少々大袈裟だが、こんなの初めて拝見したし、口にしてみると、美味しくて嬉しくなり、笑いがこみ上げてくる。そして楽しい気分が満ち溢れ、送り主の心意気が伝わってくる。これがまさしくお菓子の美味しさの使命と言えよう。

 手前にあるオランダ風の独特のデザインのパッケージは、バターとアーモンドで作られている先ほどの「オランダせんべい」である。アーモンドを焼いた香ばしさが際立ち、美味しさに磨きを掛けている。そして一番右にあるのは、全粒粉にチーズを加えた甘さ控えめの焼き菓子で、「ステッキ」と言うらしい。確かに甘さ控えめである。うーむ。
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2012/01/06

瞬間美食

  今日は、隅々まで即席の話。改めて 「食べたいもの」があるか、と聞かれても、 最近は、挙げられる数も減ってきたし、その量も減ってきた。さらに、動物性の油っぽいものは駄目だとか、条件が絞られてきている。カロリーの高いものは美味しく感じ、そうでないものは、寂しい味と感じるのは重々承知だが、どちらかと言えば低カロリーを選択するようになった。そんな折、「和」の雰囲気を再現し、割烹風の本格だしの「おとうふ膳」 鯛だしで味わう「おぼろどうふの淡雪スープ」がたいへん美味しくて、とても私のニーズにぴったりであった。まだ、口にしたことのない人がいらしたら、是非にでもお勧めしたい。

 具材でもある大きめのおぼろどうふが、口の中でふんわりとろけるやわらかな食感に魅かれる。勿論、そのおぼろどうふのおいしさを引き立てる、「鯛だし」中心の和風だしの旨味が素晴らしく、格調高い味わいで、今頃にぴったりのスープといえる。46kcal しかない低カロリー仕様なので、七草がゆのスープとしても応用できそうである。お椀さえ一流品を使えば、年配の方にも「美味い、もう一杯」って言われる筈である。価格は、あっははの170円である。ただ、残念なことにあまり市場に出回っていない。売れ筋のコンビニ系には置いてある可能性が高いと思う。

 さて、今日の商品は本格カレーである。しかも、「おぼろどうふの淡雪スープ」との共通点が多い。つまり、1.お湯を注ぐだけの10秒即席であること、2.種類によって 120Kcal 前後と低カロリーであること、3.香り高く食欲をそそる美味しさであること、4.市場にあまり出回っていないこと、の4つである。特に重要なのは、前者2つで、製造工程としてフリーズドライと明記されている。したがって、復元が早く長期保存が可能で、商品は29gと超軽量である。そして、比較強調したい重要なポイントは、「カロリーがレトルトカレーの半分以下」ということである。もっとも量も少ないが。そして、3番目の、お湯を注ぐと17種類以上のスパイスが復元し、香りを放つ。ここが、今までのレトルトにはない圧倒的な違いといってよい。この香りは、明らかにレトルト製法では再現できない領域と言えそうだ。

 この、フリーズドライ製法で再現できる商品として、カレーは豊富に出回っていても良い筈なのに、残念ながら「カロリーの高いレトルトのカレー」に陳列棚を占拠されていた。しかも、今では100種類以上陳列しているスーパーも少なくない。つまり、陳列棚の奪い合いが難しいために、フリーズドライ・メーカーは参入を避けてきた可能性が考えられる。これは、スープの陳列コーナーも同じである。いくら美味しいものを製造しても、既にスーパーもコンビニも陳列場所がないのである。数百円の商品を陳列しても、既に場所代の方が高くついている。理屈をどこまで追求しても、商売は、「売れる商品を置く」だけでは駄目で、あくまでも「儲かる商品を扱う」のが基本だからだ。そのような理由の中に埋もれてしまったのが、共通する4つ目の理由と考えられる。
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補足:どのように考えても、低カロリー嗜好の高齢者、ダイエット中の女性、遅い時間の食事等、向きで、高カロリーでパワフルなカレーがお好きな若者には、量、質ともにお勧めできない。

2012/01/01

謹賀新年


  もちろん、京王線の高尾山口行きもそうだが、 高尾山薬王院へ向かう人たちの為に、昼夜を問わずケーブルカーは動いている。初詣客の数としては、1日の朝7時前頃が1つの山場といえよう。それは、薬王院への参拝と同時に富士山からの温かい御来光を浴びることができるからである。そして、一際厳粛な気分に浸れることになる。つまり、これが、最も高尾山薬王院の「霊験あらたか」さを感じるひと時なのである。高尾山には、古くから富士山信仰もあったとされ、この薬王院の建てられている方角にも納得できる。

 その厳粛で心地よい希望に満ちた気分は、日々の忙しさの中で徐々に消耗してしまう。その後、時折、みんなその「厳粛で、希望に満ちた」気分の心地よさを思い出し、再び高尾山を訪れたいと思うようだ。そこが、深大寺にはない特徴といえる。1月4日からは、京王線は平常ダイヤに戻り、高尾山口直通の準特急が用意されているとか、「高尾山きっぷ」=電車往復乗車券 + ケーブルカーまたはリフト往復乗車券の2割引きなど、お得な切符もある。できれば、混雑を避ける意味も含めて4日以降の初詣がよい。
 
 ケーブルカーを降りると、薬王院仁王門までは、30分ほど歩く。途中に百八段の階段もあり、修験者の様な体型で臨むのが望ましいし、それでも慌てると息が上がる。テレビのコマーシャルではないが、仁王門の手前にも急な階段があるし、コンドロイチンやカルシウム等の栄養素もあらかじめ体に補給しておきたい。また、下山するまでに足を痛めてしまうと、後々炎症を拡大することになるので、年配の人はくれぐれも注意されたい。

 本堂までくると、やや疲れを感じるが、さらに左手に本社への階段も用意されている。階段は途中右に折返すが、正面の奥に見えるのが上の写真になる。さらにそこを右に、急な階段を見上げ覚悟を決める。急峻でちょっと怖い階段をやっと上がりきると、本社の前に出る。途中、足を滑らせて、ひっくり返ったりしないように注意したい。後ろの人が全員転げ落ちることになる。今日のPDFの写真は、そこで振り返った瞬間のショットになる。

 このPDF写真に写っている左下の赤い門が仁王門で、その手前にある屋根が本堂になる。さて、最近の読者の統計を拝見するとレンズに興味のある人が増えたようなので、補足を付け加えておきたい。写真がやや誇張されているように見えるのは、EF14mm F2.8 スーパーワイドレンズを使用しているからで、階段の急峻な感じを忠実に再現する角度であると同時に、階段から本堂までの全体をおさめたいという理由によるものである。
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補足1:「霊験あらたか」とは、信心する気持ちの純粋さと、御賽銭の大小による期待値によって、御利益がすぐに現れる状態のことである。したがって、あちこちの社寺仏閣で小銭を使うのは良くないとされ、1か所で「どーん」といきたい。
補足2:高尾山薬王院は、奈良時代の天平16年(744年)行基( ぎょうき)によって開かれた。深大寺は天平5年(733年)満功上人が開山したといわれている。ちなみに、浅草寺は、推古36年(628年)と100年以上古いお寺である。
補足3:3日までは、上下線とも北野→高尾山口駅は各停に乗り換える。1月4日以降「高尾山きっぷ」は各駅にて発売。