2014/07/29

スパイラルグレープ

  すっきりと梅雨が明けて、ぎらぎらと日差しが照りつけるようになると、水分補給にも少々刺激が欲しくなる。躍動する筋肉を刺激し、体内のCO2と冷却用の水分を老廃物に加えて噴き出す汗の供給源としてだけではなく、前頭葉を常に刺激しながら、極限まで集中力を保つ必要がある。それには、なま優しい清涼水では効きが悪くて駄目だ、気泡の尖った弾ける炭酸刺激がなければならない。そんな強いイメージの炭酸飲料がアサヒから発売されている。それがスパイラルグレープのレッドとゴールドの2種類である。

  それにしても、まさか、今時ファンタ・グレープのようなテイストを蘇らせたとは予想もしていなかったが、口にした途端に、今から45年ぐらい前の夏の日のグラウンドを思い出していた。ああ、何と懐かしい味なのか。学校の自販機のファンタ・グレープがすぐに頭に浮かんだのである。この味は全く同じとは思わないが近い味に感じた。グレープ味はオレンジ味やスプライトより人気が高かった記憶がある。同列には並べられないが、ドクターペッパーも時には美味しかったが、当時は刺激が強すぎたようだ。この刺激の事を、スパイラルグレープではエッジが効いているという表現をしている。そういう意味で、刺激はドクターペッパーに近い印象がある。

  エッジが効いてるとは、映像で言うところの「輪郭が鮮明」と言うのに近い。これは、何を指すかと言えば、「炭酸が口の中ではじけて、隅々まで飛び散る様子を想像させる、いわゆる先鋭度の事である」。このことは、強い炭酸の状態を言い換えたものとして納得できるが、実は、夏場ありがちな、口の中の粘度の高い水分を破壊する、炭酸の泡の衝撃波のバロメータなのである。ここまで理解すると、少しづつテイストのイメージが広がってくるはずだが、発砲する泡だらけの清涼飲料ではない。スパイラルグレープのレッドは、赤い葡萄をイメージし、ゴールドはマスカットをイメージできる爽やかなものに仕上げてある。個人的には珍しいゴールドが好みだが、馴染みやすいレッドも捨てがたい。

  甘さも適度だし、カロリーもたっぷり含まれている。もちろんトクホでもないし、果汁入りでもない。持ち味は強炭酸にある。健康志向というより刺激優先といきたい。だからこそリフレッシュ感に酔いしれ、肉体がリセットできる。最初は、強烈炭酸な印象を受ける。しかし、またついつい手を伸ばして口にする程、不思議と癖が付いたような印象を受けてしまう。その軽薄さが、今ではこれのみが体にとって美味しいと思えるようになるから不思議だ。ダイエット中の方には、成分表示などを確認されたい。
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2014/07/25

冷凍で届くマカロン

 予想もしていなかったが、神戸からのお土産げに「冷凍マカロン?」を頂戴した。もちろん、冷凍状態で届いたので、解凍してから戴くことになる(消費期限は発送日より6日間という)。そう言えば、少々古い話になるが、2009年頃かつて「はしりの時期」にマカロンを2度ほど紹介したことがある。しばらく時間が経っているが、今だに流行っているのかと疑問に思ったが、さて、いかなるもなのか、この商品の位置づけを探ってみた。きっと贈ってくれた人は、何かしら訴える気持ちと言うか、何か意味があるのだろうと、さり気無く聴いてみたら、今のマカロンは、格段に美味しくなっているとのこと、その代表格がこの商品のようだ。

 マカロンの一般的な作り方は、卵白にグラニュー糖を加えて泡立て、アーモンドの粉などを加え、さらに着色する場合は、食紅などを加える。それをクッキングシートの上にドーム状に搾り落として乾燥させ、オーブンで焼き上げる。そのドーム状の2枚の間にクリームを挟めばよい。ただそれだけなのだが、この商品は、プロセスに、様々な拘りの日本的素材も加えて、新しい食感と風味を演出しているようだ。確かに、作る途中は難度の高い「マカロナージュ」という作業があり、簡単そうだけれど熟練を要するし、そこには、実質経験が少なければ、追いつけない部分があるかもしれない。ということは、結局マカロンも「不器用な小銭持ちは、群を抜いて美味しい物を戴ける」そういうことのようだ。
 
 今、ここで解凍中の品物の詳細は、神戸にある 株式会社 ハットトリック グラモウディーズ が販売しているマカロンの12個セットで、1.ピスターシュ、2.チーズケーキ、3.チョコレートバナナ、4.ストロベリー、5.カリビアンチョコレート、6.キャラメルチョコレート、7.カシス、8.抹茶、9.柚子、10.ベリーベリーベリー、11.ヘーゼルナッツ、12.ティラミス が入っている。マカロンの色彩には、着色料が使われているが、自然な感じに仕上げてあり、大変美味しそうに見えるのが特徴になる。解凍が行き届きそうなので早速戴くことにしたい。

 冷たい甘さは、独特の食感を与え、奥深さを感じさせる。「おー美味しい」と思うのは、恐らく自分だけではない筈だ。それにしても外見も良くできていて、次に手に取る色は、どんな味がするのだろうと、次々と興味が沸いて手が伸びそうになる。中に挟んであるクリームのソースには、かつて食べたことのない程の芳しい風味と力強い甘さを感じるものが多く、これだけパンチがあると女性に人気があるのも理解できる。マカロンというお菓子の領域を大きく越えた品物に仕上げられていて、確かにどれもすべて完璧と言えるほど美味しいのだが、「果たしてマカロンにここまで拘る必要があるのか」疑問を感じながらも、それでも、また食べたくなるから不思議だ。
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2014/07/21

マレフィセント / パガニーニ

 作品の中に「自分との共通性を観る」と感じてしまうことがあるのだろう。一流の演者によると、自分にしか演じることが出来ないと直感する作品があるらしい。そのような話をよく耳にする。今日は、まさにその言葉がピッタリの2作品である。それは、マレフィセントとパガニーニ「愛と狂気のヴァイオリニスト」になる。これらには、さらに共通する要素がある。それは、自ら主演し、超がつく程の「はまり役」とされながら、行き着くところ「映画製作の総指揮も執っている」という。つまり、主演が映画全体を自分のイメージ通りに仕上げてしまう、ということになる。その結果として、主演の魂が乗り移るがごとく「ひょっとしたら、これって本物、事実?」と思わせる程に重なって観え、観客も素直に感動の渦に巻き込まれてしまうという、誰もが認める芸術性の高い作品となっているようだ。

 いずれの作品も、そこに隠された背景を考察できるように、前もって知識を集めて外堀を埋めておくことで、より大きな感動を得ることが出来るかもしれない。その為の、準備としては、例えばマレフィセントでは、かつての「眠れる森の美女」の物語をしっかり理解していること、またチャイコフスキーの「眠れる森の美女」を聴いておくこと、そして主演のアンジェリーナ・ジョリーその人の生き方や心情を良く理解していること、等が挙げられる。パガニーニでは、幾つかの彼の作品「カプリース 第5番、第24番、ヴァイオリン協奏曲第4番、ヴァイオリンとギターのためのソナタ、ラ・カンパネラ・・・」などを聴いておくこと(CD販売中)、そして、常々バイオリンの奏でる音に興味を持っておくこと(オーディオマニアは必須条件)、もちろん主演のデイヴィッド・ギャレットその人の音楽活動のことも知っておきたい。


 もちろん全くの準備なしでも、何の知識がなくても十分満喫できる構成なので、それも楽しい。単純なところでは、アンジェリーナ・ジョリーって、「何て綺麗で素敵な人」なんだろう(特殊メイクをしても美しい)、とか、妖精の翼は簡単に獲られてしまってよいのか?。あるいは、掛けた呪いは、自ら解くことが出来ないのか(呪いは、一度掛けると、取り消しが効かず修正のみとされ、それが魔法使いの呪いの掟とされる)とか、ストーリーが理解しやすいこともあって、単純に童心に帰ればよい。また、他方では、冒頭から超絶技巧で奏でるストラディヴァリウスの響きに圧倒されてしまい、映画でよくここまできめ細かく「演奏場の響きや音の違い」を再現できたものだと、感心すればよい。観る音楽と言うより、聴く映画にしたい。デイヴィッド・ギャレットの力強くもデリケートな演奏に、ストレートにパガニーニの情熱的な音楽への取り組みを垣間見ることが出来る筈だ。


 物語は、2つ共あっという間に観終わってしまった。「食い入るように観る」とは、このような状態を言うが、常に何か見逃したり、聴き逃さないように、細部にまで神経を使う気持ちが継続している。そこには、意表を突く迫力の映像や巨大な音響などの、押しつけがましい要素はない。むしろ、持ち合わせた知識と照合しながら、やや遅れ気味に沸き上がってくる感動の方が多いかもしれない。そこにこそ、心の潤いともいうべき「短かく僅かな映像や音響によるヒント」がふんだんに盛り込まれていて、人それぞれ持ち合わせた教養によって、内容の奥深さを感じられるように構成されている。さらに、映画を観終わった後にも、そこに存在したかもしれない「感動要素の取りこぼし」があるのではないかと、さらに探求するような行為、例えばサントラ盤のCDを購入したいとか、デイヴィッド・ギャレットの来日には必ず見に行きたいとか、そんなことで尾を引くかもしれないが、それも、この映画の魅力といえる。

参考1:マレフィセントのサイト
http://ugc.disney.co.jp/blog/movie/category/maleficent/

参考2:パガニーニ「愛と狂気のヴァイオリニスト」のサイト
http://paganini-movie.com/

2014/07/18

カルピス 希釈タイプ

 発売以来、95年もの長い間親しまれてきたカルピスは、最近は、次々と発売される製品の背後で影が薄くなっているようだが、誰が何と言おうと「安心・安全」の清涼飲料水として、やはり、ずっとずっと頂点に君臨している。その背景にあるのは、じいちゃんやばあちゃんが「大切な幼いお孫さんに飲ませる清涼飲料水」として選ばれていることだ。もちろん、それだけではない、夏場は冷たくしてガブガブ飲むことから、胃腸に優しい乳酸菌飲料の特質を生かして、今、若者にも親しまれている。甘さと酸味が爽やかで、一口で「幼い頃の夏」を思い出せるのは、それもカルピスの特徴といえる。

 清涼飲料業界の家庭用市場規模は年々2~3%ほど拡大していると言われている。にもかかわらず、大容量のペットボトル単価の下落は続いている。そのあたりは、店頭でのその扱いからも理解できる。一方、カルピス関連商品は、例年並みの売上げを維持していても、やはり先行きに対する危機感を免れず、早め早めに、次世代に合った新製品の投入が必要であったり、あるいは地道な宣伝活動が必要になる。最近の製品は、フルーツ果汁を加えたぶどう、パイン、マンゴー入りのカルピスが期待通り優れた成果を上げていることだ。また、続けて、メロン果汁入りの導入に踏み切り、ラインナップの拡充に努めている。ただし、フルーツの入手加工時期が限られていることから、季節限定商品として提供されている。その提供期間に合わせて、店頭試飲等のPR活動も準備されている。

  カルピスは、あらゆる世代やニーズに適用できるように、派生とも言えるバリエーションが豊富に取り揃えられてきた。まず、そのままぐいぐい飲める 420~500mlのぺットボトル入りの、季節限定の美味しい「プレミアム」に始まり、炭酸で割ったカルピスソーダ、果汁を加えたカルピスフルーツパーラー厳選マンゴーおよびマロン、さらに炭酸を強めてグレープフルーツピールを加えたカルピスソーダのNEO DRY、その他の関連商品としてカルピスオアシス2種、凍らせても美味しい低温長時間発酵タイプ、その他ゼリーに固めた物も用意されている。最近は、それら新商品の殆どが低カロリー化に向かっている。

 今日PDF写真に並べたのは、希釈タイプの果汁入りカルピス4種類を中心に揃え、おまけのコップと寒天仕上げのカルピスも用意してみた。カルピスの名称が記されているコップは、一種の懐かしさを感じるグッズなのだが、カップの側面に最大容量目安とそれに合わせた希釈の目安が刻まれていて重宝する。一方のカルピスの瓶の上に差し込んであった箱の中には、2gの寒天粉末が用意されていて、それとカルピス原液200mlと熱湯400mlを撹拌して固める。ここでは、それを作ってみたが、これだと仕上げが少々柔らかすぎるので、2gの寒天粉末にパインカルピス原液100mlと熱湯200mlを撹拌して固めた。寒天は食物繊維なので、カルピスと合わせて、さらに健康的な食べ物になる。この固さだと、四角に裁断して蜜豆に加えても良い。これは、嬉しいおまけと言えそうだ。
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2014/07/15

贅沢なコーヒー(アイス用)

  前々週、コクテール堂の Aging Coffee(エイジング コーヒー) のドリップパックを紹介した。その時、興味深く心に響いていたのが、その美味しさの秘密となっていた「生産地から厳選したコーヒー生豆を輸入し、山梨県韮崎市の工場で数十ヶ月寝かされる。それによって、コーヒーに含まれる渋みをなくし、旨みやコク、甘味を引き出し、その後、丁寧に焙煎が行い、まろやかさの中にコクと透明感のある甘くて芳醇な味わいを生む」という説明だった。さすがに、理屈からしても、少量のコーヒー粉末しか入っていないドリップパックの抽出液を口にして、「おーこれは凄く美味しい!」と言える訳はないと思っていたのである。

  しかし、日々回数を重ねることによって、そのうちその特徴が、より鮮明に浮かび上がってくるかも知れないと安易に考えていたのだが、やはりドリップパックでは、納得感と言うべきか限界を感じ、今1つ物足りなさが残ったままだ。ただ、印象として「飽きの来ない優しい美味しさのコーヒー」だとか、渋みや嫌みなところが抑えられているとか、全般的に特徴は控え目なのに実感はある。ただ、何となく、もう少しストレートにその美味しさを確信したいと思っていた。それもあって、雨があがったのをきっかけに、再び東武デパートから今度はアイスコーヒーの瓶詰めを買い求めてきた。これならストレートにその違いを把握できるはずだ。もし、それでも駄目なら、コクテール堂のカフェ へ出向いてみるか、自分の趣向とは違うと諦めるしかない。

  このアイスコーヒーセットは、「お中元のタイミング」向けに厳選された詰め合わせに、東武オリジナルブレンド品を加えてあるなど、幅広く受け入れやすい商品になっていた。1本900mlの瓶の4本入りで、ブルーマウンテン、ハワイコナ、ブラジルを含め、全て無糖仕様である。顧客が僅かな自然の甘味を感じ取って、甘くて芳醇な味わいを感じてほしいようだ。生産地の好き嫌いは別として、いずれも個性的で「風味や味わいに特徴がある品」が揃えてあると説明された。瓶の表に添付されたシールのイラストはお洒落で、中身を表すほどに情緒を感じられて素敵に見える。早速、届けてもらい冷やして戴いてみた。

  悲しいかな、数十ヶ月寝かせた物とそうでない物の比較は出来ないが、口にしてみると、やはり優しい美味しさのコーヒーだという印象はドリップパックと変わらないが、確かに嬉しくなるほど香りが際立っていて、渋みや嫌みなところが抑えられて、すっきりした咽越しに、何杯でも飲めると言えるほど心地よい。そうか「こういうことなんだ」と、納得できる味を確認できた。思い返してみると、ドリップパックからも僅かに共通する心地よさは感じられていた。しかし、先にアイスコーヒーでこの咽越しを知っておけば、さらに分かりやすかったかもしれない。このようなコーヒーを飲み始めると、今までの渋いコーヒーに戻れなくなりそうな気がしてくる。2杯目、3杯目と回数を重ねる事に、その生産地のコーヒーの持つ独特の風味が美味しく感じる。
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2014/07/11

農家のベーコン

   2008年といえば、もう6年も昔の話になってしまったが、世界の首脳が北海道の洞爺湖畔のホテルに集まって金融や経済に関する会合を行ったことがある。俗に言うところの「G8 洞爺湖サミット」で、その時の朝食に使われたベーコンが今日の逸品になる。云わばG8洞爺湖サミット御用達ベーコンである。朝食にベーコンやウインナーを中心にする洋食派には、興味をそそる情報だったのではないだろうか。インターネットショッピングがまだ黎明期にあった当時としては、まさか我々のような庶民が口にすることなど、想定すらできないし、元々そのような情報が広がって話題になることもなかったのである。

   だからと言って、今回はインターネットショッピングで買い求めたわけではない。正直申し上げて、インターネットショッピングの取り扱う品物の品質や価格設定には、懸念を払拭できないからだ。楽天に限ったことではないが、1度でも顧客の信頼を失えば、その後その印象はずっと残り、信頼が回復することは絶対にない。しかし一方で、店頭などで目の前にいくつか実物が並べられ、おばちゃんの試食を含めた対面での説明だと、徐々に興味も湧いてくるし、納得感も安心感も満たされるのである。他に特別買いたい品物もないし、どうせ必要なものだし、迷いながらも1つぐらい買ってみようと心が動くのである。しかも、ベーコンだけというのも愛想がよくないので、少しだけれど、ついでにウインナーも袋に入れてもらうことにした。

   このベーコンは、ドイツの農家で古くから作られてきた製法を忠実に再現したものだという。 新鮮な豚ばら肉を塩漬けにするところまでは同じなのだが、その後、「豚の血液を肉の表面に塗ってからスモークする」という、その言葉を聞いて「うーむ」と、やや首を傾げながら、どう反応してよいか分からず、本当にそれが「旨味の閉じ込めるノウハウ」なのか?と疑問に感じたのである。いつまでも変な顔をするわけにもいかず、それが、ベーコンの風味を左右すると納得したいが、その説明を聞きながら「へーそれは美味そうだ」と思う人が、どれだけいたか分からない。そこで、本当に風味がよいのか口にしてみる価値はあると思えた。そして、最後に背中を押してくれたのは、本場ドイツでも評価を得た、「2009年からドイツ農業協会(DLG)国際品質競技会で連続金賞受賞」した商品だというところである。

   豚の血液を肉の表面に(↑写真)塗ってからスモークするという手法は、日本的に置き換えれば「いかの塩辛を作るのに、その肝を一緒に加工して味に深みを出す」のと同じ様な考え方かもしれない(俗に言う肝入り)。そのように考え方を大局的に淘汰してしまえば納得感はある。さほど難しく考えることでもなさそうだ。さっそく味見のために少し切って炙ってみる。開口一番、おーっと、塩気はかなり少なく、肉質の良い印象を受けた。これはいいと直感する。肉質、脂共に質が良いので、カリカリに焼いたり、固めに仕上げるにはもったいない。私にはやや贅沢な感じである。むしろ、ベーコンをあまりお好きでない人にお勧めできる。ウインナーの方も品質が高く大変美味しい。贈答用にはすぐれた品物と言えそうだ。
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補足:肝入り(肝煎り)→:お金や知識などを持つ上席が、大切な人に重要とされる事柄について世話を焼きながら指導する関係のこと。大切な人だけに留まらす、大切な対象になる物、品、等も同じ使い方をする。

2014/07/08

野菜にディップ

   世の諸先輩方は、最近、海上自衛隊の護衛艦や潜水艦に興味を持っているようだ。このブログでも江田島 幹部候補生学校の参照が増えている。書店では、軍事兵器を特集した雑誌が豊富に並べられ、それを食い入るようにページをめくる年配者は多い。そんな姿に引き寄せられて、平積(ひらずみ)になった雑誌の表紙を目で追ってみる。尖閣での衝突から、そんな特集の本が徐々に増えて、ひそかなブームが続いている。今の軍備で「戦わずして勝てるか?」、あるいは「艦内で虐めをする悪い奴がいる!」とか、「集団的自衛権で米国の犠牲」になりそうだ、などの漠然とした心配に尽きるようだ。そして、もっと兵器開発の予算を増やしてハイテク化やロボット化を進められないのか、知りたいのだろう。私が幼いころ(昭和36年頃)の呉の海上自衛隊は、大東亜戦争の面影が残る古臭い小さな巡洋艦が数隻浮かんでいた程度で、とんと活躍することもなさそうな雰囲気を滲み出していた。当時は「戦争はせんのんじゃけえ、あれでええわ」と思っていたが、これからは、そうはいかない。

  かつて戦艦大和を建造したとされるドック=現在IHI(石川島播磨重工業)では、当時から、出光(いでみつ)用などの巨大なタンカーを製造していたのを覚えているが、そのドックの建造中の戦艦大和を休山(やすみやま)側(旧海軍工廠:こうしょう)から撮影した写真(昭和16年暮頃撮影)が載った雑誌を見付けた。その写真には見覚えがあって、46cm 3連装の大砲の、甲板から下に隠れた巨大な砲弾の装填メカニズムを知っていたので、そんな凄いメカニズムを微塵も感じさせず、覆い隠すかように甲板には木目が張ってあったり、艦首には天皇陛下の御所有を表す「菊の紋章」があったり、また魚雷攻撃から浸水を防ぐとか、急旋回に対する水平復原力保持のため左右舷側水線部に膨れた構造(=バルジ:補足参照)を備えているのを眺めながら、それが、なんともさりげなく、大日本帝国海軍の戦艦を象徴しているようで、「ええ構造やなあー、最近の護衛艦とは造りが違うわ」と感銘を受けていたのである。

  実は、今回も同じ様な写真(昭和16年暮頃撮影)に引き込まれてしまった。その写真のフイルムサイズとして4x5(シノゴ)なのか、8x10(エイトバイテン)なのかわからないが、解像力はめっぽう優れているし、それにもまして背後には、呉湾の向こう岸の丘(地域名→川原石:かわらいし)までもが鮮明に写し込まれている。日本光学のレンズなんだろうと、あれこれ考えているうちに、川原石方面を観察しながら、そうそう、その先の狩留賀(かるが)にある特別養護老人ホームには、母がいるなあと思い出していた。十数年前から私の顔を見ても誰だかわからない老婆になってしまって、そんな虚しさも手伝って、会いに行くことも減ってしまったが、「元気かの~ぉ」と思いを寄せ、胸が締め付けられるような気持に変わってしまった。

  それから、しばらく平穏な日々が続き、その写真のことをとんと忘れかけていた昨日、ふと、テーブルの上に「野菜にディップ」と書かれた瓶詰めが3つ置いてあった。味噌加工品と書いてあり、「こんなもんを野菜につけて食べるんかー」と呟きながら、原材料の欄を追いかけようとすると、創業大正6年というのが目に入った。「おーっと老舗だな」と呟いた。だいたいその年は、祖父が海軍工廠から英国の保社へ魚雷の勉強に行った年だったので、数字として印象深く覚えていた。そして、な、なんと、製造者の住所を見て驚いた。呉市吉浦本町と書いてあったのだ。吉浦とは、川原石と狩留賀の間にある地域である。何でこのような品物がここにあるんだと、つい、あの写真を思い出しながら、この地域の歴史上の事実と、それらをわざわざ線で繋ぎ、私に突きつけているような気配に、不吉な予感とでもいうべきか、1つ1つに責め立てられた気分になってしまった。まるで母からの伝言かのようである。気を取り直して、今日はその逸品を紹介しておきたい。
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補足:バルジ=重心が高い船とか、重量のある荷物を運ぶ船には、水平復原力保持のためにあえて設けられた左右の弦側にある外側に向かって膨れた構造物。

2014/07/04

贅沢なコーヒー

  コーヒーのような趣向品は、顧客の志向する範囲は限りなく広い。しかも、年齢や経験、性別による好き嫌いは様々で、収穫される場所とか熟練ロースターによる焙煎など、製品として完成するために幾つかの要素を積み重ね、時間を掛けて研究されてきた。我々は、その研究成果そのものを口にしていると言っても過言ではない。そこには、輸入業者、製造メーカー、販売者、それぞれに美味しさを引き出す、あるいは品質保つノウハウが存在している筈である。それらは、表立って宣伝されることもなく、ブランドの独自性となっていた。まして、それを堂々と「美味しさの背景」として説明に加えるには「かなりの自信」が必要となる。それでも、そこには、試行錯誤と長い時間を経てきた蓄積が存在し、そう単純な話ではないはずだ。

  今日、見付けてきたのが,、そんな商品を提供するコクテール堂の Aging Coffee(エイジング コーヒー) になる。目を引いた内容として、パンフレットからの引用になるが、「創業者は、その若いころロシア人よりコーヒーの焙煎方法を伝授されたのをきっかけに、半世紀以上コーヒーの味を追求し続け、コーヒー豆を数十ヶ月もの間寝かせる(エイジング)という独自の製法を生みだした」と書かれていることだ。ほー、という感じである。この会社の創業は1949年であり、65年もの長い間全国の専門家から高く評価されて、市場を拡大してきたようだ。その優れた品質は、今、デパートのお中元にも採用され、注目されている。

  メキシコ、ハワイ、ブラジル、ジャマイカ等の生産地から厳選したコーヒー生豆を輸入し、山梨県韮崎市の工場で数十ヶ月もの長い間寝かされる。それによって、コーヒーに含まれる渋みをなくし、旨みやコク、甘味を引き出し、その後、丁寧に焙煎が行われ、まろやかさの中にコクと透明感のある甘くて芳醇な味わいを生むという。厳密にかつ純粋に、その味わいを体験するには、「MARK IS みなとみらい3F、二子玉川ライズS.C. タウンフロント6F、セレオ国分寺8F、立川の若葉ケヤキモール2F、相模原市のイオン橋本2F」などのコクテール堂のカフェ 5店舗へ出かけるしかないが、少しだけ、そのきっかけを掴みたいとも思う。

   同社のコーヒー商品は、多品種で構成され、缶入り、コーヒーバッグ、ドリップバッグ、アイスコーヒーなどが用意されているが、本来、同社のカフェに出かけるのが一番良いと心得てはいるが、それにも増して、今回は箱に描かれた絵が素晴らしく美しいこともあって、「東武デパートの売り場にあったドリップバッグコーヒー6種詰め合わせ」を買ってきた。これは、お中元用に企画された詰め合わせ。そして、このドリップバッグを口にした第一印象として「飽きの来ない優しい美味しさのコーヒー」という感想を持った。6種類の違いは良くわかるが、渋みや嫌みなところが抑えられているためか、全般的に特徴もやはり控え目になっているのではないかと推察される。ただ、普通は1杯分づつ飲むたびに徐々に嫌みな部分が印象として残ることもあるが、このドリップバッグは全くそれを感じさせなかった。6種類のコーヒーを別々のタイミングで楽しめるし、後味が良いためコーヒーをドリップする楽しみは大きい。やはり、その中でもブルーマウンテンは格別だ。
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2014/07/01

寒天と小豆で健康維持

  今更に意識するのも変な話だが、健康に気をつける中高年が増えている。昔は、健康に関する知識も乏しかったこともあって、みんな自分が半病人であることを認識しないまま、毎日、気合を入れてゴールを目指していた。それを続けていくうちに「ある日突然、病が表面化して」しまい、そのまま入院する不幸とか、あっという間にあの世に行けるといった幸せが多かった。そこで、ゴールが来るまで、健やかに生きるには、健康診断を欠かさず、血圧、肝機能、血糖値などを正常に保つような食材を口にし、毎日軽い運動をして、適度に「相棒と会話」をするだけではなく、日記を書くとか、情報発信にも気を配り、新しきスタイルにも挑戦し、認知症にも注意をして、早く寝て早く起きる。など、何かと体調に気をつけ、おまけに、古き教えを受け入れる人生観を持つとか、甚だ忙しくゴールを迎えるのがよい。

  体に良くないとされる、「煙草も止めたし、お酒も控えるようにしたし、動物性脂肪も控えるとか、
饅頭や羊羹などの甘い物も食べてないし」、そんな程度なら、反論もあるにはあるが、ま、そうね!ってことになるのに、さらに、「ご飯も口にしない」と節制を自慢する人もいる。糖質が体に良くないのは理解できるが、最後には、夕食または朝食を抜いたほうが良いとまで補足されることもある。そんな日常的な楽しみを隠蔽し、おまけに大昔から食べてきた、食材まで棚上げして、一体どのような楽しみが待ちうけているのであろうか。きっと、若い時の様な「活力の漲った体」を期待しているのだろう。もちろん、私には真似できない話だと諦めている訳だが、多少努力すべきことは理解しているし。年齢と共に、好きな物を減らしたり、全体的な微調整は仕方ない。一方、好きな食べ物は代替え食品を探すという考えもある。

  そこで幾つか調べてみた。大昔から口にしてきた食材が、「果たして、そんなに言われるほど体に良くない」のだろうか、という単純な疑問からである。最近話題になっている例として、食物繊維を挙げてみると、その必要性が評価されるようになったのは、確かに、ごく最近のことである。昔は、栄養価もなく、腸を刺激するだけで、体には必要のない物と考えられていた。しかし、食物繊維の機能が分かってくるに従い、腸内細菌との関連性や、急激な糖質の吸収の抑制、大腸癌の因果関連など、今や、様々に重要性が強調されるようになった。むしろ、食物繊維なしでは健康を語れないと言っても過言ではない。それでは、何に食物繊維が多く含まれるのだろうか。それは、昔から大切に食べられている「豆類、海藻類、抹茶に多く」含まれている。これらから、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維(補足)の両方を採れる可能性がある。

  ただ、大豆は、豆腐、納豆など、それなりに持て囃されるのに、小豆は、饅頭、羊羹、どら焼きなどに使われることが多いせいか、甘味とカロリーからくる印象だけで、徐々に控えられるようになった。海藻類では、寒天やひじきに多く含まれるが、寒天で固めた食品の代表として「三つ豆」がある。ひじきは、何のために食べるのか分からないままなので需要は減ってきた。抹茶は、良く撹拌して戴くが、夏場はもっぱら氷の宇治金時で親しまれる。そこで、今日は、自分の趣味で食物繊維の多い食材を組み合わせてみた。缶詰の茹小豆(砂糖を含む)を使用し、寒天と抹茶を組み合わせて、水羊羹風に仕上げた。これで、強力な不溶性と水溶性の両方の食物繊維を備えることになる。もちろん、少しぐらい甘く作っても、糖質の吸収度合いを示すGI(グリセリックインデックス)という概念でみると、食物繊維が糖質の吸収を穏やかにしてくれる筈だ。便秘には素晴らしく威力を発揮する。ではこちら
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補足:「水溶性食物繊維」→粘りっこさと保水機能を有し、糖分の吸収を穏やかにし、食後の血糖値の急激な上昇を抑える。また、脂肪の吸収を抑えたり血中コレステロール値を減少させると言われている。食品として→海藻類( 寒天、昆布、ひじき等)、こんにゃく 等。
「不溶性食物繊維」→水に溶けない繊維で、水分を保持し、便秘解消作用や発ガン物質等を体外へ排出させる機能を持つと言われている。食品として→抹茶、豆類( 大豆、小豆等)、野菜類(ごぼう、切干大根等)、芋類( さつまいも、里芋等)。