2010/07/30

冷凍ハンバーグ

  鰻を見ても、つくだ煮を見ても、「どうも爺くさくていけねえや」、とか、夏はもっとガッツリ食べたいという人も少なくないだろう。それなら、ということで今日は冷凍ハンバーグにしてみた。お昼前には、冷蔵庫を覗き、うーむ、今日は「デミグラソース味」にするか、いやー、「カレー味」にしようか、いやまてよ「トマト味」も美味しいしなー等、という「狭い範囲での程よい選択」を楽しむ事が出来る逸品の紹介である。ショップチャンネルの商品で、上記の3種の味の違いがセットになっている。

 食欲というのは、適度に短絡しても許容してしまうように出来ていて、美味しいハンバーグを食べたいからといって、牛肉を今半まで買いに行きたいとは思わないものである。スーパーなどでも弁当のおかずは別として、単品では「味の素」等で幾つか冷凍ハンバーグは並んでいるが、所詮小安い価格という厳しい制限の中で製造されているせいか、2度目は手に取らない商品になってしまっている。一方、材料によって、美味しいハンバーグというのは、いくらでも実現可能であるという理屈は分かっていても、思いついた時から適度な時間の中で食べられる、そこそこ飽きの来ないハンバーグを選ぶ、というのが正しいバランス感覚なのである。ま、そうやって、ハンバーグ選びを通して、絶妙なバランス感覚を磨きたいものである。

 さて、このような冷凍食品は、元々お母様方のために作られてきた。電子レンジによって、短いリードタイムで処理できて、子供達の空腹感に沿ったジャストインタイムで口に入れる、そんな自動車メーカーの製造システムのような仕掛けが実現できているわけである。確かに、昔は「冷凍?」といえば宇宙食のような扱いで、お味には期待をする事は無かった。しかし、ここ数年すこぶる国内の冷凍技術が進歩して、冷凍食品の品質も大幅に向上してきた。たとえ、まぐろの刺身でさえも、解凍後でも全く違和感がなくなってきたぐらいである。まして、1度加熱した食品の冷凍化は、極めて安定した食感を実現しているといってよい。特に、鰻にしてもハンバーグにしても、加熱状態が美味しさを左右する商品は、国内冷凍だからこそ、むしろ安全安心といった側面も併せ持っているといえよう。

  今日の冷凍ハンバーグ3種は、家庭用から業務用まで幅広いレトルト加工食品を扱う「神戸のMCC食品」による製造で、ショップチャンネルが専売している商品である。したがって、MCC食品の製品ラインナップには存在していない。MCC食品はスーパーなどで「100時間かけたシチューとか、100時間かけたカレー」など、美味しそうなレトルト商品を取り揃えている会社である。 今日の写真では、デミグラソース味のハンバーグを解凍して(湯煎で17分)盛り付けてみた。付け合せに、ししとう、焼茄子、茹で玉子、トマトを並べてみた。美味しいデミグラソースがたっぷりとあるので、御飯の代わりに少量のパスタを絡めて食べてもらうのも良いと思う。
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 補足 デパ地下のオリジナルハンバーグは別として、メーカー製造の冷凍ハンバーグは美味しい物は少ない。その殆どは価格に左右されている。中でも、1つには牛肉等の材料であったり、2つ目はソースの調合に関する問題点であったりする。よく調べてから購入されたい。
 一方で、メーカー製としては、原材料の原産地表記があると、安心で美味しい筈だ。同社はホームページで検索する事が出来るように配慮されている。
http://www.mccfoods.co.jp/trace/top/

2010/07/27

つくだ煮

 このように暑い日が続くと、冷たいものが増えて、胃腸がへたり気味である。昼食などはとにかく軽くして、これで「食べたことにしよう」と思う事もしばしばだが、そうやって、この暑さに打ち勝つ為の健康管理の難しさを実感する。それにしても、食べる絶対量を減らさないようにするため、少し濃い味付けに工夫する必要がある。日本の伝統的なものの中には、平素は敬遠するにしても、案外その様な状況に適した食品もある。その1つが、今日紹介する「神戸樽五」という、老舗のつくだ煮屋の商品群である。大概このようなものは、伊勢丹や三越などのデパートで入手できる。

 つくだ煮は血中塩分濃度を上げるので体に良くないとか、色々健康面では指摘を受けるかもしれないが、食が進まない時期にそんな事を言われても、病気ならいざ知らず、まともに受け取る必要は無い。勿論、予防を兼ねて健康面重視で味気の薄いものを食べたいのなら、それはそれで選択肢は色々ある。無理をして欲しいわけではない。でも、そんな消極的でつまらん人間になっても仕方ないので、やはり、ここは1つ食欲を奮立たせながら、自ら「食べる楽しさ」をイメージしたり、喉を通過する時に一際 「美味い」を実感して、幸福感に浸ることで健康を実感する方が良いと考える。暑い時期だからこそ「食べる楽しみを創造するための努力」を惜しまないようにすべきである。多少お味は濃くても、実際に摂取した塩分は、早々に汗と一緒に放出されるので、さほど心配はしなくてもよいと思う。

 保存料や防腐剤を使わず、保存食でもあったつくだ煮は、梅雨から夏場の食べ物としては食中毒の心配も無く最適である。食べ方は、つくだ煮の種類にもよるが、定石ともいえる、炊き立ての御飯に乗せていただくも良し、おにぎりの具としても最適だと思う、あるいは、最初から炊き込みご飯として一緒に炊きこむのもよし、また、お茶付けにしても良いが、それ以外にも、かなり贅沢な使い方かもしれないが、牛肉のつくだ煮でキャベツを炒めるとか、帆立のつくだ煮を使って野菜の煮物を作るとか、一際味わい深いおかずになったりする。お酒呑みにも「たまらなく美味しい付けあわせ」になる筈だ。 さらに、アイデア次第で、応用範囲も拡大し、自分なりの独自性も出てくるに違いない。

 ここの神戸樽五のつくだ煮は、バリエーションまで含めると種類も多いことになるが、中でももっとも有力なのが、神戸の「黒毛和牛」を使った「牛肉つくだ煮(生姜、椎茸、山菜、舞茸)」、そして次に、神戸沖合い~淡路近海で取れる 「いかなご」を素材にした「生炊きいかなご くぎ煮」、「片口鰯と山椒」を素材にした「山椒ちりめん」、あと、瀬戸内海のあなごを使った「あなご煮」などである。このような十数種類の商品の中から、今日は、個人的に好きな6種類選んでみた。
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補足 いかなご くぎ煮  活いかなごを醤油、砂糖などで、そのまま浜炊きにしたものを指す。煮上がった姿が、釘の様な姿をしていることから「くぎ煮」の名が付けられたという。

2010/07/23

鰻に紀州南高梅

 夏は全国的に暑いに決まっているが、今年はさらに上を行く暑さになってきた。そこで、夏をより夏らしく楽しむために、やはり鰻を食べなければならない。ただ、1回食べに行けばよいというものでもなく、特に7月中旬に梅雨明けをしてしまった年は、7月いっぱいぐらいは、理由を付けて、たびたび鰻を食べる方が良い。この時期、個人的にも神田に出掛ければ「きくかわ」で、新宿で用事を済ませたら「登亭」で、ということになる(いずれもお店紹介済み)。鰻と串肝はセットで戴くようにしたい。昼飯、夕飯時は混み合うので、3時半から5時ぐらいの空きを見てなだれ込むのがよいと思う。しかし、きくかわの串肝が準備出来るのは、4時半過ぎである。これら鰻と肝で「元気いっぱいだあ!」といいたいところだが、この時期は、何かに付けて、やはり疲れが早い。

 さて、去年は「蕎麦と鰻」を紹介したし、年の頭では「手の字のおこわ鰻飯」も紹介した。鰻の話題は意外にも多い、この時期、仲間同士の話の中にも度々鰻が登場するわけだが、天然物はどぶ臭い時があるとか、養殖は脂が乗り過ぎるとか、人それぞれ言いたい放題で、こだわりや想いも異なり、ひいきの店もまちまちで、様々な楽しみ方があるといってよい。 ただ、座敷に上がってから1時間近く待たされるのは、いくら美味しくても、やはり辛い。さらに、待たされる時間による味の違いは無い。まあ、30~40分が限度である。そこで、待ち時間を紛らわせる為に出されるのが漬物である。老舗の一流鰻屋ならば、その漬物にこそお店のこだわりが随所に活きている。肝に命じておこう。

 屁理屈はこのくらいにして、今日は、自宅でたっぷりと毎日楽しめる、調理済み冷凍鰻を紹介したい。8月までにまだ、約9日あるので、2箱(1箱4枚入り)を注文してあった。この商品は、すでに、ショップ チャンネルで販売し始めてから3~4年目になり、鰻自体は国内産で価格は少し高めだが、仕事が丁寧で美味しいし、安定した品質なので、年2回の販売では、必ず発注することにしている。元々、鰻が好きだというのもあるけれど、特に夏場の炎天下の道をトボトボと歩いて鰻を食べに行くのが辛くなったというのもあって、この時期、自宅では案外重宝している。

 調理法は、まず、好きな漬物を用意したい。冬場は白菜の漬けた物に摩り下ろした生姜を添えればよいが、夏場は茄子と胡瓜などを使いさっぱりとまとめる。しかし、御飯の方は、少し工夫をして「紀州南高梅(紹介済み)の薄塩味の梅干」と一緒に炊き込む。鰻と梅干は「食べあわせ」がよくないといわれることもあるが、全くそのようなことは無い。あれは大嘘である。特に夏場は、この「梅干しと鰻の相性」は非常によく、大変美味しく戴ける。山椒をたっぷりと掛けて、鰻のタレは少なめにして梅干の酸味を活かして戴くとよい。いーや、絶対美味しい。確か、浅草あたりには、このように、御飯と鰻の間に梅肉を挟んだ鰻重を出す店もあるくらいだ。これこそ、大人しく、こっそりと自宅で楽しんでもらう鰻御飯に最適な料理法だと思っている。
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補足 紀州南高梅は、御飯1合に2個程度を一緒に炊き込む。酸っぱ過ぎては良くないが、さらに酸味を加えたい場合は、炊き上がりにさらに数個追加しておく。もちろん御飯だけ普通に食べても美味しい。

2010/07/20

昭和の流行歌6

  なぜか、「ただ、ぼーっと時間だけが過ぎて、知らないうちに老けてしまったおっさん」の様に、昔の曲はよかったなんて言いたくないと思ってきたし、特別聴いてみたいなんて思ってもみなかったが、今、この歳になって、やはり、こんなCDを捜し求めて買ってきて、夜中小さな音量で、たっぷりとした低音と、練乳を加えた水出し珈琲の入ったグラスを傾けながら、ブルースに聴き入っているのである。そうやって、自分の知らない古くて遠い時代の街並みを勝手に想像したり、記憶の中には存在しない、哀愁溢れる情景を探し求めてしまうのかもしれない。やはり、現実を知らない想像だけの世界には、よいイメージのことばかりが埋め尽くされ その自分なりの勝手な映像化に「ええなぁーっ、たまらんなあー」と密かに叫ぶこともある。

 ということで、昭和の流行歌を振返る背景を探し求めていると、思わぬアルバムに遭遇することもある。確かに昭和に活躍した歌手のベスト版は、お求め安い1,500円~2,000円程度で販売されていて、おまけに、カラオケも吹き込んであったりする。また、その様な商品の中には、レコード会社として、思い入れのあるCDというのがあることも分かってきたし、ややもすると、販売数だけで評価が決まるこの業界で、流行歌といえどもその価値をCD1枚に託して、名盤とか、貴重版とか言う、当時の制作ディレクター達のアーティストに掛ける思いが伝わってくるような商品も幾つか存在するのである。今日は、その中から個性的な代表作を紹介してみたい。
 
 少し昔を振り返って、あの時代は、やはり自分としても感受性の豊かな時期に、強烈なインパクトというべきか、遠い大人の感覚とでもいえばよいのであろうか、当時としては最初から 「何でそんな歌い方をするんやー」 といいたくなるような、 ・・・・ 伊勢崎あたりに 灯がともる 恋と情けの ヅビ ヅビ ヅビ ヅビ ヅバー このジャズのようなスキャットで独特の歌い方は、まだ良いとしても、曲の最初のアン、アン、アン、アンは、あれは、あ・か・ん・と思っていた。当時は、この様な曲調を「ため息路線」と呼んでいたが、今から振り返ると、このため息は、誰にでもできる業ではなかったような気がしてくる。曲の最初の部分、つまり、アン、アン、アン、アン が歌詞へ、そしてメロディーを楽器のように歌い上げた、ヅビヅビヅビヅビズバーが、古典文で言えば「係り結び」のような役割をしているのである。だから、アン、アン、アン と ヅビ、ヅビ、ヅビは両方とも、聴き手が勝手に言葉を代入する助詞として機能し、「灯がともる」で結ばれるのである。つまり、ブルースというのは、やはり「何々だからこうだ」という理屈っぽさが根底に流れているのである。

 まあ、それにしても、そんなつまらん屁理屈をこねて、私までもがもっともらしい話を作り上げる必要があるかどうかは、わからないが、今となっては、やはり青江三奈さんの歌い方が「ずば抜けて優れていて、完全である」がゆえに、制作ディレクターは、曲の中で遊んでみたいと思ったのだろう。青江三奈さんもJAZZの心得から、それらが自然に出たといわれている。今日は、そんな、青江三奈さんの残された多くのアルバム(30種)から2枚選んで購入してきた。1つは「青江三奈ブルースを唄う」、そしてもう1枚は「青江三奈カバーコレクション・ゴールデンベスト」で、たっぷりとブルースに浸れるわけである。昭和の流行歌を扱わなければ、遭遇すらしなかったCD2枚である。 自分の知らない世界なんだけれど、歌が上手だと、引き込まれ結構はまってしまう。
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補足 青江三奈さんは、2000年7月2日59歳で病気で亡くなられている。しかし、若い時から相当な健康オタクだったと伝え聞いている。しかし、実際は、少しお酒の方が上回ったのかもしれない。今、このCDを聴いて初めて分かる、とてつもなく優れた歌唱力なのである。

2010/07/16

京王フローラルガーデン7

 先月のアサヒカメラに「解像力は写真力か?」というタイトルの記事を見付けた。なるほど日本人は何かに付けて解像力を求める傾向が強いということなのだろうか。確かに、解像力は高いにこしたことは無いのだが、そのために他の性能が犠牲になっているとしたら、どちらがよいか考え物である。ただ、犠牲になっていることは、あえて隠し、誰も説明したがらないから、漠然としか議論されなくなるのだろう。先日、知り合いの集まりで EOS kiss X3(1,500万画素)を持った若者がいたので、「いいのを持ってますね」と声をかけたら、「これを買った後すぐにX4(1,800万画素)が出て、凄く残念です」と悔しがっていた。やはり御本人は、解像度重視だったようだ。

 日本光学のFX(35mm相当)フォーマットのカメラには、高解像度のタイプと、高感度のタイプの2種類のカメラが用意されている。1種類では互いに補完できない領域を担当しているので、撮影範囲や条件によって選択使用することになる。これは、両者が1台に統合できないことを明示しながらも、デジタルの優位性である、ナイキスト周波数までは「高いレスポンス」が得られるとか、瞬時に画質に影響を与えずに「ノイズを低減させる」等の優位性を、さらに推し進めてきた結果と言えそうだ。つまり、理論的な矛盾を抱えながら、製造技術で妥協するのは、画質的にも、商品戦略的にも良い結果には成り得ないとしたのであろう。個人的にも、この2種類の性質を1台のカメラに統合するには、「写真の質」においては多少無理があると考えてきた。

 その、画質要素の1つが、いつも問題にする色のダイナミックレンジである。一般的に一口で色再現性とか言われる事も多いのだが、被写体に対して、絞りを閉じた後、徐々に開けてゆくと、まず最初は少し色が濃い目に出て、さらに開くと徐々に色が明るく変化し、最後はとぶようになる。この操作をすれば、ガンマ曲線の立ち上がり特性や、基本的な色再現、ハイライトの強み・弱みが簡単に分かるが、その画像の色変化が気に食わない事が多いのである。だから、状況にあわせてドットピッチの異なる3種のカメラ(レンズは同じ)から、状況に適した本体を選んで使うことになるのである。これは撮影者にとっても負担である。単板式の眼界だと納得はしているものの、木の葉や、草の緑色でがっかりする事が多い。特に今頃の季節は、その様な部分が気になるのである。見慣れた木々の緑は誰が見ても分かるだろうし、一方で出版物にもその様な違和感のある色調を多々見かけて、カメラ雑誌での質の悪い写真の公開はいかがな物か、とそう懐疑心を強めている。だから、自分もこの時期の神代植物園やアンジェでの撮影は、特別に神経を使うわけである。

 さて、そろそろ日本列島は梅雨明けまじか のようだが、まだ、時々暗雲もあって写真としては、スカッとした感じにはならないが、それはそれで季節感と諦めて撮影を続けてみたい。今日は、前回より少し手前に引いた場所で、目の前の池に重点の置いている。緑が映えるように、暗い場所から明るい方角に画角を向けているので、独特の緑のグラデーションである。今回も、ドットピッチ8.8μタイプを使用して、色を重視しているつもりで、ドットピッチ6.4μタイプよりはよいと思うが、それでも、何か一寸違うんだなとも思うのであった。ただ、このPDF変換では、解像力が低下し、色再現もやや劣るようになるので、PDFとしては限界かもしれない。
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補足 ナイキスト周波数 ディジタル信号で変換可能な限界周波数のこと。殆どのデジタルカメラは、この限界周波数を越えた周波数を遮断するために、光学的なLPFを受光素子の前面に備えている。このナイキスト周波数における遮断特性が悪いと偽信号が発生する。遮断特性が早めにかかると解像力の無い甘い画像になる。
 光学的なLPF 特定の空間周波数以上を遮断するフィルタのこと。この材料には、「SAWフィルタ等に使われるニオブ゙酸リチウム」と「水晶」があり、ニオブ酸リチウム(=LiNbO3 LNと略される)の複屈折は水晶の10倍あり、LPFの厚みを薄くできる特徴があるため遮断特性も良好で、高価なプロ用一眼カメラに使われている。

2010/07/13

ワールドカップ

 大方の見立ての通りというか、スペインが優勝したわけだが、個人的には体力温存の為、テレビでニュースやダイジェストを見る程度で約1ヶ月過ごしてきた。もっとも、そんな状況だからサッカーゲームに潜む醍醐味の、半分も楽しめてはいなかったが、少し私なりに「印象に残った事」をメモとしてまとめておきたい。ただ、ここでは、あくまで記録として印象深い事を順序不同として並べてみた。 そこで、まず最初に付け加えるとすれば、アフリカから送られてくる映像は素晴らしかったことだ。

 ゲームの中では、アフリカのスーパースター エトーは、外見からは想像も出来ないくらい紳士なプレイでテクニシャンという印象であった。さすが元バルセロナである。もっとも、国を代表した時とクラブチームのプレイは当然異なると思うが、とても好感がもてた。ただ、1人で頑張っても、どうにもならないと顔に書いてあった。

 強運とは、こういうことだ!と教えるように、次から次へと得意技を披露したのはオランダのスナイデルだった。これには、見る者が圧倒された。彼の術にかかると何かが起こりそうでワクワクした。やはり、サッカー選手は、高速ドリブルが出来るだけでは駄目だし、フリーキックが上手なだけでも駄目である。強運に見えたのは、チャンスを活かす得意技の数が多い、つまり勝利を手元に引き寄せる手段が多く無ければ、運も味方に出来ないということなのである。ただ、決勝では別の力が邪魔をしたようだ。

 フィールドを最後まで走り回ってチャンスを作り、僅かなミスも見逃さないしたたかさと、間合いを計りながら確かな技術でゴール右隅に決めたミドルシュートは得意技の1つ。たっぷりとアルゼンチンらしさを見せてくれたぺデス。献身的で熱意が漲るプレイは、見ていて気持ちがよかった。さすがに監督やチームメイトからの信頼も厚い筈だ。しかし、それでもメッシに負荷がかかりすぎていて、チームとして機能不足に見えた。

 それにしても、超一流のプレーヤーのフォルラン、スアレスを2トップに配したウルグアイは粘り強かった。もう少しチームとしてのまとまりが良かったらワールドカップの優勝も夢ではなかったかもしれない。フォルランはシビレるくらい格好良いし、サッカーが上手。それでいて多彩な才能の持ち主でもあった。そして、あのゴール内でのハンドに及んだスアレスは、確かな状況判断と卓越した技術、そして機敏な動作モードを備えたポイントゲッターである。この2人は誰でも怖い筈だ。

 ドイツは、エジルやミュラーの若い才能に、ポドルスキー、シュバインシュタイガーの中堅を組み合わせたところまでは良かったが、1トップにクローゼでは、さすがに次世代に人材不足を感じさせた。しかも、クローゼが幾度と無く及んだ危険なファウル(バックチャージ)は、ドイツサッカーの品位を大きく汚し、視聴者を激怒させた。今回のワールドカップでは、点を取っても最悪のチームに見えてしまった。

 さすがにマラドーナ監督は、いまだにしっかりした足裁きが健在で、たっぷり魅了してくれた。チームの練習風景で、マラドーナ監督がキーパーの為に、次から次へとシュートをゴール右上隅に決めている姿が映り、その機械のような正確さ(当たり前かもしれないが)に驚いてしまった。さらに、そういう卓越した技術を備えながらも、チームメンバーを自分の息子のように愛し(本当は金髪の女性がお好きなようだが)ている監督は、やはりチームの、いや国の誇りである。格別にうらやましいと思える。

  スペインは、バルセロナのメンバーが6人もいて、もはやナショナルチームとは言いがたかったが、いつも同じチームでボールを回しているから成せる技が光った。終盤では、痛々しくも何度も何度も気持ちを取り直して、精密にボールを動かしてゴールに向かい攻撃する小さいおじさん達は、時計仕掛けのようにさえ見えた。そして、スーパーマリオのような監督は、決勝といえども無敵艦隊の提督のように落ち着き払った采配でゲームを進める姿勢に、恐れ入ってしまった。

 そうそう、それにしても、イニエスタとドノバン(アメリカ)は一寸似てる。

  ヨーロッパ、南米などサッカーで歴史のある国は、それなりに熟した技術・戦術面がある。一方、後発のアフリカ、アジア系などは、まだまだ悪く言えば、見よう見まねでサッカーをやっているようなところがあって、先々にノビしろを感じるといえば聞こえは良いが、せんじつ面でのオリジナリティーやアイデアに欠ける面が多い。アフリカもアジアも自らの独創性で戦えるチームを作れなければ、ワールドカップに隠された大陸間の文明の違いによるサッカーの面白さの違いは分からない筈だ。外国で学んだサッカーで戦って勝ったとしても、それは詮方なきことである。

 最後にもう1つ。緊迫した試合になると、一寸した審判員の判定ミスや見逃しが試合を大きく左右する。審判員のミスもサッカーの一部だという傍観者もいるが、本当は、そんなことがあってはならない。しかし、フィールドにいるプレーヤ自身は、そう思って泣き寝入りをせざる終えない時もある。テレビを見ている我々もそんな釈然としない時がある。早急に審判を増やすとか、ビデオ判定を併用出来るように準備を進めるべきだと考える。何でもビデオの力を借りよ!と言っているのではない。誰が見てもゴールしているボールをノーゴールと判定したり、オフサイドを見逃すような事が無いようにしてほしいといってるだけである。そして、審判員は選手の近くでなければ判定できない経験的で微妙なプレーヤーの動きを正確に判断して欲しいものだ。

以上

補足1 詮方なきこと 他になすすべも無く、無性に寂しい状況のこと。
補足2 釈然 としない 疑いが晴れてすっきりしない様子のこと。

2010/07/09

オルニチン25mg

  ケーキやドーナッツ、あるいはアイスクリームとか、甘い物や油脂は、肝臓に運ばれると中性脂肪に合成される。さらに、お酒はそれを活性化するので、できれば、その組み合わせは控えるべきである。・・・と、今日もいやな話から始ってしまったが、実は、50~60歳の女性に多く見られる「非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)」が発症に広がりをみせており、注意が呼びかけられている。特に、「アルコールは飲まないが、甘い物が好きという、40歳以上のご婦人」は今後気をつけなければならない。これに気づかず放置すると 脂肪肝→肝炎→肝硬変→肝癌 と、お決まりの戻れないコースを進むことになる。

 確かに、「脂肪肝」自体はカロリー制限や運動などによってある程度機能を回復させることが出来るため、過去には、さほど問題にされることも無かったが、自覚の無い肥満によって知らず知らずのうちにNASHへ進行することで問題を深刻化させているようだ。例えば、肝炎ウイルスのB/Cのキャリアでも無いし、お酒も呑まない、だけど和菓子やケーキ等甘い物は大好き、あと、年齢だから肥満は仕方ないと思っているご婦人は、特に注意が必要だといえそうだ。つまり、大酒飲みよりも、安心している分だけ防御システムが効かず始末が悪い結果になりかねない。 うーむ・・と、気になるようだとこの項目をチェックしてみる必要がある。そのバロメータともいえるのが、ウエストのサイズをヒップのサイズで割った数値である。それが0.8を超えると危険だと言われている。もしそうなったら、早々に、お医者さんで肝機能検査をお勧めしたい(そうでなくても、甘い物がお好きなご婦人は、検査をお勧めしたい)。勿論、平素からアルコール、甘い物、油分を控えて、たんぱく質やビタミンをしっかり摂取して、脂肪燃焼のため運動に励む必要がある。やはり、健康のため、幾つになっても絶対に太ってはいけないのである。

 さて、話題は変わって、しかし、ピンで刺すように小さな関連性がある。今、永谷園の「しじみのわかめスープやしじみの味噌汁」が売れに売れていて、久々のヒット商品になっている。これには、乳酸菌の発酵で作られたオルニチンが25mg(しじみ70個分)入っているという。その効能として、1.お酒を美味しく飲みたい人、2.忙しく働いている人、3.爽やかに目覚めたい人、4.若さを保ちたい人 等に最適だと商品の裏に記述されている。やや控えめな表現に思えるが、実は物凄く広い範囲を対象にしていて表現としては限界である。さて、「インスタントなしじみ汁」という利便性と「実際に効果もあったような気がする」という実感から、お酒のみで肝臓の疲れたお父さん方に支持され、大ヒットに繋がったといわれている。お昼のお弁当のお供には、必ずこの味噌汁を一緒に戴くというサラリーマンも増えているそうだ。

 ただ、誰でも時たま普通のインスタントとして飲む程度で、上記4項目の検証を出来るほど飲むわけではないが、今日のテーマは、肝機能に注意をして肝臓を労わって欲しいということである。このオルニチンは、しじみの煮汁に含まれていて、特に脂肪燃焼効果が高いといわれているアミノ酸で、肝臓の機能を改善する効果があるといわれている。勿論、NASH予備軍のご婦人にも効果がある筈で、是非試してもらいたい。ただ、飲んでじっとしていては駄目で、午前中はしっかり体を動かして家事に励み、夕方からウォーキングに出るなど、とにかく体を動かすことに専念したほうが良い。 しじみ汁等の製作は大変手間がかかる作業なので、このような手軽なインスタント食品で補う事が出来るなら、かなり便利といえるが、手間を惜しまなければ、しじみ汁のほうがはるかに効能は大きい。
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補足 1.肝機能検査 血液検査 GOTとGPT の数値そのものと、どちらがどのくらい大きな数値かによって、ある程度肝臓の識別診断が可能といわれている。また、たとえ両者とも基準値に入っていても、過去の肝臓の状態もある程度分かるコンピュータ断層撮影(CT)とか、現在の肝臓内の脂肪の状態の把握に超音波撮影などで専門医に調べてもらうと、かなり安心できる。

 2.しじみ汁 実物のしじみから製作するしじみ汁には、飲酒後の肝機能を正常化するアミノ酸アラニンが大量に含まれている。そしてオルニチン、さらに、ビタミンB2やB12、亜鉛など肝細胞を修復する栄養素が含まれていて、「しじみの汁と身」の両方を食べることによって相乗効果で肝臓を守ると昔から伝えられてきた。

2010/07/06

オーディオマニア11

  かつて、神妙な顔つきで、鋭利な刃物を振り回すようなサウンドに聴き入る時代があった。その突き刺さるような心地よさは、若い時しか得られない刺激である。JBLスピーカは、音を前にはじき出す様に鳴り、それが国産スピーカには無いリアリティーといえる。みんな、国産には無い刺激を海外スピーカに求めていた。JBLに痺れた人達は、きっとその魔術にかかったに違いない。当時、舶来のスピーカが置いてあるJAZZ喫茶は、学生達の熱気で溢れていたし、アルテック、タノイ、JBLなどを鳴らした店を回り、仲間と議論したものだ。

 個性的なスピーカには、「鳴らすのが難しい」といわれる物が数多く存在する。アンプをとっかえ、ひっかえしながら、試行錯誤するわけだが、なかなか思うような音にならない時にその様な表現がなされる。かといって、アンプを変えても、時間が経過しても音が良くなることはないが、しばらく音を出していると、オーナーはやっと馴染んできたと喜びながら話す。それは、「オーナーの耳が慣れた」だけで、物理的にはエージングが済んだぐらいのことなのである。たとえ、オーディオという勝手な趣味の世界でも、その製品の目的、歴史的背景、そこに使われている技術、などを詳しく知ることで、何故そうなうなのかを知り、上手に使いこなす根拠を理解できるようになる。しかし、殆どのお金持ちは、そんな面倒なことはせず、アンプを交換してみるくらいである。

 メーカーが提供する製品の全てが同じコンセプトとは限らないし、製品に関しては、出来の良いものもあれば、そうでないものもある。それを一緒くたに扱うのは不適切と思うが、趣味だから何でも許されると考えられてきた。そのJBLなり、アルテック なりを好きになれば、1.少々楽器の音が違って聴こえても、2.低音が出なくても、3.歪の多い部分があっても、4.人の声がかすれて聴こえても、さほどそれを問題にすることはなかったし、レコードに記録されている元の音を知らないというのもあり、最高峰のスピーカと同じブランドだという、「一種のすり替え」で満足していたのである。 昔から「優れた特性=良い音」という構図が成り立たないのが、多くのファンを抱える趣味の世界である。ファンの楽しみ方や感性にばらつきがあるので、統一的な理屈をこねても何も結論は無い。むしろ、ファンの気持ちをいつまでつなぎとめられるかが大切なのである。

 さて、前置きが長くなってしまったが、今日紹介するアルバムのように、他人の曲をカバーするというのは、海外スピーカの使いこなしに似ている。全く忠実に音を出してもらう必要は無いし、それは、むしろパラゴンでクラシックを、オートグラフでJAZZを再生するようなものだ。やはり、本来の得意な持ち味で表現して欲しいと思うのである。別の魅力とは、今までと違った歌い方だけでもないし、不本意な表現までして欲しいわけではない。ああ、やっぱり彼女なら、あるいは彼ならその様に歌うんだ!と解釈の違いによる魅力を引き出して欲しいのである。数年、あるいは数十年の時を越えて現代に甦らせ、改めて楽しむには、それなりの新たな感性やセンスのよさで攻めて欲しいと思うのである。だからこそ、カバーなのであって、元より印象が悪くなっては商品価値は無い。そこで、歌い手よりもアレンジャーの役割の方が、はるかに重要な鍵を握っているのかもしれない。 良いアレンジは、何度聴いても歌い手の楽しさが伝わってくるが、そうでないと、やはり無理をして、苦しそうに聴こえてしまう。

 今日は最新のアルバムである。1つ目は、高橋真利子さん(以降敬称略)のNo Reason 2 ~もっとオトコゴコロ~、男性ボーカリストが歌ってヒットした曲を高橋真利子が歌い、別の味わいを響かせたもの、そしてもう1つは、徳永英明のヴォーカリスト4である。こちらは逆に女性ボーカリストが歌ってヒットした曲を徳永英明のムードで包み込んだものである。2人とも前作からタイミング的に、そろそろ新譜発売の良い時期に来ていると思われる。 感想はPDFで。
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補足 「一緒くた」:大雑把な範囲の中で、ルール無く一緒にすること。

2010/07/02

贅沢ヨーグルト

  梅雨から夏に掛けて冷たいものを食べたりして、どうもお腹の調子を崩す事がある。一方、世の中では、再びO-157が密かに猛威を振るっているらしいが、最近は目に見えない細菌やウイルスに対して敏感になり、我々の防御システムも完全になってきている。ただ、今の時期、特に夜遅くまでテレビでサッカー観戦などしているとつい色々なおやつに手が伸びて、食べ過ぎてしまったり、胃腸を痛めつけたりしてはいないだろうか。既に激戦は終わって胃腸へのストレスは減ってはいるものの、へとへとになってしまっている。このような日々が続くと、一寸したことでお腹を壊したりするかもしれない。

 そこで、この時期は乳製品やヨーグルトを摂取して、お腹を守って免疫力を高めておきたいものだ。ただ、いくら美味しくても同じ物を食べ続けると、誰でも必ず飽きが来てしまう。店頭には、様々な乳製品が並んでいるので、時折品物を変えてみるが、自分にとって美味しく感じ、おまけにお腹に対して何らかの効能があるものというのは、ある程度限定されてしまう。人には人の乳酸菌というぐらいだから、1人1人について、適性があったりなかったりするのかもしれない。かつて、ここで紹介したヨーグルト2種においても、大塚チルドの「贅酪シリーズ」は、今までに無いほど上品で最高に美味しいが、私のお腹の働きには、さほど効能はないようだし、同様に小岩井の生乳ヨーグルトもプレーンな美味しさは極め付けであったが、これも私のお腹には大きな効果は認められなかった。やはり、美味しくてもお腹に良い効果が少なければ、毎日継続しては食べられない。

  ところで、ビフィズス菌GCL2505というのがあるらしい。グリコ乳業中央研究所が発見し、様々な試験をした結果、な、なんと人のお腹の中で増える事が分かったという。もちろん無限に増えるわけではなく、やはり、一定期間を過ぎると減ってゆくらしい。それにしても、どうやって調べたのであろうか。相手がお腹の中の出来事なので、そう簡単ではなさそうだが年齢の異なる男性17人に協力してもらい、2つのグループ(200億cfu食べたAグループと20億cfu食べたBグループ)に分けて評価した。前提として、お腹の中にGCL2505 がいない人に限られるが、試験では、GCL2505 が入ったヨーグルトを食べて、翌日の便の中にいるGCL2505 を「培養して測定する方法」で数を数えた。つまり、GCL2505は生きてお腹に届き、Aグループは1500億cfu、Bグループは420億cfuも見つかったという。ということで、生きて腸に届き、このGCL2505は、仲間を増やすことがわかったのだと言う。

 その成果は、毎日続けて食べなくても、効果が継続するということである。そんなことぐらいでは、誰も気にもとめないかもしれないが、個人的には大きなメリットであると思い、是非にでも自分で臨床試験をしてみたいと考え、現在評価中である。私の場合は、3日おきに200g(パック半分)づつ朝戴くことにして試している。GCL2505の入ったヨーグルトは、フルーツ果肉入りとアロエ葉肉入りの2種類ある。フルーツの方は、とても美味しくいただけるので、申し分ないが、お通じの感じは、アロエの方が良い様に思える。ただ、どうも、ヨーグルトを変えた変わり目の時期は、それなりに効能があるように感じるのだが、しばらく食べ続けると効能が希薄になって実感が乏しくなる気がしている。
ではこちら
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%21720&app=WordPdf

補足 cfu 面積に対して生きている菌の数を表す単位で、コロニー、フォーミング、ユニッツ(菌集落を形成する単位)。試料を寒天培地の上に塗り、 培養した後で出現する菌集落の数のこと。一般的に、塗る寒天培地の密度を計算に入れるため、 菌の濃度を表す単位として cfu (菌集落の数)/cm2 (寒天培地の面積) で表す。