2011/08/04

浅草シルクプリン

 「懐かしさも美味しさ」である。・・・と勝手に偉そうな言葉が突いて出てしまった。うーむ、なかなか意味深い言葉である、と誇らしげになっている自分ではあるが、改めて、明言しなくても、その食感を得た瞬間、「ああっ、この味だ」と昔の記憶が溢れ出るような感覚に襲われることは多い。それも、歳を重ねたせいかもしれないし、かつて、食いしん坊だったせいかもしれないし、最近馴染みの無くなった食感だったのかもしれない。そんな理由はどうでもよいのだが、食べ物によって昔を思い出す事は、意外なほど楽しいことが多い。

 今から、30年くらい前に神田須田町の交差点の手前に、「きくむら」というケーキ屋兼喫茶店があった。今でも、そのようなお店は珍しくはないが、ここは、以前、和菓子の老舗だったので、洋風に新装開店した時は誰しも驚いた。お上が、これまたとても上品な美人で、和服から洋服に変わっても、「美人は何を着ても美人だ」ということを実感した記憶が残っている。その新装きくむらで、好物になったのがプリンで、銀のお皿の上にプリンが乗り、その上からラム酒とレーズンがたっぷりとかけられていた。いつでも、それが食べられた時期は、当たり前の事だったので、ありがたみはなかったのだが、勤務先が新宿、品川と転々と変わって、久しぶりに神田に出向き「きくむらの前に立って、閉店の案内」を見た時は、ショックが大きく、ふがいない自分の行動に呆れ、とても悔しかった。

 そんな記憶もいつしか時間とともに遥か彼方へ遠のいて、大して面白くもない日々を過ごしていたある日の事である。冷蔵庫の中に、この「浅草クラシック」を見つけたのである。それでも、キャップの表面には「浅草シルクプリン」と書いてあったことから、勝手に連想するに、「うーむ、どうせ今はやりのトロトロのプリン」だろうと、しばらく手を出さなかったのである。しかし、そろそろ賞味期限が来るし、そのまま処分も、もったいないし、どうせ捨てるなら、俺の胃袋に捨てようと、思い立ってスプーンを刺してみると意外に固目で、口にしたら、あの懐かしい「きくむら」の食感に似ていたのである。確かに、これは近い感じだ。という発見で感極まり、むさぼるように毎日2個づつ食べてしまった。

 今日紹介するのは、ブログ用と称して再び買ってきてもらった4個である。こういうプリンは、飽きがこず毎週でも食べられるし、それでいて、冷蔵庫にそれがあると言うだけで、日々が何となく充実した感じになり、うきうきしてうれしい。さて、このプリンは、PDFにお店=「浅草シルクプリン」のURLを載せてあるので、詳細はそちらを参照されたいが、お店は浅草の雷門の近くにあり、そちらに出かけた時に、お店に立ち寄ると言うのがよいかもしれない。もちろん、外出は苦手だし、歩きたくないし、電車に乗るのも面倒だという方には、インターネット販売もある。注文入力が終わったら、後は口を開けて待っているだけでよい。
ではこちら
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%21993&app=WordPdf