2012/09/28

オランジェットビターチョコ

 かつては、チョコ専門店を覗いて、店内の厨房で白い姿のパテシエがチョコを作っている姿をみると、今「出来たてのチョコ」を食べたいと思う事があった。そのチョコとはオレンジの洋酒漬けをビターチョコで覆ったオレンジピールチョコ、あるいは、チョコの中にサクランボの洋酒漬けを入れたサクランボチョコの2種類である。しかし、そんな専門店で買い求めるには、ある程度の数量を購入しないと失礼かなとも思うので、最近は敬遠しがちである。それも、前ほどチョコを食べなくなったせいもあるのだが、それでも、ちょっとだけ欲しい時がある。

 集中した後の気分転換に、一息入れる1回分のチョコの量は、やはり少量で、恐らく50g程度が最適だと思う。もちろん、価格のこともあるが、オレンジピールチョコなら3本程度、洋酒漬けサクランボチョコなら2個ぐらいがよい。あるいは、市販のロッテのバッカスチョコだと6粒ぐらい、同じくラミーチョコだと1本程度である。もっと食べたいな?というところで止めておくのが丁度いい。そうすると、余ったチョコは冷蔵庫で保存という事になるわけだが、ウォ-キングに携帯するのも抵抗があり、何時かそれを忘れてしまったりする。だから、やっぱり、「1箱50g程度の食べきりで提供されている」と便利なのである。もちろん、ストックが必要ならば3~5箱買っておけばよい。食べかけが残っているのが気分的に良くないのである。

 これからも、チョットだけ美味しいチョコが欲しいと思う気持ちは変らないだろう。そして、ほんの少量でも、満足できる美味しいチョコのニーズが益々高まって行くに違いない。いくらデフレといえども、森永エールチョコのような「大きいことがいいこと」という時代には、到底逆戻りするはずもないのである。では、具体的にそんなチョコがあるかと聞かれれば、明治のMyチョコBOXシリーズの「フィールミントチョコスティック」、「コーヒービート薫るエスプレッソブレンド」を挙げたい。今回、そのシリーズに新たに「オランジェットビターチョコ」が加わったので紹介しておこう。

 この「オランジェットビターチョコ」は、蜂蜜に漬けたオレンジピールにビターチョコで包んであり、大変魅力的で美味しい。いくらでも食べれそうだ。1つ1つは少し小ぶりで、やや高価なオレンジピールの実体がつかみにくく、専門店のそれと比べると「今1つオレンジ・ピールを食った!という充実感」は乏しいが、それでも、おおむねミニチュア的なイメージの美味しさで満足できる。ただ、気をつけなければならないのは、少量でも十分なカロリーを含んでいるので、いくら美味しいからといっても食べ過ぎないようにしたい。あと、幾つかの新製品も出ていたので、まとめて写真に構成した。
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2012/09/25

カロリー美食亭80

  今日は、スーパーのレトルトカレー売り場で驚いた。な、なんと、「80kcal」という驚異的な数値を叩きだした商品「ハウス食品㈱のカロリー美食亭80」である。それらは、欧風カレー、ハヤシライスソース、5種類野菜のカレーの3種類で、全て新製品。今年の初めに「瞬間美食」と言う低カロリー(130kcal 前後)の「フリーズドライのカレー」を紹介したことがあるが、これよりもずっとずっと低い数値になる。普通売られているレトルトカレーは、おおよそ内容量 200g で 230kcal と相場が決まっている。一般的に、美味しさを感じるバロメータがエネルギー量であり、その単位がカロリー値である。つまり、同じ内容量でカロリー値が大きいほど「美味しい」と考えて差し支えない(そう作られている)。しかし、このカロリー値の高い食品の中には、動物性油脂が豊富に含まれていて、若いうちは、これも元気の素と考えがちだが、歳を重ねるにつれ「激しい運動は嫌い、食事制限もいやだ」と言う人にとって、これは体に蓄積する良くない成分と考えられている。

 戦後、日本人に最も多く食べられた食事の代表は、カレー、ラーメン、ハンバーグの3種と言われ、いずれも、安い割には元気のでる食事の代名詞で、これよるパワーが高度成長時代を躍進に導いたと言っても過言ではない。しかし、その食事が今の様なマイナス成長時代も変らないとすれば、国民総摂取エネルギー量は当時と大して変わらず、もちろん体の中で燃焼もせずに、余った油脂は形を変えて、最終的には医療費の負担に繋がっているのではないかと考えられる。つまり、カレー、ラーメン、ハンバーグの3種のエネルギー量をある程度減らすことが出来れば、先々の医療費を下げることも可能になるかもしれないのである。うーむ、ほんまかぁ?

 そんな目標意識の中で、極端に低い 80kcal 3種の商品に驚き、手に取ってみたというのが本音である。仮に、これら3種類を全て食べても、240kcal と普通のレトルトカレー1食分程度に収まるのである。ここで1つ例えだが、お腹の状態を数値として表してみて、最も空腹時を-100、最も満腹時を+100 と仮定すると、-30 ぐらいの空腹を+80にしたいと思う「満腹感を重視する人」には、従来の高カロリー商品が望ましく、無理をして食事や生き方まで変える必要はない。しかし、お腹が空いた状態を -80 まで我慢でき +30 ぐらいの、あくまで「空腹」を満たす程度の状態を基準に置くような人達には、この 80kcal の食品は重要な商品になりうるのである。これは健康維持にとても良い。逆にいえば、今までレトルトカレーは、高カロリーであるがゆえに苦手だったと言う人も多い筈で、この商品の市場導入がもたらす効果は大きい。

 早速、3種を食べ比べてみたが、1/3も低カロリーな割には、「確かに少し軽い感じは否めないが、それにしても、とても美味しい」と思う。高カロリーな油脂を使って食材を長時間煮込まないと生成されないようなコクや旨味があり、これは何か別の工夫がなされていると感じる。こういうところに、いわゆる食材のイノベーションを体感できるわけである。そして、消化も早く胃腸への負担も少ないが、腹持ちは良いので、特別病院食の様な扱いをする必要はない。普通のレトルト食品として、おじいちゃんやおばあちゃんにも美味しく戴けるはずだ。そもそも、180gで80kcal とは、グラムあたりに換算すると、チチヤスヨーグルト(赤ラベル)85gで79kcal の半分程度のカロリー値である。

 この超低カロリー80kcal の効能は、ダイエットを心がける女性や糖尿病予備軍の中高年はもとより、胃腸が弱くなってきた人達にも好都合だし、夜勉強に勤しむ受験生や、食事が夜遅くなる人など、有効性の範囲が広い。おまけに、これらの「超低カロリーで美味しい食品」作りのノウハウは、国内外を問わず、病院食、養老ホーム等の食事のバリエーション拡大にも有効と考えられる.。もうひとつ、レトルトであるがゆえに長期保存(1年)にも優れ、カロリーの低さで、防災時でも誰でも親しまれる非常食としても優れている。
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2012/09/21

九州名物 白くま

  この夏は、九州名物と書いたこのアイスキャンディーにお世話になった。パッケージには、「エスキモーに出てくるような白クマ」が描かれていて、会社の名前は「丸永製菓」と印刷されている。何か少しだけ変なの?と思って、最初は敬遠するしかなかった。これは、後から考えると、実物の「美味しさ」よりはるかに遠い印象を与え、商品として少し損をしている。パッケージなどの多少の安っぽさは、親近感すらわいて好感が持てるが、若干「違和感」を感じると、人は手に取らなくなる。普通の人は、そんなことを考えることもないとは思うが、今から54年ぐらい前の話になるが、幼い時の記憶の中に、「類似のお菓子を販売する」会社が多かった。その記憶と一瞬交錯してしまったのかもしれない。

  僅かに、そんなことを感じていながらも、この会社の別の商品が、どこのスーパーの冷凍庫の中にも置いてあることを知ると、にわかに美味しそうな気がして、実物を手に取ってみたのである。これは、「九州名物」なのだと思いながら、小豆かと思ったら「甘納豆」が使われていたのである。これは、甘味センスのいいやつの仕業だ、その絶妙な甘味感覚がきっと美味いに違いないとの印象を受けたのである。今まで口にしなかったのが恥ずかしいぐらいで、正直素晴らしいアイデアのアイスキャンディーだと思える。とにかく「文句なく美味しい」のである。もちろん、1箱6本入り297円という価格の事も考えての事なのだが、この「九州名物」は全国展開できる商品である。

 角型バーアイスと言うのは、はっきりした主張があるのが普通である。例えば、パインとみかんの味とか、小豆入りの抹茶味とか、かき氷練乳味とか、はたまたクリームソーダ味とか子供たちに分かりやすい表記でなければ手に取ってもらえない。それは、子供にも「味が簡単にイメージ」できる必要があるからで、この九州名物アイスキャンディーの最も分かりにくいのは、大きな文字で「白くま」と書いてあるところにある。ひょっとしたら、「母さん!これ白くまが入ってるの?そうだよ~怖いね~」。白くまの着ている「ふわふわとした雪」が入っているかもね。おまけに 「パイン、黄桃、あずき」を一緒に楽しめるおいしいアイスとも書いてあり、うーむ、一体どんな味なんだろう・・・それが競合他社の表記に慣れた子供たちには難解に映ってしまい、手が出せなくて困るのである。

 そういう表記で大いに損をして、子供たちに怖がられているのではないかと、ひたすら心配しているのだが、一度口にしてみると「みんな美味しい」と思うに違いない。そして大好きになる筈である。だから、「嫌なら、子供達には無理をして食べて戴かなくても結構で、下手に人気が出て在庫不足になるより、大人の我々が代わりに戴きますから」と言いたくなりそうである。今時、アイスキャンディーは夏だけの食べ物ではない、これからも、一年を通してお世話になると思う。
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補足:ブランドなのか、商品名なのか、キャッチフレーズなのか分からない表記には、製造者の思い込入れが出すぎたり、あるいは社内の散漫な考えがそのまま映し出されることは多い。世の中、パッケージや取説、はたまたホームページなどの表記にも笑えるものは多い。

2012/09/18

サッポロ一番 中華そば

 ここんとこ麺業界も慌ただしい動きになってきた。次から次へと各社、麺の独自製法を誇る新製品の市場投入が続いている。マルちゃん正麺も、日清ラ王も、色々と凝ったCMを展開したが、それよりも何よりも、あの湾岸警察署の青島俊作巡査部長が画面にアップになって「美味しい」と言うのは、説得力がある。だから、黙って指をくわえて映画を見た後は、みんな「サッポロ一番 中華そば」を買って帰るのだろう。これが今、身近で起こった同時多発麺事件なのである。手掛かりは、製法の違いと、それによってもたらされる喉越しにありそうだ。

    次こそは、是非「ラ王」と比較してみようと思っていた「まるちゃん正麺」派の人達も、1個飛ばして「ラ王」より先に、この「麺の力 中華そば」に心を動かされたに違いない。この絶妙なタイミングで、新製品を登場させたサンヨー食品こそ、まさに「王道」の技といってよい。これまで新たな製法で作られた麺の喉越しに驚いた人達も、どうやら、揃って油揚げ麺の「麺の力 中華そば」に注目しているようだ。さらに、三者三様の美味しさを自分たちの物差しで一刀両断に切り取ってしまう、そんな麺食いにとって、心躍り奮い立つような楽しい時期になったのである。

 サッポロ一番というブランド名と、「味噌ラーメン」の美味しさから、サンヨー食品は、札幌にある会社だと誤解していた時期があった。いつしか、群馬の会社だと知ってからは、同社の独自性の高い商品企画に興味を魅かれる様になった。とても難しい麺類の即席麺化に挑戦しているからである。最近では、あの「坦々麺」を、そしてこの度は、もっと難しい「ちゃんぽん」を、袋めん市場に投入してきたのだ。どちらも、市場規模は小さい割には、即席麺のスープとしては個性的で、さらに、それに見合う麺作りをしなければならない。それを承知で、市場投入したのである。もちろん、ある程度のシェアを確保できれば「味噌ラーメン」に次ぐヒットに繋がるはずである。難しいのは、いずれも袋めんの持つ「少しだけ手を加えて美味しく戴く作法」を顧客が活用できるかという点にあると言えよう。

 この「中華そば」は、醤油味のラーメンと競合するものではない。あくまで、中華そばなのである。このネーミングからは、懐かしい麺の喉越しやスープの風味が蘇ってくる。はるか昔、街角にあった「中華そば」と書いた暖簾をくぐった食堂にあり、現在50歳以上の人達にとって、共通するイメージと言えよう。すでに、そういう大切な記憶の中に刻まれているものなのである。鶏がらや豚骨の旨味に醤油、生姜、香味野菜を合わせて、手間を掛けた「懐かしい本物の味」が堪能できる筈である。我々が大切にして来た思い入れに、真っ向から、正々堂々と「中華そば」という大胆なネーミングで登場させたところにサンヨー食品の自信が現れている。
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2012/09/14

続 京王線地下を走る


    京王線の地下化の話を紹介したら、その後、知り合いから「結局どうなった?次回が楽しみだ」とか言われてしまった。もちろんその予定はなかったが、うー、うんとか返事が口をついて出てしまった。京王線の地下がどうなったかは、いつでも確認できるが・・・・、既に、地上の線路は錆びつき、ところどころ駅舎の解体が始まって、無残な姿を露呈している(上の写真:調布駅4番線ホーム新宿側より望む)。こんな姿は見せたくないが、それでも、調布を離れて遠くにいる人達は、程良い哀愁を感じるかもしれない。うーむ、気がつかなかった。次回は、いずれ地上にあった線路が全て綺麗になくなった頃に、「こんなに変わってしまった」と言う報告をしたいと考えていたのだが、それでも、京王線の変遷を楽しみにしている人がいるなら、ということで、ここで1発補足をしておきたい。


  京王線が国領→布田→調布間で地下を走るようになってから、ほぼ1か月が経過した。地上と地下の駅の切換当初は、まだ設備等が不十分だったようで、もちろん工事はまだ続いているが、案内や警備する人はずいぶん減った。人は新しい環境にすぐに慣れて、地下への違和感は消える。今やこれが当たり前になって人々に馴染んでいる。かつてはどうであったかなど、既に新旧比較など興味もないようだ。それもこれも、以前より通行がスムーズで便利になった効果と、予想もできなかったほど「都会風で綺麗な駅」が作られたことで、より親しみ易いやすい環境になったからだ。


 駅構内は、いずれも歩行に迷いのないように、構造が細部まで検討されていて、それらをより鮮明にするカラーリングや掲示板とが相まって、機能的になっている。さらに、全ての駅にホームガードが設置され、より安全性を重視した印象を与えている。地下のホームに降りると、誰でも圧迫感や閉塞感を受けることがある。ホームのスペースが小さければ小さいほど顕著だし、また、電車が入線するとか通過するときの騒音は、トンネルを響き渡り大きい。年配の人たちの耳には辛いだろう。それに精神的抵抗感を覚えることも少なくないが、それこそが地下に収まった駅構内の宿命といえる。調布駅は、全ての電車が停車するので、通過騒音は無いが、国領駅は特急、急行、快速と、何本も大きな音が響いてくる(上、下の写真は調布駅の構内)。


 ところが、布田駅(下の写真)は大きなホームドアが全てを覆い隠してホーム自体を密閉構造にしている。下り側のドアはネイビー、上りのドアはマゼンタのカラーリングがなされ、車両が通過するときに発する騒音はかなり抑えられている。電車が停車した時だけ密閉構造が解かれる。ドアは大きめで、将来の更なる大型車両にも対応できそうである。3つの駅では最も乗り降りの客数の少なく、しかも、調布駅と目と鼻の先と極めて近く、地下で繋がっていても良いくらいの、もったいないような布田駅だが、ホームにいる乗客のみならず、電車の乗務員にも精神的な負担が減っているようだ。調布、布田、国領の3つの駅の中で一番洗練されているのがこの布田駅といえる。


 先日、6000系車両が写っていたフイルムがあったことで、気を良くして丹念に探していたら、今度は2000系の各停車両が出て来た。おまけに、国領駅に入線している写真もあったので、これを使って3枚の組写真にしてみた。上りと下りが別々の出入口になっている当時の国領駅の様子が分かり懐かしい。「上り」側の駅舎の前には三角形の空きスペースがあり、改札から外に出ると正面に2階建ての西友ストアー、右には銭湯とコインランドリーがあった。そのあたりは、この写真には写っていないが、この写真を見て初めて思い出せるロケーションと思える。現在の国領駅の様子は、一番下の写真になる。
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補足:カラーリング=ネイビーとマゼンタの京王電鉄のイメージカラー2色を効果的に使ってある。

2012/09/11

日清ラ王

 それを食べた人748人、その人たちの平均の値付けは532円だったという、そんな無料ラーメン店が話題を呼んでいる。恐らく覆面メーカーが、ラーメンを無料で提供し、モニターをお願いしているのだ。あなたなら「いくらの値段をつけるか」というアンケートに答えた統計結果である。あの「綾鷹のこりゃうめえゃ!」というCMより具体性が高いといえる。店舗はプレハブで、殆ど具もなく、素ラーメンに532円がついたというのは、普通に考えると、かなり「美味しい」と思えるのだが、無料という状況が生んだ体裁のよい「日本人的儀礼」ともとれる。それを、額面通り受け取るのは、いささか危険かもしれない。

 視聴者に、それがきっとあの「ラ王」だろうと思わせるところに、日清食品の練られた戦略がある。即席袋めんの市場は、既に歴史的に評価を得た商品が売り場を占有している。この歴史的というのは、即席めんが出たころからのファン、つまり今の50~60代が青春時代を共にした定評ある商品(チャルメラ、サッポロ一番、出前一丁等)ということである。そんな商品が並んだお店に持ち込んでも、既に自社の商品(チキンラーメン、日清焼きそば等)が並んでいることもあり、置き場がないという理由で拒まれることも多い。売れるか売れないかわからない商品を売り場には置けないのが1番の理由だ。

 また、一方で唯一支持されている商品がある。それが、まるちゃん正麺(味噌、醤油、塩、豚骨)であり、それは思いのほかグングン売り上げを伸ばし、置き場のスペースを自ら広げていたのである。今やマルちゃんは、このシリーズだけで売り場の3割を占有していると言っても過言ではない。テレビCMの独創性やキャラクター人気の効果もあって、若者から年配にまで「美味しい」と評価されたのである。

 そういうマーケットのトレンドに対処するには、お客の「指名買い」を促すしかない。お店の担当者に常連客から「袋めんのラ王」は何処にありますか?と次々と声をかけるとすると、まず、「うちも置かないとまずい」と思うだろう。そして、テレビを通じて「美味しいわ」という大きな広がりで後押しをする。さらにもう1つ、顧客の選択肢に楔を打つ必要もある。どんなに美味しいラーメンでも、同じものは飽きる。他も食べてみたい、あるいは、あのラ王を食べてみたいと思った時がチャンスなのである。そうやってマルちゃんの牙城に一石を投じるのである。幾つかのチャンスを掴んで、袋めんのマーケットの大部分を奪回しようとしているのである。特に、これからは、「容器を捨てるのに困るカップめん」から「コスパの優れた袋めん」の時代へ戻りつつあり、力を入れざるおえない筈である。

 ・・・そんな事を考えながら、やや興奮して焼き豚を刻みすぎてしまった。麺を袋から出して「沸騰したお湯で4分茹でよ」と書いてある。茹で上がったら、少なめのレタスや卵焼きと合わせたい。「麺だけを取り出して、これは美味しい」というのもいかがなものか、と思うが、この表面つるつるの麺は、間違いなくとびきり腰が強く美味しい。実はゆで時間3.5分で、口にするまでに4分。スープは日清独自でモダンな印象の四川風味噌で、コシのある流行りの麺と、日清得意のスープで新たな世界を切り開くといった意気込みを感じる。それを生かすには、そのままストレートで戴くのもよい。
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補足:日本人的儀礼=日本の慣習によって定型化されている礼儀。ここでは、場所まで用意して、温かい食べ物を戴いたと言う意味でのお礼。食べたものの美味しさより、その「誠意を重んじる」と言う意味で日本的である。少々口に合わなくても、「良い数字を出しておけば無難」と言う意味でも日本的と言えよう。

2012/09/07

大豆を栽培するキット4

  分野の違う事について、我々は如何に無知か分かる。極端な言い方をすると、興味のない人にとって園芸や農作物は、種を撒いておけば勝手に育つぐらいにしか考えていない。そういう知識の現実を十分認識した上で、この大豆キット「Soylution」は提供されている。この環境があくまで自然にベランダに置いた大豆の鉢植えを「美味しそう?」に育てたのである。これは、徹底して完成度の高いキットだったと思える。私は水を与えただけだ。ただ、それでも誤解してはならないのは、全てがうまくいくわけではないし、それでも、絵に描いたように大豆が育てば嬉しいし、満足度も高い。

  この時期、朝顔や昼顔を育てても虫がついて困ることがある。バジルも同じだ。いずれにしても、何時でも、何回でも、安定して植物を育てるのは簡単ではない。だから、1つ1つ葉や幹を観察しながら、危険をいち早く察知して対処する習慣の必要がある。分からないことがあれば調べるしかない。今は、昔と違いネットでおおよそのことを調べることが出来る。その基礎的な知識を駆使して、専門家に尋ねるのがよい。そうやって、熱心に専門情報を受けることで、一方的な情報収集では得られない、より実際に適した対処法を入手することが出来る。さらに、知識として持つだけでは「実に付かない」ことでも、実践を積み重ねることよって、次第に大きな果実を得ることが出来るようになる筈だ。

  かつて、祖母の庭いじりを思い出すに、きっと、この何気ない触り具合で楽しむ世界にも、ある程度の「コツ」というのがあるに違いないと思っていた。だが、コツとは、原理や原則を飛び越えたところに臨機応変に浮遊していたりするので、ある意味では危うい知識とも言える。やはり、それを伝授されたところで、一般解答のようなわけにはいかないのである。たまに花屋で鉢植えを買ってくることもあって、ある程度時間が経過すると、何故か枯れてしまうこともある。もっとも、販売した方は、小安い鉢植えを未来永劫楽しまれても困るとは思うが、あっ気ない終わり方をすることも多い。それがいったい何であるか、それこそ専門家に尋ねるしかないのである。環境が悪かったのかと思って反省し、再び購入してくる。これが答えなのかもしれない。

 そういうものと一緒にはできないけれど、スーパーの野菜売り場の茄子やトマト、胡瓜や大根などをみて、これだけの美しい色や形を作り、おまけに洗って袋詰をし、おじさんの顔まで出して安全性を保証する。これで195円は、「めちゃめちゃ安いぜ!」と感じるのである。農家の高齢化が進んでいる現在、一体いつまでこのような「美しい野菜」を提供してもらえるのか心配になる。そういう想いを理解した上で、今日の写真を見てもらうわけだが、やはりスーパー等にある枝豆は、豆がたわわに実っていて、「素晴らしいな」と改めて感動するわけである。それもこれも、大豆キット「Soylution」を育ててみてわかったことで、もし、枝豆の段階で食べたければ、スーパーで塩茹でしたものを買って来た方がよい。そして、できれば、この大豆キット「Soylution」を眺めながら食べるとよい。
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補足:文中で使われている Soylution =Soy(大豆)+solution(解決)という造語。誤解のないように。

2012/09/04

ディスカバリー6

  京王線とは、東京へ来てからずっとお世話になり、すでに41年が過ぎた。いつまでお世話になるか分からないが、今回は地下化に伴い、1つの区切りとして「国領→調布」間の地上を走る電車をいくつか撮影した。炎天下で線路の脇をポツポツと歩いていると、ふと「前にも歩いたことがある、写真も撮ったかもしれない」という妄想のような記憶が呼び戻されてきた。「こういう事ってあるんだよな、来たこともないところでも、前に一度来た事があるような錯覚、前世の記憶なのか・・・・あー、やだやだ。頭が熱暴走しているのか」。いや、それとは少し違うようだ。ただ、歩いたのはいつ頃だったか、あるいは場所はどこだったかはっきりしない。もしそれが過去の事実なら、フイルムが残っているはずだが、「うーむ」と首を傾げてしまった。

 日に日に、記憶の曖昧さでフィルムが残っているという自信を希薄にしていくが、あるとしたら、どうしてもこのブログに1ページとして加えておきたいのである。とりあえず、地下化切換工事の写真をアップした後なので、ゆっくり探すことにしたのだが、見当がつかない。探すついでに、関係のないビデオやオーディオ関連のフイルムばかり出てきてしまった。それらは、いずれ「このディスカバリー」で紹介していきたいが、あの、昔撮影したと思っている京王線の写真は、妄想だったかもしれない。本当に撮影していたのだろうか、だったら何故見付からないのだろうか?。そうやって、探すきっかけと言うか、何の手掛かりもないことが不安だったのである。

 そんなある日、つつじヶ丘で各駅停車に乗り換えようと車両の最後部で降りた。向かい側のそこには、各停がホームいっぱいに停車していたのである。ホームが細くなって互いの車両の距離が2m弱ぐらいまで接近しているのを眺めながら、将来は車両の編成がもっと増えるのではないかと余計な心配をしたのである。その瞬間、昔の「大型7両編成で電車が来ます」というアナウンスを思い出した。現在はステンレスカーの10両(一部8両)で運行されているが、当時は大型7両は画期的で、京王線自慢の車両だったのである。あの時は、あちこちでホームの延長工事をしていた。そのことが記憶の引き金になったのか、霧が晴れるように記憶がはっきりしてきた。当時の大型7両編成は確かに車体が大きかった。その編成の特急も急行も快速も国領駅には停車しないが、国領の駅を出たところで急激に右カーブをするため、その手前で必ずスピードを落とす。そうだ、その同じ手前で写真を撮ったのだ。

 今でこそ、速いスピードで近づいてくる被写体を撮影するのは、カメラの動体予測モードを使う事が出来る。しかし、当時はそのような機能のカメラはなかった。ただ、単に露出計がついているだけだった。だから、車両がスピードを落とす場所こそが、最適な撮影ポイントになったわけである。仕事ではフイルムをF、SSまたはエクタクロームを使っていたが、個人的な撮影には全てコダクローム64で、もし残っているとしたら家族を撮影したフィルムの後ろにあるかもしれない。そんな可能性が出て来た。まさかとは思ったが、丹念にフイルムを調べると、どれもフイルムの最後部に、調布市内の風景や畑、等にまぎれて京王線の電車が数点写っていたのだ。家族の写真と一緒に残っているなんて想像もしていなかったが、やっぱり撮影していた。
こちらが残っていたその1枚。
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補足:コダクローム64=コダックのスライドフィルムの1種。フイルム感度=ASA64。
現像は、約一週間かかったが、このフイルムは、映画などにも使われるため、長期保存に適していると思い、あえて家族の写真は全てこれを使って撮影していた。