2011/12/29

年越し蕎麦


 深大寺で蕎麦をいただくなら、いつの日か初詣より、空いている末詣の方がいいと思うようになった。年末に今年の感謝のお参りをして、年明けは、誕生日の前に初詣がてら新規のお願いに行くことにしている。この、「ええっ?」って言われそうな、あつかましいお願いをしながら、年末と年始は蕎麦を食べて近くを散策する。今日も、そんな気分で深大寺まで軽く足を延ばして来た。しばらく来ていないが、何も変わっていないことに安堵する。深大寺門付近の蕎麦屋はそれなりに創意工夫をして、お店の独自性を出しているので、どこのお店が行きつけと言うこともない。むしろ二十数軒ある蕎麦屋を巡って、自分好みにあった蕎麦屋を見つけるのを楽しみにしている。

 遠い昔の若い頃10年間ほど神田淡路町の出版社で仕事をしていたことがあり、いつの日か近所にあった超老舗の「藪そば」も「神田まつや」も、私にとっては定食屋並みに親しみのあるお店になっていた。いずれも、すでにこのブログの「神田シリーズ」で紹介したことがある。自分としては、これらのお店の「つゆと蕎麦」の味は、既に脳裏に焼き付いており、今更ながら懐かしさはあっても、新たな発見はない。こういう老舗のお店は、むしろその変らぬ美味しさを求められているようだ。人は歳を重ねると、新しいことより、古いことを思い出して喜ぶように設計されているらしい。だから、古い老舗の懐かしさに感動しやすいのである。そんな人が周囲にもたくさんいらっしゃるはずである。

 深大寺門付近の蕎麦屋は既に何軒も食べ歩いてきたが、お店の特徴は何も蕎麦の喉越しやつゆの風味だけではない。風情を感じさせるお店内部の様子や外観にも拘りを感じたりするのである。そこに、「いわゆる客を引く見えないお上」の姿があって、かん高い声で「いらっしゃい~」と声をかけられているような雰囲気を感じさせてくれるのである。その日の気分や日差し、あるいは天候などによって、うーむ、今日はめっぽう「腰の強い蕎麦」にしたいなあ~とか、美味しいつゆの「かけ蕎麦」で温まりたいなあ~とか、自然薯の「とろろのかかった蕎麦」をづるっと戴きたいとか、様々に想像をめぐらして、わがままに遊びつくせるのである。

 今日は、深大寺バス停を降りて、深妙大王堂から深大寺本堂への「西からの参道」の、ほぼ入口にある「青木屋の外観」を紹介したい。数多くの提灯の並びに特徴があり、やわらかい間接照明の中で50年続く拘りの本命蕎麦を満喫できる。
ではこちら
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  深大寺周囲の他のお店も見てみたいと思われるなら、過去のライブラリーから再掲してみたい。自作蕎麦の紹介になっているが、写真のみ参照されたい。
 まず、おろそかにしてはならない深大寺蕎麦観音から
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  1軒目の門前蕎麦
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 2軒目の一休庵
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 3軒目の八起蕎麦
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 4軒目の雀のお宿
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 などである。

2011/12/27

おでんで勝負する

    そんなもの作ったからといって、わざわざ自慢するなよ!と言われそうだが、しかし、私の競争心に火をつけたのは、市場を席巻して一大旋風を巻き起こそうとしているコンビニ勢のおでん群である。セブンイレブンは昔から「美味しいおでん」を用意しているし、最近ファミマの「おでんつゆで作る麺」もなかなか美味しい。ローソンのトマトソースでいただく「洋風おでん」は、まあ、珍しく新しい提案である。そういう心温まる新たな展開で「おでんの仁義なき戦い」を仕掛けてきたのは彼等である。どれもこれも、キャッチフレーズは、理屈っぽく 「うーむ、美味しそうじゃないか」 と思わせる説得力がある。しかし、実際の現場では、どれも「今1つの感」は否めない。出汁の色はなんとでもなるが、薫と言うか風味の管理が難しく、時間との勝負になる。ここに商売としての「待つ身の辛さ」が潜む。あっはは。

 ファミマの「おでんつゆで作る麺」は、表現方法として実に的を得ている。おでんのつゆを最後まで飲み干すことは滅多にないと思うが、うどんや蕎麦の麺を入れて「温まってみたい」と思う美味しさを作り出すにはどうすればよいのか、それは簡単である。うどんや蕎麦のつゆで、おでんを作ればよいからである。それには昆布、鰹節で出汁をとり、醤油、日本酒を加えて好みのつゆに調整すればよい。しかし、その単純さが難しいのである。厳選食材に手を掛けて出汁作りを何度も繰り返すことをいとわなければ、徐々にコツをつかんで美味しくなるが、そこまでゆくと、それは職人の仕事である。だいたい「おでん」なんかで触発される人は、食べることは好きでも、面倒なことを嫌う人が多い。

 そこで、この際だから絶対失敗のない「美味しいつゆの素」を紹介しておきたい。嫁入り前のお嬢さんなら、これ1本持ってお嫁に行けば、和食で苦労することはない。お姑さんも裸足で逃げる職人の味を引きだせるのである。ま、「伝統の老舗のつゆ」とでも呼んでほしい。このつゆで作れる代表例として、すき焼きの割下、湯豆腐、ざるそば、冷やしうどん、天つゆ、かつ丼や丼物のたれ、揚げだし豆腐、かけそば、かけうどん、寄せ鍋、和風の煮物、魚の煮付け、など、といっても、どこのメーカーのつゆも同じ品目が書かれているが、ここでは「味の品位」が違うことを強調しておきたい。あとは、応用と言うか使い方の工夫次第である。

 今日は、その京都伏見のつゆ=「創味のつゆ」を「おでん」に使ってみた。このつゆをアルカリイオン水で1:10程度で希釈し、乾燥「帆立の貝柱」(ここが俺流)、そしてこの季節の特徴を出すのに生食用「牡蠣」1パックを使う(これも広島流?)。そして、日本酒を適量投入する。少し「つゆ」が薄いかなと思う程度でよい。さらに、ちょっぴり辛めがお好きな方は、「鷹の爪」を加えるとか、さっぱり感を強調したい場合は、生姜を一欠け投入しておく。油で揚げてあるおでんの種は、一度湯通しをして余計な油を流し、さっぱりした感じで使いたい。牡蠣は、洗浄後「創味のつゆ」1:4 程度の濃いめのつゆが入った鍋で火を通しておき、最後に合わせて盛りつける。大根や、ジャガイモなど火の通りにくい食材を扱う場合は、あらかじめ別の鍋に用意する。おでん鍋の火力はあくまで小さめで、沸騰させてつゆの味を壊さないように注意をする。

  あと、ファミマの様な透明感のあるつゆにしたい場合は、別途つゆを用意し入れ替える。これだと、麺を入れて食べてみたいと思う色になるかもしれないが、1度、この「創味のつゆ」を使うと、そんなつまらんことを考えなくても、必要な時に必要な量だけ希釈して使えば良いと思うに違いない。おっと、忘れるところだったが、トマトソースも優しくて良いが、「おやじ味噌」で辛味を加えると、全然風味の違う美味しさが引き出せる。これもいけると思う。さらに、この「創味のつゆ」の美味しさを知ると、様々な料理に腕をふるってみたいと思うはずである。このような状態を「味を占める」というが、とにかく、最初は騙されたと思って使ってみるとよい。
ではこちら
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 補足1:注意すべき事として、便利な「保温容器」を使っておでんを作る場合は、最初の数時間だけ保温容器で温め、適当な時間で取り出して冷やすこと。冷えるときに味がしみ込む。そして、保温容器は、中の物が腐敗しやすいので、長時間放置しないよう注意しておきたい。
 補足2:近くのお店に、この「創味のつゆ」を置いてなかったら、ひょっとして売り場の担当者は外国人かもしれない。そういう場合は、次からそのお店を考え直した方がよい。
  補足3:煮込む料理には、浸透力で差があるアルカリイオン水が優れている。

2011/12/23

オーディオマニア22

    恐る恐るボリュームを上げると、飛び散るような鮮烈な音が飛び出してきた。端正で明るい中高域はYAMAHA B-3 の特徴である。もうかれこれ20年ぐらい電気を入れてなかったせいか、疲れもとれたようで元気いっぱいである。聴いている方は、随分くたびれてしまったが、この音を聴くと、30年前の若かりし日々が自然に蘇ってくる。1年ぐらい前の話になるが、常用していたBX-1(モノパワーアンプ)の1台が部品不足で修理できない状況になり、2台とも部品取り用としてYAMAHAのサービスに奉納させてもらった。そこで、不安を抱えたまま、奥の部屋からB-3を引っ張り出して音を確認してみたと言うわけである。B-3も悪くはないが、やっぱり、BX-1の重厚で壮大な音づくりは良かったなと、ありがたみをかみしめている今日この頃である。

   BX-1もB-3もそれぞれ音の傾向が大きく異なり、勿論、発売年次(80年、77年)やスペック的にも、最大出力、出力デバイス、回路系、部品、物理特性等が異なる。何が違うからパワーアンプでこういう音の違いがあるのか、明確な理由はない筈なのだが、専門家に言わせれば、必ずこじつけをしたがる。たとえば、BX-1は、完全A級アンプなので、電源電流を低歪率化するリニアトランスファ回路を採用して電流歪を低く抑え、電源が音質に影響を与えないピュアカレントサーボアンプを実現しているという説明であったり、B-3の回路構成の、初段はカスコードブートストラップFET差動増幅、プリドライブ段はカレントミラー負荷差動増幅、ドライブ段はプッシュプルドライブ回路、出力段はB-3用に開発されたSIT(V-FET)によるDCアンプ構成で、低域から超高域までピュアな音質を実現したという。まあ、勝手に名称を付けるのも悪くはないのだが・・・・。

  ただ、いずれのパワーアンプも、音質対策用の自社製の部品をふんだんに投入してあり、回路方式よりも部品による音質への影響が大きいと思われる。自社製部品をふんだんに投入できる会社の製品は、明らかに音のまとまりがよいという傾向がある。当時は、シャシを開けてみただけで、これは「いい音がしそうじゃ」とか、「全然あかんわ」などと、勝手に決め付けたものである。たとえば、外販されている馴染みある部品が多用されているアンプは、音のまとまりが悪いという印象を持っていた。別にアキュフェーズのアンプを指しているわけではないが、新製品の内部をあけて写真を撮り、そして音を聴くと言う編集屋の仕事柄、そういう経験を積んだわけである。勿論、まったく根拠はないにも関わらず、結果は極めて的確だったと思っている。しかし、このBX-1とB-3の音の違いは、かなり次元の高い比較であって、その手の「どうにもならない違い」ではないことを強調しておきたい。

 結局、良い音を追求していくと、部品から半導体まで自社で開発しなければならないという結論に達する。当たり前と言えば、当たり前の話で、音質の管理が様々なジャンルで行き届くわけである。それを、大手メーカーの底力と言ってしまえばそれまでだが、「優秀な人材が高い次元の製品を目指す」には、そういう選択肢しかないのである。それも、オーディオへの取り組む姿勢のバロメータとして評価されるべきである。その視点で YAMAHA というブランドを眺めると、「製品に人が憧れる美的感覚を豊富に盛り込める会社」で、オーディオに限ったことでもないのだが、この分野でも歴史に大きな業績を残してきたと言える。多少の好き嫌いはあっても、傍から見るとよい会社に思える。

 パワーアンプは、もっともらしい評価方法の1つに「1Wの価格」で比較されることがある。まったく、八百屋で売られている「みかん一山」いくらと同じだが、その手法で比較してみると、A級モノパワーアンプBX-1は、片チャネル100Wで33万円→100Wx2=66万円である。DCパワーアンプB-3は、元々ステレオで使えるので70Wx2=20万円となる。こういう比較だとBX-1の重厚で壮大な音づくりは納得がゆくものかもしれない。今日は、そのB-3を撮影してある。とにかくYAMAHAのアンプは、全て黒いヘアラインづくめという特徴があり、撮影の前の清掃には手間が掛る。
ではこちら
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2011/12/20

このブログへ来るきっかけ2

    半年前に始めたレビューの第2弾になる。身の回りで起こっている様々な現象を、ブログという形で紹介してきた。私より御年配の方々で生きる刺激の少ない方は、この報告を「同世代の話題の1つとして」参考に若者社会との親和性を増やしてもらいたいと思う。今回も、まず期間を2011年1月1日~2011年12月19日に設定し過去1年間の統計になる。原稿のリリースの日はまちまちで、古い方が若干上位に有利になる。そして、あくまでもアドレスではなく「タイトル、もしくは、ラベルから」のみ関連ワードを抽出してランキングしている。

 まずは、20位→Netra T1 、19位→新品種みかん せとか、18位→八幡太郎義家納豆、17位→オーディオマニア14、16位→一枚流し水羊羹、15位→VHD、14位→オーディオマニア16、13位→競馬は興業なのだ、12位→京王フラワーガーデン、11位→フランス流紅茶芸術、10位→オーディオマニア13、9位→SUN StorEdge D2 、8位→仕事でEOS7D 、7位→無停電電源(UPS)を使いこなす、6位→オーディオマニア15、5位→キャンディーズと電線音頭、4位→不二屋のミルキーロール、3位→腰痛治療、2位→贅沢ヨーグルト、1位→EF28-70mmF2.8Lの白濁現象 となっている。半年前の過去1年の結果と大きな違いはない。

  誤解されても困るので再び補足するが、これら20位のランキングは、記事がよかったと言って評価された順位ではない。あくまでも、その関連ワードによって検索している人が多いというだけである。つまり、「不二屋のミルキーロール」を知りたいから、ブラウザの検索から「不二屋」とか、「ミルキー」とか、「ロール」と叩いてみて、その中から Archivetec Report をクリックしただけの事である。あと「腰痛治療」などは、いつもアクセス数は多い。そこで、冒頭の書き出しのように「御年配同士の話題」に力強い味方になると思われる。いつ統計を取っても必ず上位へ入る不滅の話題といえる。しかし、それは腰痛に関して良いブログがないか、あるいは、腰痛で困っている人がArchivetec Report を何か腰痛に関するレポートと勘違いしてクリックしているかの、いずれかが考えられる。

 さて、このランキングは20位まで紹介したが、実際は125位まで続く。しかし、それらには、定期的にこのブログを見ていただいている常連さんは一切含まれていない。「ブラウザの検索」からたどり着いた一元さんのランキングなのである。常連さんと一元さんの違いは、ほぼ1桁である。

 このブログを始めてご覧になった方への推奨手順は、上記で紹介した20タイトルのうち、興味のあるものがみつかれば、そのワードをページの右側にある「ブログ内検索」へ投入して、それに関連いたページを開いてもらえば良いし、大まかに分類して、「オーディオ、甘いもの、乳製品、流行歌」などが話題の中心なので、その関連用語を投入してもらっても良い。それで、面白そうなものが出てこなければ、それは、何処を見ても面白くないということに繋がるので、早めに離脱された方がよい。しかし、文字を追いかけるのがお好きで、誤字脱字を見つけるのが趣味とおっしゃる方は、じっくり、いくらでもほじくっていただいて結構である。いつか、面白いものを発掘できるかもしれない。

  補足:期間を2011年1月1日~2011年12月19日までのアクセス統計結果だが、当然2010年のタイトルも含まれている。ちなみに腰痛治療は、2008年のタイトルである。

2011/12/16

大山こま最中

    「こま」には2種類ある。1つは将棋の駒、もう1つは、紐を引って回転させる独楽である。今日のこまは、こちらの独楽である。ろくろに「瓢箪(ひょうたん)」を取り付けて、回転させて削っている様子を連想すると、ひょっとしたら、そうやって「瓢箪から独楽(こま)」が出来るのでは、と思うかもしれないが、それは勘違いである。普通は、「瓢箪から駒」である。これでも、まだ、意味不明なところがあり、ひょっとしたら出来るかもしれないが、「瓢箪から米」、「瓢箪から仔馬」というと、やっと意味が通じて、そりゃあ無理でしょってことになる。冗談で笑い飛ばした「ありえない話が、まれに現実になる」ことを、「瓢箪から駒」という言い方をする。しかし、まったく根拠のないことから冗談が浮かぶわけもなく、やはり、どこかに僅かな可能性を残していて、それを面白可笑しく話してみる探求心があるからこそ、万に1つでも、「瓢箪から駒」が出来る可能性が残されているのである。

 その、「独楽の形をした最中を作ったらどうか」と考えた人がいたようだ。作る難しさに加えて、それを珍しがって買ってもらい、採算に乗せるところまで考えると、独楽を見ながら考え込んでしまったに違いない。しかし、難関を乗り越えても、それを実現できたとしたら、まさに「瓢箪から駒」と言っても良いのではないだろうか。そうやって、難しい独楽の形をした最中を作ることで、珍重され商売に広がりを見せてきたのである。その最中の洗練された外形には、鉢巻きがされている。1個、1個複雑な形状に餡をまんべんなく馴染ませ、2つ同じものを作り、張り合わせて鉢巻きをして組み上げる手間は、一般の最中とは工程の繊細さに大きな隔たりがある。しかも、この独楽の形をした本格的な最中は、他に類がないのである。

 神奈川県の大山阿夫利神社では、参拝者向けのお土産として「大山こま」が販売されてきた。これは、お土産屋が名産を縁起物にすり変えた、「奥ゆかしい市場刺激策」の1つだったと考えられる。独楽は、円い型にしっかりした芯棒を付けることで、よどみなく金運が回る、と独楽へ独自の解釈とこじつけを加えて、縁起物として親しむ要素を組み込んだのだろう。参道の両脇にはお土産屋が並び、参拝した帰り際は、気持ちが楽になることから、お参りに来た証として、縁起物のお土産を買って帰ると言う習慣が定着してきたと思われる。独楽を中心にしたお土産は、それだけなら、単なる郷土民芸品で終わってしまうが、独楽にまつわる菓子や饅頭などもお土産にすることで、市場規模はさらに拡大すると、当時の人は考えたに違いない。

 今日は、その大山参りに行ったわけではない。PDF写真の品物は「尊敬する先輩からの戴き物」である。箱に詰めてあるのは、丁寧に作られた珍しい「大山こま最中」のほか、「大山まいり」(バター風味の生地で甘露煮にした一粒の栗・梅を包んで焼き上げた焼き菓子)。白と緑の包は栗、赤の包は梅が入っている。それ以外に別包装の「桃山」と言う、栗、桃、梅が入った饅頭である。どれも、なかなか上品なお品で美味しいが、「大山こま最中」は、その中にあって圧倒的な存在感で魅かれるものがある。ではこちら
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2011/12/13

昭和の流行歌9

    久々に流行歌を思い出すことになった。きっかけは、山口百恵さんの15,300円の豪華な完全記録本が、最近にわかに話題になっているからだ。やはり、昔の歌謡曲を懐かしがる人が多いのか、あるいは伝説の人の当時の記録と自分の若かりし日々を重ねてみたいのか、全くわからないが、いずれにしても結局「あの頃は良かった」に繋がるわけである。あの頃とは、1970年から1990年ぐらいの間で、当時20歳前後の1950年代生まれの人たちの気持ちなのだろう。

 彼女のデビューは、「スター誕生」という日曜日10時頃のオーディション番組で、今なら、さしずめ政治番組の時間帯である。昔は、政治よりも歌謡曲に関心が高かったのである。歌の上手い森昌子さんや、可愛いい曲が似合う桜田淳子さんと同じ時期のデビューである。その二人の間にあって、難しい路線を歩むことになる。当時としては、やや禁句のような大胆な言葉を並べ、冷たいトーンで「女の子の大切な物を・・・」と歌い、「ひと夏の経験」はヒットしたものの、「作詞:千家和也、作曲:戸倉俊一」の曲は、今一つ盛り上がりに欠けた。この前期二人組の頃は10曲ぐらいリリースされたが、ヒット曲はその他に「ちっぽけな感傷」、「夏開く青春」、「パールカラーにゆれて」あたりに留まる。

 ところが、後期の「横須賀ストーリー」に代表される、「作曲:宇崎竜童、作詞:阿木燿子」の曲からは、大人のイメージをどんどん加算していく。「これっきり、これっきり」など小気味よい繰り返しは、主張する女性を印象付け、それが、山口百恵の秘めた魅力を少しずつ引き出したといっても過言ではない。まさに、歌詞を通じて時代を象徴するような、「強く生きるヒステリックな女性」を作り上げていったのである。

 その宇崎・阿木シリーズの中でも最も印象深いのは、「真っ赤なポルシェに乗った女性」である。ここでも「プレイバック、プレイバック」と業界用語を繰り返しながら、途中に「馬鹿にしないでよ、そっちのせいよ」の責任転嫁の強気のフレーズが入っていて、捨て台詞風の言葉が多く集められている。極めつけは、「坊や、一体何を教わって来たの」で、女性なら一度は投げかけてみたい言葉である。勿論、潮風の中、力いっぱいアクセルを踏み、ラジオのボリュームをあげると流れる「勝手にしやがれ、出て行くんだろ」は、沢田研二の曲を指している。このあたりの描写にも、時代を反映したとめどもない解放感が潜み、とても象徴的といえる。さらに、この二人の曲のもう一つの魅力は、メロディーラインの「リードギターの響き」が美しく際立っているところである。

 その後も、横須賀あたりで流行った象徴的な技法が「美・サイレント」にも使われ「こちらは歌詞のない XX・・・・ の個所」が多数設けられている。その少し前には、「イミテーションゴールド」に、「あん、あん、あん、・・・・」と続けるフレーズもあった。いずれにしても、かつて使われたことのない歌詞の組み合わせに、その斬新さがうかがえる。

 その強気の路線とは対極の、やや古臭く大袈裟な歌謡曲ともいえる谷村新司 作詞・作曲の「いい日旅立ち」や、さだまさし 作詞・作曲でフォーク調の「秋桜」を挟んで、落ち着きのある年代のファンにアピールする仕掛けを作り、彼らを巻き込んで、立て続けにヒットを飛ばしてきた。
 さて、今日のPDF写真だが、当時のものとして現存するのは、CBSソニーのミュージックカセットや、45rpmのドーナツ盤である。そこで、そのシングルジャケットを撮影して参考資料としておきたい。ファンには申し訳ないが、ま、勝手にいいと思う写真だけ並べてみた。
ではこちら
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2011/12/09

ふりかけと佃煮の狭間

     世の中には、高価で美味しいふりかけがある。素材には、鰹節を主体として、胡麻、椎茸、きくらげ、松の実、その他 山海の珍味が色とりどりに綾をなして、独自の製法で風味豊かに作られた「錦松梅」という銘柄である。一般的なふりかけは、食材の原料を細かく粉砕し調味料を加え、特徴付けに珍しい食材なども混ぜ合わせて作られる。これらは、乾燥状態を保つようなパッケージに収容され、振って、ご飯にかける動作が「ふりかけ」の語源となっている。しかし、この錦松梅は、ふりかけという分類より、むしろ「高級な佃煮」の方が適切な表現と言えるかもしれない。それは、やや味付けに湿気が残り薫り豊かで、さじで容器からすくい取って御飯にのせるからである。そして、この状態では、完全に乾燥した食材より早く薫る。

  数多くの種類の食品を少しづつ戴くという趣向には、日本の古き良き知恵が生かされていると思われる。もちろん、ご飯とふりかけだけでは栄養不足になるかもしれないが、その中にあって、最近の食卓では、単独で食べる方法を知らない食材も含まれている。とりわけ「錦松梅」は、栄養価も高く、美味しい食材を選りすぐって詰めてある。おおよそ、90gで500円ぐらいから商品が用意されていて、高級な陶磁器に入った8,000円ぐらいの商品もある。それらの違いは主に器そのもので、日本人の食の美意識を刺激する格調高いものである。年齢的にも食が細くなったが、美味しそうな器に囲まれて、「器を楽しむ」感性に価値を求める人たちの楽しみなのである。我々としては、いくら美味しいふりかけでも、一膳あたり数千円もするようでは箸を付けられない。あくまで、食欲を失いつつある人たちの為の商品かもしれない。
 
 そうかと思えば、一方で「小安いふりかけ」でも、年配者の1つの流行になっているようで、60gで220円相当のふりかけも飛ぶように売れているという。そんな話を小耳にはさみ、「へ~、そう、では俺も」と思いながら、改めてふりかけ売り場を眺めてみる。ちょっと懐かしさもこみ上げて来そうだ。それをもっと実感として、ご飯にかけて体感してみたいので、いくつか購入してみたのである。確かに売り場には、ふりかけを愛する「じいちゃん、ばあちゃんから子供さんまで」、新製品を手にとって原材料名などを比較している。そんなスーパーの売り場で人気があるのはやはり、「丸美屋と永谷園」である。両社とも、いわゆる老舗で丸美屋の「のりたま」とか、「牛肉すき焼きふりかけ」などは50年以上前から人気がある。余談になるが、当時私は、「のりたま」に入っているエイトマンのシールを集めていたし、牛肉すき焼きふりかけは、白木みのるさんの「ライス1」というコマーシャルを鮮明に覚えている。

 懐かしさが後押しをして、今日は、50年以上の歴史とノウハウを自慢できる私の「ふりかけベスト3」を紹介したい。それも、ふりかけという分類のみならず、「おむすびの素」としても使用できるし、「炒め物やサラダにも使える」多目的な副食材として挙げてみた。少々古い年代の我々にとって、どうしても鰹節、海苔、昆布、梅、胡麻、しらす、山椒などを好む傾向から、単に味付けに対する独断や、製造者に対する信頼感などといったちっぽけな考えに留まらず、一般庶民の目線で、食文化の歴史観に裏打ちされて抽出した商品である。恐らく、この3種類を用意することで、ご飯のお供のみならず、多目的に利用できるはずである。
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2011/12/06

マイクロファイバー

   こんなに、水分を吸収して、さらに速乾性にも優れた繊維があったのかと、正直驚いている。繊維が髪の毛の1/100の細さだとか、綿の5倍の早さと、さらに3倍の給水量という卓越した能力を備えているらしい。かつては、それなりに理屈を理解していたものの、現実に自分の身の回りで使い始めると、その実力に感心させられる。 私の様な古いタイプの人間は、何かにつけて物事を素直に受け入れられない時があって、何でも疑ってしまう癖もある。しかし、この様な形でマイクロファイバーが束になってかかってくると、そんな疑い深い自分を根底から覆し、足先の全ての水分を一気に吸いとってしまう、まさに、恐るべし吸収性と速乾性で「心地よい風呂上り」と、今更ながら嬉しくなるのである。

 優れた素材にも、商品化のためのマーケティングが必要であったり、売り方にも工夫が必要なことは多い。昔は、秋葉原駅の前とか、田舎のデパートの一角で、雄弁な語り口調で実演販売をする人たちがいて、ご婦人方も「ほんまかいな?」と疑いながらも、楽しそうに聞き入っていたことを思い出す。男性は理屈だけでも、勝手な推測を巡らして(騙されやすい)購入する人が多いが、女性は、その場で見た事実以外は信用しないらしいく、「細かく順を追って説得する必要がある」という話を聞いたことがある。だから、商品が画期的であればある程、その様な実演を主体とした販売方法が有効に機能したのである。勿論、今でも実証主義的な販売手法は魅力的な側面をふんだんに備えている。

 それでも、この商品の売り上げは、想像に反して当初は厳しいものがあったようだ。デパートに限らずスーパーなどの売り場では、たくさんのカラフルなタオルやバスマットの中にあって、一寸安っぽく派手な色に染められて、さらに「小安い値札」が付いていれば、ちょっと敬遠してしまう人も少なくないはずだ。さらに、いくら優れた性能でも、「マイクロファイバーという言葉に反応できる御婦人方が、何人いらっしゃるであろうか」と思うのである。それこそ、技術革新を装う「あらての偽物商品」ではないだろうかと不安を覚えたり、おまけに、MADE IN CHAINA とも書いてあり、仮に真っ当な商品であっても、ちょっと敬遠したい気分になってしまったかもしれない。

  最近でも、一般家庭で、お風呂場、洗面所、台所等で使うことを考えるならば、少し落ち着いた色を選ぶかもしれないし、デザイン性やさらに芸術的絵柄や雰囲気までも要求するにちがいない。つまり、商品価値のウエイトを時代に沿って何処に置くかが、重要な競争力を決定づけると推察されるのである。そして、既にマイクロファイバーという言葉を良くご存じの方でも、それだけでは競争を制するのは難しくなっている筈である。そんな能書きを振りかざす私も、最初からもろ手を挙げて喜んだわけではない。何度も同じ場所を使って吸収力をみたり、使った後ひっくり返して浸透力をみたり、意地悪な使い方もした。でも、しばらく使い慣れると徐々に納得し、今では「素晴らしい」と感心しているのである。様々なサイズが用意されているが市販の価格は、サイズ約550mm×800mmで1,700円程度である。
ではこちら
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2011/12/02

オーディオマニア21

   今や、こんな話をする必要はなくなったのだが、オーディオ装置の中で一番厄介だったのは、出力が微小なMCカートリッジだったと言える。特に著名なカートリッジほど、MC(Moving Coil)型が多く、艶やかで力強く、おまけに切れ味のよい音を再生することで、古くからもてはやされていた。通常は、MCカートリッジの微小出力は、昇圧トランスかヘッドアンプを経由しプリアンプへ伝送する。国内で著名な製品は、放送業務用のDENON 103シリーズで、海外製品ではオルトフォンのSPU-AとかSPU-GTEなどがあった。前者はフラットでストレート、ジャンルを問わず Hi-Fi な音質が特徴だったが、後者はクラシック・ファンから支持され、力強いとか、切れ味が良いとかの評価であった。ただ、個人的には後者は歪ぽく聴こえるため対象から外している。

 一般的なプレーヤは、いくつかのコンポーネントで構成され、カートリッジの出力はそれらを経由して、昇圧トランスやヘッドアンプ(別名プリプリアンプ)に接続されている。そのカートリッジ→シェル→アーム→出力端子間には幾つかの金属接点が存在し、それらは微小信号に対してダイオードのような振舞いをすることが知られていた。今日紹介するのは、YAMAHAのヘッドアンプHA-2で、従来のヘッドアンプとは異なり、ヘッドアンプ初段の片側のFETをシェルの根元に封入し、もう片側をHA-2本体側に搭載しているところにある。そうすることでMCカートリッジから出力される微小信号は、シェル内部のアンプを動作させるための電源電流に乗ってHA-2本体へ出力される。その電流バイアスによって、その微小信号に大きく影響するあらゆる非直線部分を避けて伝送することが出来るというものである。

 HA-2の内部は、マークレビンソン流の樹脂でモールドされたブロック状の箱で構成されていて、全く内部構成は不明になっているが、接続はC-2xなどのプリアンプのAUXに接続する。利得は63.5dB、定格入力電圧 0.1mV、最大許容入力 4.0mV となっており、高出力型のMCカートリッジは使用できない。音質面では、昇圧トランスを使用したカートリッジに対して、一般的に「霧が晴れたように鮮明でワイドレンジな音質」として評価されている。確かに、オーケストレーションでのピアニシモでは、今まで聞き取りづらかった一音一音が鮮明で際立つようになったと思える。また、全体的にひずみっぽさがなくなり、肉付きの良いふっくらとした音に包まれる感じである。一度使い始めると、その圧倒的に純粋な音質に魅かれ、絶対に元に戻ることはできない。・・・・・とはいうものの、誤解のないように。これは、あくまで1979年の最新型であり。その後HA-3という製品も出ている。
  
 PDF写真のカートリッジは、DENON103、同103D、同305 の3タイプで、ソニーのPS-8750のアームに取り付けて使用している。このPS-8750 と、上記カートリッジに関しては、既に「キャンディーズと電線音頭」のPDF写真で使用しているが、今回は、ヘッドシェルの根元に注目されたい。このヘッドシェル根元に搭載されているFET(外からでは見えない)は、本体HA-2内部のそれと同一特性である必要があり、工場出荷時に1個ペアが組まれている。しかし、実用上カートリッジの比較等不便な事が多いので、あえて日本楽器製造㈱にお願いして、特性の揃ったシェルを追加で2個選別してもらった。
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2011/11/29

黒ミルクとミルフルッツ

    男という生き物は、なかなか大人になり切れない・・・・・。ふと、そう思うことがある。長時間電車に乗って帰る夕刻は、チョッとした事故でも混雑しているために遅れに大きく影響してしまう。先日も、西武新宿線で人身事故の影響で車内に2時間も座らされたのである。節電の為か車内は寒いし、お腹も減ってくきた。そうやって、じっと座っているだけで情けなくなるのに、途中生々しい事故状況アナウンスもあり、想像するだけで精神も肉体もズタズタにされそうになったのである。それを救ってくれたのは、上着のポケットに押し込んであった幾つかのキャンディであった。もしこれがなかったら、意気消沈したままだったかもしれない。

 一方では、最近、様々な環境の中で怒りがこみ上げて来て困ることもある。周囲は昔からと指摘するのだが、自分では、いたって平常心を保っているつもりである。しかし、それが蓄積され続けると、いつか爆発する時が来る。それはちょうど「アレルギー物質が蓄積され、限界を超えた時」のような状態に例えられる。勿論、それを抑える処方箋や特効薬なるものはないのだが、最近、ある程度抑えることのできる物質を見つけることが出来た。それが、車内で私を救ったキャンディーである。これは、様々な状況に合わせて「精神的な屈辱から遠ざかる」のに適していると分析している。何か怒りがこみ上げれば、すかさず口にして、その怒りを抑えるようにするのである。つまり、平素からそのように心がけ、小さなうちに芽を摘み、大きくならないように心掛けるわけである。

 特に、カロリー制限をしながらも以下の様な症状のある人にはお勧めできる。1.何よりも甘いものが好きである、食後でも甘いものは別腹が用意されている。2.コンデンスミルクが大好きである。3.人前ではとても人格者だが、本質的に瞬間激怒症という病を抱えている。4.平素から正常時の血圧が高い。 等である。このような人には、「このキャンディーの甘さで幸せな気分」にし、怒りやストレスを抑える効果がある。もちろん、大量に摂取しすぎると血糖値が即座に上昇するので、あくまでも1回1個程度で、1日のうち最大5個という限界値を設けておくのが良い。

  キャンディーが効果的な理由は、口の中にある限り数分間甘さを感じることが出来るからである。カロリー的には、1個当たり 17~19kcal なので10個食べても190kcal と大したことはない。饅頭や最中、あるいは缶珈琲などは、甘さを感じる部分に接触する時間が短いため、血中に溶けてからエネルギーとして効果を発揮するだけである。むしろ、その「甘さ対効果」が重要なのである。そこで、体内の血糖値を上げ過ぎてはならないからである。今日紹介するキャンディーは、何種類かの中から評判の良いものだけを残し、その中から厳選した4種類のキャンディーで、何人かの人に試してもらったので、上記のような症状のある人には、優れた効き目を発揮するはずである。ぜひ、胸のポケットにでも入れておき、いざとなったら口していただきたい。もちろん、1日の決めた用法用量を自分なりに守ること。
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2011/11/25

ナチュラルチーズ

   ちょっと前に、大量に仕入れたプロセスチーズを紹介したことがある。プロセスチーズは、ナチュラルチーズを加工して、保存が利くように作り直したものである。とはいうものの、実際には、保存期間に違いがあるだけで、両社とも保存の仕方や方法には大きな違いはない。食べ残った物はラップで包んで冷蔵庫で保存ということになる。ナチュラルチーズはそのまま戴くのに適し、プロセスチーズはそのままでも美味しいが、加熱して溶かしたりすることで別の風味も際立ってくるため、料理等幅広い用途に利用される。

 今日は、フランスから輸入されてきた歴史のあるブリーチーズ (ブリー地方で1000年以上作られてきた)である、白カビのナチュラルチーズ1/24(乳脂肪60% 価格398円)を4個買ってきたので紹介したい。硬くて白い外皮部分と、内部の柔らかい部分が口の中で、適度な歯ごたえと舌を覆うような滑らかさとが、混然一体になり、味わい深い食感を醸し出す。そのような自然が育んだ独特のチーズで、白カビが覆い尽くした白い外皮の硬さの中に最大の魅力が潜んでいるようだ。お好きな人は、その白い外皮だけ切り取って口にすることも多い。内部のクリーミーな部分は、カマンベールと比較すると、濃厚で癖が少なく風味がよいので高級感がある。

 トーストの上で溶けているプロセスチーズも美味しいには違いないが、チーズの美味しさはナチュラルチーズの中にこそあって、自然がはぐくんだ「そのままで、生々しく美味しいチーズ」を戴きたいと思う事は多いと思う。これらは、とにかく理屈抜きにしっかりと濃厚で、満足感も高い。年の瀬は、何かと集まりも多く、お酒を戴く機会も少なくないが、このナチュラルチーズがワインのおつまみになることが多い。単純にそのまま戴くのもよいが、ほとんどは、クラッカーやクラコットの上に乗せてある。しかし、ナチュラルチーズは果物との相性もたいへん良いことから、果物に挟むとか、ドライフルーツを載せていただくのも美味しい。あと、一般的だが蜂蜜を乗せる食べ方もある。

  私が個人的にお勧めできるのは、珈琲、紅茶のお共として、お手軽な林檎をスライスして「白カビ外皮部分」を挟んで食べることである。これが意外に美味しいと思っている。また、その林檎とチーズの新鮮で迸るような薫りによって、どことなくリッチな空気が漂い満足度も高いと思う。ちなみに、ちびちびと1/24カットを一口サイズで口に運びながら、珈琲や紅茶に合わせると、お腹いっぱいになることがある。記載がないのであくまで推定(独自の調べ)ではあるが、カロリーは約420Kcal前後(1/24カット約110g相当で)。また、カルシウムは720mg 前後と多目なのでストレスの多い人にはお勧めできるかもしれない。しかし、塩分が多いので諸先輩方には控えめでお願いしたい。
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2011/11/22

柿乃木坂

     いやー、どう考えても、10年やそこらで、そう簡単に和菓子屋なんか手広く展開できる筈はない。何か根拠と言うか、訳があるはずである。・・・その不思議に思う気持ちが、益々探偵の様な心境にさせたのかもしれない。こんなにも、忘れにくく露骨に意図(覚えてちょ)を感じる名前が付けられた商品には、謎を解き明かす風味や食感があるに違いないと思い、今日も買ってきてしまった。この店から漂う雰囲気は、日本橋が本拠地の和菓子屋の厳格さではない。むしろ関西人の得意技の洒落気に思えるのである。かといって京都や大阪の老舗風とも違う。「天下鯛へい」、「木場の角乗り」に続き、今日は「柿乃木坂」を試してみたい。もちろん日本橋屋には、定番中の定番と言える、栗まんじゅう、どらやき、最中、羊羹、等もある。またもや、何か得られるものがなければ、次は最中を試してみたい。

  「柿の木坂」は、柿を裏ごししてゼリーに仕上げたお菓子と思ったが、口に運んでみると深みのある味わいの中に、今時の陽が落ちる田舎の風景を連想させ、本格的な柿の甘さと風味が溢れる。さらに喉元を過ぎるころには「おっと、懐かしい味!」と思い出したのである。この味は、まさに母の大好きだった「干し柿」の味である。母の実家は福山で、冬になると実家から送られてきて、母は大切に食べていた。この味は、福山・岡山あたりで採れる柿で、そこには干し柿に適した品種が豊富に採れたのではないだろうか・・・・という記憶と推理を無理やりたぐり寄せたのである。いやいや、そんな柿なんぞ、どこでも採れるし、干してしまえば同じような味がするだけなのだ。と自分をなだめていたのだが、それでも一寸気になって、柿のゼリーは喉に引っ掛かったままだった。

  それにしても、日本橋屋の社長は、一体どんな人で、どこの御出身なのだろうか、そう思って普通に「社長のお名前」を検索ボックスに入れて叩いてみると、・・・な、な、何と売上高280億円の「宗家 源 吉兆庵(そうけ みなもと きっちょうあん)の代表」であるとすぐにヒットした。それは、岡山県岡山市南区築港新町に本社を置く和菓子製造販売会社である。商号は「株式会社 源 吉兆庵」で、「四季の果物を使用した和菓子を主力」とする。うーむ、なるほど、そうだったのか。グループに鎌倉源吉兆庵、京都菓匠清閑院、奈良香寿軒、日本橋屋長兵衛などがあると記載されていた。1947年 に和菓子の製造販売をはじめられている。

  それにしても、たった、これだけの情報で、市場調査力と商品展開力、商品の名前の付け方にも納得、和菓子の風味や食感にも親しみを持ち、これらのフルーティーな和菓子が存在している背景がわかった。戴き物の「天下鯛へい」に始まった日本橋屋への探求心も、このあたりで「やっぱりな」と、落ち着きを取り戻そうとしている。日本橋屋という名前に、以前にも増して親しみを覚え、この柿乃木坂の美味しさを母の実家への哀愁を重ねるまでに至ったのである。やっぱり世の中はどこかで繋がり、広いようで狭いし、ちょっとだけ興味を持つことで、深みのある美味しさを楽しむことが出来た。それにしても、今日の柿乃木坂を食べてみるまでは、そこまで興味は持たなかったかもしれない。
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2011/11/18

珈琲ドリッパーFARO

   その説明からは、「 岬にそびえるFARO(=イタリア語で灯台)をイメージしたコーヒーメーカー。ペーパーフィルタを使わず、ステンレスフィルタで気軽においしいコーヒーを淹れて、重ねてすっきり収納可能。サーモカップは、二層構造なので保温性が高く、カップ表面に熱が伝わりにくい。2009年グッドデザイン賞受賞。」 という・・・ふむふむ、なるほどと感心しながら手にとって見る。直線的で、ちょっと工業的で無骨なデザインに見えるが、実物はなかなか使いやすそうな感じである。ただし、ステンレスフィルターなので、微細な珈琲粉末はカップに残留する。
 
 先日、珈琲ミルの紹介をした。今まで使ってきた珈琲ミルと、同じ商品を買って来て、「良く切れるように改良されたとか、ハンドルに力が入りやすくなったとか」、細かいことだけど嬉しかった。ほんの、わずかな改良とか工夫が、顧客の感性を刺激し、その商品の価値が高めることは多い。珈琲を淹れるためには、結構なプロセスがあって、珈琲豆の挽きかたに始まり、丁度よい色、濃さ、量、温度、薫、等を求めていくことになる。このような作業は、最終的な抽出量が少なければ少ないほど難しくなり、作業をするための道具の重要性が高まることになる。

  勿論、道具はあくまで機能が重要ではあるが、毎日テーブルトップで使う器は、優れた色やデザイン性も求められてきた。さらに、お湯や粉を使うものは、特に安定感が重要になる。「うーむ、なるほど」と無意識にそんなことを考えながら、この商品を眺めてテーブルの上に配置してみると、どこか珈琲ミルと共通する商品コンセプトを醸しだしているのである。それは、たとえ別の商品でも幾つかの機能を共有することで、連携して使えるよう設計されていることである。ある意味で商売上手でもあるのだが、さらにパーツ等も単品で入手できれば、商品の共有性が次のニーズを生むこともありうる。

 今日紹介する2つのFAROを揃えることで、使ってみるとよくわかるが、毎日を楽しくすることが出来る。基本的には、蓋つきのドリッパーとマグ、同じく蓋つきのドリッパーとポットなのだが、この蓋がマグ兼ポットの蓋になり、さらにドリッパーの受け皿代わりにもなり、便利に使い回しが出来る。2つそろえる理由としては、1つはステンレスのフィルターが1個目詰まり、あるいは洗浄時のバックアップとして、あるいは、珈琲専用と紅茶専用に分けるためとか、2つ目は、ポットとマグの2つがあると珈琲の量的な確保が容易にできる。そして3つ目が、蓋と受け皿1つ1つ利用する。だが、2組一緒に使うことで、もっと使い道がありそうな感じになってくる。
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2011/11/15

栃尾の油揚げ

    今頃の夕食のおかずは、やはり「魚の煮付けがいいな」と思うことが多い。丁度、道すがりに1軒で「仕出し屋、魚屋、惣菜屋」を兼ねたお店があって、そこでは、金目鯛やめばるの煮付けだとか、秋刀魚の塩焼き、ぶりの照り焼き等が店頭に並んでいる。大根やごぼうなども一緒に煮つけてあり、容器を覘くと厚焼卵も添えられていて、時折、魚屋の仕事とは一味違った嗜好を感じる。味付けも、いかにも仕出し屋職人風で技巧的な薄味仕上げになっていて大変美味しい。活きの良い魚もたくさんあるが、時々煮付けを買って帰る。店のおやじとも言葉を交わすようになって、暇そうな時には色々話を聞かせてもらう。

 店のおやじといっても、ひょっとしたら私よりお若いかもしれないので、「お店の彼」と呼ぶことにしたいが、彼が言うには、父親は「揚げ豆腐なんかを一緒に煮付けに入れてましてね、酒の肴に丁度いいらしいんですよ。そんな折には、ご飯は食べないでしょ。だから、あくまでも薄味仕立てでね、魚の出汁が引き立つように煮付けるんです。そんな親を見てきたから、店の煮付けは年寄り好みの薄味っていうところですね」。確かに、この煮付けでご飯を何杯も戴ける感じではない。むしろそのまま戴いて、後でお新香、しじみの赤だしとご飯を戴くのがいいと思っている。

 先々日も、行きつけのパスタ屋で「めばるの水煮が乗った」トマト味のパスタを戴いたけど、めばるがトマトやオリーブオイルとも相性がよく、「ああ、美味しいなあ」と半ば感動したばかりで、味付けに特別な工夫をしなくても、美味しい組合せは無限にありそうだと感じたばかりである。そんなこともあって、彼の話を聞いていると、徐々に自分でも創作してみたくなるもので、いつか材料をそろえたいと考えていた。まあ、金目鯛と、揚げ豆腐、大根、ごぼう等を一緒に煮付けて、鍋一つで料理する便利さもある。

  鱗を取り除いてもらった金目鯛を用意し、その切り身の下に昆布を敷き、アルカリイオン水を張り、砂糖、日本酒と醤油、ごぼう、椎茸、乾燥ホタテの貝柱、生姜と「栃尾の油揚げ」を使って煮付けてみた。この「栃尾の油揚げ」は、知る人ぞ知る油揚げで、どっぷりと出汁醤油に漬けるのではなく、一口サイズに裁断した後、下半分ぐらいに味がつくように鍋の中に配置する。味付けが濃いと素材の持つ美味しさが分かりにくいので、半分味付けして、半分は素材の美味しさを楽しむことにする。新潟の方では、「栃尾の油揚げ」を金目鯛と一緒に煮付けて食べる習慣はないかもしれないが、これは美味しいと思う。

 どのような食品でも、伝統的で有名な産地と言われるところには、それを生産するための環境が整っている事が多い。栃尾には、大豆と美味しい水があるに違いない。へー、そんなに美味しいかあ?と疑問を持たれるかもしれないのだが、確かに、現代人は油揚げの美味しさなるものを知らずに育ってしまうこともあって、分かりにくいかもしれないが、本来の美味しさは、風味であったり、菜種油の薫りであったりする。しかし、日本人として生まれてきたなら、どこかでDNAに「油揚げの美味しさを感じる配列」が書き込まれているので、歳を重ねれば美味しさが分かるようになる筈である。そこで、まず、最初にこの「栃尾の油揚げ」の美味しさを楽しむには、オーブンで表面をカリカリに焼いて、大根や生姜をすりおろし、特選の醤油(決め手になる)で戴いてみるとよい。
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2011/11/11

他ぬき最中

 小さな声で 「だまされて、くうてみい」 と懐かしい言葉で声を掛けられたような気がした。振り返ると「狸」が微笑みながら、こちらを伺っていた。「何処から来たんね」と近づいてみると、高知から国道33号を使って峠を越えて大街道を抜け、松山城に住む美人の「お袖狸」と、読み書きそろばんの得意な「金平狸」を連れて来たという。そ、そ、そういえば、近くにいる店員さんが次々とみんな狸に見えてきた。どうも、今日は小田急デパートで自分たちの作っている「他ぬき最中」のキャンペーン販売をするらしい。

 並べられた松山の民芸菓子を何気なく覗き込んでいると、隠神刑部(いぬがみきょうぶ)狸が立派な背広を着てわざわざ挨拶に寄ってくれた。彼は、今、伊予八百八狸を率いる狸の総大将をしているらしい。松山の狸のすることなら知らないことはないという。少し後づさり気味に距離感を保つと、「大昔に、私が毘沙門に居ったころお世話になりまして、50年近くなってやっと再会できましたね」と懐かしがりながら微笑んでいる。

 まるっきり記憶はないが、あまりにも丁寧な物腰に「毘沙門とは、どのあたりやったかのう」と笑いながら問いかけると「今の場所で申しますとロープウエイ街のあたりになります」という。その時、ふと大昔の記憶を断片的に組み合わせようとしている自分に気付いた。まさか、あの赤十字病院の前で、電車が蛇行して平和通りに出る傍に、母の知り合いが住んでいたが、あの辺りまでも含むのだろうか、何度も遊びに行ったので良く覚えている。そこには、確か私と同じぐらいの幼い息子さんがいた筈だ。

 松山は昔、親切な狸やいたずら好きの狸がたくさん住んでいたと言われている街で、人間と狸の伝説がたくさん残っている。「ああ、そうじゃったかいねー、去年も松山へ写真を撮りに行った時に、赤十字病院の近くまで歩いたんよね~、」と話題を現代に戻そうとすると、彼は相槌をうちながら、「知ってますよ、お城の上や鉄砲町で撮影してましたね、坂の上の雲はブームですから」と、話を見透かされ、徐々に目の前の菓子へ誘導されてゆく。「今は、母恵夢さんにお世話になっとります」と言いながら、「1つ召し上がってみてください」と、私の手に「他ぬき最中」を置いてくれた。私が小豆を好む事を承知しているようだ。

 その時は、蘇る記憶と彼が何故何でも知っているのか、その交錯した事実に怯え、口が渇き、せっかくの最中も、皮が口の中でくっついてしまった。口をパクパクしながら、「美味しいわ、うん、旨い」と連呼してその場を繕った。これ以上記憶を引きづり回されることを拒みたかったのだろう。「それでは折角だから、1箱もろうていくけえねぇ」と言って、5個入りを買って帰ってきた。何と500円でおつりがくる値段である。

 知らない相手から、大昔の話で問いかけられることほど奇妙な感覚はない。彼は果たして「一体誰」だったのだろうか。それにしても、なんでまた「切ない記憶」を引っ張り出そうとするのか。「四国松山の民芸菓子に振り回された1日だった・・・」と呟きながら、改めて1つ口に運ぶと、喉の奥から「だまされて、くうてみい」 と叫ぶ声が洞窟の響きのように聴こえた。こちらを向いて微笑んでいる狸の腹に、ふっくら炊いた小豆と、な、なんと「栗の餡」が入っていて、いや、栗の餡に小豆が入っている感じで、「とっても美味しい最中」である。俺って、まだ松山の狸にだまされたままなのかもしれない。
その「他ぬき最中」はこちら
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2011/11/08

追加したい後記



  もう少し時間を掛けて、じっくり試したら、納得できる内容になると思う。ブログで紹介した時点では、まだ購入して時間が経過していないために、概略あるいは直感で漠然と結論めいたことになってしまい、説明に舌足らずというか、自分なりの納得感に欠けることは確かにある。結果的に大きな違いにはならないと思うが、指摘を受けると、「うーむ」と腕を組んでしまう。そんなきっかけで、今日は4件の追加感想をまとめてみた。
 
  1)2月18日、「ダイエタリーファイバー」である。1日に=12gつまり付属のスプーン3杯で5000億個の乳酸菌(EC-12)を体内に取込むことが出来るという食品である。食物繊維も同時に7gも採れるそうだ。取寄せた商品は、乳製品と相性が良いと言われている血液型B型の体にいくらかマッチしているようで、飲めば、飲むほどに便通も良いし、免疫力も向上してきたようだった。思いのほか夏の検査値も良いことから、継続して飲み続けている。1日12g=1ヶ月360g=1瓶という計算になり、経済的負担はあるものの、若干それを上回る効果があると判断できる。ほんの少しづつなのだが、9ヶ月間で体重が72.7kg→70.4kg(体脂肪18%変化なし)まで下がってきたし、冬の定期検診も若干楽しみである。何だ!大して体重は減ってないじゃないかと思われるかもしれないが、このダイエタリーファイバーを飲むことで、結果的に食欲が増し、栄養の吸収も良くなるようだ。それが「体調を良くしている」という背景なので、納得はしている(・・・よくわからんが)。丁度、ウォーキングを始めると、余計にお腹がすいたり、ビールが美味しくなって飲みすぎてしまうのに似ている。ま、精神力が希薄な私でも、少しづつだが、継続することでそれなりの効果があると思えたのである。

 2)9月4日、バイオの力を生かした 「バイオ お風呂のカビきれい」という商品を紹介した。事実、何もしなくても、天井に貼っておくだけで「お風呂のカビが無くなった」ので、バイオの力って凄いなと思ったのである。その後、店頭では色々と他の「バイオの力」がラインナップされていたのだが、今回は、一緒に「バイオ トイレのキバミ・においに」という商品も買ってきた。写真で紹介した翌日から、トイレのタンクにセットしてみた。しばらくすると、セットしたこともすっかり忘れてしまっていたのだが、最近、なんだか臭いが無くなった事に気がついたのである。特にアンモニア系の臭いは皆無である。この間2ヶ月ぐらい経過しているが、その臭いがなくなったことがきっかけで、逆にトイレのタンクにセットしたことを思い出したという訳である。最初は、こんな凄い効果があるとは想像もしていなかった。と言うことで、「バイオ トイレのキバミ・においに」は、効果は2カ月ぐらいで発揮し始める。これは、効き始めると半ば感動的である。

 3)9月8日「グリコ栄養食品のうどん」を紹介した。宇高連絡船の思い出などを交えながら、さらに追加で10月7日「カレーうどん」も紹介した。そして、5日ほど前、さらに「名古屋風みそ煮込みうどんの素」が存在することを知ったのである。これは、希釈用の「みそつゆの素」で、250ccのお湯で薄め、うどん玉や好みの具材と一緒に煮込むためのものである。中味は、「鰹節といりこの出汁の入った八丁みそ40%入り出汁」ある。名古屋風の「みそ煮込みうどん」を作るには、この「出汁入りみそ」と「コシ鍋うどん」を組合わせて調理することになる。ねぎ、椎茸、さやえんどう、人参、鶏肉、かまぼこなどの具材と一緒に煮込むが、かといって、具材の種類が多すぎると味がぼけるので、ねぎと鶏肉と椎茸ぐらいでよい(私は鶏肉も入れない)。讃岐うどんで作る「みそ煮込みうどん」は、本場名古屋で食べるそれとは、全く違った食感と喉越しが味わえる。あくまで、名古屋風と書かれているのはそのためで、こんな「みそ煮込みうどん」があってもいい。

 4)10月9日「焼けて焼けて」を紹介した。秋口から冬にかけて、色々の食材を加熱して楽しめる。さて、やっぱり何と言ってもサツマイモが美味しかった。有名な鳴門金時を30分加熱し、15分ぐらい余熱を加えて取り出すと、市販の石焼きいもと遜色のない甘さが口の中に広がった。焼き芋には、直接火があたらない「石焼きこそ」美味しさが引き出せると言われている理由がここにある。あまり考えたこともなかったが、まず、このセラミックの石がとても重要な働きをしているようだ。理由は、比較的低温でゆっくり時間をかけて加熱することで、酵素の働きでデンプンが麦芽糖に変化し、甘さが増すらしい。同じことを普通の鍋に小石を入れても鍋は空炊き状態になり、鍋を痛めるばかりである。このような道具を使うことで、手軽に石焼き芋の甘さが楽しめるのである。最近は、ストーブの上で餅を焼くとか、シチューに火を通すとか、いもを焼くとか、そんな風景を見なくなったが、こうやって、美味しそうな薫りの漂う中で、じっくり時間を掛けて火が通る重要性を実感しながら食べる楽しみを復活したい。

2011/11/04

オーディオマニア20

  前回の「オーディオマニア」は低音再生の動機について触れた。いくら理屈や能書きを重ねても、その拡張された再生音に魅力を感じなければ意味がないが、それでも、出来上がった再生音に納得する要素は、理屈との兼ね合いで決定される。その理屈を構築するために、寸暇を惜しんで「考える→試作する→反省する→学ぶ」の繰り返しの作業をするわけだが、そうやって、突き詰めて物事を追求する動機が、趣味をより豊かにするに違いない。そのためには、時間もかかる。よく、趣味の充実度を図るバロメーターに時間という概念が用いられる。例えばオーディオ歴何年・・・といわれるのは、そのためかもしれない。

 斯く言う私も、だらだらと1970年代の過渡現象が尾を引いているにすぎないのだが、何か新しい「きっかけ」さえ掴めれば、もう少し能動的な時間に没頭できるかもしれない。しかし、40年経過したにもかかわらず、相も変わらず、雑誌や評論を筆頭に、かつての手法を髣髴とさせる「提灯持ち型の切り口」であったり、むしろ後退したと錯覚するような、重箱の隅を舐め回すような抽象的な表現であったりと、旗振り役が何も変わっていないことに、大脳は呆れてしまっている状況といえる。それもこれも、国内のメーカーが足を洗って堅気になってしまったからなのである。

 さて、前置きがズルズルと長くなったが、新たな話題に価値を見いだせない現状を踏まえて、やはり話題を過去へ遡るしかない。そこで、今回もEC-2に引き続き、その周囲に散在して、足場を埋め尽くしている製品を順に紹介しながら当時を振り返ってみたい。今日は、山葉(YAMAHA=旧日本楽器製造)の最も代表的なプリアンプC-2xである。山葉は、日本で最も趣味的な商品を生産している会社である。多少好き嫌いがあるにしても、YAMAHAのオーディオ装置が高く評価される由縁は、楽器を作っている会社という事実にある。つまり、レコードやCDの中に収められている音と、同じ音が社内に溢れているし、さらに、そこで楽器を作っている人たちは、その演奏者よりも音にうるさい人たちである。そのような山葉独自の土壌が、そつなく優れた音を生んできたと考えられる。

 我ながら、妙に納得感のある説明で、その通りだと反復することもあるのだが、時として、真逆に反論したくなることもある。それは、別の装置を聴いた後に時折押し寄せてくる。例えばCDに収録されているピアノがスタンウエインの筈なのにYAMAHAに聞こえしまう事があるからである。そういう気分になると、何を聞いてもYAMAHAの音に取り囲まれるような気がするのである。しかも、きっちりYAMAHAの音に再構成されているので、嫌味には感じないまでも、少々飽きてしまう時がある。それもこれも、構成するコンポーネントにYAMAHAの製品が多いという背景もあり、そうやすやすと逃れられそうもない。

 プリアンプに要求される機能は、元々レコードプレーヤとセットで考えられるべきもので、カートリッジ(MM)の微小な信号をパワーアンプへ供給できるレベルまで増幅する。途中レコード再生用のRIAAイコライザカーブを通し、ボリュームコントロールして出力する。基本は、これだけでよいが、その他の信号源の切替えや、トーンコントロール、ローカットフィルタ、録音出力切替えなども加えて、常にオーディオ装置の中心的役割を果たしている。また、一世代前のC-1等のプリアンプには、専用のピークレベルメーター等も装備されていたが、時代のニーズが徐々にシンプルで高精度、薄型に向かう中でC-2が生まれた。C-2は、C-2a、C-2xと継承し、自社開発部品の比率を増やしなががら精度を上げ、音を磨いてきた。その地味な改良に加えて、ピュアな音づくりと洗練されたデザインが評価されたと思われる。C-2xの発売は1987年なので比較的新しい製品といえる。
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補足:PDF写真は、トップパネルが汚れて写っている。20年以上も同じ場所で稼働させていたため、磨いても汚れが落ちない状況であった。

2011/11/01

EF28-70mmF2.8Lの白濁現象

  先日、写真撮影で頻繁に使用するEF28-70mmF2.8Lの構成レンズの一部が、70%ぐらい白濁してしまった。製造メーカーのサービスに出すと、「交換部品がないので修理できません」という定型の文章と共にそのまま帰ってきた。あたかも、「ああ、これね、これは直せないってことで処理」と言った感じである。受付の担当者は慣れた言葉遣いで、「そうですよね~、困りますよね~」と、明るい社交辞令が添えられた。いや、確かに16年前のレンズなので、邪険にする気分も分からなくもないが、もう少し何かその白濁の原因というか、「2週間程度の期間で、一挙に白濁現象が現れる理由」を知りたいと思ったのである。16年経過した窓ガラスが自然に白濁したのと同じ驚きである。

 インターネットの検索で「EF28-70mm  f2.8L 白濁」で検索してみると、「あらら」と呟くほど同じ現象が発生し、それを修理してもらった記録まで見つかった。この現象は、ガラスを張り合わせるバルサム(合成樹脂)が剥がれはじめたものらしい。あくまで「・・・らしい」ではあるが、それならキヤノンが昔発行していたレンズの技術本で読んだことがある。バルサムは、2枚のレンズを貼り合わせて1枚のレンズとして使うための、いわば接着剤である。数年前から多くのユーザーが同じ現象に悩まされていたようで、修理をお願いできそうな会社も簡単に見つけられた。ただ、問題は、私のレンズの現象もバルサムの剥がれかどうかである。

 早速、修理してもらえそうな「YCS大阪」という会社へメール出し、レンズ本体を送って調べてもらうことにした。しかし、その時考えたのが、このレンズが他の原因で修理出来なかった時の不安である。このレンズの後継モデルとして24-70mm f2.8L(220,000円)が出ており、焦点距離的には余りあるので、買い足してもよく、ある程度覚悟も決めておくことにした。2週間ほど経過した頃、やはり「中レンズのバルサム切れのため、外注レンズメーカーにてバルサム加工を行ないます」との連絡をもらった。しかも、手間のかかる分解修理なのに案外安価に(30,000円弱)修理してもらえることになった。修理できない事態になればなったで、それも周囲に大義名分も立つことから、なくなく・・・と、かすかな期待を寄せていたのだが、それでも、手持ちの他のレンズとの色調合わせや振幅変調度の統一感を考えると、やはり、今更機材で悩まず、まだまだ、そのまま手持ちレンズで継続したい。1週間後、丁寧に磨きあげられて戻ってきたレンズを見て、やはり、修理してもらえて良かったと実感している。 
 
 発売して16年後に突如現れた、奇怪なお騒がせ現象だが、最近はバルサムは使わず透明な接着剤に変わったので、このような現象は起こらないらしい。今日のPDFは、そのEF28-70mmf2.8Lのレンズ白濁時の撮影と、同じ被写体を70-200mmf2.8で撮影した写真を並べてみた。若干、焦点距離が異なっているかもしれないが、白濁現象はこのような感じである。この程度の白濁感だとまだコントラストの調整で修正できると思われるかもしれないが、時間とともに白濁は広がるし、もっと透明度が下がる筈である。同じEF28-70mmf2.8Lをお使いの方は、今後同じ現象が発生する可能性が高いので参考にしてほしい。少しでも黒が浮いた画像になった場合は、レンズをマウント側から覗いてみるとよい。はっきりと目視で確認できる。
ではこちら
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補足:PDF写真は、枠内に添付されているグレースケールの黒と、黒から2番目が区別できるように、ディスプレイのブライトを調整のこと。

2011/10/28

海老のビスク

 時折、思い出したように、いつもと違った時間を過ごしたいと想う。それは、体に優しいスープを「落ち着いて味わう」気分に浸ってみたいのである。手間と時間をたっぷりとかけられたスープはすべての料理のベースでもあり、一寸とだけ幸せを感じられるひと時である。・・・・ただ、コース料理の最初に美味しいスープを出せる由緒正しい洋食屋は、最近極端に減ってしまった。だから、ホテルが販売している「スープ缶の詰め合わせ」を戴いたおりには「とても幸せな時間」が過ごせるのである。昨年も今頃レトルトパックのスープを紹介したことがあることを考えると、今の時期はスープが恋しいかもしれない。

 昔の即席スープは、お湯を注いで手早く出来る優位性しか感じられなかったが、最近のスープは、お湯に溶けやすい割には、それでもどんどん濃厚になっていて、本物らしさがあちこちに溢れている。薫りのつけ方も昔とは随分違って本格的になったように思われる。そんな本物っぽさを匂わせることで、一際高年齢層にも受け入れられるようになってきており、売り上げを伸ばし、製造メーカーも増え、様々な種類が派生して販売されている。たとえば、コーンスープもポタージュ風とか、焼きとうもろこし仕立てとか、胡麻と豆乳を組み合わせたポタージュとか、工夫を凝らして、濃厚さや香ばしさも追求されるようになった。

 今日紹介するのは、そんな派生品の中でもとりわけ異端児ともいえる「海老のビスク」である。ええっビスク?それ何?と疑問を発してしまったが、キーボードで「bisk」とタイプしてみる。No Response である。では、「bisque 」とタイプしてみる。すると、1.素焼きの陶器、2.競技者の弱者に与えられる1点、3.貝類、鶏肉、野菜などで作る濃厚なスープ、4.粉末にした木の実入りのアイスクリーム、と返ってきた。これらの解釈からわかることは、若干拡大解釈になってしまうが、餡子で例えると「こし餡と粒餡が混じり合って」より深みのある美味しさを追求したってところなのだろう。つまり、「海老ビスク」とは、海老で出したスープに海老の頭とか殻を粉砕したものを加えたと思われるのである。

 この「海老のビスク」は、とてもよく出来ていて、本物にかなり接近している。カップに溶かしてすする程度だと、よく出来た即席スープ程度にしか思えないかもしれないが、ホテル等でちょっと立派な2段重ねの大きな器に注がれて出されると、「さすがに、手が込んでいて美味しいね・・・」という言葉が漏れるに違いない。ただ、味や薫りなど、強調し過ぎの感は否めないが、「それを差し引いても美味しい」と思う。今日のPDF写真には、他にも同じくポッカのクラムチャウダー、そして理研ビタミンの「焼きとうもろこしのポタージュ」も並べてみたが、「海老のビスク」だけでも、試してもらいたい商品の1つである。ただ、海老の嫌いな人は駄目かな。
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2011/10/25

木場の角乗り

 先日、日本橋屋というお店の「天下鯛へい」という和菓子を紹介した。一寸個性的な顔をした「鯛焼き風の和菓子」で、割と美味しかった。戴き物という事もあって、その製造元の背景とか歴史についての詳細は全く不明であった。もっとも、とびきり驚くような衝撃や影響を受けたわけでもなく、ただただ私が知らなかっただけの事なのだが、さりとて、どこか少しだけ「魅かれる気分」が残っていて、もう少し、日本橋屋というお店を探ってみたいと思うようになったのである。ちょうど「鯛飯の椀の中で鯛の身を探すような気分」とでも例えられようか。ということで、日本橋屋の他のお菓子も戴いてみたくなったのである。

 お店のガラスの展示棚で目を引いたのは、この栗入巴衣「木場の角乗り」である。よくある栗の入った巴衣(=パイ)なのだが、なぜ、「木場の角乗り」と名付けられたのであろうか、調べてみると、それ自体は東京都指定無形民俗文化財で、「江戸時代の筏師が筏を組み上げるために、水辺に浮かんだ木材に乗り、鳶口を操って筏を組み上げるための高度な技術から派生したもの。それに由来して数々の技術が積み重なり、芸能文化として民俗文化財にまで発達したもの」という。栗入パイに、そのような大げさな名前を付けるとは、関係者からは「不届き千万」と言われても仕方ないが、それなりに、創造された栗入りパイ1本に貫かれた、日本橋屋の骨太とも言える主張や発想の豊かさを感じるわけである。うーむ、ほんまか?

 さて、この商品の包装状態というか、包装構造だが、「箱自体が巧妙に考察された組立て型の包装紙で作られている。外装半分には角材を感じさせる木目の印刷が覆っている」という凝った箱になっている。その箱を開けると中には、白いビニールに包まれた15cm程度の1本のパイがどーんと横たわっていた。この包装状態で、15日程度の賞味期限を確保している。この「角材を感じさせる印刷の包装箱」を見て、どれだけの人がセンスの良さを感じられるかどうかは不明だが、強い主張を感じることは間違いない。そして、私と同じように、「木場の角乗り」とは何か、調べてみたくなるのである。いわば、東京都指定無形民俗文化財の広告宣伝のための和菓子といえるかもしれないのである。

 全体として小ぶりの包装のお菓子だが、丁寧に手間暇かけて作られているようで1本850円である。もっとも、売れ残りは捨てるしかないようだ。中味を開けると1本のパイ状になっているので、口にするには、切り分ける必要がある。それだから、良く切れる包丁を用意しないと中の栗の断面まで美しくならない。その、綺麗に裁断された断面を見つめながら口に運ぶと、パイの外側の生地の薫りと少々田舎風の小倉餡、そして香ばしい栗が絶妙に調和した美味しさに繋がるわけである。小倉も栗も品質の高いものが使われているのがすぐに分かる。・・・・が、パイには油分があるため、小倉餡との相性には、従来になかった対比する独特な美味しさを感じるのだが、その油分が逆に製造日より1週間程度で風味が低下することも念頭に置いておきたい。この様なパイ生地のお菓子には、賞味期限の内側に風味期限がつきまとうようである。
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2011/10/21

冷温保存食品1

 東北の震災で、牛乳、ヨーグルト、チーズ、その他乳製品が極端に減っていたが、少しづつ回復しきたようにも見える。しかし、まだ十分ではない。今は、何らかの代替機能が働いているにすぎないと思えるからである。そんな現象1つ眺めても、やはり震災の影響はその後も日々広がり、細部にまで浸透していったのではないだろうか。復興、復興と声を大きくしても、お金がなければ何も進まないし、遅れれば遅れるほど傷口は広がるのである。この農業分野も、政府が出来るだけ早く手を差しのべて、復興が進むことを期待したい。

 と、偉そうで杓子定規なことを申し上げても詮方なきことだが、乳製品を好むDNAが組込れた全国の血液型B型の我々は、細胞レベルでそう願っているに違いない。半年ぐらい調子が悪いB型の人は、きっと、今日紹介するチェダーチーズが不足していたのかもしれない。ハンバーガーやハンバーグの上に乗せて溶かすチーズの元祖が、KRAFT 社のチェダーチーズである。マクドナルドのチーズバーガー等に挟んであるのも、その類似製品である。これは、一般のプロセスチーズに比べて深いコクがあり味わい深い。少し赤みがかっているのは着色で、それも手伝って美味しそうに見える。薄くスライスされ1枚づつ丁寧に包装されている製法は、KRAFT社の特許である。

 KRAFT社の乳製品は、日本国内では森永製菓が販売を一手に握っている。チーズは裁断が面倒なので、通常の棒状チーズでは、最近「切れてるチーズ」が売り上げを伸ばしている。それもこれも、棒状チーズは、料理の一部に組込れることが多い。適当な大きさに裁断してパスタやサラダに使われることもある。一方、料理の仕上げに使われるのがスライスチーズである。肉料理や野菜料理の素材の美味しさに、深い味わいを引き出す時に使われる。さらに、単品で食べる習慣のある人たちは、雪印の円形6分割のアルミホイル包装のプロセスチーズの印象が長く残っているようで、お酒のおつまみには定番と言えよう。いずれの使い方も今までの習慣の上に成り立っている。とりわけチーズ好きの人たちには、製法や熟成度、あるいは材料の違い、青カビや白カビなどによる味の違いを楽しむことに注意が注がれる。

 さて、今日は大量のKRAFTチーズを見つけたので買ってきた。10 度以下の要冷蔵ではあるが、チーズは保存食としても活用できるぐらい、長期保存が可能な食品である。これから寒くなるとアルミホイルで包装された製品は、冷蔵庫でなくても冷たい場所に置いて保存できる。乳製品依存症のB型のみならず、震災に備えて常に冷蔵庫に適量保存しておくことをお勧めしたい。
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補足:大まかに分類すると、熟成させないモッツアレラ・チーズ(PDF写真中央)、白カビのカマンベール(PDF写真右)、やや固目になるチェダーチーズ(PDF写真左)。そのほかに青カビのゴルゴンゾーラも美味しい。

2011/10/18

のんある気分

 お酒の呑めない私にとって、お酒の世界は、いつも一種独特な別世界の様相を呈しているように思えていた。「お酒はぬるめの燗がいい」 ・・・ふーん、そうなんだ。「肴は炙ったイカでいい」・・・おーっ、確かにそれは美味しそうだ。「女は無口なほうがいい」・・・・うーむ、そう、そう、全くその通り。と、一見して共通する感性もあるように思われるが、実は、感情に任せて、意固地になり、あるいは「天の邪鬼」といった、独特で難解な「わがまま」を通す世界に浸れるのかもしれない。肝臓にアルコール分解酵素を備えているかいないかだけで、そんなわがままを乱用する人達が、世の中にそんなにたくさん存在していいものかと、ずっと不可思議に思ってきた。おまけに、そんなに独特で難解な「わがまま」を通せるなら、酒呑みになった振りをしてやろうとする人も少なくない。

 これもまた「お酒が飲めない」という理由からくる一種の差別意識か、コンプレックスのように思ってきたわけだが、私の様な昔の若者は、それ自体で窮屈な青春時代を過ごしてきたのである。呑めないなら、呑ませてみよう不如帰ではないが、全方位的に先輩方からいじめられてきた。現代では逆に、呑まない若者の方が独自の世界を繰り広げていて、情報入手も多彩で不自由がない。したがって、自然とお酒の力を借りないと何も出来ない、あるいは「言いたいことも言えない人種」を軽蔑視してしまっているのである。最近は、その軽蔑というか差別視が行き過ぎて、思ったことをストレートに表現する人たちも増えた。酒の場というのに、「呑んだ後すぐに車を運転して事故を起こす」そんな理性の欠片もない人間が、「数年の牢屋暮らしで許される方がおかしい」、事故を起こし次第、即刻「公開処刑」にすべきだ!という怒りを露わにする「呑めない若者」も少なくないのである。確かに、そのような時の車は走る凶器と化すわけで、逃げ場がない橋の上や通学路などはたいへん危険である。

 さらに、事故の責任範囲の拡大解釈も進んでいる。飲酒運転した人だけには留まらず、飲酒を勧めた人たちも同罪であるという現行の責任範囲から、いやいや、「酒おびを検知して機能しないようにすべき車メーカーにも責任がある」という見方や、最近は、アルコール飲料を販売している「酒造飲料メーカーにも責任がある」と囁かれるようになってきたのである。そこまで問題にされるような、不条理で悲惨な事故が多かったという現実もあったからである。今後は、それ以上、飲酒運転で人を巻き込む事故につながりテレビや新聞を賑わせると、運転者の自己責任も加重され、酒類メーカーや車メーカーに対する世論の風当たりがさらに強くなるに違いない。

 そのような背景もあってか、酒造メーカーは、「ノンアルコール飲料」を加えて選択肢を増やし、「暗に弊社の責任は小さいよ」と飲酒運転事故における自己責任度を高めようとしているのである。一方で、お酒の呑めななかった人達にも「独特で難解なわがまま」の言える世界を味わってもらおうと「ノンアルコール飲料」をファッション化しようとしているのである。それではアルコール0の清涼飲料水とは、どのような商品なのであろうか。ということで、今日は、サントリーの「のんある気分」をぐびぐび呑んでみたい。ところが、口に含んだ瞬間、何となく笑いがこみあげ、感想を言葉として並べてみると、「夏場のかき氷に掛けるシロップを薄めて炭酸を加えたような味」である。そういう意味では、独特で難解な「わがままを言いたくなる」お味になっている。でも、子供のころを思い出すような一種の懐かしさが通り過ぎていくようで、チョッとだけなら楽しいかもしれない。
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2011/10/13

オーディオマニア19

 またまた、今から30年くらい前の話になるけど、オーディオマニアの課題の1つが低音再生であった。低音といっても、ベースやスネアドラムの音が空気感として伝わればよいというレベルから、ピアノのファンダメンタルや、大地を揺さぶるようなパイプオルガンの重低音まで欲しいと言った高度な要求まで様々で、周波数的には20Hz~80Hz と大したことはなさそうだが、音楽で考えると何とこれは2オクターブということになるのである。一般的に日本のリスニングルームは8~10畳程度しかないので、波長という観点でも1波長が室内に収まらない空間周波数である。それでは物理的に無理だと諦めて素直になればよいものを、誰しも飽くなき挑戦を繰り返してきたのである。

 それが1980年頃に、オンキョーのスーパーウーファLS-1が開発されてからは、やや半信半疑ながらも、希望をもって低音再生に挑むことになる。このLS-1の仕組みは、前面にある重たい振動板と、空気を介して、裏側でそれを駆動するユニットの3要素で構成されている。駆動ユニットが動けば空気を震わせ、次に前面の重たい振動版を揺さぶる。その重たい振動版と空気が最も動きやすくなるポイントを共振周波数という。その周波数を20Hzに調整するわけである。この仕掛は重さのみのパッシブラジエータ型あるいは、等価質量の空気を使うバスレフ型の変形である。振動板を軽くすれば、逆にキャビネットに大量の空気を必要とする。ただ、重たい振動版を少量の空気と共振させるため、理屈では、同じ周波数を再生する巨大な完全密閉型(600リットルのJIS箱)のスピーカに比べて過渡特性は劣る。

 それでも無いより、有った方がよい低音再生では、重低音へ再生範囲を広げれば広げるほど加速度的にコストがかかる。そこで、実際はどこまであればよいのか、あるいは、自分の聞く音楽はどこまで必要なのか試算をして、適当な仕組みで妥協することになる。私も、かつて170リットルの箱に三菱電機のプロフェッショナルモニタ4S-4002Pの40cm径パッシブラジエータとJBL30cmウーファ2203Aを組合せて使用していた。それも、古い当時の写真を見て思い出した程度で、期間は短かったと推察される。それは、スーパーウーファとして設計しても、単純に18dB/octで高域をカットし、さらにフルレンジ側の低域をカットして、レベルを調整しただけでは、「特性的」にも「音質的」にも繋がりが上手くいかないからである。

 その後、苦い経験を抜本的に解消するため、日本楽器製造のSW-160のスーパーウーファと、チャネルデバイダEC-2を組合せて、異なる周波数2段で高域をフィルタリングするようにした。EC-2はクロスオーバー周波数50Hz以上を18dB/oct でカットし、SW-160では、さらに100Hz以上を18dB/oct でカットしている。これによって、スーパーウーファからかすかに人の声が聞こえることもなくなったのである。そうやって、狭い部屋では積極的にフィルタを2段組合せないと解消されないこともある。高い周波数がスーパーウーファから再生されると、全体の音像がぼけるし、中低音の質の低下を招く。確かに、4ウエイで、なおかつフィルタの2段構えは、伝達関数的には恐ろしく好ましくないので、二の足を踏むが、少なくとも、聴感上の課題はほぼ解決できると思う。

    この2オクターブの低音再生に注力して聴感上も上手くいくと、様々な楽しみが生まれる。全てのディスクを聴きなおしてみたい衝動に駆られるし、勿論、その期待に応えてくれる「凄まじい低音の録音」も発見できる。あの、ビートルズのアナログ録音にも部屋を揺さぶるような超低音が入っていたり、デッカのクラシック・レコードにも力強い重低音が入っていたりする。ま、音楽は中低音に始まり、超低音の終わるといってよい。今日は、買ってくればすぐにできる「低音の勧め」と言ったところかな。
ではこちら
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補足:結局この日本楽器製造のチャネルデバイダEC-2は、試作サンプル品で、発売に至らなかった。それは、EC-2を使う超大型スピーカ・システム(すべてのユニットにベリリウム蒸着の平面振動板を使った4ウェイ)も同じ運命をたどったからである。この結EC-2は、日本楽器製造が試作で何台か作った内の1台が我が家に残ったものである。
余計な独り言:この超大型スピーカを雑誌の表紙用で、Kさんは誰かに写真を撮らせた(浜松まで出向いて)ようで、そのポジフィルムを見た記憶がある。ただ、残念ながらそれも同じ理由で表紙として採用されなかった。


2011/10/09

やけて焼けて

 上のタイトルは商品名で、セラミックストーンを使用した石焼き風のオーブン鍋のことである。今日は、その調理器具の話である。・・・・何度も何度もその効能についてテレビから吹聴されると、そ、そ、そうかと思うものである。おまけに、今回限りのお値引き期間中ですと言われると、9月下旬だったこともあって、清水の舞台から飛び降りる気分で購入を決めたというわけである。と、大げさに自慢するほど高価な物ではないが、形は至ってマニアックといえよう。

 さて、急に秋を感じるようになって、これだけ気温が下がると火を使った焼き物が楽しいかもしれない。自宅の庭で七輪に備長炭を使って、脂の乗った秋刀魚を焼くのもよいが、臭いで猫が見物にくるし、その割には煙が近所迷惑かもしれず、そんな大仰なことをする人はもういない。だからといって、割烹専門の魚屋で焼いてもらった秋刀魚を持って帰るのも面倒だし、イトーヨーカ堂の焼き秋刀魚では余計情けないし、セブンイレブンの秋刀魚も立派だけれど、ちとレジでさびしい。なんかこう、自分でちょっと工夫をして、たくさん食べられなくなった胃袋とも相談しながらも、焼き物を楽しんでみたいと常々考えていたわけである。

 構造は、熱を閉じ込める容器の中にセラミックで出来た小石が入っていて、そのうえに野菜を乗せたり、あるいは、アルミホイールを敷いた上に網を置いて、肉や魚、貝類を置き上蓋を閉じて10分~20分ガスレンジに掛けて火を通す。そして余熱も使って、全体にむらなく火が通った頃に「独特で美味しい焼き物」が出来上がるのである。どのような食材も周囲からまんべんな熱を加えることで、いつもと少し違う「素材の美味しさ」が引き出せる。本格的な焼きいもや、ベークドポテト、焼き茄子、焼きとうもろこし、ローストビーフ、焼き魚、焼きりんご、チップを使って燻製、茶葉を使って風味の良い鮭の焼き物など、次から次へと工夫次第で自由自在に使えそうである。

 写真は、最も簡単にできるベークドポテトが出来上がったところを見ていただく。セラミックストーンを敷いて、その上によく洗って土を落としたジャガイモを2個焼いてみた。おおよそ中火と弱火の中間で、左上に見えている不思議な恰好をした黒いカバーを乗せて20分程加熱する。さらに15分程度放置して蒸らし、最後にバターを乗せる。その状態を上から覘いたショットである。
ではこちら
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補足:商品情報は、ホームページ http://www.hirota.tv/yakete.html に詳細がある。

2011/10/07

グリコ栄養食品のうどん2

  「当時、まだ宇高連絡船があったので、船の上でまず「天ぷらうどん」を食べて、岡山駅で乗り換えに「祭りずし」を買って、・・・」という、以前書いたくだりにあるように、宇高連絡船で食べるうどんが、自分にイメージとして残された最後の「讃岐うどん」である。甲板の上の小さなお店なので、出港したら、すぐに走って駆け上がらないと大勢の人達が並んでしまう。うどんを「お湯で洗う」といった程度の短い時間で椀に入れ、上から熱いつゆを掛けて、えび天を乗せる。あまり火が通っていないので麺は太く硬めで、力強く蛇行している。それを”づるっ”と吸い込むと、うどんは、暴れながら喉を通過する。口の先に残った麺の端からおつゆが左右に飛び散る様が、讃岐うどんの「こしの強さ」である。・・・・・ほんまかーぁ?

  意識して探し始めると、なかなか見つけることが出来ない。だから、この掲載タイミングについてはあまり気にしないでいこうと思っていたが、いつでもいいやと思っていると案外早く見つかるもので、例のグリコ栄養食品㈱の「讃岐こし鍋うどん」と「牛筋カレーうどんの素」を見つけてきた。この2つの商品は、もちろん、この2つの組み合わせでも美味しいには違いないが、例えば、こし鍋うどんは、こしがめっぽう強いので、鍋焼きうどんはもとより、どんな鍋物にも使えそうだ。これからの季節は重宝するに違いない。そして、「牛筋カレーうどんの素」は、濃厚な仕上げになっていて、甘辛くコクのある味わいで「うーむ、と唸るほど美味しい」で、関西風。ご飯にも合うかもしれない。

 早速、この「讃岐こし鍋うどん」と「牛筋カレーうどんの素」の組合せで調理手順に入るが、こし鍋うどん と牛筋カレーを鍋に入れて中火でコトコトと10~15分程度煮込むという手もある。おそらくそれが標準的で美味しい調理方法なのだろう。しかし、私は、手っ取り早く調理して、うどんの腰の強さを味わいたい。できれば、そのままお椀に入れて電子レンジ500Wで4分という手もあるかもしれないが、私の方法は少し違う。まず、冷蔵庫から調理30分前に「讃岐こし鍋うどん」と「牛筋カレーうどんの素」を取り出しておく。お湯をチンチンに沸かし、「こし鍋うどん」を四つに切り、牛筋カレーのレトルトパックと一緒にお湯の中に入れる。こし鍋うどんのたまが離れかけたら、両方共取り出して椀に入れる。次に3分電子レンジで加熱する。牛筋カレーの表面の色の濃さが増したら食べ頃である。即席で作った割には、本格的なカレーうどんに仕上がる。はっきり申し上げて、3倍ほど高い「うどん専門店」でいただくカレーうどんより、はるかにC/P(コスパ)よく美味しい筈である。

 この、こし鍋うどんは、まさに私のイメージしている「宇高連絡船で食べていたうどん」に近かった。こし鍋うどんが、暴れながら喉を通過する時、父と母が元気であった頃の様子が思い出される。いやいや、母はまだ死んでないが・・。当時は、父も母も、今の私より若かった頃だと思う。これも、「懐かしさが美味しさにつながる記憶」なのである。
ではこちら
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補足1:こし鍋うどんは、パッケージ内では半生度は強く、十分火を通すことで独特の艶とこしを生むようで、茹時間の調整には神経を使ってほしい。
補足2:宇高連絡船→宇野と高松の瀬戸内海を結ぶ日本国有鉄道の船で、貨車なども運ぶ。船自体は青函連絡船と同じ構造である。

2011/10/02

天下鯛へい

 インターネットの普及で、きっかけさえあれば、どのようなことでも、ある程度の概要を掴むことが出来る。ただ、もっと詳しく知ろうとしても、案外横並びの情報や知識の羅列の場合が多く、まあ、そんなもんかと納得した気分になる他ない。一方で、今1つ食い足り為に、何か視点を変えてみるとか、色々探りまくるということもあるだろう。特に、美味しそうに思える商品とか、珍しい食品は、一度は口にしてみたいと思うかもしれないし、逆に、すぐに手に入りそうもなければ「もういいや」と興味を失うこともある。今後は益々「情報入手が早く、諦めも早くなる」のである。

 今日は、そんな理屈をこねてみたくなるほど、美味しいのに、情報が少ない甘味の紹介である。品物は、あくまで「頂戴した物」なので、伝統的背景などの詳しいことは説明できないが、一口で申し上げれば「鯛焼き風の生和菓子」といったところである。この写真の包は箱になっていて、まさに弁当風の趣をかもしていて、「鯛飯」とか、「鯛のおこわ飯」とかを連想してしまうのである。「ご飯の中に真っ白な鯛の身が入っていて、鯛のことのほか強い風味が漂い」・・・・と考えただけでも美味しそうであった。が、開けてみると「ええっ」と意表を突かれてしまったのである。

 さて、この鯛焼き風生和菓子は、それを一口頂くと、こし餡の上品な舌触りが伝わり、丁寧な仕事ぶりが簡単にわかる。このこし餡の作りが、和菓子の風格そのものなのである。こし餡に含まれる蜂蜜や水あめと一体化した香料が、時間とともに包む皮に浸潤し始め、全体へとくまなく広がっている。さらに皮の「もっちとした食感」は珍しい印象を受けるが、最新の洋風和菓子などにも見受けられる技法である。皮がカステラになったものはよくあるが、それとは対極にある食感を演出し、それによって、あくまで和菓子であることを再認識させられる。甘さは、たっぷりと広がり、今風に「抑え気味といった小細工は一切なく」心地よい。やはり、甘さは堂々と分かりやすくなければならない。

 我々の様な年齢にとっては、小豆を使った和菓子は、舌触りに伝統的な美味さを感じるのである。日本人であることの安堵感とでもいうのであろうか、ついつい着物の上に重ねた母の割烹着姿とか、手間のかかる小豆の前処理をする祖母の姿などが思い出されるのである。昔の田舎では、家庭で様々に甘い物を作っていたのである。そういう作業を見ながら、小豆のこしあん、粒あんに始まり、煮豆に砂糖や蜂蜜を加えて作る「餡」の色々を教わった。餡さえできれば、和菓子が作れるわけではないが、餡は材料の「加減」が重要な役割を担っている。つまり、創作者の感性とこだわりに大きく左右されるのである。
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補足:詳細は、ホームページhttp://www.nihonbashiya.jp/を参照のこと。

2011/09/26

常温保存食品1

 今、減災グッズが売れに売れていて、都内では約60%もの家庭が減災グッズを完備していると言われている。災害は、いつ何が起こるか分からないので、貴重品などは決められた場所にきちんと整備し、整理整頓にも時間を割くようになったとか、あるいは、必要のないものは早々に処分して、家の中を広く使う工夫をするようになったとか、そればかりではない、ガイガーカウンタまで常備する人が増えたという。どこまで役に立つかは別としても、マツモトキヨシなどでは2万円程度のものを販売している。今だに、いつ行っても品切れ状態である。
 
 一般的には貴重品(通帳や印鑑など)、懐中電灯、ライター、ロウソク、ナイフ、衣類、手袋、非常食・水、毛布、ラジオ、救急セット、予備電池、簡易トイレなどがリストアップされているようだが、非常食っていうものには、たいへん興味もあり、拘りたいものの1つである。誰でも、緊急時だから食べにくくても仕方ないと乾パン等を考えるようだが、災害時には恐らく体も興奮していて、食欲もないに違いない。まして、災害時に「食べ慣れないもの」を食べて、体調を崩してしまったなんて恥ずかしい。そこで、やはり、1.平素から食べ慣れているもの、2.省スペースで高カロリー、3.そこそこ美味しい、4.半年ぐらい常温で保存がきく物、等を準備し、賞味期限が来る前に入れ替える、つまり、非常食を日常食に組込んで、消費しながら補充するというのが合理的である。

 災害は、今こそ身近なものになっているが、やがて、「忘れたころにやってくる」と言われる様になるかもしれない。だから、忘れないように常に緊張感をもって生活したい。加えて、いつ自分が死んでも誰も困らないように準備しておく必要もある。それは、常日頃から身の回りを綺麗にし、権利書、株券、登記簿などを整備したり、その説明書類等の準備を怠ってはいけない。そうやって、死んでも、生き残っても、どっちへ転んでも良いようにしておきたいものだ。そして、生き残った時の事を考えて、どのような状況でも72時間は自力で頑張れるよう、食事だけは手の届く身近に蓄えておきたい。

 そこでまず今日は、崎陽軒の真空レトルトパックの「シウマイ」を紹介する。PDF写真の品物は、常温保存で賞味期限として12月31日となっている。中身の真空パックは、既に加圧加熱殺菌処理がされているので、そのままだと多少帆立貝柱等の臭いが強いが、なんとか食べられる。勿論平常時は、電子レンジか蒸し器等で温めなおすことで、崎陽軒の「シウマイ」になる。中身は小ぶりで、子供さんからお年寄りまで、年齢を問わず食べやすい工夫がなされているし、僅かな水で辛子になる粉辛子も付いている。

 もっとも、人は、先々もずーっと生き延びたいと漠然と考えているかもしれないが、ガイガーカウンターを準備するような人たちは、「死の間際に、人生最後の食べたいものは何か」ということも考えておいた方がよいかもしれない。
ではこちら
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補足:放射線の量を測定できるとして販売されている、市販のガイガーカウンタ数十機種を厚生労働省がテスト評価したところ、10万円以下の製品は、精度が全くあてにならない事が分かったという報告がなされた。1,500万円クラスだと高精度になっているらしい。

2011/09/23

よく切れる珈琲ミル

 いやー全く嘆かわしい、最近は、水出し珈琲に慣れてしまったせいか、「珈琲のまめを挽く」ことまで億劫になってしまった。さすがに、少しコクのある珈琲とか、いろいろ酸味とか苦みとかマニアックに楽しんでもよい季節になったと思う今日この頃なのだ。豆を挽くようになってから、まだ、ほんの40年ほどしか経過していないが、何度か電動、手動と交互に珈琲ミルを使ってきた。電動を使った頃は、やっぱり豆が熱くならない手動がいいんだなぁ、とか、手動を使っていると、力も必要だしまったく面倒だ、次こそ電動に戻そうとか、言い訳ばかりしながら交互に使い続けてきた。

 そんな矢先、今のミルもそろそろ切れが悪く感じてきたので、新しいのを買おうと思っていたのだが、スーパーでまさに「今使って愛着のあるハリオのミル」を発見してしまった。他に良いのはないのか!少々高くても構わないから、よく挽けて粉砕サイズも適度に調節できれば、他に望むことはないなどと、今度こそ電動にしようと思っていたのだが、そのハリオの商品に寄り添うように書いてある宣伝文句の「さらに切れ味がよくなった」とか、色々細かい改良の能書きに、つい反応してしまったのである。それらは、まさに私が感じていたことなので、そ、そうか、改良したんだ。と思わず手が伸びたというわけである。

 早速豆を入れて使ってみると、さすがに「もの凄く切れが良い」のに驚いた。豆がスムーズに刃に吸い込まれ、次々ときしむように粉砕されてゆく。あっと言う間に100gも挽いてしまっていた。この切れ味を背後から支えているものは何かと考えるに、1.ハンドルが少し長くなって負荷が軽い感じになった。2.粉砕された豆が落ちるガラスの容器に滑り止めのゴムのカバーがついて、手持ちで力が入りやすくなった。3.臼自体がセラミックになって切れが良くなった。結局、今までに比べて、はるかに軽快に挽けるようになったのである。

 でも、いまだにメーカーは気がつかないのか、やはり、1つ足りないものがある。それが、臼の上にある豆をためておく容器の蓋である。今までも色々な珈琲ミルを探してきたけれど、確かに、高級電動のミル以外で上部にカバーの様な蓋のあるミルを見かけることはなかった。そんな絶望感から、私はその蓋「厚めのビニールの円形の板」を自作して装着している。これは、手が滑ったり、臼が硬い豆を食いこんだりした時に、容器に力が入りすぎて内部の豆が上部から飛び出すのを防ぐためである。過去の経験から、かつては豆をまき散らすことも度々で、自作せざるおえなかったのである。この蓋をすることで、ロックンロールで体を揺らしながら豆を挽いても、豆が外に飛び出すことはなくなったのである。手前味噌で恐縮だけど、この蓋を10年以上も使用している。こういうチョッとしたアクセサリーこそ同梱してほしいものである。
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2011/09/20

弁当シリーズ山陽本線三原

 デパートなどで全国の名物駅弁を集めて即売するイベントは、当初に比べて今や少し下火になりつつある。それでも、今日はそんな名物駅弁コーナーを覘いて来たわけだが、やはり年配の人は多い。人は、それぞれ鉄道、列車、駅、には、特別に懐かしい思い出があるに違いない。かつて、出張で訪れた駅の弁当が美味しかったとか、わざわざ有名な駅弁を求めて旅に出たとか、帰省する季節には必ず寄って食べた名物駅弁とか、そして、列車に長い間揺られて旅した人たちにとって、車窓から買い求める駅弁とお茶も忘れられない思い出かもしれない。そうなると、やはり私より少し上の世代の人達の方が、懐かしさもひとしおなのかもしれない。

 今や、新幹線に乗って名物駅弁を食べることは、かなり難しいことである。その1つは、移動距離感にある。弁当が必要な距離を考えてみると、せいぜい3時間以上、同じ座席で退屈な思いをしたり、周囲が何か食べ始め、お醤油の臭いが漂ったりすると空腹感も出てくるかもしれないが、それより短い間は、とりあえずビールでも飲んでゆったりしようとか、珈琲を飲みながら車窓を追いかけたいとか、この列車を降りてから好きなお店に行きたいと思うとか、あえて弁当を買い求めてまで過ごす時間とは感じないだろう。そしてもう1つは、車内で販売されている定番の「幕の内弁当」が、それぞれの駅の「名物弁当」を締め出しているからである。つまり、JR専売のお店が弁当を用意しているのである。そうやって、昔からあった美味しい、あるいは、楽しい御当地名物弁当の存在を忘れさせているのである。残念なことである。

 さて、今日は、広島県三原市で作られている弁当を2種用意した。この弁当は、三原駅はもとより尾道駅、福山駅などでも販売されている。三原駅は、山陽新幹線、山陽本線、呉線の各線が重なる駅で、ま、私の地元(呉)に近いので、いかなる方法を使おうとも三原駅は身近に通る駅であった。このあたりで販売されている駅弁の素材は、牡蠣、あなご、鯛、松茸、たこ、などが多い。牡蠣とあなごに関しては、かつて「宮島のページ」で紹介しているので、今更珍しくもなかろう。やはり、意外に思われるかもしれないが、中国地方で豊富に採れる松茸を素材にした弁当を取り上げたいと思う。

 話が横道にそれるが、私の母は福山の出身で、松茸の採れる山をもっている。そんなことからも、この地域では、如何に松茸が豊富に採れたかを推して知ることが出来る。以前にも、このブログで書いたことがあるのだが、贅沢そうに聞こえるかもしれないが、「すき焼きには松茸」が必要不可欠な材料なのである。私も幼い時から、そんな「すき焼き」が食卓に上がっていたことを記憶している。そのくらい、中国地方自体が松茸が採れる場所なのである。今日の弁当は、それが大げさな表現ではないことを知ってもらえばよい。そこで、あえて「松茸すき焼き弁当」と「松茸栗めし弁当」を買ってきた。もちろん、今や松茸は高価になってしまったので飾りほどしか入っていないが、そういう弁当があるということで、この地域では、「すき焼きに松茸」を入れて食べていたことを知ってもらいたいのである。たったそれだけの事なのだが、広島の「あなご飯、牡蠣飯」、岡山の「祭りづし」、三原の「松茸すき焼き弁当」と、少しづつ「山陽本線駅弁物語」が連なっていく筈である。
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2011/09/16

オーディオマニア18

 今まで何度かカセットデッキの話をして来た。「蘇れ!我らテープ党」と呼びかけても、実態がなければ楽しくもないので、現役で動いているTC-K88、CR-40、TT-700Ⅱの3台のデッキの写真を見てもらった。少しは動機づけになったと思う。さて、カセットテープをたくさん所有している人達にとって、デッキが元気な状態にないと寂しいので、神経を使って大切にしてきた人も多いと思うが。何といってもメンテナンスの為に手間とお金がかかる機器の1つである。メーカーへ修理やオーバーホールの依頼をするとしても、費用も馬鹿にならない。さらに、2003年以降では、交換部品がない、修理できる人が会社にいない、などに直面することも多くなった。最終的には、自から部品調達して修復するしかないが、部品入手のための情報源も少ないし、修理できる範囲も限られている。
 
 さらに、メカと電気系が折り重なって機能しているカセットデッキの修理・調整には、絶対的なレベルを記録してある、いくつかのキャリブレーションテープ(基準テープもしくはテストテープとも言う)が必要になる。そこで、少々マニアックな方角へ話題を踏み入れて、カセットデッキの各調整を簡単なプロセスで観てみると、1.走行系スピード調整、2.へッドアジマスの調整、3.再生レベルおよびドルビーレベルの調整、4. 3180μs + 120μs と 3180μs + 70μs の再生周波数特性の調整、次に 5.リファレンステープを使用した、ノーマル、クローム、メタルの録音系のレベル、周波数特性等の調整といった手順となる。この調整の為に必要なわけである。では、キャリブレーションテープは、どこから入手したかと言えば、デッキメーカーで当時外販していたのはTEACのみだったので、殆どの人がTEACから購入して保存してあるとか、あるいは、何らかの方法で、それに近いものを残しているというのが現実だと思う。

 正しく作られたTEACのキャリブレーションテープをデッキメーカー全社が使用すれば、録音済カセットテープのアジマスやレベル、再生周波数特性などの主要な互換性はある程度保たれたはずである。最初はそうであった。しかし、カセットデッキの高性能化が進むにつれて、デッキメーカーは独自のキャリブレーションテープを制作して使用してきたのである。もちろん、ミュージックカセットを販売しているレコードメーカーのデュープリケータに使われているキャリブレーションテープもばらばらであった。このことは、既にこの業界の関係者にとって常識的な話だったが、収束する方向に進むわけでもなく、むしろ、管理できる範囲を高い周波数領域に広げるために、各社理想的なテストテープ用のヘッドを製造することに注力し、市場勢力拡大に努めていたというのが現状だった。ゆえに、我々はこの広がりを適度な範囲に収める必要性を強く感じていたのである。

  このような話をすれば、当時の課題も蘇り、「うんうん、そうそう、と思ってくれる我らテープ党」も少なくないはずだ。ま、写真を見ながら思い出してほしいが、今日のPDF写真は、豊富な我アーカイブスから各社のテストテープを抜き出して並べてみた。これは、「ラジオ技術誌のカセットデッキの測定特集」の全盛時代に「各社の記録済みカセットテープの互換性を探る」というテーマを企画した時に集めたもののほんの一部である。当時から、これらテストテープは高価だったこともあって、現在まで大切にしまってあった。やはり驚くのは Nakamichi の堂々と3180μs + 70μsの再生周波数特性の調整で20kHzが使われているところである。また、Technics のハーフはサンドイッチ状になっていて、真ん中の部分が高精度アルミダイカストになっている。TDKも同じようなアルミダイカストを使ったテープを販売していたが、Techinics と TDKでは、用途も違うためか、精度を要求される構造が異なっている。
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補足1:たいへんな時間と手間を掛け、高精度に仕上げてあるキャリブレーションテープだが、やはり高価な製品といえる、この写真にあるものは、安いものから高いものまで当時の価格で16,000円~120,000円(1本)とさまざまである。勿論、外販されていないものもある。
補足2:リファレンステープとは、デッキのテープポジション別に推奨されている記録用の基準テープのこと。ノーマル(TYPEⅠ)、Cro2(TYPEⅡ)、Fe-CrO2(TYPEⅢ)、Metal(TYPEⅣ)の代表的な性能を備えているテープで、テストテープ・メーカーが検査評価済で販売されていた。

2011/09/12

0kcalのプルジュレ

 確かに台風とかで、涼しい日も続いていたが、やっぱり、我慢エナジーが蓄積されるのか、許容限度というのがあって、電力制限令が解除されるやいなや、そのすぐ直後から、急に暑さが戻り、何かにつけてクーラーを回している。それにしても、「暑さ=蓄積体脂肪」なのだろうか、最近、夏場はひどく汗をかくようになった。体脂肪計では17%と表示されるが、うーむ、きっと実際はもっとあるに違いないとか、脂肪にも質とかがあって、きっと俺の脂肪は暑くなるに違いないとか、愚痴っぽく口癖のように「汗が出る割には、痩せねえだよ」と吠えることもある。

 よく、テレビのニュースで、乗用車の運転手がブレーキとアクセルを間違えて駐車場の前のスーパーの売り場に突っ込んだという話題が出る。なんでそんなものを間違えるのか分からないという理屈もあるが、大きな声では言えないが、私には、「少しだけわかる」ような気がするのである。誰にでも、自分が何をどうすればよいか分からなくなる時が一瞬あるからである。例えば、もうこれ以上食べてはいけないことが分かっているのに、「何か食べたいと思って」冷蔵庫などを開けて食べ物を探し始めたりするのである。「何故そんな事をするのか、自分でもわからないのである」。これこそ、物事が理屈通りではないことを裏付けるようで、自分自身が「ま逆の操作」をしてしまう衝動である。これは、言い訳をつけると「ストレスによって誤った空腹感が」大脳に作用しているらしい。したがって、大きな電気信号を前頭葉へビビッと流してリセットする必要があるかもしれない。

 そんなこともあって、空腹感を簡単に制御できたら苦労はないと考えてきたが、それが無駄だということも最近実感するようになった。まあ、我慢はほどほどにして、空腹を満たす方法を探せばよいのである。とにかく、自分にとって何か新たな低カロリー商品を見つけたら、それもチャンスと受け止めて、初心に返って試すことにしたい。その前提として、ある程度の空腹感を我慢出来る精神力を養っておかないといけない。体内の血糖値が下がると、空腹感は、幾度かに分けて襲ってくるが、4回目あたりから徐々に小さくなる。ただ、これを冷静になって越えることが出来れば、少しづつ楽になるのかもしれないが、だいたい3度目の空腹感で負けてしまう。

 その3度目の空腹感が襲ってくるタイミングを見計らって、今日紹介するプルジュレを口にすることにしたい。だからといって155g全てをいただくわけではなく、2~3口ぐらいで我慢するのがよい。それ以上口にしても満足感は得られない。プルジュレのベースになっているのは「こんにゃくゼリー」で、コラーゲンを大量に加えたマスカット味、L-カルニチンを加えたピンクグレープフルーツ味、マルチビタミンを加えたライチ味が用意されている。秋口のスポーツにはもってこいである。商品は、たいへんよく出来ていて、冷やしておくと一口、二口はより美味しく感じるので、心肺能力を使わない大人しい日は、「食事の前に必ず食べる」などの利用方法がよい。どんな時でも、トータルでカロリー吸収量を抑えればよいからだ。

 ただ、この商品の香料は本物に近いといっても、本物の味とは違うので、続けてみて飽きが来るようだと、また別の0kcal 商品を探すことにしたい。
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2011/09/08

グリコ栄養食品のうどん

 関東で言えば蕎麦に相当するものは、関西で言えば「うどん」ということになるのだろうが、東京で本格的な「讃岐うどん」を食べられるお店は、恐らく数軒しかない。いやいや、どうしても食べたかった時期があり、探し回わったあげく、やっとそれらしいうどん屋を探し当てた。もちろん間違いなく美味しい喉越しだが、しかし、それでも現地の「讃岐うどん」を髣髴とさせるまでには至らなかった。恐らく香川県に居たことのある人ならお分かりだと思う。それには、うどん、具材、つゆ、この3種が重要なカギを握っているし、そしてもう1つ、香川県の四季を通じて瀬戸内の温暖な気候と乾燥した空気にあるのかもしれない。

 「讃岐うどん」という言葉は、既に美味しいうどんの代名詞になっているので、関東のうどん屋さんを苦しめるブランドである。そんな「讃岐うどん」の麺、具材、つゆ等の即席バリエーションをグリコ栄養食品㈱が発売している。この夏いくつか試してみて、納得できたのでぜひ紹介しておきたいと思ったのである。実はもっと早く紹介しておけばよかったのだが、入手した量が少なく、撮影前に「うーむ、もう一杯と言って、全部食べてしまった」というのが実情である。グリコ栄養食品㈱の商品は、関東ではどこでも入手できるわけではないので、多少不便さはあるものの、安価なので見つけたら買ってみてほしいと思うが、商品知識がないとどれを買えばよいか迷うに違いない。だから、今日のPDF写真を参考にしてほしい。

 実は、このうどんの麺だけは、本場の香川県丸亀市の㈱宮武製麺所で製造したものをパックにしてある。ここが巧妙なところで、グリコとしては「コラボ」って言うかもしれないが、私に言わせれば「宮武製麺所のふんどしで相撲を取っている」と言った印象である。しかし、グリコの技術で、冷蔵庫内では1か月程度保存が可能で、温めるだけでいつでも本格的なうどんが仕上る。麺は、「普通のうどんと太うどん」というのがあり、讃岐うどん特有のもちっとしたコシを求める人は「太うどん」がお勧めである。これは、食感も喉越しも格別に良い。はっきり申し上げて、駅の近くや商店街にある「讃岐うどん」という看板だけが目立つお店より、間違いなく美味しい。関東に出て来て退屈している関西人は、この「恐るべし太うどん」を試してみること。

 本日入手出来た商品としては、つゆは、「讃岐うどんのつゆ」、「讃岐風ぶっかけつゆ」、具入りの「肉汁つけ麺つゆ」、絡めて食べる「肉味噌(ジャージャー麺の素)」、具材として、「大判味付けあげ」、凄く大きい「特大味付けあげ」である。入手できなかったが、そのほかに、「関西風うどんつゆ」、「牛筋カレーうどんの素」、「えび天かす」等もあるらしい。グリコ栄養食品㈱のホームページにはないが、噂では「讃岐こし鍋うどん」というのもあるらしい。牛筋カレーうどんの素と讃岐こし鍋うどんを見つけたら是非また紹介する。グリコはカレーでも老舗本家の味を出しているからだ。
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2011/09/04

お風呂のカビ綺麗

 物事には、根拠がはっきりしないと納得できない現象は多い。しかし、目に見えて効果があったら、信じるしかないのである。今日は、㈱コジットの「バイオの力」を使った商品を紹介したい。バイオ、バイオといっても、微生物は色々いるし、パッケージにはパチルス菌属と書かれているが、もっと一般化した「分類とか呼び名」とかあるんじゃないかと思って、㈱コジットのホームページを覗いてみたら、いきなり「クイズに答えよ」と謎めいた同社のペースに引き込まれて、何やら不可思議な雰囲気にのまれてしまったのである。まったくぅ、なんという会社なんだろう、昭和47年の設立、社員はいつも「面白いことを考え続けている」という。面白い商品を作れば、日本テレビ、テレビ朝日、TBS、NHKが取材に来て、番組で取り上げてくれるらしい。確かに凄まじい頻度で、商品を開発し、取材を受けているようだ。

 さて、遺伝子まで操作しているかどうかは不明だが、微生物の一種には違いないようで、風呂場で発生するカビなどを退治しながら生きているようだ。ヒントは、使用方法にではなく、パッケージの裏の「使用上の注意」にあった。例えば、この記述である。「バイオが死滅するため、本商品を使用時に浴室内で強酸、強アルカリの洗剤や薬品を使用しないでください」と書かれている。また、例えば、1.設置後の2週間はドアの開閉を最小限度にすること、2.入浴後は湿気が多いため、ある程度換気してからドアを閉め切るように、3.浴室暖房機の長時間使用は控えるように、等と記述されている。つまり、バイオは生きて行くために、高い湿気を嫌う、窓が多いと効果が減る、高温にも弱い。どうみてもこれらは、風呂場の性質そのものだが、それでも、絶妙なバランスの環境で、増殖を続け活躍するのであろう。そうなると、次は「カビ臭い部屋」とかには効果がないのだろうか、会社などには意外にそんなジメジメした奇怪な部屋がある。そういう場所で、試してみたいと思うのは私だけだろうか。

 さて、この商品は、既に我が家の風呂場で過去1年間使用してきたので、風呂場のカビにお悩みの方は、是非お勧めできる。過去、風呂場のカビ取りでは、塩素系の漂白剤を壁面や床面等に散布するので、気管支をはじめとする呼吸器にダメージを与え、1週間ぐらい寝起きに声がかすれるなど辛かった。しかし、これを使うようになって、付け替え(交換目安=約6ヶ月)の手間はあるものの、風呂場(使用目安は1坪=3.3㎡)で殆どカビを見かけることがなくなったのである。その効果は確かに凄いと当初は少し興奮気味であった。パッケージの文言は、「環境のこと、楽して綺麗を保つこと、両方考えたらこうなりました」とあり、確かに、たいへん優れたものを作ってくれたと思う。

 そして、さらに同じ売り場には、このバイオの力を生かして、「トイレの黄ばみや臭い」等にも効果を発揮するという商品が登場していた。この商品は、これからテストするのだが、パッケージにある殺し文句は、「継続して使用することで、トイレの便器や排水管にこびりついた尿石等を分解し、臭いを軽減する」と書いてある。それも効能は凄そうだと思い、「お風呂のカビ綺麗」の実績を踏まえて、是非使ってみたいと買ってきたのである。こちらは交換目安=約4ヶ月と年間3個必要になるが、効果が楽しみである。
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2011/08/25

弁当シリーズ ホテルオークラ

 デパートの食品売り場は、この時期でも中高年の奥様方で賑わっている。何十年も夕食の準備をしてきた結果、ついにネタが尽きたのか、創作意欲がなくなったのか、あるいは、体がくたびれてしまったのか、ま、そんなことはどうでもよいのだが、相変わらずそこは、そのような奥様方御用達のお店が軒を連ねている。そんな喧騒の中で、まるで牧場主が、飼っている牛の健康を心配するように、ご主人の食が細くなって、「心配だわ」とか、そんな会話まで聞こえてくる。ご主人に、もっともっと働いてもらうために、食材には人一倍苦労されているようだが、そんな事より、緑の草原でのんびりと放牧するぐらいの心遣いが必要なのではないか。

 今日は、ホテルオークラの3種の惣菜を用意してみた。この種の惣菜に限ったことではないのだが、中高年の奥様方は美味しいものをよく御存じなので、人だかりの多いところには、そこそこの値段にもかかわらず、そこには、美味しいものがあることになっている。ただ、1度でも食べた経験のあるものなら迷うこともないが、食べる前の選択ということもあって、目移りして仕方ないに違いない。それにしても、そうやって買い揃えた惣菜を、ご主人に食べさせて、「美味い、美味いと言いながら、たくさん食べて、翌日元気いっぱいで会社へ向かう姿を期待するのは、まるで、強豪相手に間接フリーキックでゴールするような難しさである。

 そこで、まずは定番になってしまうが、肉と魚の両方を用意したい。そして、ちょっと珍しいものを加えて、意表を突く仕掛けも演出したいところだ。そこで、1.サーロインステーキ涼しげな和風ソース、2.スズキのスパイシーロティール オーロラソース、3.鰻のドリアでまとめたわけである。加えて、フランスパンを追加するとか、ホテルオークラへ行った気分でじっくり冷やしたスパークリングワインでも開けてもらえば完璧である。原材料はPDFに転記してみたが、若干気にしすぎかもしれないが、容器に牛肉はアメリカ産、スズキは台湾産と明記されていた。
 
 この今日のPDFのスチェーションの良いところは、意外に小安いのにリッチな気分になれるところである。今時だから、神田きくかわへ鰻を食べに行っても、4,000~5,000円はかかってしまう。一方、こちらにも、ちょっとだけ鰻も付いているし、肉と魚のソースを楽しみながら、飽きるほど量がないところもうれしい。結局、無口なご主人も、口を開くと、珍しさも手伝って「やっぱ美味しいわ」ということになるに違いない。ただ、こういう食材は、比較する対象が記憶の中にあったりするもので、牛肉ならば、ついつい「今半の弁当が」・・・とか、考えてしまうこともある。そちらにも興味のある方は、ページ右上のブログ内検索のボックスへ下記に列挙した補足の「文言」を投入して比較してもらいたい。
ではこちら
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%21999&app=WordPdf

補足1:きくかわの鰻は、文言「神田シリーズ1」で検索。
補足2.今半のステーキ弁当は、「ステーキ弁当」で検索。

案内:ページ右上のブログ内検索のボックスに興味のある「文言」を投入してもらうと、関連した過去の紹介ページがリストアップされます。余計なことですが、古い昔の写真は色があせています。

2011/08/16

果汁100%ゼリー

 うーむ、今日も34度を越えるらしい、工事が終わったので、ベランダ一面に水を張って涼を求めようとしたが、最初は冷たくて気持ちよくても、すぐに、サンダルの間から指先へ温かさが押し寄せてくる。それでも、「ちゃぴちゃぴ」と子供の頃に戻って、しばし水しぶきを楽しむ。朝顔もバジルも、たっぷりの保水でみんな元気、それが何となくうれしい。遠くの巨大な入道雲を眺めて、昔より確実に暑くなっていることに、一抹の不安を感じながら、「やっぱ暑いな」とつぶやく。今年は、広島より東京が暑い。ドラマの中で、我に帰った時のように、久々の蝉しぐれが襲ってきた。タラタラと額を通って汗が落ちてゆく。時折、道筋を間違えた汗が目に入って痛む。

 暑いのに、珍しく食意地は衰えず、ついつい冷たくて口触りがよいものばかりを口に運んでしまう。そこで今日は、冷やして美味しい4種の果物のゼリーを紹介したい。4種とも同じ会社の商品なのだが、梱包状態を眺めると、実際の果物の市場出荷時の箱と同じ色や形をしている。そんなところに興味を惹かれてしまった。もっとも、大きさは1/5~6程度でかなり小さめだが、25g相当のゼリーが25個入っている。何でも開けてみるまでは興味しんしんで楽しい。よく考えたものだ。ゼリーの形状は、例の子供やお年寄りがよく喉を詰まらせる「こんにゃくゼリー」と同じ形状である。こんにゃくより柔らかいが、くれぐれも注意されたい。

 みかんのゼリーを口にすると、「ああ、この味だ、これこれ」と、思わず大昔まで遡るような気持ちになった。このみかんゼリーの甘さは独特で、当時はゼリー独自の合成の味だと思っていたのだが、完熟の温州みかんを口にするようになってからは、逆にゼリーの完成度の高さに感心するようになったのである。ぶどうは、丁度今の季節なので 「種なしの巨峰」 と 「ぶどうゼリー」 を1:1で比較できるが、味の濃さではゼリーが勝り、天然の果肉と「増粘多糖類」を比較しても仕方ないが果肉の食感はゼリーが劣る。食感といえば、もものピューレやトレハロースを使った「もものゼリー」がよく出来ていて、味はやはり実物より濃いめだが、食感はかなりいい線を出している。

  りんごのゼリーは、みかんのゼリーと同じで、どこか記憶にある美味しさで、認知度が高いためそれなりに素直に受け入れられる。みかんもりんごもゼリーの歴史は長く、完成の域に達していて、むしろこの時期は、ゼリーの方が美味しく感じる。さて、PDFに紹介している4種は、食べやすい果物を集めたものだが、このほかに、お茶のゼリーとか、トマトのゼリーとかが用意されている。
ではこちら
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ASフーズのホームページはこちら
http://www.as-foods.jp/about/index.html

2011/08/12

美味しいジュース

 既に、切れの良いジュースというのが現在のスタンダードである。切れが良いとは、後味がすっきりする喉越しを意味し、賞味期限の切れのことではない。果糖が多いという理由か、あるいは、製造原価の問題か、あるいは、さっぱりした後味を追及しているのか、いつしか、本物ともいえる「ストレート果汁100%」のジュースは肩身の狭い思いをしてきた。100%といっても、濃縮還元が主流を占めていた頃は、値段が高い割には今1つ果実の持つ美味しさに欠けていて、100%のジュースがいいなら、果物を直接食べる方がよいと考えている人も少なくなかったが、最近は、生産者のこだわりも生かされ、再びマーケットに「果汁100%の美味しさを求める顧客」が増えてきたようである。

  「完熟に育った果実」を食べる美味しさは格別なものがある。しかし、異なる品種の果物を同時に食べることは、なかなか出来ることではない。そんな、ストレート果汁100%どうしをブレンドして得られる絶妙な美味しさは、人の味覚の分解範囲を超えているのではないかと思える程美味しいときがある。確かに、その果物を育てている地域の人たちが、厳選した美味しさと製造コストを極限まで追及して生産しているわけで、果汁100%を知り尽くした者でなければ味わえない贅沢さを備えている。アイス珈琲、炭酸水、スポーツドリンク、急須で入れたようなお茶など、最近は、喉を通る飲料水が増えたせいなのであろうか、改めて果汁100%のジュースを冷やして飲むと、「うわー、こりゃあ美味しいわ」と、半ば感動的になってしまったのである。

 確かに最近は、香料を上手に使って本物かなと錯覚するようなジュースも多いが、逆に本物は、それほど鋭い香りがするわけでもなく、豊かでもない。むしろ大人しく上品で、そこはかとなく薫り、甘みや酸味などが漂う。特にストレート100%のジュースでは、産地の特徴までもが反映されると言われ、それは、農法、土壌や気候のほか、昼夜の温度差なども大きく影響を受けるとされている。おおよそ、果物や伝統的な野菜、お茶等の産地は、このように外的要因に影響を受けて、より優れた品質のものが収穫されている。

 今日紹介するのは、2種のジュースで、岩手県紫波郡矢巾町あたりの昼夜の温度差に恵まれた気候で育った葡萄と林檎のジュース。葡萄ジュースはキャンべルスアーリー種を100%使ったストレートタイプで酸化防止剤すら入っていない。林檎ジュースは、ジョナゴールドのストレート70%、王林のストレート30%のブレンドで酸化防止にはビタミンCが使われている。いずれも720mlの独自のプラのボトル容器に詰めてあり、要冷蔵(賞味期限は20日程度)で1パック680円で販売されている。
ではこちら
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2011/08/04

浅草シルクプリン

 「懐かしさも美味しさ」である。・・・と勝手に偉そうな言葉が突いて出てしまった。うーむ、なかなか意味深い言葉である、と誇らしげになっている自分ではあるが、改めて、明言しなくても、その食感を得た瞬間、「ああっ、この味だ」と昔の記憶が溢れ出るような感覚に襲われることは多い。それも、歳を重ねたせいかもしれないし、かつて、食いしん坊だったせいかもしれないし、最近馴染みの無くなった食感だったのかもしれない。そんな理由はどうでもよいのだが、食べ物によって昔を思い出す事は、意外なほど楽しいことが多い。

 今から、30年くらい前に神田須田町の交差点の手前に、「きくむら」というケーキ屋兼喫茶店があった。今でも、そのようなお店は珍しくはないが、ここは、以前、和菓子の老舗だったので、洋風に新装開店した時は誰しも驚いた。お上が、これまたとても上品な美人で、和服から洋服に変わっても、「美人は何を着ても美人だ」ということを実感した記憶が残っている。その新装きくむらで、好物になったのがプリンで、銀のお皿の上にプリンが乗り、その上からラム酒とレーズンがたっぷりとかけられていた。いつでも、それが食べられた時期は、当たり前の事だったので、ありがたみはなかったのだが、勤務先が新宿、品川と転々と変わって、久しぶりに神田に出向き「きくむらの前に立って、閉店の案内」を見た時は、ショックが大きく、ふがいない自分の行動に呆れ、とても悔しかった。

 そんな記憶もいつしか時間とともに遥か彼方へ遠のいて、大して面白くもない日々を過ごしていたある日の事である。冷蔵庫の中に、この「浅草クラシック」を見つけたのである。それでも、キャップの表面には「浅草シルクプリン」と書いてあったことから、勝手に連想するに、「うーむ、どうせ今はやりのトロトロのプリン」だろうと、しばらく手を出さなかったのである。しかし、そろそろ賞味期限が来るし、そのまま処分も、もったいないし、どうせ捨てるなら、俺の胃袋に捨てようと、思い立ってスプーンを刺してみると意外に固目で、口にしたら、あの懐かしい「きくむら」の食感に似ていたのである。確かに、これは近い感じだ。という発見で感極まり、むさぼるように毎日2個づつ食べてしまった。

 今日紹介するのは、ブログ用と称して再び買ってきてもらった4個である。こういうプリンは、飽きがこず毎週でも食べられるし、それでいて、冷蔵庫にそれがあると言うだけで、日々が何となく充実した感じになり、うきうきしてうれしい。さて、このプリンは、PDFにお店=「浅草シルクプリン」のURLを載せてあるので、詳細はそちらを参照されたいが、お店は浅草の雷門の近くにあり、そちらに出かけた時に、お店に立ち寄ると言うのがよいかもしれない。もちろん、外出は苦手だし、歩きたくないし、電車に乗るのも面倒だという方には、インターネット販売もある。注文入力が終わったら、後は口を開けて待っているだけでよい。
ではこちら
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2011/07/31

IBM eServer 336

 前回の4Uに対して、今日は、割と最近の1Uの薄型サーバーである。内部に実装する部品が小型化されると、必然的にこのような形になるという、一種の進化を感じさせる構造である。稼働中の音も4Uの「ゴーッ」と鈍い音から、「キーン」と戦闘機の排気音のような高い音に変わった。スペース的に高さは1/4になり、同じスペースに4台積み重ねることが出来るが、この高い音に嫌気して同じ部屋で長時間作業するのは辛いというチェンジニアは多い。そこがこの1Uサーバーの決定的弱点だが、質量が比較的軽量なのでメンテナンスやシステムの入替えには都合がよい。車両から降ろして一人で遥か彼方のサーバールームまで、小脇に抱えて移動できる便利さは、何物にも代えがたいと思える程だ。また、同じ性能なら、使用するスペースが1/2、1/4、1/8など、どんどん省スペースになるので、システムインテグレータには色々と都合がよい。

 この1Uサイズサーバーへのディスク装着は、2/3インチサイズなら、おおむね2本は入る。1/2インチサイズなら最大4本と決まっていてパラレル、シリアルを問わずSCSI または シリアルのATA が使用できる。どうも、実績から来る信頼感とは、そうたやすく新たなディスクを採用されるものでもないらしく、現在でも相変わらず15K U320ディスク2本入りで稼働している例も少なくない。さて、今回のこのIBM eServer 336は、シリアルATAディスク2本をブートに使用しミラーリングしてある。外部へは、SCSIのPCI カードのServe RAID6M を経由してEXP-400と組合わせることも可能になっている。たとえ、薄型サーバーでもPCIスロットの数が許す限り柔軟に1人前の仕事をこなすことが出来る。その他の接続可能な外部ディスクシステムとして、PCIホストアダプタを介してファイバーチャネルのDS-400、iSCSIのDS-300(スイッチモジュールを経由した接続)なども使用できる。

 CPUは、3.6GHzのX-eonを最大2個搭載している。また、後日、デュアルコアを装着したモデルもラインナップされた。その程度の古いモデルである。CPUの後部には、DDR2 PC2-3200 Chipkill RDIMM用のメモリースロットが用意され最大16GBまで増設できる。PCIスロットは、2本用意され、PCI-X スロット1がハーフサイズの64bit-100MHz-3.3V 、PCI-X スロット2がフルサイズの64bit-133MHz-3.3Vである。585Wのホットスワップ電源ユニットが最大2個挿入している。その他、背面入出力端子には、イーサネット用2口、キーボード、マウス、USB 2.0 2口、シリアルポート、モニター出力等と一通り揃っており、用途を問わず誰にでも使いやすい。

 保守点検用には、例のリモート管理用のアダプター の小型版であるリモート管理アダプターII SlimLine x が装着できる。これによって、24時間フルタイムのリモート・アクセスを提供する。そこで、リモート管理アダプター II SlimLine 導入時に気をつけることとして、Windows2000の下で使用する場合は、Windows2000の導入を終了した後、デバイスマネージャーの中でキーボードのデバイスドライバーを"English 101/102 Keyboard"から"Japanese 106/109 Keyboard"に変更する必要がある。この変更はServerGuideを使用してOSの導入を行った場合も例外ではない。

 まとめると、IBMのX86 PCサーバーは、本体の種類が豊富に揃っていて、使用するディスクや導入目的が決定さえすれば、本体が必然的に選択される。つぎに、多種なPCIのボードや多様な周辺機器を組合わせてハードの構成を完成できる。そして、最後にServerGuideでソフトの導入を完了するといったプロセスで、何も苦しむことはない。つまり、機種決定から導入・構成までを誰にでも簡単に実現できるという、専門的な知識を用いないでも、手順さえ間違えなければ 「今日からあなたもITエンジニア」といった感じである。また、6年間の保守契約を締結することで、障害発生時にも、障害の解決のための納得のゆく説明に留まらず、システムコンサル的な要素にまで親身になって支援してもらえる。また、稼働中の障害発生頻度も極めて少なく遠方で監視するには都合がよい。
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補足1:ServerGuide:OS導入用に作られた専用ガイドCDで、IBMのデバイス用にOS別にドライバーソフトを保存してあり、導入時にOS毎に必要なドライバーを適用したり、ユーザサイドで構成する要素を選択するだけで実装を完了するなど、素早く希望のOSを導入できる。勿論、OSディスクは同時に用意する必要性がある。

2011/07/27

SUN Fire 280R

  どのような昔話にでも、現在に繋がる接点がある。・・・・それにしても、今後は、4Uサイズのサーバーの内部なんか、もう覘くこともないだろう。そこで、今日は、そんな分厚いサーバーのゆったりとした内部を撮影してみた。もちろん、奥の部屋から発掘された製品である。このサーバーの中には、大型のファンが3基も稼働していて、常に「ゴーっと鈍い音」を出している。近づいて手をかざしてみても、あちこちで張り付きそうになる。そのくらい、この時期のサーバーは、冷却に力が注がれていたのである。背景には、少しでも高い周波数でCPUとそれを取り巻く周囲デバイスをドライブし、熱くなった筺体内部を強力なファンで冷却するという、常に危ういバランスで動作する仕組みだった。それでも、その稼働期間は、次のリプレイスまでのおおよそ8~9年と長いので、システムとして、熱的にはかなり余裕を持って設計されている。

補足1:オーディオ機器やコンピュータのラックは、EIAの規格品が使われる。幅19インチ=約482.6mm、高さ1.75インチ=約44.5mm のことを「1U」=1ユニットと呼んでいる。4Uサイズは、この高さの4倍=約178mmになるように設計された筐体のこと。

 PDF写真では「黄色いシールの上に黒いファンのマーク」が描かれているスチールの下に直径12cm 程度のファンが3基並んで回転している。中央のファンが、2個の青いCPU Module を専門に冷却していて、他の2基より強い風を送り込んでいる。向かって左側のファンは、大型の8GBのメモリーボードを冷却し、向かって右側はRASボードや64bit PCIボードを冷却している。CPU Moduleは、1.2GHzのULTRA SPARC ⅢCu  で 64bit  RISCアーキテクチャを実装している。Cu とは銅配線を使用して、高いクロックによる耐熱性にも優れる仕様であることを示す。また、CPU Module内部には8MBの高速SRAMによる2次キャッシュを備え、当時としては贅沢な構成で、かなりパワフルなCPUであった。今でも、Solaris 8/9/10 では、優れた実力を発揮する筈である。

 補足2:SPARC→スパークと読むが、「?発泡する」ではなく、Scalable Processor Architecture の略である。SUN Microsystems, Inc.(以降SUNと略す)が 開発・製造しているCPU(RISCベースのマイクロプロセッサ)のこと。頭にULTRAが付くとSUNが製造する64bit SPARCで、SPARC 64と後ろに64が付く型名は、富士通が製造してSUNに供給している64bit SPARCである。

  CPU Module 以外にもいくつか特徴がある。1つは、サーバーが電源供給障害に見舞われてシステムダウンしても、30分程度ならイーサネットやモデムを使って外部から侵入し、再起動、リセット、電源投入はもとより、POST Open Boot 診断、ブートログ、実行ログ等を収集できるRSCカードを標準で搭載していることで、勿論、これは、従来のSun Management  Center、Sun VTS、kadbカーネルデバッガ、OpenBoot PROM、OpenBoot Diagnosticsなどの既存の監視や診断ツールを補う形になる。そしてもう1つ、FC-ALコントローラを搭載し、内部ディスク2台のFCループへのコネクトをはじめ、外部ポートを介して同じループにアクセスすることが出来る。これには、本体背面に設置された銅製のHSSDC (High-Speed Serial Data Connector)を使用する。つまり、外部のディスクと内部のディスクを連結したり、一緒にRAIDのシステムを構築することも出来る。外部ポートは、Stor Edge Multipac -FC 、StorEdge T3 Arrays をサポートしている。A5000シリーズへは、StorEdge Dual-Loop PCI FC/AL アダプタを介して接続する。

 Fire 280Rには、まだまだ当時としては先進的な試みが数多く搭載されていて、いずれも掘り下げて調査することで、多くの発見があると当時は目論んでいた。先で時間的余裕が出来たら、じっくり検証してみたいと思う気分になったものである。しかし、今となっては、あくまでも趣味でないと出来なくなったし、単純に知識が増えることに喜びを感じる事が出来るかどうか自信がないのである。また、知識が広がり、その連鎖で整合性が高まるにつれて、やはり、それらを使用して新たなサービスを展開しないと、自己満足に終わってしまい、社会性という点において寂しいものを感じる。それもこれも、SUNという会社がなくなってしまった現在では、懐かしがるだけで、まったくそのような気力を失ってしまっているのである。

 さて、まとめると、現在のサーバーにおける最低条件でもある、Reliability、Availability、Serviceability つまり、システムとしての信頼性、可用性、保守容易性は、既にこの時期にSUNによって基礎が築かれたといっても過言ではなく、その先進性が同社の最大の魅力でもあった。かつてのSUNは、全世界のサーバーの90%を占めていた時期もあり、優れた性能を実績という形で証明してきた。一方で、社会貢献でも高い評価を得ている。そして、多くのエンジニアやIT志望の学生から、将来を存亡された企業であった事は言うまでもない。2009年SUNが買収されると報道された時、誰もがせめてIBMにと考えたに違いないが、残念ながら、オラクルというつまらん会社に買収されてしまった。それによって、SUNのDNAは徐々に実体が消滅することになる。そして、長年サーバーやワークステーションなどに携わってきた初老達の心の中で、SUNというブランドイメージだけが生き続けることになるのである。
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補足3:CPUの上にある白いケース(緑の縁取り)は、CPUの着脱に関する注意点を書いた書類を収容している。さらに、サーバーの前面方向にある緑の冶具はCPU専用の着脱用ドライバーになる。実際に白いケースを開いてみると、CPUを外す時は、その専用のドライバーを使い、左右のねじを均等に緩めながら、垂直に持ち上げるように、あるいは、装着するときも同じように、と注意が残されている。CPUの長い寿命に特化した配慮と言えよう。
補足4:誰もがせめてIBMに:最初の報道がIBMであったためである。2番手企業は想像すらできなかったが、日本の詳しいユーザーは、SUNへSPARC64 CPUを供給したり、SUNからサーバー製品をOEM供給してもらっている富士通が買収にあたるべきだと考えたようだ。
補足5:6月20日、世界一になった日本のスーパーコンピュータ「京」は富士通製で、使われている68,544個のCPUは、同社のSPARC64 VIIIfxである。

2011/07/23

SUN StorEdge A1000/D1000

  再び重たい装置の発掘になった。だいたい、このような、サーバーとか、ディスクアレーのような製品は撮影にも一苦労するし、片づけも進まない。発掘されるものは、どこかで必ず同じものを販売した経緯があって、タイムアップしたからさっさと廃棄したいと思うが、そうも出来ない状況なのである。したがって、撮影後はそっと、再び元どおり放置されることになるだろう。ここまで古い機材に関して、さほど役に立つ話はないと思うが、万が一にも困ることがないように記憶を整理しておきたい。今回も、RAIDを構成できるディスク装置である。RAIDは、集められた複数のディスクに対して、ファイルを指定されたサイズで分割した後、パリティーを付加して、それぞれのディスクへ分散して書き込む。それによって、ディスクシステムとして信頼性を確保しながら高速性を実現するものといえる。

   サーバーと連携して動作するディスク装置は、同時期のオペレーティングシステム、インターフェイス・カードなど、関連する周辺も一緒に確保しておく必要がある。このA1000の場合は、インターフェイス・ボードの中には、RAIDのパリティ演算を行うプロセッサやメモリーなどが搭載されている。この部分の設定はサーバーから行わなければならない。まず、Solaris 8 (7/01)が動作する当時のSUNのULTRA SPARC サーバーと、ディファレンシャルSCSIカードX6541Aを整備しておきたい。RAIDの構成には RAID Manager 6221が必要になる。勿論、そのパッチ、最新版ファーム等も必要だ。ところが、D1000の方は、SCSIインターフェイスが内部で並列になっているだけなので、おおよそ、どの種類のサーバーにでもULTRA2 SCSIのみで連結出来るディスク装置である。

  あの頃は、ディスクが壊れるのは日常的なことだったので、ホットスペアを用意して対処してきた。A1000 / D1000 ともにサポートSCSIは、 ULTRA 2 だが、ホットスペアとしてはその上位のULTRA160 / 320まで使用できる。ただし容量も同じで、回転数も同じ、その前にSUNの認定(SUNの部品番号表記)でなければならない。キャビネットは前面からディスクを最大12本挿入できる。もし、空きスロットが出来た場合は、必ず硬い発泡スチロールで成形された「ディスクと同じ形状のダミー」を装着することを忘れないように。背面からは、電源ユニットが2基、冷却用の大型ファンが2基、そしてA1000にはRAIDカード、D1000にはSCSIカードが挿入されている。これらの内部構造はStorEdge D2と全く同じで、違いを探すと、挿入されるディスク(ULTRA160)と前面扉のデザインのみで、コンストラクションは全く同じである。PDF写真のRAIDカードは、アルミフレーム、バッテリー(手前の切りかけ部分に入る)などをはずして主要部品だけにしているが、これは、フレームとカバーを取り外し、CPUやメモリーが見えるようにしたもので、それらの補修部品は、保守期間7年間で1度も使用することはなかった。ただし、バッテリーは2年に1度必ず交換してきた。

   D1000を使ってRAIDを構成するには、DiskSuite、Volume Manager 等が使われる。これらのソフトを使用すると、D1000ではアクセススピードにやや問題があるにしても、スピードを要求しなければ、今でも問題なく使用できる。RAID5はもとより、ミラーリングやストライピングも構成できるので、OSを導入するシステム・ディスクのミラー構成にも DiskSuiteやVolume Manager が使われる。現場へ出掛けてサーバーのメンテを行うチェンジニアの人たちは、A1000の障害ならばディスクを交換するだけで済ませられるが、D1000やシステム・ディスクの障害には、状況によっては、この2種のソフトを柔軟に使いこなす必要があり、今だに面倒な作業を強いられている。

   PDF 写真は、左上がA1000のキャビネット。中央部がA1000用のRAIDカード、最下部がD1000用SCSIカード。写真はないが、ディファレンシャルSCSIカードX6541Aは、サーバー側のPCIスロットに導入される。忘れないように確保しておきたい。
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補足:インターフェイスとしての最大転送速度: ULTRA2 SCSI = 40MB/sec  ULTRA2 WIDE = 80MB/sec  ULTRA 160 =160MB/sec  ULTRA320 = 320MB/sec  あくまでも瞬間最大値。一般的にディスク単体では、15K の ULTRA320TYPE で、シーケンシャルリード・ライトで平均データ転送速度はおおよそ 70MB/sec 程度である。しかし、ULTRA160 / 320等の優位性としては、SCSIコマンドの送受信の速度が瞬間最大値あたりまで向上しているところである。

2011/07/19

まい泉のポケットサンド

 暑い日に遠出の撮影にでかけるのは億劫である。暑いから水分ばかり採ってしまい、肝心なお昼の腹ごしらえに困る事が多い。昔なら出先の中華食堂などで「おばちゃん、冷やし中華、大盛りで!」と威勢よく声を掛けたものだが、最近は、年齢のせいもあってか、そんなに沢山は食べられないし、お店に入ることにも、二の足を踏むことがある。その背景には、この不況で客足も遠のいた食堂で、僅かな期待に堪えてもらえない可能性もあるからである。かといって、出されたものは八割方は食べなければ失礼だし、そうやって考えると、私のような、わがままで、自由きままに生きている人間には結構辛いことも多いのである。

 出先で弁当を広げて食べられるくらい胃袋に余裕があれば、浅草今半の「牛肉弁当」でも買っていけばよいし、お茶は、急須で出すより最近はペットボトル入りの方が美味しくなって、自販機で調達できる。しかし、ここでも今の時期、現地で残さず食べる気力があるかどうか、時々そんなことに悩むこともある。勿論、最寄りの駅の近くでハンバーガという手もある。しかし、順番を並んだ時から漂う空気で、お腹いっぱいになってしまう。食べれば食べたで、ずっとお腹が満腹状態が続き、動き回るのに苦しいことが多い。なんでこんなに消化が悪いのだろうか。

 ま、そうやって、神経を使うことも多く、平素から興味を持って色々お店を覗いている。そんな中から、今日は、まい泉の「たまとろメンチ」を買ってみた。例のカツサンドは有名で、それでもよかったのだが、平素は手に取らないものにしてみた。この「たまとろメンチ」はメンチカツの上に半熟卵が覆いかぶさるように収まっていて、上下をパンで挟んだものである。なかなかボリューム感があって美味しい。これを水出しコーヒーのコンデンスミルク入りと一緒にもって出かけ、お昼に食べることになった。とても美味しそうで食欲はわくが、量は少ないので、食べたか、飲んだか、わからない。それでも、しばらくすると満足感も出てきたし、おおよそ4時間ぐらいは腹もちもよかった。そして、日が暮れかかるころには、小腹が空いてきた。

 活動する時は、簡単に食べられて、やはり消化・吸収の良いものがいい。たかが撮影といってもスポーツと同じで、たくさん食べた後の、重たい腹を抱えての作業は苦しいし、辛い。出来ればすぐにエネルギーに変わり、やる気を起こすものがあればベストだ。そのためにも、口にするものは、例え少量でも、美味しいものを準備しないといけない。好きな物、美味しい物、を食べる事で得られる精神的満足感は、他に代えられないほど行動意欲を高めるのに機能し、重要な役割を果たすのである。平素から、少量でも「美味しいものを食べること」に拘わった方がよい。草食系のあなたには、ポテトサラダサンドもある。
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補足1:ヒレかつサンド1箱777円、ポテトサラダサンド1箱273円、たまとろメンチ1個399円。

2011/07/15

オーディオマニア17

 若い人から、オーディオってなんですか?って問われるかもしれないが、昔は、程度の差はあったにせよ、これを趣味にしていた人も少なくなかった。今日は、以前から続いている我等テープ党の話題の中から、例のナカミチTT1000の弟分であるTT700 を紹介する。すでに、滅多に使わなくなったカセットデッキも、改めて写真に撮ってみると案外魅力的に見えるものだ。筺体に触れるとアルミのエッジで指が傷つけられそうな仕上げのまま、相変わらず強い個性を漂わせている。1978年頃、当時、生録をして楽しめるスーパー・カセットデッキは2~3台しかなかったが、これは、その1台である。しかし、その優れた性能もさることながら、唯一、ヨーロッパ調の個性的なデザインが多くのファンを魅了してきた。

 少し操作の説明をすると、まず、四角い蓋を開き、カセットを挿入する。手前にある6本の縦筋が操作部である。昔のエレベーターのボタンと同じで、触れるだけでよい。録音する時は、以前からお話をしている通り、このデッキの特徴でもある独立型3ヘッドにより、事前に録音ヘッドのアジマスを再生ヘッドに合わせる操作が必要になる。そのために、400Hzのテストトーンを記録再生し赤い2つのインジケータが同じように光る位置を探しだす。この調整機構をアライメント・ビーコンと言い、PDF写真の中では蓋が開いたところに存在する。我々は、この操作がやはり面倒なので、同じ銘柄のテープをたくさんストックしておき、いくつかサンプルを抽出してアライメント調整をして、それで済ませてきた。

 調整を終えると、巻戻して400Hzのテストトーンを消去しておく。それから録音を始めるが、操作ボタンの右側にあるのが、左右チャネルの音量を示すピークレベルメータである。おっと、昔の人間には普通の事でも、デジタルに慣れた若者には、理解に苦しむかもしれないので、少し説明を加える。本機は3ヘッドなので、録音前の音質と再生時の音質を source と tape のポジションを切替えることで比較できる。まず、source のポジションだと、音声が入力されてメーターの針が振れる。一般的には、この針の振れが小さいと録音する音がノイズに埋もれてしまうし、赤い領域まで大きく振らせると音がひずんでしまう。source と tape のポジションを切替えて聴き比べるとよくわかるが、大方においては、針はPDF写真のように、中央の0目盛りのあたりを行き来するぐらいにボリュームを調節すると良い。

  さて、年代も経過している本機だが、今でも現役で活躍している。最新のCDをコピーしても申し分ないが、同社のより新しいデッキと比較すると少し物足りなさもある。しかし、一方で、当時のミュージックテープの音質を髣髴とさせる艶やかな部分もあるので、廃棄できないのである。デッキの音質の評価は、自己録再だけにとどまらない。ミュージックカセットをどのように再生するかも重要なファクタなのである。ナカミチのデッキに共通する優位性として、ミュージックカセットの再生において、DOLBY の効果が音質を劣化させないところである。このことは、当時のレコード会社のリファレンスデッキとして使われていたことからも裏付けられる。古いミュージックカセットの音質も十二分に引き出すことが出来る。まさに、ミュージックカセットとデッキの相性が残っているようだ。そこに、古くてもこのデッキの存在価値がある。PDF写真は、細部を改良された後期モデル700Ⅱである。ではこちら
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補足1:デザイン→天才とも神様とも呼ばれた「レイモンド・ローウィ」のデザイン。
補足2:触れるだけ→フェザータッチともいう。この操作フィーリングは、世界最高といわれている。
補足3:B TYPE DOLBY SYSTEM →DOLBY SYSTEMには、A TYPE と B TYPEがあった。A TYPEは、レコーディング・スタジオや制作用として普及し、その簡易ローコスト版が家庭用カセットデッキ等に搭載されたB TYPE。要は、入力された楽音の高い周波数成分のダイナミックレンジを圧縮して録音し、再生するとき伸長するというもの。どのようなデッキでも、上手くいくわけではない。

2011/07/12

UCCの水出し珈琲

  この夏の節電ムードの影響で、売れに売れているものがあるらしい。すだれ、風鈴、蚊取り線香、扇風機、かき氷製造機、ジェルを使った冷温寝具、などなど、そうそう、あの「熱さま、ひんやり、ジェルマット」もその代表例といえる。それらはどこか、懐かしい昭和の風情を感じさせる商品ばかりで、それを並べたスーパーのディスプレーを眺めながら、一挙に幼いころへ引き戻されそうになる。あの頃は、まだまだ、夏が楽しい時期で、朝から麦わら帽子をかぶって蝉やかぶと虫を採りに行き、午後からは市営プールで2時間程泳ぎ、3時頃には昼寝をして、夕方は母と買い物に出かけてアイスキャンディーを買ってもらい、植木に水をやるのを手伝う。夜は、縁側で花火をしたり、スイカをほおばったりと、とにかく力果てるまで遊んだ。そういう、夏を満喫した頃を思い出して、昭和の思い出に浸りながらこの夏を乗り切れるとしたら結構楽しいかもしれない。

  さて、またも、と言った方がよいかもしれないが、再び水出し珈琲の紹介である。今日はUCCの水出し珈琲で、「ポットで一晩つけるだけ」と書いてあり、じっくり出すタイプである。アイス珈琲を楽しむこの時期には、色々と違いがあってもよいので、早く抽出するタイプから、じっくり抽出するまで、種類が揃えば、楽しさも増えるかもしれないと考えた。ところで、改めて申し上げるほどでもないが、UCCとは関西の珈琲のトップブランドである。関東の人にはなじみが薄いかもしれないが、ぜひ試してもらいたいブランドである。さて、2社とも、希望小売価格は同じだが、UCCには季節限定の「1パック増量」サービスは用意されていない。商品に自信があるのか、あるいは、単に他社研究が不足していたのかわからないが、恐らく後者であろう。関東で商売をするのにKEY COFFEE の手口を無視できるほど余裕はないはずだ。

 ということで、水出しの手順に入るが、袋の裏に美味しいアイス珈琲の入れ方の記述があり、1パックを常温の水500mlに投入しそのまま冷蔵庫へ、4時間から8時間の冷蔵放置を推奨している。ほとんど、KEY COFFEEと同じ条件で抽出されることになる。そこで、まったく同じ容器にアルカリイオン水を少し濃いめになるよう投入して、UCCを先に用意し、2時間後KEY COFFEEを用意し、UCCの6時間後とKEY COFFEEの4時間後が一緒になるようにして比較してみた。いずれにしても、それより時間が短ければ香りやコクが物足りないだろうし、時間が長ければ、えぐみや苦みが過ぎるようになる筈だ。

 この商品の持つ「味わいの差」や、「2時間という抽出時間の差」は、果たしてどのような結果となって現れるのであろうか。そこに興味を持って購入してきたのだが、実際に抽出した珈琲を口にしてみると、心配した「抽出時間の違いや、濃いめとか、苦みとか」などと理屈では片付けられない味の違いが存在したのである。好き嫌いは別として、UCCを良くご存じの方は馴染みやすい、まさにUCCの味がするのである。丁度、あの赤と茶色のUCCの缶珈琲の味を想い浮かべてもらうとよい。UCCの珈琲で育った方には、とても懐かしい味と言えよう。一方の、KEY COFFEEは、こちらも、やはりKEY COFFEE の味がする。私個人は、関西育ちだが、関東の生活は長いので、やはり KEY COFFEE の方がなじみやすい。
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2011/07/08

井村屋の和匠菓選

 いつからか、夏に限らず年中アイスクリームが食べられるようになって、気がつくとそれは、ファーストフードの仲間入りをしていた。ただ、店舗販売では独自に試行錯誤をして、四季を通して多少なりともバリエーションというか、季節感を出した商品展開をしてほしいと思っているのは、私だけか。「売れている」から「まだ大丈夫」と、半ば溶け始めて、再び凍ったような商品企画を続けていたら、いつしか客足が減ってしまった、なんて事のないように、常に新しい感覚で先取りしてほしいし、新たな情報発信基地になってほしいと思うのである。

 つい先月も、新宿で京王線に乗る前に、ハーゲンダッツを覘いた。そう、あの角のお店である。一通り見まわして、相変わらず食べつくした定番ばかりだったので、「つまらんな・・・」と思いながら、だからと言って、しらっとお店を出てしまっては「変なオヤジ」と思われるだけだと思い、そこで、既にディスコンになって15年ぐらい経過した銘柄を引き合いに出して、「ブランデーチェリー」は無いの?と改めて聞いてみた。すると、首をかしげながら「そんなの・・・・」と言った反応だったが、横からフレームインしてきたお姉さんが、「来月から期間限定のチェリーが出ますよ」と教えてくれた。「じゃ、また来ますわ」と、気分良くお店を出たのだが、帰り際、かつて同僚を連れてきて、「どうだ、どうだ、ブランデーチェリーって美味いだろ!」などと、御馳走した頃の事を思い出し、妙に懐かしく思えた。

 いつでも食べられると、希少価値の印象はないが、いざ、無くなってみると、今となっては 「う~っ、もっと食べときゃよかった」 と後悔するものである。やはり、若いうちから好き嫌いなく、「世の中にある美味しい」を実感しておけばよかったと、今になって想うのである。まあ、美味しいものは、思い出になるのである。思い出と言うのは、「時間的、あるいは空間的な隔たりや、薄れた記憶によって美化される」ところがよい。美化される=うれしい、楽しい、という関連から、心が存分に解放されるわけである。・・・・と、いつものようにアイスクリームにまで屁理屈をつけているわけだが、そうやって、少しづつ悔しい想いを残していく品物が続いている。

  さて、その、「期間限定のチェリー」を食べてはみたが、「あれ、これどこかで・・・」という、他社にもありそうな感じであった。これって、OEM商品かあっ!あの、昔のハーゲンダッツ独特の「引きづり込まれるような、くどい甘さの中にある美味しさ」は感じられなかった。 最近は、どちらかと言えば、甘さもカロリーも、軽い感じになってきて、食べ終わっても、一体、今何を食べたっけ?と思うぐらい、味に個性が残らなくなってきた。まあ、色々と、ファンの心理は多種多様で、低カロリーへの変化をよしとする風潮と、昔ながらの個性的な美味しさを求める気質とが相互に入り乱れ、爺じ、婆ばと若者の両者を顧客に持つ場合は、とかく品種の増える方向のマーケティングになりかねないのである。

 少々余計な前置きが長引いたが、今日は、小豆一筋と言ってもよいくらい強いこだわりをもつ日本の老舗「井村屋」からの出題である。決してスタッフが顧客リストを広げて検討しているわけでもないのに、今、我々が何を求めて生きているか、を高所からうかがい知るような商品企画をする。戦後すぐに創設され、50年くらい前には、既に一大旋風を巻き起こし、小豆と言えば「井村屋」、井村屋と言えば「ジュースの素」と言われるぐらい、当時から全国ヘ展開する強力な甘味老舗メーカーである。実は、いつでも、この井村屋の商品を見るたびに、幼いころ「食べたジュースの素」を思い出すし、TVCMの旋律まで呼び起されるのである。今日の2種のアイスは、そんな世代が喜ぶ小豆のアイスクリームで、口に運ぶと、懐かしくて、優しい「こしあん」の中に、甘納豆の強めの甘さが広がり、何とも上品な新しい風味なのである。これこれ!
ではこちら
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補足1:「つまらんな・・・」→ そう言われること自体、それはもう終わりかけている証拠である。
補足2:戦後すぐに創設→ 昭和22年より創業。
補足3:食べたジュースの素→飲むの間違いではなく、粉末のジュースの素をそのまま口に頬張って食べる様子のこと。
補足4:TVCM 「ホホイのホイでもう一杯、井村屋のジュースの素ですもう一杯」だったかな。

2011/07/04

このブログへ来るきっかけ

 友人とブログの話題になると、いつも同じように聞かれることがある。「よく続くね・・・」と、友人も若くはないので、継続の辛さを痛感しているのだと思う。それにしても、今まで累計342回程度のことで、そう言われると返事に困ってしまうが、確かに最初の頃は目的があった。その分、勢いもあったと思う。それは、とある定期刊行物の売上げ部数を、ブログの継続ユーザー数で抜き去ることであった。現在では、そのこと自体は、既に時間の問題になってきており、もはや「つまらん動機だった」 と考えているし、その目的は大した意味のあることではなくなってきた。しかし、その競争心と言うか、「私の自己満足を支えてくださった、継続ユーザーの皆様には、大変感謝申し上げている」 わけで、これからも笑って楽しんでいってもらいたいと思う。

  一方、初めてこのブログをご覧になった方は、色々戸惑いがあるようで、過去のタイトルの深いところ(過去150件近く)まで閲覧されている様子が見受けられる。「古いのをご覧になっても、絶対に、新しい発見はない」ので、意味はないと思うし、無駄な労力になると思う。しかし、このブログの特徴をつかみたいという事ならば、検索からの履歴などで、ある側面を知ることが出来ると思う。そこで、あらかじめこちらのAnalyticsで調べた結果を紹介しておきたい。それは、期間を区切って限定した「検索ワードひっかかりベスト20」と言ったところ。とはいうものの、あくまでも、検索から見出しで引っ掛かった記事の順位で、筆者の意図するところは全く含まれていない。また、Google Analytics からの一方的な報告の転載である。
 
  これからは、これに類似した報告も行い、何かの参考にしてもらいたいと思う。そこで、まず1回目の今回は、まず期間を2010年7月1日~2011年6月30日にした。過去1年間の統計である。原稿のリリースの日はまちまちで、古い方が若干上位に有利になる。そして、あくまでもアドレスではなく「タイトル、もしくは、ラベルから」のみ関連ワードを抽出している。すると、20位→SUN StorEdge D2 、19位→ウォークマンで蘇るわが青春、18位→VHD、17位→超特選タルト、16位→被爆とその累積量、15位→仕事でEOS-7D、14位→八幡太郎義家納豆、13位→パエリア風、12位→オーディオマニア13、11位→オーディオマニア15、10位→フランス流紅茶芸術、9位→競馬は興業なのだ、8位→京王フラワーガーデン、7位→カフェドクリエのマカロン、6位→新品種みかん せとか、5位→無停電電源(UPS)を使いこなす、4位→キャンディーズと電線音頭、3位→贅沢ヨーグルト、2位→不二屋のミルキーロール、1位→腰痛治療、となっている。

 全体的な傾向を見て、自分でコメントするのもいかがなものかと思うが、引っ掛かったタイトルは割と散漫で、これ等からでは、このブログの得意とする分野とか、狙いどころがはっきりせず、特徴も見受けられない。その事実は筆者の人間性に依存するため仕方ないにしても、これは、検索ボックスに関連したワードを投入して、検索ボタンを押し、抽出順に眺めながら Archivetec Report をクリックしたという結果に他ならないのである。その1つの側面だけで決めつけられないが、世の中の人たちは、おおよそ、ここに上がっている20個のような「関連するワード」を使って検索しているという側面もあるということである。

  誤解されては困るので、重ねて補足するが、これら20位のランキングは、記事がよかった20位ではない。あくまでも、その関連ワードによって検索している人が多いということだけである。つまり、「不二屋のミルキーロール」を知りたいから、「不二屋」とか、「ミルキー」とか、「ロール」と検索してみて、その中から Archivetec Report をクリックしたと言うだけの事である。中には、気に入った記事にブックマークをして、何度もクリックしたというケースがないとも限らないし、末尾に順番のついたタイトルが気になって、そればかり遡るということもあるかもしれないが、それらは、数字に表れるほどではないと思われる。

 ということで、初めてこのブログをご覧になった方の行動手順としては、以下のようになる筈である。上記で紹介した20タイトルのうち、興味のあるものがみつかれば、そのワードをページの右側にある「ブログ内検索」へ投入して、そのページを開いてもらえば良いし、もし、20タイトルに面白そうなものがなければ、さっさと他のブログへ行かれた方がよい。これで、無作為に面白みを探す時間の無駄が省けると思う。もちろん、いずれも強制するものではなく、まれに、小さな文字を追いかけるのがお好きで、誤字脱字を見つけるのが趣味とおっしゃる方は、じっくり、いくらでも古いのをほじくっていただいて結構である。

補足:この話を例えてみると→旅先でお腹がすいて食堂を探した。食堂の中に入ると、御当地ならではのメニューが並んでいて、どれをオーダーしてよいかわからない。そこで、「美味しいお勧めはどれですか」と聞いてみた。店のおやじは、どれでも美味いけど、やっぱり、注文の多いのは、かつ丼、ハンバーグ、カレー、ラーメンかなと、どこでも食べれる物ばかりを挙げてくれた。だから、どれか1つ食べてみれば、だいたい味の傾向がつかめると思う。それに似ている。

2011/06/30

熱さま、ひんやり、ジェルマット

 周囲の非難を顧みず、自らの欲望を捨て去り、何かストイックに体を磨くことを、心地よいと言う人は多い。そういう彼らは一時的な動機付けで、短期の試練を乗り越えるのは容易なことかもしれないが、先行き不透明のまま継続するのは辛いことのように思える。私などは、自分の我慢に限度ってものがあって、その限度を超えないように継続させるには、どのようにすればよいか、軟弱になった精神構造と常に対話を繰り返しながら、この夏をどう過ごすか計画を立てなければならないのである。涼しい頃は、まだ強い意志で、この夏は「うーむ、なんとかなる」と思ってはいたが、いやいや、今週あたり予行演習といえども、いざ暑くなってみると、思いのほか厳しいようである。

 我慢の条件は、「みんなが電気を使いそうな時に使わない」ようにすることなので、競争心を煽ったりするが、技術的には、深夜から明け方までに、巨大なバッテリーに充電しておいて、それを昼間放電利用するという方法がある。とにかく電気消費量を平坦化すればよい。ただ、理屈では分かっているが、実現はそう簡単ではない。かつて、このブログで1500VAのバッテリーを紹介し、計画停電に備えたが、蛍光灯や液晶テレビ等と、冷蔵庫やエアコンとでは、消費電力が全然違う。この夏を、例年のように普通に過ごすには、少なくとも、このようなバッテリーが5個ぐらい必要になる計算だ。もっとも、そのピークの時間帯は、大型スーパーへ子供たちの汗疹対策を兼ねて避暑に行く親子も多いようで、むしろ、そうやって、少し工夫をした方が合理的かもしれない。

 さて、一番辛いのが夜の寝苦しさである。また、睡眠不足が何日も続くと精神衰弱のような状態になり、仕事の能率も低下し、注意も散漫になったり、辛いことばかりだ。昼間は、様々な工夫を凝らして我慢することが出来るのだが、寝床でしっかり熟睡したいと思っても、それを妨げられるのは、まさに拷問と言ってよい。夜の寝苦しさの主たる原因は何かを考えると、体が、敷き布団に接触している部分が自分の体温で熱をもち、つぎに、その跳ね返りを体がまともに受けてしまうところなのである。つまり、背中に接触する部分による体温上昇である。人は寝返りをうつので、ある程度は解消されるが、その寝返りをうつまでが熱いし、何度も寝返りばかりしていられない。

 そこで、それを少し和らげるというか、解消するために開発されたものがある。今日はこれを紹介する。略称「冷蔵不要のジェルマット」である。このジェルマットの技術的なポイントは、ジェルマットが室温と同じ温度に近づく特性を利用したもので、これを敷いてその上に横になると、まず、ひんやり感じる。冷蔵庫などで冷やしたわけではなく、自然の状態である。これは、マットと背中の接触している部分で、体から熱をマットが吸収している状態と考えられる。勿論、この状態で体が接触していない、マットの余白の部分から、吸収した熱を放出している。つぎに寝返りをうつと、体からマットが離れ、更に大量に熱が放出され、冷やされる。体を元に戻すとひんやり感じる。この繰り返しである。簡単に言えば、体から熱を吸って、室内空間に放出するジェルといった感じである。

 これ自体でも効果は十分感じられるが、元々体温の高い私は、いまひとつ工夫を重ねている。それは、放熱を効率良くするために、竹のチップを編んで敷物状にしたシーツの上に置いて使っているのである。予測通り、竹のチップの間から効率よく熱が逃げてくれるようで、適度にずっと涼しい状態なのである。最初の接触感覚では、竹チップだけの方が「ひんやりして」よいと思えるが、時間が経過すると、竹の方の放熱が遅いため、時間が経過するとジェルマットを併用する方がよいことが分かる。これによって昨日、一昨日など、今のところ、エアコンも扇風機も全く必要なく、窓からの風だけでたっぷりと熟睡できた。もう~最高!。ただ、夏本番での熱帯夜は、近所でガンガンエアコンを稼働させるだろうから、どうなるか分からない。
ではこちら
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補足:スーパーでも薬局でも販売されている。価格は1個3,980円程度である。

2011/06/27

プロバイオティクス「白桃ミックス」

 先日、「幸せの贅沢フルーツ」が市場から消えていると言う話をした後で、こんなことを申し上げるのはたいへん恐縮ではあるが、どうも生産は復活していたようである。なぜなら、たまたま立ち寄った、富士シティオの寒川店で、お店の在庫の最後の1個買うことが出来たからである。このような、人気の高い商品を取扱えるスーパーは、かなりマーケティング環境が整備されていると思われる。優れた商品に早くから目をつけ、売買契約を強固なものにしていると考えられるからだ。

 元々、スーパーと言うのは、人気のある商品を扱いたいわけではない。儲かる商品しか扱わないのである。商売だから当たり前だが、「仕入れが安い」のが一番なのである。「人気がある=儲かる」という理屈はエンドユーザーとメーカーの間の構図で、中間業者はそうとは限らない。中間業者のスーパーは利益幅がなければ扱いたくないのである。だから、時として、なんでこのような、1.欲しくもない商品を大量に扱っているのか、2.品切れが多いのか、3.店員が商品の事を知らないのか、と、困る事が多いのである。1.に関しては、他で売れなかったから、安くするから扱ってほしいと持ちこまれた商品。2.サプライヤーはいつも価格を叩かれるから、商品供給を後回しにする。3.現場でお客の要望を聞いても、反映できないから、それは仕事ではないと考えている。などが挙げられるのである。つまり、我が家の近所のスーパーはそういうお店ばかりなのである。

 そういう情けない生活環境の中で、少しでも気に入ったものを探し出し、それを残された人生の生きる喜びにつなげていきたいと、常々考えている訳であるが、その状況で、今日紹介したいものとしては、グリコの朝食プロバイオティクスのヨーグルトシリーズ「白桃ミックス」である。この白桃ミックスの食感が、「幸せの贅沢フルーツ」のイメージにいちばん近いと感じたからである。つまり、この「幸せの贅沢フルーツ」がどこでも手に入るようになるまで、この「白桃ミックス」で代替できる筈だと考え、一安心したのである。

  これで、楽しみが戻ってきたと気を良くしていたのだが、しかし、しばらくして、これも同じ運命なのかもしれないと感じたのである。それは、他のヨーグルトの在庫切れは1つもないのに、2日経過しても、4日経過しても、1週間経過しても「白桃ミックス」の追加在庫は入荷していないのである。無くなったらそのままなのである。これには頭にきた。1週間入荷していない事実を確認し、満を持して店員に「このタイプの白桃ミックスは、次はいつ入荷するんですか」と尋ねたら、すかさず、「白桃は無いですよ、ブルーベリーとリンゴ、ああ、最近ストロベリーが入荷してますね、ストロベリーなら来週入ります」ということであった。うーっと唸りながら、強く強調しても仕方ないので 「そうですか」 と答えるにとどまったが、腹は煮えくりかえっていた。
 ということで、とりあえず、その白桃ミックスと一緒に購入したリンゴ、ストロベリーを紹介しておきたい。ではこちら
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補足:みんなもっと激怒した方がよい!

2011/06/24

IBM EXP-400

 高速ディスクシステムを使いこなしたいという願望は、コンピュータを触っている人達には、強い欲求にも似た一種の憧れでもある。背景は、「処理が早いという実感」を得たいのである。何かにつけて、スピードを求める気運はあちこちに蔓延しているのである。しかし、実は異業種のプロの写真屋さんはもっと注目している。彼らには商売上切実な問題がある。毎日2110万画素でRAWファイルを山ほど撮影してしまうと、処理や保存に時間がかかって仕方ない。そこで、こういう高速ディスクシステムを使えば快適だろうと考えているらしい。ただ、単独では動かないので、利用しようとすれば、結構な出費になるが、スピードという点の快適性は群を抜くし、壊れたディスクを稼働中に交換できるという意味では信頼性も高い。一口でいえば、最近のプロのカメラマンには必須の設備と言うことにもなる。また、他にもコンピュータを使って成果を求められる職業の方は、この手は生産性向上につながるのである。

 知り合いの写真ファンがそのような話をしていたので、あー、あー、と初めて聞くような顔をしながら、それで「SUNのStarAdge D2 の紹介ページ」が3位にまで上昇したのかと密かに納得したのである。やっぱり、あんなプロ用機器でもお好きなマニアがいらっしゃるのである。そんなことなら、是非任せてよ、と言わんばかりの意気込みに変わったのである。写真ファンには、SUNよりIBMの方が使いやすいので、今日は、発掘の進んでいる古典的な機器の中からEXP-400を紹介したい。このEXPのシリーズは、100、200、300、400 と続いてきて、すでに数年前に生産中止になってしまったが、最近のものは、ディスクのインターフェイスが変わっているとか、ServeRAID Manager が少し違うぐらいで、基本的にはあまり変わっていない。ただ、流行はディスクが3.5inchから2.5inchへ小型化へ進んできて、サーバー本体内にRAIDの実装が進んでいる。

 さて、EXP-400 は、サーバー側にIBM RAID6MというRAID専用カードを経由して利用する。IBMサーバーのPCIスロットに導入し、OS上でWindows用、もしくはLINUX用のServeRAID Manager を使い、画面上をマウスを動かして簡単にRAIDを構成できる。サーバー側は、IBM以外は未確認である。本体は、後部に電源装置2個、インターフェイスも2基、前面にU320 3.5inch ディスク最大14本搭載できる。300GBのディスクを使ったとしても、RAID5EEで、おおよそ3TBの容量。容量自体に魅力は感じられないが、2本ぐらいホットスペアにしておくと、いずれのディスクが破壊されても、自動的に切替り運用を継続できる。そのうち時間のあるときに破壊されたディスクを交換し、再びホットスペアに設定しておけばよい。そうやって、楽な運用に浸れるわけである。

 1つ注意するとすれば、こんなことがあった。昔、納品したばっかりの病院のシステムで、SUNのA1000のディスク1本のランプが点いたままになっているという話を聞いて、現地の保守会社に確認を頼んだことがある。そしたら、何を勘違いしたか、ランプが点いたままのディスクをスロットから抜いてきたという。これには困った。壊れていることが分かればよいだけで、ディスクを抜いてしまうと、ディスクシステムの内部を流れる空気がそこに集中してしまい、他のディスクが冷却されない状態になる。実は、これが最も危険な状態であることを保守会社の人は知らなかったのである(専門と言いながら専門ではなかった)。つまり、このような機材を保守・点検するには、それなりの経験がないと、より危険な状態を生むと言うことである。
ということで、こちら
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補足1:ディスク→IBMの認定ドライブが必要。ドライブに貼られたシールにeServerというマークと部品番号が明記されている。これ以外のドライブを挿入しても、ServeRAID Managerが認識しない。
補足2:注意すること→導入初期の1か月は何事も気をつけた方がよい。
 誰でも、障害など起こるはずはないと思っているから、障害のようなふるまいをすると、何かの導入ミスのように勝手に判断し、触りすぎて傷口を広げたり、勘違いで、何度も設定を繰り返して再起動をしたりすることがある。外部から電話回線などで侵入が出来るようになれば、どこからでも正確な情報を得たり、対処方法を検討できるが、それまでの短い期間は、正しい知識と手順を何度も確認するように心がけたい。

2011/06/20

謎の円盤UFO

   我々が子供の頃も、最近の子供たちも、UFOに関しては、ほぼ同じような知識を持っているに違いない。それは、古くから情報源を含めて、もっぱら特定の人で、自ら出演する奇怪な男、日本テレビの矢追純一ディレクターの話を真に受けたままだからである。様々な「実写と言われる怪しい映像」をみせられながら、うーむ、な、な、なるほどと、水曜だったか木曜だったか忘れてしまったが、スペシャル番組なんかも編成されて、自分もどっぷりと洗脳されてきたのである。なにせ、同じような映像を、何度も何度も繰り返して見せられると、まさに Seeing is Believing なのである。

 もともと、このような実体験がない視聴者にとっては、最初に見た真実性の高い映像がインパクトとして残るものである。その映像には、まさに科学的根拠が必要なわけだが、現在の科学では説明できないとする事象も多いため、丸のみをするしかないこともある。しかし、どこかで喉につっかえたり、引っ掛かってしまい、腹にまで落ちないのである。捏造かもしれない映像に、疑問を持ちながらも、幾つ歳を重ねても興味は尽きないのである。実は、ここに矢追純一ディレクターが狙った放送番組における映像作りの本質があったのである。

 現在の地球上の科学では説明がつかないとなると、疑心は尽きない。もしかして、のんきに構えていてはいけないのではないかという気持ちも高まってくるわけで、危機管理という点では対処する方法も人類の重要な課題になる筈である。そのような想定に基づいて、宇宙人もしくは宇宙怪獣と戦う映像もたくさん作られてきた。それが、日本のプロダクションの得意とする分野でもある。一方で、極度に知識や理性の発達した宇宙人との出会いを求めて旅立ち、1つの優れた宇宙船を通して、様々な空想を映像化して感銘を与えた番組もある。そこには、限られた空間における様々な人間関係や、クルー全員が一致団結して、優れたテクノロジーを持つ敵と戦い辛くも勝利する。そんな、むしろそうあってほしいと願う気持ちが、番組のあらゆるシーンで息づいているために、共感を呼ぶことも多かった。

 さて、前置きが長くなったが、・・・・もっとも話し始めると尽きないかもしれないが、今日の話題は、私がまだ若かった頃に放送されていたという(記憶がはっきりしない)TV番組の一部が、1冊の本を通して公開されたので紹介したい。そのTV番組こそ「今日のタイトル」なのだが、放送は、1969年頃だと言われており、ならば42年前で、私は当時16歳であるが、そうすると、現在すでに45歳以上の人でないと記憶に存在しないかもしれない。ただ、自分では、もっと昔に思えて仕方ない。当時は、放送が始まる数分前から、胸をときめかせてTVの前に座り、チャネルを回した記憶がある。
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補足:今回の創刊は、一緒に THUNDERBIRD のメイキングも載っていて、DVD VIDEO 「第一話 SOS 原子旅客機」 も付いてくる。

2011/06/17

ミニストップかKEY COFFEEか

   最近は、購入に手間がかかったり、面倒な商品を用意するコンビニが増えている。私も、近所にあるミニストップで、毎日のようにアイスコーヒーを買うのだが、意外なほどお安くて美味しいので虜になっている。標準価格は150円で、これ自体はまあ普通かもしれない。カップに大きめの氷が3個は入った容器を渡され、自分で好きなだけコーヒーを注ぐのである。この様な、お客に節度を求める精神は気持ちがよい。時折、こぼれるくらい注ぐ若者を見かけるが、そうそう!若いうちは、周囲の体裁なんぞ気にせず、思いっきり注げばよい。ミニストップとしては、それももちろん織り込み済みである。

 さて、本題はここからである。このアイスコーヒーの蓋にはシールが添付されていて、それを専用の台紙に4枚貼って持ってゆくと、1杯無料というサービスが期間限定で実施されている。つまり5杯で600円=1杯120円ということになる。そして、さらにこのアイスコーヒーが気に入れば、ミニストップのモバイル会員になって、モバイルクーポンを提示すると、さらにその場で1杯当たり20円値引きしてもらえる。つまり、5杯で520円=1杯105円ということになる。勿論、周囲を気にせず大盛りでも構わない。しかし、果たして、これで儲かる商売かどうかは分からないが、お得感を求めて毎日のように通っているのである。

 このミニストップの戦略価格を把握したついでに、もう1つアイスコーヒーの話題を続ける。既に08/06/06に紹介したKEY COFFEE の水出し珈琲パックが今頃になって、ひそかなブームとして広がりをみせているらしい。このたび、携帯用マイボトル向け(少量パック)も発売になっているので、再び紹介したい。水出し珈琲とは、水でゆっくり時間を掛けて珈琲のエキスを抽出するもので、通常のお湯を使ったドリップほどコーヒーエキスが早く抽出されない。したがって、それに伴うえぐみや雑みが少なく、飲みやすく美味しい。ただ、コーヒーを長時間水に浸けておくと、同様にえぐみや雑味も出やすくなるので、水温や抽出時間も適切な対処が必要になる。一般的には、長い経路に置かれた珈琲豆の中を水滴が落ちて、数時間後に容器の下部に貯まるような、専用の抽出容器を必要とするが、この水出し珈琲では、珈琲パックを指定時間だけ水に漬けておけばよい。

 既に、紹介済みの「香味まろやか水出し珈琲」は、毎年1袋増量サービスになる期間がある。それを除いて計算すると、1パック(35gx4袋)360円相当になり、1袋3杯分計12杯程度(=一杯30円)。一方のマイボトルで作る方は、1パック(20gx4袋) 240円相当になる。こちらは、1袋1.5杯分計6杯程度(40円)になる。これだけだとお安いのだが、製造には美味しいお水も必要だし、時間もかかるので面倒な印象がある。しかし、一方で、時間のある人たちには、水源にこだわればこだわるほど、マニアックになれるし、薫り抽出にうるさい人には楽しい逸品となる。意外に思われるかもしれないが、この商品は夏場だけではなく、冬場でも美味しく楽しめる。抽出後にホットにするとこれがまた美味しい。まあ、何のかんのと、こだわっても、水を使うには、放射能の含まない清いお水を使いたいものだ。
ではこちら
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補足:今、まさにシールを4枚貼って持ってゆくと、1杯サービスである。このサービスの1杯にもシールが付いてくる。つまり、次回からは、360円で4杯(=1杯90円)ということになる。どうよ。
水出し→パックの珈琲は、珈琲粉末の中に浸透した水の力でエキスを抽出する。最後に珈琲粉末はたっぷりと水を吸収して膨らむ。つまり、400mlの水に漬けておいても、400mlの水出し珈琲が出来上がるわけではない。水15~20%程度は、珈琲粉末と一緒に捨てると思った方がよい。

2011/06/13

IBM Xeon2CPU Server 345

 サーバーを放置した部屋の片づけは続いている。今日発掘したのは、リモートアシスタントカード2枚とIBM サーバー345である。時間が経過し、既にその価値が無くなったものが発見されるとき、私はそれを発掘と呼んでいる。このリモートアシスタントカードは、サーバーのハードウエアの状況を、ADSLや電話回線などによって、遠くからでも監視できるように考えた一種のコネクタに例えられる。サーバーと言えば、一般的にチカチカ光るHAL9000のような大型のコンピュータを連想するケースもあるが、一方でサービスを提供する実体を総称してサーバーと呼ぶこともある。たとえば、身近な物で言えばコーヒーサーバー等もそうである。そういう意味で、このリモート・アシスタント・カードは中味は一種のサーバーで、コンピュータ管理の裏方さん達が利用する重要なキーデバイスなのである。

 さて、このリモート・アシスタント・カードは、Power PCを使用してコンパクトに仕上げられたボード・コンピュータである。これを、IBMサーバー345の指定されたスロットに挿入して機能させる。もともと、IBMサーバーには、古くからシステムの管理プロセッサが搭載されており、ハードウエアの稼働状況を監視している。したがって、障害発生時には、サーバー前面のインジケータ部にアラートを表示する。しかし、コンピュータ管理の裏方さんにとってみると、そんな大きな障害が発生する事前に、何らかの対処をしておきたいと考えているので、そのシステム管理プロセッサへ、リモート・アシスタント・カードから主要なファンクションを使用して、定期的にメンテナンス用のサービス・ルーチンを実行させている。

 ミッションクリティカルな作業を繰返すネットワーク上のサーバー群は、あくまで5~6年は、シャットダウンなしで継続稼働を目指すことが普通である。そのために、それらのサーバーの稼働状況を1つの管理サーバーに、時刻と変化する検査結果をデーターベース化して統合しておく仕組みが採られる。そうやって、システム全体の監視を容易にしながら、サーバーの障害の原因とも言える細部まで掘り下げ、詳細を把握するという柔軟なシステム管理が行われるのである。今日発掘された、このカードは1枚10万円程度だが、管理するサーバー台数分必要ということになる。また、それらの情報をデーターベース化して管理するためのサーバーも用意する。さらに、それらを監視する人たちの費用など、意外に表に出ないコストがシステムの重しになる仕組みであった。

 大概の場合は、そういうシステム管理を外部の「専門の管理会社」が行うが、システムが存在する限り継続して管理会社に費用を吸いとられる。そこで、最近は、ハードウエアの故障率の低下と、自動メールによるアラート発信(障害予測による部品倉庫への自動メール送信)などの組合せによって、ハードウエアの障害によるトラブルは激減してきたが、これは、メーカー自体が保守契約を受託するようになって、さらに加速した。つまり、かつては、障害発生箇所の特定と、その部品の調達に時間がかかるとか、詳しいチェンジニアが不足していた事が、その主たる原因であったが、メーカーが社内の仕組みを変えることで、保守契約環境が大きく改善したのである。コンピュータ・メーカーはリストラをしても、行先あるといわれる由縁がそこにもある。しかし、その変化に追従出来なかった専門の管理会社は大幅に減っている。

 さて、今日のPDFの写真は、IBM サーバー345の背面で、リモート・アシスタント・カードがそのスロット5に装着された状態。その手前に、同じカードを上向きに寝かせて撮影している。当時からとんと影が薄くなっていた Power PC CPU が見えるが、こうやって様々な分野に用途を広げていたようだ。写真のカードは、今でも全く問題なく使用できるが、残念なことに古典的すぎて他との整合性が薄い。そうやって、最近は時代の変化の速さを肌で感じる事が多いのである。
ではこちら
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補足:HAL9000→「2001年宇宙の旅」に登場する人工知能型コンピュータ。HALとはIBMのひとつ前のアルファベットを組合せて、IBMより1つ進んでいるという意図があるらしい。
チェンジニア→交換する人のことを言う。かつては、最先端のエンジニアであった人たちで、昔だと半田コテやアナライザをもって現場へ急行したが、今は口先と交換部品のみの持参で済ませる人たちのこと。さらに最近は、宅配便のドライバにその職を奪われつつある。

2011/06/09

植物性乳酸菌

 このブログでは、血液型B型の嗜好でもある乳製品を扱うことが多い。みんな、どんなヨーグルトに興味を持っているのか、あるいは、どのヨーグルトの情報を探っているのか、興味を持って調べてみた。定期的に覗いている方については分類できないが、検索から入ってきた一元さんのアクセスでは、何と、2010年7月リリースの「グリコの贅沢ヨーグルト」が食品関係で1位なのである。しかも、昨年からの累計ではない。1か月前までの全体ランキングで8位に入っているのである。さらに期間で調べてみると、4月から情報を求めている件数が徐々に増えているのだ。ちなみに、全体で次は、いつもの「腰痛治療」(08/05/15)である。

 この背景にあるものは何か?あくまで推定だが、東北の震災の後、市場から一挙に乳製品がなくなった時期があった。しかし、時間の経過とともに、徐々に牛乳やヨーグルトの一部の商品が戻ってきたわけだが、それに対して、この「グリコの贅沢ヨーグルト」は、市場から忽然と消えたままなのである。ひょっとしたら、このまま市場から姿を消すのではないかと心配になるのである。そこで、グリコのホームページを覗くと、震災前と同じページが出る。まったくもって無神経な感じは拭えず、不安から苛立ちに変わる。もちろん、近所にあるいくつかのスーパーを探し歩いても実物はない、「どうなっているんだ!」とファンの苛立ちは最高潮に達するのである。ま、そんなこともあってインターネットで情報を探しているのだろう。数は少ないけれど贅沢ヨーグルトのアロエの方は戻っている。

 そこで、フルーツミックスの贅沢ヨーグルトが戻ってくるしばらくの間、この製品を代替えにしてはどうだろうか。少し甘さを抑え、ビタミンCとEを加え、ダイエットにもなるし、商品がなくなることもない。それは、「スゴイダイズのヨーグルトタイプのクランベリー味」である。この商品企画は、なかなかいいと評価しているのである。まず、第一にクランベリー味にしたことで、ダイズ固有の味から距離を置いていること、ただ、喉を通過する頃、やっぱり大豆だなと思わせるところはあるが、食感は、ババロア風になっており、酸味が効いて、甘くない生菓子と思える程である。まあ、なかなかいい感じではあるが、成分表を覗くと、これまたスゴイダイズを凌駕する食品に進化していることが分かる。つまり、成分的には、ニーズをすべて盛り込んでいるようだ。

 ・・・が、である。このような、インターネットで徹底したアンケート調査をして商品を作る。そこまでは評価できるが、それをよりによって、3パック100円のヨーグルトを並べているイトーヨーカ堂のようなスーパーなんかに置いても、売れる筈がない。3パック100円の引き立て役でしかないのだ。まさに、商品はいいが、売れない結果になる。このことは、贅酪ヨーグルトの時にも同様な趣旨の事を書いたと思うが、インターネットでアンケートに答えてくれた人種は、まず、インターネットを使い慣れた、働く若い女性である。それは、美とお肌の健康に気を配る人たちで、でも、忙しい、つまり、気が向けば、すぐに手に入る商品でなければならない。ということで、24時間営業のコンビニに置いてある必要がある。でも、少し高くてもよい。という若者購入の構図であることを認識すべきである。そうやって、若い女性向けの告知行為と置き場を厳選することで、健康食品の地位確立を早く目指した方がよい。

 それにしても、国内のどこで大豆が大量に採れているのかは知らないが、大塚食品は、大豆を使った商品を次から次へと展開し、隠れている様々な大豆ファンを掘り起こして、新たな大豆のマーケットを形成しようとしている。商品の形態とともに、「スゴイダイズ」の名前が一人歩きして、イメージが出来上がりつつあるのは間違いなく、今日の商品も、その布石の1つである。植物性乳酸菌、イソフラボン、食物繊維(大豆丸ごと使用)、ビタミンC,Eなど、必要とされる成分を幅広く採りいれ、若い女性の気持ちを鷲掴みにできる商品のようだ。
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2011/06/06

国領駅工事見学コース

 国領駅と言えば、「豆熊」というラーメン店がある。私が調布市に住むようになって、もう40年ぐらいになるけれど、このお店もそれに負けないくらい、長く親しまれたお店といえよう。おおよそ、お昼どきや夕方は、店の前に行列が出来ているのが特徴である。100年に1度と言われたリーマンショックや東北の震災による節約ムードにも客数は減らず、むしろ増えている。実は、殆ど知られていないが、この店の人気を支えるパラメーターがもう1つある。

 国領駅の北口と南口には、それぞれパチンコ店があり、その出玉の量によって、客は「食事中の告知板」を掲げ、この「豆熊」へ走るのである。もちろん、ここには先に来ているお仲間がいて、情報交換の場にもなっている。当然ながら、お仲間が台の確保や監視も兼ねてゲームの継続をスムーズにしている。だから、豆熊は、両者のパチンコ店の出玉の量によって忙しくなるのである。これは、蟹やホタテを使った海鮮ラーメンとか、X豚を使った豚骨ラーメンとか、そんな特別な工夫をしなくても、店が続けられる背景と考えられるのである。そして、パチンコ店は互いに出玉の競争をする。だから、パチンコ店の客の増える不景気ほど、豆熊は繁盛することになる。

 などと、つまらないことを考え、店を出てチッチ、チッチと楊枝をかみ砕きながら、駅に向かって歩いていると、国領駅の工事中の建屋のカバーが取り除かれて、地下が覗けるようになっていた。そこで、思わず驚き、手持ちのカメラのシャッターを切った。うーむ、こんな大きな穴があいているのか。と、時間もあるので、つい覗きこむのであった。「うーむ、凄い」。ついでに、この駅の周囲を散策しながら、報告をしておきたい。京王線の地下工事状況は、一体どのくらい進んでいるのであろうか、PDFの写真を見ていただく通りで、結論から申し上げると、トンネル工事はほとんど終了していて、もっぱら地下駅建屋の工事を進めているといったところのようだ。

 工事中の看板を見ながら、実は、個人的に心配なことが2つ出てきた。1つは、京王線が野川を越えて国領駅の手前で地下に入るが、その横手から幅20m程度の車道が交差しようとしている。こちらは、すでに地下15mまで掘り進めてあり、この道路の先は、旧甲州街道と品川道を連結するらしいが、線路とどのように交差するのか説明されていないのである。そして、もう1つは、国領駅から調布に向かって駅を出たところの、例の右回りのカーブである。ここは、特急、急行、快速など国領に停車しない車両にとって難度の高いカーブで、古い昔からスピードを落とさざるお負えないポイントになっている。このあたりの処理をどのようにしているのかよくわからない。ま、いずれにしても、私の余計なお世話なのかもしれない。そういう、どうでもよいことを真剣に悩むから「おっさんは嫌われる」のかもしれない。
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2011/06/02

まだある、ミルクのようにやさしいダイズ

 台風が去って、天気が回復したところで、空を見上げて雲を眺めていると、つい猛暑の頃を思い出してイメージしてしまった。やはり今から気分的に、憂鬱な印象を隠せない。我が家は、もう数年前から体調管理の為、クーラーを使わず夏を過ごすことにしていて、それ自体に問題は無いと考えているが、どちらかといえば、片道2時間の通勤電車の中が辛いのではないかと心配している。若い頃なら水分補給をこまめにして発汗を促すのだが、それが、最近なかなか機能しなくなってきた。代謝機能が上手く働かず、水分量が適切でも食欲を失うし、僅かでも多すぎると胃腸の調子を狂わせる。胃腸の調子が悪いとしばらく水分を補給できない。まさに、不調が不調を産む不調地獄とでも言うのであろうか、何とも辛い状況になるのである。結局、猛暑のイメージはそれを心配させてくれる。

 ま、「そんな事は、知ったこっちゃない」と、お叱りを受けそうだが、同じ様な胃腸の弱い人には、やはり、やや固形分を残したダイズ飲料をお勧めしたい。それがあの、「ミルクのようなやさしいダイズ」なのだが、大塚チルドも手を変え、品を変えて、「ああでもない、こうでもないと、言い訳ばかり」して、好き嫌いを言う強情な我々に、何とかダイズを飲ませようとしてくれているのである。それが今日紹介する「いちご味」と、「バナナ味」の新製品である。色々と考えたあげくの果ての商品化ということはわかっているのだが、両者とも「リンゴ濃縮果汁」が入り、その上で、バナナ味には「バナナ濃縮果汁」を加え、いちご味には「いちご濃縮果汁」を加えて、ごくごく普通に口当たりの良い大豆飲料に仕上げてある。しかし、両者とも果汁10%未満である。

 一口で申し上げると、甘くて随分飲みやすくなっている。ただ、いちご味は、どこのいちご採取したか判らないが、甘さの後にいちごジャムを溶かしたような少し強めの薫りが口に残り、「うーむ、なるほど」と、他のいちご関連商品に共通な味に仕上っている。古い世代の人には、何処となく懐かしさを伴う口当りともいえる。また一方の、バナナ味も先に甘さを感じ、甘さの奥にバナナ味が漂うという印象で、両者とも誰にでも馴染み易い風味だといえる。だが、我々の世代の人たちには、特にイソフラボンが重要な働きをすることが分かっていて、少なからず摂取して、毎日を有意義に過ごしたいと思うのである。実は、大塚チルドはこのあたりの説明が、やや欠落していると思える。もちろん、医薬品ではないので、効能など難しい側面をもっているにしても、少なからず成分意図をもっと強調してもよいと思われる。そんな背景もあって、本質的には大豆飲料が口に合いさえすれば、飲みたいと思ってきた。

 先日紹介した、「SOYSH」は、すこぶる気に入って時々飲んでいる。宇宙人的デザインで、超刺激的な口当りが、新たなダイズ飲料を創造していると思えたからである。そんな印象なのに対し、「ミルクのようにやさしいダイズ」の方は、馴染み易い口あたりで、幅広い層を狙って商品化された経緯を感じる。カリウムとカルシウムがそれぞれ強化され、たんぱく質、イソフラボン、カルシウムがバランスよく含まれているので、絶対的に健康重視派をターゲットにした商品に間違いはない。が、しかし、甘さを加えることによって、やや軽さの伴う飲みやすさにつながり、どちらかと言えば、もう少し、口当たりに珍しい風味を加えてほしかったのである。今からでも遅くない、日常的でない果物の風味を加えてほしいのである。
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補足1:「ミルクのようにやさしいダイズ」の販売は、大塚チルド食品㈱。「SOYSH」の販売者は、大塚製薬㈱である。
補足2:ついでに「SOYJOY]の新製品フルーティートマトの製造者は大塚製薬㈱である。こちらの写真は無い。