2009/07/31

鰻専門店 登亭

 今から、30年程前の話になるが、神田の淡路町交差点の傍に鰻丼専門店があった。そう、昨年の「神田シリーズ」で紹介した地域の目と鼻の先である。そこも老舗で、席数は100以上あり、ひっきりなしに人が出入りする。鰻丼は14~16cm程度の椀に小ぶりの鰻が収められ、肝吸いとお新香がついて、1000~1200円だったと記憶している。もちろん回転の速いのが特徴で、注文をすると、すぐに膳が出され、次に5~6分で鰻丼が配られる、常連なら5分で平らげ、入店して15分もあれば一服して出て行けるのである。まさに神田老舗のファスト鰻店だった。会社から1分の場所にあり、夏場は毎日でも、昼、夜でも食べられるくらい軽い。ここで小ぶりの鰻と、薄味のタレ、腹6分目の美味しさを知ったのである。 残念ながら現在は無い。

 鰻の専門店は減る傾向にある。高級店はそれなりの風情が漂い、雰囲気も良い。なにせ、注文してから鰻を割くので時間はかかる。何処の店でも、おおよそ30~40分程度は待たされる。その間、一風呂浴びることの出来る店もある。串打ち3年、割き8年、焼きは一生といわれ、まさに職人中の職人が技を活かすお店群である。鰻自体も立派な物でやや大きめ。さらに、通に言わせると、天然物に限るというのが口癖だが、高いお金を払って「どぶくさい」鰻を出された日には、その日一日落胆してしまう。「君は分かってないな、それが天然の証明」なんだよ、といわれても、「そんな理屈、もう、ええわ」と思うのである。

 それでは、どんな鰻重が美味しいか整理してみよう。結論から申し上げれば、やはり上記のような「ファスト鰻店」並の価格を実現できれば申し分ない。ちと足りなければ2つ目を頼めばよいからだ。価格を下げるために努力している店が時流といえる。次に、駄目な鰻を振り返ると、でかい鰻は怪しいのである。脂の乗りすぎも同じく駄目、これは古い養殖技術にありがちで、抗生物質入りの餌と酸素を十分与えることで鰻はどんどん大きくなり、皮も厚くなる。これが、焼きあがると素人目には「立派で美味そう」と表現される物だが、背景を知ると遠慮したい。

 では、お勧めはというと、外形は、穴子よりも大きい程度が良い。そのくらいだと皮が薄く、脂も少なめでよい。人の体は、満腹に近くなるに従って美味しさの判断基準が低下し、食べ終えた時の体の状態で、「また食べたい満足感」かどうかを体が判断するのである。ここが、特に重要で、「優れた品質」であればあるほど、「また食べたい満足感」を持つのである。

 次はタレ。タレは秘伝でなくても、甘さを押さえた薄口がよい。関東では、蒸して焼くので、「柔らかさと香ばしさ」が引き立つ様でなければならない。スーパー・マーケットにあるようなタレをたっぷりつけたものは、品質を判断しにくい。もっとも、それが販売者の狙いともいえる。 さらに、タレは御飯が進むこともあって濃い目を好む人も多いが、その分、鰻本来の味が消えうせ、おまけに養殖鰻特有の抗生物質の匂いまでも隠れてしまう事が多い。

 お店を選ぶなら、大量に鰻が消費されているお店が良い。塗りの良いお重や、店内の雰囲気、和服のお上がいる専門店も悪くは無いが、無駄なコストを支払うことになる。それより、沢山の鰻が扱われているお店は、ばらつきが少なく、客が多い。勿論、その分常連客も多いという統計になる。常連客は、自分の気に入った人を連れてくる。そんな客が、鰻好きでなくても、「これなら毎日でも食べられるわ」と思わせる「上品な薄味の鰻」を出す店が本物なのである。さらに、そのようなお店は、ちゃんとした串肝を出せる店でもある。1本に刺さった肝の鮮度と量は、そのお店の優良度のバロメータなのである。

 今日紹介するのは、新宿の「登亭」である。新宿近辺で鰻重をメニューに取り扱っているお店の殆どは、この店から鰻を調達している。鰻自体もそうだが、半加工品、あるいは鰻重そのものも、この登亭から供給される場合がある。これは、他のお店が認めた品質保証であり、大量仕入れ、大量販売で大幅に低コストが実現出来る根拠でもある。「店舗にお金をかけているわけでもなく」、実質的な顧客志向を前面に押し出されており、それが伝統的にも昔ながらの手法に近く好感が持てる。勿論、鰻の安全性にも神経を使っているようだ。

 鰻の加工品も自社の1階店頭で安く販売されていて、蒲焼の持ち帰りも出来る。2階が食堂で、1階入口には、今日の鰻の生産国表示がなされている。
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2009/07/28

酸素水

 体は酸素を大量に取り込んで運動をすることにより脂肪を程よく燃焼させる事が出来るという。しかし、通常の呼吸では意識しないと、肺の奥まで酸素を取り込むことは難しいようだ。心拍数を上げるのは容易だが、深呼吸をしながらウォーキングするのは、リズムを作るのが難しい。夏場のウォーキングは、まず大量の水分を補給する必要があるため、酸素にまで気を回す余裕はなかった。一時期、酸素水や酸素補給なるブームが押寄せたが、なかなか自分で試してみるほど関心もなく、見過ごしてきた。ところが、最近歩き終わる頃に、妙に頭が痛くなる事があり、ちょっと歩きすぎかなと思うことが多かった。喉も渇き、お腹も空くので、多少それ以外にも症状が出るのは仕方ないし、時間が経てば治るので気にも留めなかったのだが、ある日、ふと「酸素不足かな」と思えてきた。そこで、思い出したように試験的に酸素水なるものを持ち歩くことにした。

 まだ、1週間しか経っていないが、酸素水の効果は驚くほど大きかった。椅子に座ったままでも、横になっていても酸素水の効果はすぐに自覚できる。30分ぐらい経過すると、何かすっきりした感じになる。さらに、ウォーキング中は、もっと、はっきりと分かる。炎天下のウォーキングでは、途中何回か休息するが、後半は休息後の再起動時に足が重たく感じてしまうことがある。しかし、酸素水を飲んでいると、休憩するほどでもなく、休んでも、必要なかったと思うぐらい立ち上がりが良いし、元気が残っている。最初は、不思議だっ?いくらなんでも反応が良すぎるではないか、これなら、いくらでも歩けそうだし、頭も冴えて、体の細部まで神経が通い、体が機敏に反応する。まさに、一流のアスリートになったような気分である。特に終盤の「やれやれ、あと少し」と思う感じが無いのである。少々大袈裟に思えるかもしれないが、事実である。

 しかし、このような状態が本当に自然なのだろうか、少々疑問はあるが、ウォーキング後の疲れは明らかに少ない。付け加えて、翌日の目覚めも良いので、快調そのものである。ただ、以前より空腹になる時間が早まったような気がする。

 市販の酸素水には、表示酸素含有量に違いがあり、高濃度に酸素を含んだ商品の方が効果が高そうだが、そのような商品に限って、あまり店頭で見かける事も無い、さらに価格も高いので、よほど効果を認識しない限り、その継続活用は難しいと思える。結局、安価な低酸素の店頭にある品を購入することになるし、しかも酸素水を購入する人が増えなければ、いつか店頭から消える。恐らくこれが、今のマーケットの状況のようだ。効果を認識し、わざわざ遠方へ出かけてまで購入するとか、インターネットで購入する程度では、価格も下がらないであろう。これに関しては少し残念だ。また、毎日飲む必要があるかどうかも、価値に個人差がある。また、3日に 1度でもそれなりの効果は認められるそうだ。

 強い日差しの中でのウォーキングには、酸素水は大変効果があると思える。酸素濃度の高い物は、特に筋肉痛にも効果が現れ、治りが早い、腰痛も同じ様に楽になり、ストレッチの痛みに前向きで積極的になれる。このようなことは、3日目ぐらいで自覚できる。さらに、目の疲れも早く治り、胃腸の調子も改善される。これらのことから、「病院で診てもらっても病気じゃない」と言われながら、あちこち調子の悪い人は1ヶ月ぐらい試してみると良いかもしれない。妙な薬やサプリメントより安価であり、肝臓を傷めることも無い。

 いずれにしても、まず自分で飲んで確認する必要がある。その効果に個人差はあるにせよ、この夏場が辛い人にとって少なからず良い方向に向かうに違いない。今回の数種類の酸素水のうちで、最も効果が認識できたのは、Oxygenizer というものである。これは、まず口当りがよく美味しい。同社のホームページでサンプル提供キャンペーン中なので、ぜひチェックされたい。さすがに36倍という酸素充填率は、1本飲んだだけでも、すぐに効果が分かる。そのほか、有酸素生活は東急ハンズで、酸素プラスは薬局などに置いてある。
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2009/07/24

深大寺7割蕎麦

 写真は、たとえスナップでも想像力をかきたてる事がある。スナップ写真というのは、テーマを決めず「気ままに撮るという意味で使う」ため、あまり意味の無い写真のように思われるかもしれないが、実は撮影者本来の隠された願望や欲望が表れやすい写真になる事がある。スナップを見せてもらうときは、それを思い出して観察してほしい。自分の深大寺で撮影したスナップ写真を並べてみると、深沙大王とか元三大師とか、開山堂とか、分かったように偉そうな事を言っているにもかかわらず、よく見ると「蕎麦屋」の写真が多いのである。だいたい7割ぐらいは、フレームの中に「手打ち蕎麦」という旗が立っているのである。恥ずかしながら、低GI修行中でも、やはり食意地だけは隠せないようだ。それを利用して、深大寺蕎麦第2弾は「7割蕎麦」の食べ方の紹介になる。

 今回の「7割蕎麦」も、前回と同じスーパーなどで販売されている物だが、ここで使っている写真は深大寺で撮ったスナップを元にページに合わせて横長に撮影しなおしたもの。この2つを強引に組み合わせて、あなたの胃袋に「蕎麦を渇望する刺激」を与えようとしているのである。暑くて食欲の無いこの季節に、何とか食欲を湧かせ、その勢いでしっかり食べて、元気になってもらいたいのである。暑い日が続いていると、夜遅くにテレビで、美味しいお店を紹介する番組を見て、やっと、お腹がすいたような錯覚にとらわれる事がある。そんな衝動に負けては、返って胃腸のために良くない筈だ。できるだけ、いつもの決められた時刻に適度の物を口にして、胃腸に定期的に刺激を与えておく必要がある。そこで、「食意地の張った私が撮影した写真」を見ながら、食欲を思い出して欲しいのである。そして、文字を追いかけ、様々に妄想を抱いてもらうと、想像した風味や食感まで長く心に残ることがある。週刊誌の後方にある「美味しそうな1ページもの」の写真を見て自分が食べたいものを思い出すようなものである。まして、想像もしえない既成概念を覆す提案であった場合、それ自体に疑いを持つ反面、改めてよく考え、徐々に体験してみたくなるのである。その疑いと興味が渾然一体となって無意識のうちに大脳の一部に蓄積され、今何を食べたいか思いつかないときに、何かのヒントになることがある。と、まあ、こんなところで屁理屈をこねていても仕方ないけれど、たまには、好きな物を思い出し、少しづつ取り合わせて、大いなる満足感を得ることも重要な食事療法といえる。低GI修行中の私にも、これは「蝮毒を盛って腹を制する」って感じなのである。

 今日の7割蕎麦の食べ方の特徴は、鰻と梅つゆを使うところにある。梅つゆで蕎麦をすすり、箸やすめに鰻をつまむ。梅の酸味と鰻が程良くマッチして、食べれば、食べるほどにお腹が空いてくる。いくらでも食べられそうな爽やか気分になる。いったいこの食欲が何処に隠されていたのだろうかと、不思議なほど自分が空腹であった事を思い起こさせるのである。空腹感の無い日々が続いたらお勧めである。

 実際、こういう食べ方をさせる蕎麦屋が日本国内に存在するかどうか未確認だが、案外に梅と鰻が相性がよいので、特にこの時期は、私としては大変気に入っている。勿論、深大寺にいらしてもこんな物を出すお店は無く、自分で作るしかないと思う。 使用している写真は、あくまでも深大寺の周辺にあるイメージ写真ということでお許しいただきたい。
ではこちら
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2009/07/21

JAVA Tea

  どのような商品も形や味を変えずに、何十年も継続して販売し続けるのは難しい。しかし、我々は、そのような継続商品にこそ信頼感を覚えるのである。大塚グループには、そのような商品が多い。決して大袈裟なCMをしたり、顧客にこびたりするような商品はないし、敏感な人の感情を一様に扱うことも無く、さらに、余り強調されることも無いが、商品にはきめ細かい配慮というものが存在している。ボンカレー、オロナミンCに始まり、ポカリスエット、カロリーメイト、SOYJOY、スゴイダイズと決して美味しい物を取り揃えた企業グループとはいえないが、どれも繊細な体に優しいことは間違いない。

 ボンカレーで思い出される当時の商品は、井村屋のジュースの元とか、丸美屋ののりたま、牛肉すき焼きふりかけ、永谷園のお茶づけの元、等で、まさにこれらの商品に育てられたといっても過言ではない。

 少し脱線したが、今までに食べてきた物の結果が今の健康状態である。これからも健康は自分で管理するしかない。食べたり、飲んだりするだけで今よりレベルの高い健康が得られる物は無い。だが、何かのきっかけで、明日からもっと頑張らなければならないと「目標を立てた」とき、より健康であることを切に願うことがある。そのために、自分の体に不足している物は何か、食べすぎている物は何かを、考え直すチャンスがやってくる。しかし、いくら体に良い、無害である、美味しい、といっても、大量摂取、大量投与は良い事ではない。食べ物に関しては、これが「最も重要な概念」で、自分でしか管理できない要素である。いくら安心できる食品でも、人それぞれの体質の違いによって、「丁度良い案配」というものがあり、そこに自分なりに神経を使わなければならない。

 その大塚グループが長い間販売してきたジャワティーも今年で20年経過したようだ。グリーンティーも追加され、更にこの夏季限定でグリーンティーにミント入りが出た。大塚が出すぐらいだから、ミントってスーッとするけど(血管を収縮させる)体に悪くは無いんだ、と改めてミントを見直すことになる。そのくらいの大塚の商品に信頼感を持っている。もっとも、ミントの中には、メントールが多量に含まれていて、抗炎症作用や抗菌作用があることが知られている。サロンパスや歯磨き粉にも使われ体にはなじみが深い。 夏場、サロンパスを貼って寝ると蚊が寄り付かないこともあって、メントールの抗菌作用はスゴイと思っていたのである。更にもう1つ。メントールの煙草は、昔、喉の薬としても使われていたようだ。

 このミント入りジャワティーは、少しづつコップに移しながら飲んで体をクールダウンするのが良いようだ。最近は、ビルの中の冷房温度も高目に設定されているので、これで更に体を冷却できる。ただし、一度に沢山飲むと、胃腸の弱い人には少々後味が良くないかもしれないので、そういう時こそ案配を考えて、少しづつ息抜き程度として楽しむしかない。はっきり申し上げてミントが強すぎるので、グリーンティーで1/2に割って飲むのがよい。また、一寸たとえが悪いかもしれないが、飲むたびに歯磨きしたような爽快感が漂い、しばらく飲み続けていると、汗までさっぱりとした感じになる。これで、蚊や虫の寄ってこない軽快な野外活動やウォーキングが出来るかもしれない。しかし、バストイレなどにミント入りの洗剤をお使いのお宅では、飲みにくいものになると思う。私は、ミント入りが発売されたことによって、俄然従来のグリーンティーを見直す結果になってしまったが、ミント好きには最高らしい。
ではそれら3種
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2009/07/17

続デジタルカメラ28


 ここんとこ2つ目のウォーキング・コースでもある、深大寺周辺を度々訪れて写真を撮ってきたが、この暑さにもめげず参拝客は増えているようだ。朝早く来ても、夕方来ても、雨が降っていても、この元三大師堂は参拝客が絶えない。そんな事が何故気になるかといえば、この「深大寺撮影編」もあと2~3ショットで終了する手筈になっていて、この大師堂をどのタイミングで撮影するかが、最も大きな山場になっているからだ。ここは、深大寺の信仰の象徴的な建築物であり、参拝者はここを外すことはない。深大寺といえば、本堂よりも、こちらを指すことの方が多いのである。そこで、この場所でも、できれば参拝客の散在しない写真を撮りたいので、じっと時を待っていた訳である。

 今日は、参拝客もしばらく途切れず、もう帰ろうかなと、いつもの階段(右写真)の下に座り込んでいたら、後ろの大師堂から、ぞろぞろと住職をはじめ多くの僧侶の方々がお出ましになった。おおっと、その不意を突かれた動揺で、失礼かなと迷ったが、つい手元にあったカメラで、振り向きざまにシャッターを切ってしまった。そこには、もう帰ろうかなと思った時の「気持ちが通じたか」のような空気が漂っていて、シャッターを切ることで、溜まりかけたストレスが遠のいてしまった。この深大寺で正式にも御住職のご尊顔を拝したこともあって、今日は遅くなっても、何が何でも大師堂を撮影して帰ると、決意を新たにしたのである。これも、元三慈恵大師良源様の「お導きかもしれない」と勝手に解釈をしながら、そうだ、「何ごとも良い方に解釈する事」が本来の「人の道」ではないかと悟るわけである。

 しばらくすると興奮も冷めて、人影も減ったようなので、階段を1段飛ばしながら駆け上がり、大師堂を眺める。今日は1度決めたら、2度とは変えぬぞと呟きながら、場所を決め、カメラを固定した。しかし「猫さんがいる」。本来ならもっと左の方で遊んでいる筈なのに、今は、下足段の上に来ているではないか。うーむ、お主・・・と声をかけたくなったが、「一つのところに止まる事は、正しい」と書くのを思い出し、やはり、そのままシャッターを切ることにした。夕刻になって、撮影の動機付けも薄れがちである。それに、再び気合を入れるために、時折そんな「自分を諫める言葉」が必要な時がある。

 では、夕方の元三大師堂をご覧頂きたい。 建築の専門家ではないので、少々申し上げにくいが、屋根の部分は、神社などを思わせる風格ある曲線を備え、その下は中国の古い寺を思わせるような、異なる様式を組み合わせた、絶妙なバランスの建物である。これを生かすためには、「両手を広げたような美しい曲線の屋根」をきっちりとフレームに収めなければならない。これ以上さがれない場所まで引いたが、レンズの包括角度(35mm換算で28mm程度)が狭いため、これが限度のようだ。いつか35mmカメラのもう少しワイド(17~19mm)あたりで全体をスナップ風に撮影したいと思う。

 度々の補足で恐縮だが、この画像比較シリーズは、通常のPDFより暗くなっているので、ご覧になるときにモニターの輝度を少しだけ上げて欲しい。ではこちら
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2009/07/14

自作料理15

 お腹が空いた時ほど頭を使いながら、面倒なプロセスを調理するのが良い。空腹を我慢しながら、少々手間のかかる食事を作ってこそ大人である。それくらい我慢出来ないで、仕事なんかできるはずも無い。そして、自分は食べなくても、家族が「美味しい」といってくれれば、自分も満足感を得る。ウエスト85cm以上のオヤジとは、そういう立場でなければならない。自分は「揚げ豆腐」でも食べていれば良いのである。そういう試練を重ねて、老いていく過程の中で、家族や周囲の人に迷惑をかけない「分相応の精神」を鍛えていこう。老いてからの「精神薄弱」は傍目に見苦しい。

 ということで、今日は、「あの父さんの得意なアサリ」入りの海鮮パスタ第2弾である。前回(ずっと前)使った調理済みアサリを使う。いくつかの工程を別々に作り、最後に合わせる形式で作業を進める。良い例として、日本食の煮物の椀の中身と同じ作り方である。椀の中には異なる旬の野菜が一緒に盛られていることがあるが、それらの野菜は、それぞれの野菜に適した個別のだしで、しかもそれらに適した時間割で煮込んであることだ。手間も鍋も野菜の種類だけ必要になるが、それらは並行作業で進められる。しかも、暖かさも美味しさの条件の1つであり、盛り付け時間を揃えるために、それぞれ微妙に作業開始時刻は異なる、そこにこそ野菜の目利きとしての職人の技が生かされる。それによって、客は一口づつ「微妙に異なる旬の野菜の美味しさをじっくり」満喫できるわけである。

 パスタの具材も、色々乗っているのに何を口にしても同じ味になってしまうのは、楽しくない。できれば、それぞれの食材の美味しさを引き出せるようにこだわりをもって、あたかも、海鮮丼を作るぐらいの気迫と心意気で始めたいものだ。そこで、帆立、冷凍シーフード、アサリなどの海の幸を使い、ステージごと別々に味付けして、最後に合わせることにしたい。これによって、一口づつ楽しめる海鮮パスタにする。それでも即席の域を脱することの無い素材選びをする。これも、練習の1つである。

 まず、条件は、調理用の火力は2つとする。いつものように、ベビーリーフをお皿に並べて敷いて置く。パセリは細かく刻んで別の皿に取り置く。生の帆立は、フライパンにオリーブオイルとにんにくのみじん切りを加えて炒める。両面に焦げ目が出来たら、これも別のお皿に取り置く。次に別のフライパンで冷凍シーフードを入れて今度は、バターと日本酒を加えて解凍しながら炒める。同時に、お湯が沸いたら、トマトを湯銭にかけて亀裂が出来たら取り出して、皮をむき細分化する。それをシーフードの入っているフライパンに入れて、一緒に攪拌する。これに、「フェメド・ポワソンの顆粒」を加えてさらに攪拌し、待機させる。一方、トマトを取り出した鍋に、次にアサリを袋ごと湯銭に掛けて、火が通ったら取り出して置く。袋から出すのは最後だ。次も同じ鍋で ディチェコ パスタ o.9 を1.5分ほど茹でる。0.9mmのそうめんの様な細い麺なので、すぐに取り出して笊でお湯を切り、フライパンのシーフードとトマトに混ぜる。ここで、トマト、シーフードミックスと共に攪拌。お皿に盛り、次に、アサリを袋から出し、適当な数だけ乗せて、アサリのエキスも加える。次に、帆立をこれも適当な数だけ乗せ、最後にパセリを載せて出来上がり。 と、さほど面倒ではなかった。それでは、家族に食べさせてみよう。反応はどうかな。自分は、修行中なので、蕎麦と揚げ豆腐でも食べることにする。

 何でもまぜこぜにして食べるのと違い、少々味わい深く楽しめると思うが、どうだろう。
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2009/07/10

深大寺茶蕎麦

 深大寺の門前で「粗引き蕎麦」を食べると、以前に書いたブログを思い出す。美味しい蕎麦を戴くには、ここまで来るしかないが、カロリーを控えたい向きには、ここに来て、天ぷらを一緒に戴くのもいかがなものかと考える訳である。しかし、たまに暖簾をくぐって、蕎麦だけにするには、今ひとつ寂しい感じがするし、お店にも申し訳がないし、満腹感も得られない。そこで、自分にあった蕎麦の楽しみ方とそれに合わせる物を、時たま模索する事がある。蕎麦に合うもの求め、漂う香の薫りと蕎麦守観音のある境内を散策しながら、どんな物ならこの場の雰囲気に合うか考える。仮に、今、自分がもし住職だったら、小腹の空いた門徒が現れたら、お手製の蕎麦と、何をもって持成すのであろうか、とありもしないことを考えるのであった。そんな心境にさせてくれる雰囲気がここにはある。

 お寺といえば精進料理である。精進料理を食べて、心身ともに健全に修行に励むわけである。その中に良く出てくる、胡麻とか豆腐系はどうだろうか。胡麻豆腐という手もあるが、ちょいとジジイすぎるし、揚げ豆腐にすることにした。それにしても、揚げ豆腐を使って調理方法を写真で追いかけても、「それがどうした」と思われるだけである。うだうだと能書きの文字を並べないで、胃袋のモチベーションともいえる食欲を、どうやって奮い立たせるか、あるいは、「作ってみたい、食べてみたい」と興味を持ってもらえるようなページ立てが出来るか、別のアプローチを考えてみることにする。

 食事には、何かにつけて、ふさわしい雰囲気というか、整然と置かれた情景も大切な要素である。それには、よくイメージ画像が使われる。製品のパッケージにある調理例もその1つだ。それは、分かりやすいがちょっと直接的過ぎるし、一筋縄ではもう満足しない読者には、一味違う工夫が必要だ。おっと、その前に、材料をリストアップすることにする。材料は、揚げ豆腐、しょうが、醤油、わさび、日本酒、味醂、だし汁の素、といったところ。それに、深大寺の境内風景写真、蕎麦にまつわる物や、深大寺の豊富な水の写真、・・・・このあたりを用意して深大寺の蕎麦と関連付けるイメージ画像にしよう。

 早速、まずその材料集めのため、西友、イトーヨーカ堂、マルエツを巡回し、いくつかの生蕎麦と揚げ豆腐を買ってきたが、やはり深大寺というキャッチフレーズの入った蕎麦がよい。ここは1つ「深大寺茶蕎麦」と書かれた商品に決めた。揚げ豆腐は、豆腐の周囲の衣が十分あり、香ばしさが際立つ物が食感的に良いと思う。揚げ豆腐の扱いは、周囲の油を全て落とし、香ばしさを残したまま食べやすいお味をつけるところにある。まず、この蕎麦と揚げ豆腐を調理して並べて写真を撮った。次は、この蕎麦の写真と深大寺を強引に重ねる為の写真撮影だ。

 小雨が上がるのを待って、ぴちゃぴちゃと深大寺まで出かけた。それにしても、茶蕎麦かあ・・とちょっと首をかしげながら考える。悩んでも答えは無い、境内で湧き上がるインスピレーションで、こんな感じかなって写真を数枚撮ってみた。こういう時、いつも思う事がある。もっと早くから計画的に行動しておけば、以前から参考画像を色々撮っておいたのにという事である。こんな足元が悪い日に何もこんな企画を実行せずとも、もっと他にあっただろうにと、反省しながら足早に帰る。時間が無いので、夕飯もそこそこに、早速レイアウト作業に入る。コンセプトが明快で、素材が揃っていれば、この作業は割と簡単に終わる。コンセプトは、「さわやかに、初夏を感じて、低GI修行中」でいくことにした。
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2009/07/07

初夏は桃

 7月中旬の梅雨明けは、体にとって急激な温度変化を強いられるため最も辛い時期である。あの強烈な日差しが目に入るだけで、朝はめまいのしそうな時すらある。昼間の食欲は無くなり、夜は睡眠不足と急激に精神力を後退させ、まさに人生のロスタイムかのような日々が続く。ついつい、冷たいものばかりに触手が動いてしまい、何か食べたい物は無いかと問われても、言葉を発するのさえ面倒だ。口数も減り「うん、アイス珈琲か冷やし中華」、そのぐらいしか思い当たらない。しかも、この時期冷たいものを食べ過ぎると、その時はさほど実感は無いにしても後々胃腸を壊し、自律神経も失調しがちになる。ただ、このあたりまでは、よくある話なわけだが、私には続きがあり、徐々に病巣は時間と共に拡大し、最後は昔痛めた腰痛に苦しむのである。

 その辛い時期は、さほど続くわけではないが、たった7~10日の対処の仕方が、この夏の体調を大きく左右するといっても過言ではない。毎年体へのダメージは大きくなっているように感じるのは、年齢のせいか、地球環境の影響か分からないが、その時期がまたやってくる。やや恐怖感にも似た防衛本能が頭をよぎるようになり、この時期を上手く乗り切るために、無理の無いところで、あらゆる工夫を考えるのである。そんなに不安なら、平素から節度ある行動と規則正しい生活をすればいいじゃないか、と思われるかもしれないが、それが出来るくらいなら自分はもっと「真っ当な人間」になっていたはずである。このたった1週間が自分の人生観そのものと言って良いほど「精神的な脆弱性」を露呈するのである。そんなことに気が付いて、もはや7~8年になるのだが、季節の変わり目は、お亡くなりになる高齢者の方々も多いという話を聞くと、先行き、きっと自分もそのパターンだなと脅えるのである。

 そこで、いつも色々と考えを巡らせるているわけだが、結局、その時期は「仕事をしなければよい」、という結論に毎年達するのである。仕事は、何かにつけて体よりも頭が優先され、神経が仕事の方ばかりに行き、つい、緊張感から「体の障害を予感する」余裕がなくなる。早くこの仕事を終わらせて楽になりたい、あるいは、もっと品質の良いものにしたいと願うあまり、今、喉元に心地よい冷たいものを口にしてしまうと、それで暑さと仕事の両方からくるストレスを解消しようとしてしまうのだ。今の自分の年代は、頑張っていても、なかなか効率が上がらず空回りすることも増えるし、つまらないことにこだわりすぎるきらいもあるし、必要以上に心配の可能性を広げすぎる傾向もある。要は、胃腸を壊しやすい人格といえるのであろう。おっと、お酒で紛らわす人も肝臓がやられるだけで同じ傾向があるので、気をつけて欲しい。こういう人種は、仕事を適当に休んで、もっと余裕をかまし、季節感を大切に楽しむべきだと思えるのである。

 そして、食欲の無いときは「この季節にしかない果物」を食べることである。太古の昔から、人々はこの季節に熟すものを食し、この辛い時期も上手に過ごしてきたようだ。現代は、元気が出ないからといって、素早い反応を期待し「ファイト 1発」でも「愛情一本」でも構わないが、大切な肝臓を傷めないよう、ここは1つオーガニックにいきたいものだ。すでに、近所の八百屋さんには、すいか、桃等が大量に並んでいる。これを、あくまで冷やさずにまめに食べることに徹するのがよい。ゴリラやチンパンジーになったつもりで、飽きるまでひたすら食べるのである。旬の果物は、「一番実りが美味しい」ことに決まっていて、その分栄養価も高いと言われている。

 そんな背景で、様々な言い訳から、恥ずかしげも無く今日の話題の「桃」にすることにした。絶対にって断言できるくらい、「季節の果物と、旬の海の物」を幅広く取り入れることは体に良い。桃は10~12個入りの箱で買ってきて、朝起きたら珈琲の前に常温の桃を食べる、また小腹が空いたらおやつ代わりに食べる。夜デザート代わりにもう1つといった具合に、1日朝昼晩3個は食べられる筈だ。飽きたらやめればよいが、案外カロリーは低く、水溶性の繊維が多く、お腹も凄く快調になり、おまけに果糖が頭の立ち上がりを改善し、「低GI果物で血糖値も上がりにくく、糖尿病予備軍の人にも最適」だ。どんな人でも、ひと夏軽快に過ごすために自分なりに無理の無い努力が必要なのである。
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2009/07/03

自作料理14

 福岡に住む学生時代の友人は、地元の放送局に勤務しているが、出張と称して時折上京し、かつての仲間宅を訪れるのが楽しみのようだ。そして、いつも決まって手土産を持って現れる。申し訳ないし、わざわざ荷物になるから、お土産はいらないよと言うと、「まあそう言わんでん、本物やけん」と、苦笑しながら、箱を差し出した。もう、このような儀式にも似た行為を何度か重ねてきたが、徐々にその箱は小さくなっている。彼も、かなりの偉者になっているはずだが、放送業界は今とても厳しいらしい。思い出すに学生時代は、彼の実家から送ってきた博多辛子明太子を色々食べさせてもらったことだ。中でもスパゲティーは、強く印象に残っている。茹でたスパゲティーに昆布茶をかけて攪拌し、上から豪快に辛子明太子をまぶすだけなのだが、当時「慢性空腹症」の我々には大変美味しかった。勿論、今、手にしている、この小さな箱の中身を使ってそれを再現するのは「少々もったいなくて」出来そうもないが、思い出すように汎用の辛子明太子パスタはよく作る。もちろん、類似品の辛子明太子を使っているので、大幅にコストダウンになっている。

 辛子明太子のパスタソースで一番売れているのが、「S&B」である。いつもこれを起爆剤として使う。これは、ブームが去っていても、いまだに売れているという事実が背景にあり、店頭でパッケージを見ると、誰しも思い出したように「1つ買っておこう、急な調理にも素早く対応できる」と思っているようだ。それは、パスタだけではなく、お酒のおつまみや、和え物など、幅広い用途に活用されている。早い話が、美味しいのである。今日は、これを使って純和風にまとめてみたい。

 まず、このS&Bの辛子明太子ソースの原材料から見てみよう。明太子、チョートニング(なたね油、パーム油)、食塩、砂糖、たん白加水分解物(かつお、いわし、まぐろ、コーン、小麦、大豆)、調味料(アミノ酸など)、コチニ-ル色素/トッピング用 のり等で構成される。次に、別途用意する物は1.しその葉、2.辛子明太子(あくまで類似品)、3.抹茶か、煎茶の顆粒、4.昆布茶などで、その他はいつものパスタ定番材料である。ここまで列挙すれば、おおよそ見当がつくというものだが、いくつかの選択肢があるので説明を続けたい。

 さて、別途用意した 1.辛子明太子の扱いだが、香ばしさを出すために、少しあぶって半生(たたき状態)でスライス状にしてパスタの上にあしらうか、生のまま中身を出してバラ子にしてパスタに和えるかがある。ここでは、後者で見本を作ったが、時間的余裕があれば、前者の方法を楽しんでもらいたい。次に、2.たらこの匂いを抑えるために、抹茶か煎茶の顆粒を加える。「生たらこ独特の匂い」を嫌う人もいらっしゃると思うので、ここでは、手軽な煎茶の顆粒を使ってそれを抑える。また、抹茶を加えて彩を工夫したり、少し苦味を加減するのも目新しくてよい。3.パスタを茹でるときに塩の代わりに昆布茶を使う、または、パスタを和えるときに昆布茶を少量加える。これは、とかく軽薄になりがちなパスタの味に深みを加える事が出来、単に塩の代用だけに留まらない。また、辛いのがお好きな方は、鷹の爪を入れて茹でると良い。パスタを茹でる時に、自分の好みをそこに反映させて、いろいろな工夫をすると良い。 何でも、教わったとおりの既成概念で実行するのも、悪いことではないが、自己完結型の料理には失敗はないので、思いっきり創意を楽しんでみたい。

 最も注意する点は、やはり全体の塩分量であり、これを上手に管理出来なければ、全て台無しになる。くれぐれも塩分調整には注意して欲しい。生の辛子明太子には大量の塩が使われているので、購入時にお店で塩分量を尋ねて選択するように神経を使おう。ここでは、パスタを茹でるときに昆布茶を少し使い、昆布の旨味をパスタに浸潤させた。そして、パスタにソースを絡めながら生の辛子明太子を1/3程度加え、残りはトッピングにした。煎茶の顆粒も加え、最後に、しその葉を上から乗せて完成である。
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