2013/12/31

謹賀新年2014

  たまたま、ブログのアップする日と晦日が重なってしまったので、後記と新年の挨拶を兼ねてまとめておきたい。このブログの右側欄外に「アクセスランキングベスト20」を掲載して以降、最新の統計を眺めると、なんとそのベスト20が、順序が違っているだけで、今でもそのまま上位グループを独占している。これは、明らかにランキングを見てから、興味のあるページへ飛んでいくとか、あるいは、統計だから「やはり興味ある対象が同じ」で、何処からとも無く同じ場所に飛んでくると言ったことなのだろう。追跡してみるとある程度の背景は分かると思われるが、それが分かったところで何も得ることはないので、「ふーんといった感じ」で終えることにする。しかし、傾向として「文字を追いかけるのが面倒だ」という人が多いという事がわかる。

 さて、それでは、今年2013年は、右の「アクセスランキングベスト10」に含まれないタイトルで、最近は何が多くアクセスされたか調べてみた。ただし、定期読者の閲覧は含まれていない。4位から順に並べてみた。

 第4位は、「魔法のお皿」だった。電子レンジですばやくという若者用途にぴったりである。でも、すべての食材がこれで調理出来る訳ではない。
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%211226&app=WordPdf

 第3位は、「タカナシ3.6牛乳サブレ」のようだ。サブレという軽い食感の中にミルクの薫りが広がる。それが、なんとも懐かしい後味になる。
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%211237&app=WordPdf
 
 第2位は、「オランジェットビターチョコ」であった。意外にチョコレートと言うのは人気があって、ここでの取り扱いそのものは少ないのに、アクセスは多いという傾向がある。やっぱり甘党の仲間が多いようだ。
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%211194&app=WordPdf

 そして、第1位は「京王線地下を走る」になった。同じような風景を、多くの人たちが動画でも紹介しているので、決して珍しいものではない。ただ、これには続編や関連ページがあるが、そこまで到達していないことから、京王線のファンではなさそうだ。
https://www.blogger.com/blogger.g?blogID=4475116606991979591#editor/target=post;postID=1411032229175541635;onPublishedMenu=posts;onClosedMenu=posts;postNum=171;src=postname

  次に、2013年度の「お勧めの製品」は何か、と問いかけられることを想定して、4品種を紹介したい。こちらも下位から順に並べてみた。

 4.やはり、「最近ハマッテいるもの2」で紹介している「トロまぐろハンバーグ」が格別美味しい。今では、見付けたらつい買ってしまうファンになってしまった。
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%211285&app=WordPdf

3.大塚の大豆製品の傑作とも言える「大人の大豆」は、毎日継続できるほどよく出来ている。紹介してから今日まで、今のところ毎日飲めている。だから何?って言われるかもしれないが、朝一番で飲むことにして、密かにウエストの自然なダウンサイズを狙っている。
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%211416&app=WordPdf

 2.冬でも「ほんまもん麦茶」は美味しい。やさしい麦の薫りに本物を感じる。見付ければ買い、在庫を切らさないように努めている。
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%211372&app=WordPdf

1.そして最終的な断トツのお勧めは 「贅酪ヨーグルト」である。近所で手に入らないので、わざわざまとめ買いに上野の多慶屋(安い)まで出かけるぐらい気に入っている。
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%211295&app=WordPdf
 以上が、お勧め。

 そして、最後になってしまったが、次は「新年の挨拶」(一昨日の高尾山)。
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%211480&app=WordPdf

2013/12/27

オイスターのオイル漬け

   最近は故郷へ帰ることも珍しくなったが、昔は、呉線にも急行が走っていて、帰省の時にはよく利用した。「急行の吉備」である。単線の限界だったのか、三原駅から呉駅まではさほどの距離でもないのに1時間20分も掛かったのを覚えている。実家まで最後の列車ということで、三原駅から呉線に乗り換えて、気持も緩みがちで、うとうとしたくなる時間帯になる。ちょうど忠海、竹原あたりの山と海岸線の間をぎりぎりにブルブルとディーゼルエンジンを噴かして走る。その車窓には瀬戸内海の穏やかな波と、それに傾きかけた陽の反射を望みながら、広がる牡蠣用の固定筏や小さな漁船の通り過ぎる陰が写る。それが不思議といつも同じ構図になるのである。小さな漁船などは、写り込まない日があっても不自然ではないが、それでもやっぱり、忘れずに車窓に入り込んでくるのである。あの頃は、それが、ほのぼのとして退屈な時間のように思えたものだが、今となってはちょっと懐かしい。しかも、もう決して見ることは無いだろう。

  時々ニュースに、三陸の沿岸を走るディーゼル列車が登場する事があるが、その寂しそうに走る姿を見て、ふと、あの「竹原や忠海」を思い出すのである。三陸との沿岸は1000Km以上も離れているし、海から列車の走る距離は大きく異なるが、不思議と牡蠣の採れる風景は似ていることに気付くのである。広島の牡蠣といっても、範囲は広く広島市の沖で採れる牡蠣から、宮島、江田島、倉橋島など、もちろん、この竹原あたりも含めた地域を指す。周囲の島で採れるもののほうが身が締まっていて評判が良い。おまけに、度々申し上げるが、水温の低い三陸で採れる牡蠣のほうが、当然旬の時期も長くて、しかも美味しい。「早く復活して出回るようになってほしい三陸の牡蠣、俺は待ってるぜい!」といったところで、みんなも同じ気持ちのはずだ。

  今日紹介するのは、そんな忠海、竹原の沖で採れた牡蠣を使ってオイル漬けにした缶詰2種類である。オイル漬けの缶詰だと、いつ何時でも素早く料理に使え、年中口にすることが出来る。缶詰めの中身は比較的に小粒で美味しい物が揃えてあって、おまけに、PDF写真のとおり綺麗に並べてある。1つはバジル風のソース仕立てのオイルに漬かっていて、丸ごとパスタなどに利用できる。もう一方のスモークしたタイプは、酒のつまみや「もてなし用のカナッペ」など、使い方も自由自在である。オイルには綿実油を使って牡蠣の風味を余すことなく引き出してあるので、価格は少々お高いとしても、お好きな人にはたまらない逸品になっていると思われる。

  さて、今の時期は牡蠣の旬なので(11月~2月)簡単に、生食の牡蠣が入手できるので、缶詰の牡蠣などは目新しくも無いかもしれないが、缶詰で味付きとか、燻製というのも利用価値が広く便利といえる。保存食として災害に備えるのも良い。早速、簡単にパスタに応用してみた。用意する材料を挙げてみると、バジル風のソース仕立の牡蠣と少々スモークされた牡蠣の2つとも使用する。それぞれ1缶づつ、パスタ200g(2人分)、山椒のしょうゆ漬け粒少々、ガーリックチップ、ジェノベーゼソース、ブラックオリーブ、胡椒等である。茹で上がったパスタに、これら全てを絡めるだけだが、やはり、ジェノベーゼソースは追加が必要になる。燻製タイプの粒を5~6個ぐらいを潰し、さらに、山椒のしょうゆ漬けも同様に潰して、一緒に和えてパスタに混ぜる。それによって牡蠣の風味が広がり、山椒で牡蠣の臭みを消す。さらに上から牡蠣と山椒の粒を添える。これで、どこにも負けない「牡蠣のパスタ」に仕上がる。美味しいぞ。
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2013/12/24

WESTのクッキー

   年末、年始は人に逢う機会が増える。平素は電話やはがきで済ませていても、この季節にそんな悠長なことをしていると、年間を通して逢う機会が無くなってしまう。歳を重ねると、人生を引っ張ってもらった先輩のことを大切に思い出すこともある。若いうちは、ただ尊敬の念で、話を聞かせてもらうことで、自らが洗練されていくような気分になったものだし、今は価値観を摺り合わせて行くことで、ますます師弟関係に高みを見るような充実感が残る。そんな先輩が年々老いて行く姿を見ると、いとおしい親父のように思えてきたりもする。だから、つい時間的余裕が生まれると、声をかけるのだが、返事は、その心配をよそに「そっちまで行くよ!」と、元気そうな高い声が聞こえてくるのである。そんな、こんなで、この時期は割合忙しい時間を過ごすのである。

  どのような相手でも、いくら親しくさせてもらっていても、そんな時に、何を実弾(贈答品)として持っていけばよいか迷うことが多い。まして先様の体のことを考えると「虎屋の羊羹」というわけにもいかず、無難で体に優しいお品を用意したい。そこには、好き嫌いとか、体に合う合わない、家族も口に出来るとか、あるいは、奥様も喜ばれるという側面を備えていなければならないし、また、過去のお付き合いの中から趣向を汲み取っておく必要もある。そして今時の社会の動向であったり、商品の品質に対する信頼性であったり、もちろん価格というのもある。そういえば、先輩は、よく私を銀座へ食事に連れて行ってくれた。神田周辺にはないものを選んで食べに行った。少量でも旨いものを楽しむ(味わい勉強する)という考えからだ。当時は、それは決して高いものでもなく、古い馴染みのお店という感じで、昭和30年代の頃から、先輩が自ら取材した足跡を感じさせるものであった。そんな膨大な背景をすべて織り込むのは、やはり難しいのである。

  結局、品質とか信頼できる、老舗中の老舗だとかは神田や銀座にはいくつもあり、ほとんど先輩は把握している。そうなると、そういう先輩には、むしろ今流行していて、興味は持っているが、それをわざわざ探し求めるのが面倒と思う商品がよい、そして、私も自ら口にしていて、自分が信じているものがよいと納得したのである。そこがポイントで、生活の中で役立ち、絶対に害にならないものがよい。そこで、今年このブログで扱った「大塚製薬、大塚食品、大塚チルド」の健康食品をいくつかづつサンプルのように詰め合わせて贈る事にした。それらをそろえるのは結構大変な手間なのだが、それが独創性という形を作るのである。そして、またきっと、そのリアクションが次回の話題になるかもしれないと思ったのである。

  案の定、先輩の新しいものに対する興味度合いは、昔とまったく変わっていないようで、中味を1つ1つ、より細かいところまで調べ上げるなど、大変気に入った様子であった。それに対して、お返しに頂戴したのが今日紹介するWESTのクッキー詰め合わせである。このWESTのクッキーは、若い頃銀座で暴れまくった先輩としては、凄くお似合いの手土産のように格好よく見えたのである。きっと、先輩が用意したぐらいだから、大昔から美味しいクッキーとして銀座で有名だったに違いない。事実、老舗中の老舗で知らない人がいないくらいである。そして、ずっと以前、WESTのクッキーは「美味しいすね」と言った事を覚えてもらっていたようだった。
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2013/12/20

どん兵衛 生蕎麦食感

  蕎麦好きは、「どのような蕎麦」でも、それなりに美味しく戴くのが上手である。「どのような蕎麦」というぐらいだから範囲は広く、神田まつやのような老舗蕎麦店の「もり蕎麦」に始まり、お酒をかけて解して頂く近所の蕎麦屋の蕎麦もある。一方で、凄く簡単に電子レンジでチンして薄いフイルムを引き抜くだけのセブンイレブンの天ぷら蕎麦もあるし、また、せわしなく駅のホームで戴く駅蕎麦もある。そして、カップの乾燥蕎麦麺へお湯を注いで3分などもある。さらに、乾燥麺を茹でて、その様子を見ながら、かまぼこ、天ぷら、九条ねぎなど、自分の好きなものを用意して作る暖かい蕎麦もある。そこには、それなりの風情が漂い、想い出に浸れる背景があるし、その納得できる価値観で啜れば益々美味しく感じると思うのである。

  どういう訳か蕎麦好きにとって、初めてのお店でお蕎麦を戴くときは、それを目の前にするまでは、かなりワクワクするものである。まるで、餌を待つワンちゃんのように例えられる。とは言うものの、いざ啜ってみると、どこかで冷ややかな側面も備えていて、その時の食感や風味とか、今まで待つに至った時間とか、その味に対する好みとか、様々なきめ細かい評価が渾然一体となって頭の中に湧き上がるのである。そして、重要な1つの自分の基準に照らし合わせて、満足感が構成される。たとえば、お店に入ると「いらっしゃーい」と山彦のように響くお店では、その雰囲気と、椅子の座り心地や、畳の上のお座ぶの感触までも勘定の一部であると思えるようになるのである。

  蕎麦好きになるには、何かきっかけが必要で、「何度か美味しい想い出」と言うか、それなりの「経験の積み重ね」があると思う。自分も、神田淡路町の会社へ勤めるようになってから、神田の蕎麦の経験が始った。しかし、「ひどく辛い蕎麦つゆだけど、これが旨い」と思えるようになるには、案外時間は掛からなかった。それは、神田近辺の鰻屋だとか食事処は、やはり辛口の味付けになっていたからである。昼、夜、その辛口に浸っていると、連綿と続く江戸前への拘りやその根底に流れる醤油の旨みを追求したり、その奥深い味に多少なりとも理解を示す気分になってくる。あるときは鬼平犯科帳の長谷川平蔵の食べているものに共感したり、「うーむ、こういうのも美味いって言うんか!」と自らの基準に対する認識の変更を余儀なくされたり、それに一種の憧れとか、誇りを覚えたりもしたからである。ただ、いずれにしても池波正太郎は、それほど美味いものを食べていたとは思えない。

  余談ばかり長くなってしまったが、今日の「どん兵衛 生蕎麦食感」の見方だが、生蕎麦食感が得られる茹で時間は非常に範囲が狭く、湯上げの時間的難度は高いとみた。時間が短いと一部に丁度良い案配のところが生まれるが、未だ硬いところが残ったり、逆に、少し時間が長いと、伸びた感じが隠れていたり、鍋の中で麺を躍らせながら、ほんの僅かな違いを見逃せないのである。いまだ合計で7食程度しか口にしていないが、生蕎麦食感はカップめんのピン蕎麦のほうが良く出来る。出汁は少々甘めで、鰹だしと醤油の「かえし」は、馴染みがやや曖昧で「関東風の切れ」が足りない。かといって関西風としては、「色と味が濃すぎて」通用せず、どこをかえしのターゲットにしているかわかりにくく、全国展開の苦しい側面が推察される。ここは、はっきりと関西風に別れを告げるべきで、関東風一筋で味に拘って欲しいものだ。今回は、関東の蕎麦の基準に合わせ、少々辛口になってしまったが、「同社の関西風うどん」とは大きく異なる商品価値に対する期待感の表れとして理解されたい。
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2013/12/17

インカの塩とオイル

   標高3000mのアンデスの高地にあるという「天空のマラス塩田」では、湧き出る高濃度の天然塩水を使って、インカ時代の以前から天日塩作りが盛んに行われてきた。今でも、当時のまま渓谷の上方から塩水が流れ出し、斜面に日本の棚田(急斜面に段々に続く田畑)のような形をした3800もの塩田へ、水路によって幾重にも導き、高地独特の強い天日で水分を蒸発させ、天日塩が作られている。アンデスは、かつて海であった所がプレート移動で隆起し、その力で山脈が形成された経緯を持ち、地中にあった海水が閉じ込められ、時間とともに濃度が高められた。インカ時代は、この塩を使って保存食、病気の治療、ミイラ保存にも使われていたと言われ、大地の豊富なミネラルを含みながらも太陽エネルギーが降り注いだ、類まれな天日塩ということのようだ。

  今日は、そのようなペルーから来た歴史的にも珍しい塩(税別価格500円)と、もう1つ、インカインチオイル(税別価格1,505円)を入手しので紹介しておきたい。インカインチオイルとは、グリーンナッツから搾ったもの。グリーンナッツとはトウダイグサ科のつる性の植物で、絞ったオイルには、オメガ3(53%)、オメガ6(33%)、オメガ9(8%)などが含まれている。オメガ3とは、α-リノレン酸のことで、青魚や魚介類に多く含まれるDHAやEPAが属する。酸化に弱い必須脂肪酸で、生のまま摂取すべきもの。一方、オメガ6とは、リノール酸のことで、サラダ油やドレッシングに多く含まれているので、日常的には、むしろ採り過ぎに注意したい油である。オメガ9とは、オレイン酸のことで、オリーブ油やキャノラー油が代表格になる。これもオメガ3同様に積極的に摂取したい。つまり、インカインチオイルの60%は、人が外部から摂取しなければならない油が含まれていると言うことになる。このインカインチオイルは、インカ時代以前から食べられてきており、高度な文明の発達には、やはりミネラル豊富な塩とオメガ3/6/9オイルがバランスよく必要だったと思われる。

  オリーブオイルは、野菜に生のままドレッシングとして使われる事が多い。また、健康のためには、エキストラバージンオイルをそのまま戴くのがよいという年配の人も多い。しかし、インカインチオイルの優れた特徴は、酸化に弱いオメガ3に属しているにもかかわらず、抗酸化力はオリーブオイルの2.5倍ほどあるとされているため、加熱料理にも使える特徴があり、これも類まれな優位性といえる。早速、何か加熱する料理に、インカ天日塩とインカインチオイルを駆使してみたいと考える。そこで、季節外れだが、春を感じるハマグリと菜の花のパスタに使ってみたい。プロセスを簡単に説明すると、ハマグリはよく砂出しをして、殻をよく磨いて酒蒸しにする。パスタと菜の花は、インカ天日塩の入ったお湯で茹で上げておく。インカインチオイルでガーリックを焦げ目が付くぐらい熱を通したフライパンに、ハマグリとパスタを入れて和える。最後に、ブラックオリーブと菜の花を乗せて出来あがりである。

  贅沢にインカインチオイルをたっぷり使ったパスタになったせいか、それとも、インカ天日塩の効力が発揮されたのか、随分いつもと違った趣向の味になってしまった。確かにオリーブオイルにありがちな「独特の香り」はなく、自然にハマグリの美味しさと菜の花が引き立っている。それも、まるっきりハマグリの出汁に馴染んだ感じがするから不思議だ。塩に関しては、いつも使っている瀬戸内海の赤穂の塩とは大きく異なり、ミネラルの成分か鋭さを感じるので、少々塩分控えめで良い。天日塩とインカインチオイルの組み合わせと、優しさのある赤穂の塩とオリーブオイルの組み合わせの、どちらが美味しいかと言われると、前者の方は、魚や貝など海産物との相性は良さそうで、しばらく加熱用に色々試してみたい気分になる。もちろん、インカインチオイルが、α-リノレン酸ということで、老齢化によるボケの防止にも役立つとすれば、少々のことなら、こちらがいいと判断するのは自然なことかもしれない。
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2013/12/13

和風 焼き蕎麦

    過去にも、将来も、社会から期待されるのは「ペアのヤング」に決まっている。つまり「若者二人連れ」(=勿論、男同士ではない)である。彼らをぺヤングと言うらしい。これをブランドに使った会社が群馬県にある「まるか食品」である。言わずと知れた「即席のやきそば」で有名な会社である。拘りすぎではないかと思うぐらい「やきそば」の様々なバリエーションの商品を製造・販売している。中でもオリジナルのぺヤング「ソースやきそば」が有名で、その商品一本で世界をまたに掛けて商売を広げてきたのである。こういう好調な看板商品が存在すると、それに関連する姉妹商品は、そこそこ売上げを伸ばす事が出来る。しかし、新たな分野の次の商品の開発は、なかなか難しいようだ。特に即席めんを専業とするメーカーは、その設備投資に巨額が必要になるため、そう簡単に異なる即席めんの製造へは手を出しにくい。しかし、今後、好調が未来永劫続くわけではないので、色々と開発を進めておきたい筈である。

  ぺヤングが次に開発を進めてきたのが「和風の焼き蕎麦」である。日本の「焼き蕎麦」って、本来はこういう形態の物をイメージしていたのだろうと、そのイメージをそのまま具体化した商品を作り出したのである。紺色のパッケージは、まさに蕎麦屋の暖簾をイメージしてある。うーむ、なんとなくそんな雰囲気になってきた。パッケージに写し込まれた写真に、若者はちょっと抵抗感を拭えないかもしれないが、そういう田舎造り風も、見方を変えると「古き良き日本」をイメージしていて、そういう気取らないコンセプトにも好感が持てる。いったい、誰が考えたのだろうか、そんな興味が湧いてくる。その興味は、じわっと商品の中身を想像し、食べ方や、風味、食感などへもイメージが様々に広がってくるのである。

  早速、手にして作り始めてみた。紺色のパッケージを開けると、何と!かつてのぺヤング「ソース焼きそば」と同じ白い容器が出てきた。それに、容器一杯にお湯を投入し3分待ってお湯を切る。手馴れた作業である。40年近く経っても何も変わっていないこの作業に、むしろ懐かしさを感じる。
こういうユーザーが抵抗無く触れることも1つの「共通財産」である。お湯が切れたら、添付の調味液を加えて攪拌する。調味液は、出汁醤油が濃縮されたものである。これを蕎麦麺の周囲に絡み付けて味付けとしている。攪拌する間に出汁醤油はすべて蕎麦に絡みつく。最後に海老入り揚げ玉、ねぎなどのかやくを加えて出来上がりである。

  それを別のお皿に移し変えることもなく、昔の「ソースやきそば」のようにそのまま容器に食らえつく。一口二口ほおばってみると、少し硬目だけど 「まあ、美味しいね」と言った感じである。うーむ、この「待つ時間の3分」は少々短かったと言う印象が残った。もう少し麺が柔らかくなった方が食べやすいように感じる。したがって、3分経ったら蓋を開き、お湯の中で麺を伸ばすようにして攪拌し、蓋を閉め追加で1分ぐらい待つのが良いと思う。

  それこそ、蕎麦好きの宿命なのだろうか、好きそうな「冷やしたぬき蕎麦」風の食べ物になった。調味液がなかなか「いいお味を出している」といえそうだ。そうそう、ちょうど、海苔に巻いて食べたら、「神田の藪そばの蕎麦寿司」にも似たお味である。もともと一般的な品書きには無い「神田の藪そばの蕎麦寿司は、客人に珍しいものだから」と言って、紹介ついでに注文することはあったが、高価な割にはいまひとつで、誰でも一口ですぐに飽きる。むしろ、このぺヤングの焼き蕎麦を海苔で巻いたほうが、蕎麦自体に味がついているので美味しいと思う。藪そばも暫くは行くこともないので、このぺヤングでお茶を濁すことにしたい。
ではこちら
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2013/12/10

ラビトス ロワイヤル

  どんなに美味しそうで、想像力をかき立てる商品であっても、宣伝、価格、美味しさ、あるいは入手し易さや商品在庫量など、さまざまな条件がバランスよく揃わなければ、市場は受け入れてくれない。何か1つでも欠落すると、それがきっかけで、忘れ去られてしまう可能性さえあるからだ。特に、海外のチョコレート菓子の輸入は、大量に扱えばそうでもないが、多品種を少量で扱う事が多く、在庫が十分確保できず、売りたい時に在庫が無いという現実に直面することも少なくない。また、為替の変動で販売価格が値上がりを余儀なくされたり、いくつかの苦難に直面することが多い。それにもかかわらず、まれに根強い人気を誇る商品もある。ただ、数がたくさん売れる商品であれば、すぐ国内メーカーが真似をして類似品を発売するが、最近は、意外にも輸入される人気商品は高価格な物が多く、売れる数量自体が少ないこともあって、まれに独走状態が続くこともある。

  それには、珍しい食材を使っているとか、形が可愛らしいとか、どのような美味しさなのか想像を巡らせてしまうとか、色々あるようだが、最近はもっぱらネット上の「口コミによる美味しい感想」が大きく影響して、販売への後押しをしているようだ。本来、チョコレート菓子は、純粋なカカオマスに砂糖、香料、脱脂粉乳やココアバターなどを混ぜ込んで作られているが、少量でも高い品質を味わう板チョコから、洋酒を内部に閉じ込めたり、果物をチョコレートで包んだ商品など、カカオマスの使い方に無限のバリエーションが存在する。日本国内では、チョコレート自体をバリバリ食べるというより、ソースのようにチョコレートが一部に固められ、その美味しさと一緒に噛み砕かれながら「お腹の足しになる商品」が若者に愛されている。ポッキーとか、きのこの山とか、タケノコの里などが良い例といえる。また、たくさん食べない大人としては、甘さ控えめで、少量なのに「純粋で高品質なチョコレート」例えば、カレ・ド・ショコラカカオ70等が好まれる。いずれにしても、カカオマスの消費量は案外少ない。

  カカオマスには、大量のポリフェノールが含まれていて、健康に対する諸悪の根源と言える「活性酸素」を抑える働きがあると言われている。それによって、動脈硬化の予防、コレステロール値の抑制、癌発生(特にチョコレート摂取量と胃癌との相対関係が統計的に示されている)のリスク低減、運動機能の低下や白内障などの老朽化の防止などにも、良い結果をもたらすようだ。また、カカオマスには、食物繊維やミネラルが豊富に含まれていて、食の細い女性や働き盛りのお父さんの健康増進に欠かすことの出来ない食材ともいえそうだ。今日は、最近話題になっているスペイン産の独創的なチョコレート菓子「ラビトス ロワイヤル」を紹介したい。これは、いちじくにトリュフクリームを詰め、それをチョコレートで包んだ構造になっている。

  いちじくにも、大量の食物繊維、カルシウム、ビタミンB1、B2、鉄分、灰分、ビタミンCなどが含まれ、薬効としては、消化器系の不調である便秘や痔などにも著しく効果があるとされる。カカオマスと組み合わせると、たいへん優れた健康食材となっているようだ。このラビトス ロワイヤルには、いちじくとトリュフクリーム、おまけにブランデーといった高級食材を惜しげもなく使ってあり、密度の濃い印象が滲み出て来る。充実した甘さの中に、粒々した食感のいちじくの懐かしさが感じられ、トリュフクリームやブランデー、いちじくといった順に異国情緒が広がりを見せる。確かにかつて口にしたことの無い美味しさといえる。商品として高価な部類に入るためか、年配の人たちからも高い評価を得ている。人生で一度は食べておきたい商品といわれている理由も分かる気がする。
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2013/12/06

島根 わさびめかぶ

  食意地だけが自慢の私でも、時たま、食事が終わると、案外「物を食べるって疲れる」と思うことがある。まだ時間は早いのに、もう、そのまま寝ちまった方がいいやと、気持ちも緩みがちで、つい横になってしまう。もーう、牛になりそうだ。こういう場合は、きっと、今の体力では、食べすぎなのだろう。その理屈で言えば、「食事の量=体力」なのかもしれない。確かに、体力が無いと食べ過ぎは胃腸の負担が大きく、消化にも時間がかかる。だから、あくまで腹七~八分目程度の量で、生命維持に必要な栄養が採れるように、自然に工夫をするようになるのかもしれない。これからは気をつけるよう心がけたい。

  そんなこともあって、やっぱり、今日も、以前に紹介したように、侘(わび)とか寂(さび)の思想を「食の世界に取り込んで」何気ない食事でも、古くから親しまれてきた食材を加えることによって、より美味しく、より健康的に楽しもうとする話の続きをしたい。侘(わび)とか寂(さび)というと、少々大袈裟に聞こえるかもしれないが、少量でも、それなりに「体に良い効果がある食材」を選んで、納得しながら口にする、つまり「それを、たいへん美味しい。と考えるべきだ」と思うのである。これも、時たま食べ過ぎてしまうのを、控えるための手段の1つにしたい。

  今日は島根の特産である。瓶詰めの中身をそのまま商品名にしたと思われる「わさびめかぶ」という名称である。これは、瓶を横から眺めると、下に山葵(わさび)の層と上に芽株(めかぶ)の層と、2つに分けて詰めてある。この状態によって、山葵だけでも、芽株だけでも、あるいは混ぜて一緒にしても美味しいという、3色の味わい方があるそうだ。芽株は少々ねばねばで覆われ、山葵は辛味が抑えられていながらも香りがよく、少々甘目の風味で優しさに包まれる。最初口にした印象は、最近少なくなったが、老舗の寿司屋で、刺身を頼んだ時に、つまとして洗いざらした芽株が乗ってくることがある。その芽株、刺身、山葵が渾然一体となった時の香りを思い出したのである。妙に懐かしい薫りと空気感に包まれてしまった。その気分を大切にして応用してみると、温かいご飯には、もちろんぴったり合うが、意外にも蕎麦の上に乗せていただくのも美味しい。まだ、他の食べ方も色々あるかもしれないが、炊き込みご飯なども含めて和の食材なら世界は広がる。

  それでは、それなりに「体に良い効果がある」とは、どこを指してそんなことが言えるのだろうか。芽株とは、わかめの茎の部分で、わかめの増殖をつかさどる胞子が作られる部分でもあるため、わかめの豊富な栄養が凝縮されている。その芽株には、ビタミンB1、B2、 カルシウム、ヨード、鉄分、ミネラル、さらに、ねばねばなどにはアルギン酸、フコイダン等の食物繊維が豊富に含まれている。昔の人は細かい事を知らなくても、体にいい感じがして、好んで食べていたようである。だから海辺で煙草を吸いながら海を眺めて過ごす、骨皮筋衛門のような「じいちゃん」は長生きなのである。答えは、そのねばねばにあった。特に、フコイダンは、最近医学的な研究が進められており、注目されている素材である。研究によると、癌細胞に選択的に働いて自滅させる特殊な作用(=これをアポトーシス誘導という)があるとされ、抗がん剤の一種として食事療法に幅広く利用されている。その他にも、さまざまな研究が進められており、今後も臨床応用で注目される食材のようだ。
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%211421&app=WordPdf

2013/12/03

クリスマスのお菓子

   この時期になると、師走の慌しさに隠れて、クリスマスの気配を感じる商品が何処からとも無く玄関に積まれてくる。クリスマス前に会う人に「子供さんへのおみやげにどうぞ」という程度の手軽さで手渡せば、貰った方もさして負担にならず、素直に喜べるという品の良い贈り物である。この積み上った中には恐らく予備が含まれていて、最後は私にも回ってくる。しかし、横目に見ながら遠慮をしすぎて、時間が経つと風味が落ちるかもしれないので、気になって仕方がない。そこで、写真撮りと称してそれらを開けてみることにした。特に興味を持ったのは、イタリアのクリスマスケーキである。パッケージにあるようにサンタクロースが何処と無くユーモラスで、美味しそうなケーキを覗くような顔つきである。

  もう1つは、綺麗な模りのある缶に入った ドイツ ハシェのチョコレートの詰め合わせである。種類の違うチョコの5粒入り(1粒250円相当)で、アーモンド、ヘーゼルナッツ、リキュール、ブランデー、ワイン、アマレットなどを使って贅沢に仕上げてある。こちらは、渋い缶の色使いに目を奪われるが、中のチョコ1粒1粒には、天使の贈り物のような「優しい幸せへの拘り」がふんだんに封じ込められている。口に運んでみると1粒1粒が凝りに凝ったチョコレートであることが分かるし、口の中で一挙に贅沢感が広がる。そんな「1粒ごと、口にしては美味しい」と呟くような商品である。それこそが、夢のあるクリスマスならではの商品といえるかもしれない。

  やはり贈り物は、見かけより夢があって価値のあるお品を選ばなければならない。たとえば、ビジネスマン風に表現すれば、名刺がわりに「キャリーオーバー発生中のロト7の申し込みカード」を手渡すようなもので、そこには、僅かな金額でも、夢を与えてくれる方が良いに決まっているのである。日本人は、贈り物が好きだが、高級なブランドが良いとか、高価なものが良いとか、やや田舎風の感覚を感じさせるケースが多い。貰った方は、負担になることはあっても嬉しくはない。そんな気持ちも知らず、見栄を張った贈り主は、それ自体で満足しているのである。そこは、贈られる人達の気持ちをどこまで慮る事ができるかが重要なのではないだろうか。そういう気持ちが伝わってこそのプレゼントなのである。

  さて、話はイタリアのクリスマスケーキに戻るが、これが意外に美味しいので嬉しい気分になってしまった。価格は、上記ドイツ ハシェのチョコレートのたった2粒分(500円相当)でしかないが、以前に紹介したイタリアのクロワッサン風のパンに入っていたココアクリームと同じ味で、不思議とイタリアを彷彿とさせる甘さが堪能できてしまうのである。そうそう、エスプレッソのコーヒーに合いそうな感じである。私が幼い頃はこのくらいの甘さのものが多かったと思うが、今の子供さんには、少々難しいというか、お母さんから叱られそうな甘さで、この甘さに慣れてしまうと、「もう不二家のケーキは美味しくない」と拒否してしまうかもしれない。もちろん、甘さだけに留まらず、ココアのコクのある奥深さと、取り巻くホワイトチョコレートの風味が独特の魅力を醸し出している。
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