2012/08/31

体の調整にジャリネア

    あんなに、今年の夏は「暑かった」のにと、もう過去形で書いて良いかどうか迷うが、少なくとも8月は個人的にもイベントが多くて、忙しなく日々が過ぎた。気象庁の呼びかける「熱中症対策」も徹底していたせいか、さほど食欲も落ちず、おまけにクーラーの掃除は丹念に行っていたのだが「終始OFFまま」元気に夏を乗り切ることができた。ただ、毎年夏は体重を落とせるチャンスであったにもかかわらず、今年は増えてしまった。

 そんな話を溢したら、「楽(らく)しすぎとちゃうん」とあっさり切捨てられてしまったが、加えて、原因は明らかに「オリンピック観戦」にあると付け加えられた。何か「いい歳をして、言い訳をするほど情けない事はない」ので、そんなことは、おくびにも出さなかったが「やっぱりな」という気分であった。例年の夏なら食欲もなく、冷やしものばかり食べて、夏痩せをするぐらいなのに、今年の夏は興奮し過ぎたのかもしれない。

 もちろん、興奮するだけで、体重が増えるわけではない、そこにはストレスから食欲を巧妙に誘導するメカニズムがあった。それは、もう単なる応援者の領域を越えて「代表選手と同じ気持ち」になることで、応援にもかかわらず緊張感やストレスが生成されるのである。そのストレスは徐々に増加しピークを迎える。そのストレスを抑えようとして、何か食べ物を口にする行為に走るのである。これによって、大脳は満腹感を得てストレスが緩和される。大脳は誤った判定をしているわけだが、一瞬は楽になる。ところが、ストレスは継続し、再び何か口にしたくなるのである。そうやって、ついつい、「腹8分目のルール」は崩壊していったのである。

 ほとんどの人たちは、日本代表選手の活躍を楽しみにして、夕食もそこそこにすぐに睡眠に入り、0時もしくは3時過ぎに起床して「オリンピック観戦モード」に入る。観戦が終わると疲れ果てて、再び少しの仮眠をとるようだ。そのルーチンは、まるまると太った豚の様な「食べては寝て、食べては寝て」を繰り返したことになる。そして、知らず知らずのうちに、体重の増加を引き起こしていったと考えられるのである。しかし、それもこれも日本代表選手が頑張ってくれたことによるもので、久々に興奮したし、とても嬉しく元気になった。だから黙って、これからのワクワクする「食欲の秋を返上」して体重を調整するために、それなりの工夫をすることにしたのだ。
それがこちら
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%211188&app=WordPdf

補足:このスープは、最初は慣れないので、あまり美味しく感じないが、我慢して体重が落ちる頃には俄然美味しく感じるようになる。最初それを補うために、ミールバーを併用していく。

2012/08/28

暑くても何とか過ごすために

  この暑さにまだ我慢しないといけない。気象庁のデータも1990年以降は急激に平均気温が上がってきている。あの広島の暑さ(熱い)を知っていると、館林以外なら、どこへ出向いても対応できると最近まで考えていた。実際1971年に東京に来た頃は、やはり東京は涼しいところだと嬉しくなったのを覚えている。しかし、包み隠さず申し上げて、今は以前よりはるかに辛くなった。よくわからないけれど、先行き、再び低温化に向かって折り返すこともないだろう。「暑ければ冷房を入れればよい」などと単純な理由で電気を浪費するのも憚れる。この程度の暑さでは「冷房なしで生活できる」ぐらい高温対策を覚悟しないと、「2030年迄に原発を0」は叶わない。それでは、何をすればこの暑さに対抗できるのであろうか。

  対策はたくさん準備しておきたい。去年はベランダに防水加工を施し、全域で水を溜めることができるようにした。これによって、朝、夜は僅かに涼しい空気の循環が得られ、体感温度を下げることができた。次は、いずれミストの噴出にチャレンジしたいと考えている。就寝時は、竹シートの上に「熱さまひんやりジェルマット」を重ねて横になることにし、適度に寝返りをうちながら気持ち良い寝心地を確保できた。薬局では、去年の「ひんやりジェルマット」の好調な売れ行きに気を良くして、今年も様々なサイズを店頭展示している。一般的に、少々高額なので小型を考えがちだが、実は、体から吸収した熱を放出するためには、ジェル側は、体との接触面積以上の空きスペースが必要で、大きければそれだけ早く放熱して涼しくなることになる。
  
  今年は、徹底して体感温度に拘った。といっても、他に拘るものはないのだが体が「すーっ」とするメンソールを大量に含んだシーブリーズを多用してみることにした。7~8月と2ヵ月使ってみたが、意外に効果的である事が分かった。メンソールには、独特のハッカ臭と清涼感が漂い、肌に触れると冷たく感じる作用があるので、メンソール成分が皮膚に残っている間(1時間程度)は涼しさを満喫できる。これだけなら、「ふーんそうだよね」となるだけなのだが、その他、都合良く考えると様々に効能がある。まず、蚊が近付いてこない効果がある。蚊は、人の体から発散されている炭酸ガスを感じて近づいてくるが、メンソールのハッカ臭を嫌気するようだ。

  一方、朝の洗髪では血管を拡張し血行を改善するため、頭を冷やしてリフレッシュするには最適だ。特に汗かきには高い抗菌作用がありがたい。もちろん日焼けの後に抗炎症作用もある。そしてシーブリーズを少し洗剤に混ぜて使用することで、洗濯物の抗菌効果も期待できる可能性がある。たとえば、シーツやタオルケット等の洗濯時に少量加えることで蚊や虫が寄り付かない。さらに意外にもう1つ、様々にシーブリーズを多用しても、風呂場やその他流れ出る下水道にも悪い影響はないようだ。むしろ、水が一時的に貯まる場所が綺麗になっている事を確認できる。これは、夏場として良い結果と言えそうだ。このように、メンソールの効能は体感温度の低下だけでなく、他にも優れた効果がありそうだ。お風呂で使える関連商品を並べてみた。
ではこちら
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%211186&app=WordPdf

2012/08/24

かぼちゃのカレー

  夏はやっぱりカレーを食べたい。単純かもしれないが、「口から火が出るCM」を観てそう思ったのだ。単純に辛い物を食べたいだけなのかもしれないが、それでも、自分で何とか辛さを調整できるカレーを作ろうという気になったのである。それにしても、カレーの為に何度も部屋を熱くするのは辛いし、昼間は特に億劫になりがちである。そして、もう1つ、それは自分好みの「辛口で美味しいカレールー」がないというのも背景にある。かつては、スパイスも取り揃え工夫を凝らした時期もあったが、そんなことはもう面倒になった。もっと単純に素早く作りたい。そこが、様々なリスクを背負いながらも、今1つカレー作りに前向きになれない要素だと思えるのである。だから、簡単に美味しいカレーが作れるようになれば、創作意欲が芽生えるに違いない。

  少しでいいから、まず「辛くて爽やかなカレー」を作ろう。しかも、「短時間で涼しく」作らなければ意味がない。その自ら企てた課題を乗り越えるために、まず、カレールーを幾つか試してみた。その中からお薦めできるのは、 S&Bのゴールデンカレー「バリ辛」第2弾 夏季限定品である。これが、なかなか美味しい。あの、「ハバネロを超える激辛唐辛子としてギネスに認定済みのブート・ジョロキアを使った刺激的な辛さ」という宣伝文句が効いていて、ワクワクしたが、期待に応え旨味のある辛さだったといえる。やはり今の時期は辛さが決め手で、「激辛と言う言葉」を目にして洗脳されたのかもしれない。
  
  主に使う野菜は3種、じゃがいも、大根、そしてかぼちゃを別々に作り試してみた。じゃがいもは、標準的な材料なので、このカレールーがどのくらい辛いのかの基準になり、その他の材料の選定に影響する。同時に使う野菜の種類を増やすと味がぼけるので、できればオーソドックスに人参、玉ねぎなど3点にとどめたが、このルーには、かぼちゃの相性が良かった。今までも、幾つかの野菜を使ったカレーを紹介してきたが、かぼちゃのカレーは今回が初めてである。じゃがいもの代わりに大根を使うと消化も早く、胃腸が疲れている秋口はお勧めだが、若干口当たりに水っぽさを感じる。それをかぼちゃを使うことで、じゃがいもよりも少しだけ甘くてこくがあり、激辛のカレーソースとのコントラストが美味しく感じるのである。
 
  最終的なイメージが出来上がったら、野菜を用意し適当な寸法に裁断したら、あらかじめ電子レンジ(玉ねぎ、人参4分、かぼちゃ5分)で加熱しておくと、火力を加える時間が減らせる。鍋は保温型の鍋を使う。これは、一度食材すべてを火を通した後、温度を保つ容器に挿入しておく。1時間程度放置すれば、野菜に火が通り柔らかくなる。その後にカレールーを投入し、再びそのままを保つ。さらに1時間後には出来上がる。かぼちゃが型崩れしないようにかきまぜて出来上がりである。出来上がったら、必ず保温器から取りだすことを忘れないように。保温器がなければ、今の時期なら陽のあたるベランダに放置しておいても良い。
ではこちら
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%211184&app=WordPdf

2012/08/21

京王線地下を走る


   また1つ大切な記憶が消されそうである。今は、まだそこに存在しているので、この風景は絶対に忘れないと心に刻んでいるのだが、しかし、人の記憶は意外にも脆く、新たな風景を見た瞬間、古い記憶が遠のいていくという現実がある。もちろん、電車や駅が地上から姿を消そうとどうしようと、大勢に影響は無く、我々の生活は変わらないし。交通安全上もその方が良いに決まっている。だからつまらないことを気にしないでもよいのだが、40年間見慣れてきた風景が姿を消すことや、イライラして踏切を待つことも無いだろうと、それにも1種の寂しさを感じている。そして、じっと快速をまって、特急を待って、各停をまって、「やっと、渡れる。そして急ぐ」 そんな喜びそれも、もう無くなるのである。


京王線は、18日(土)の終電後から翌19日(日)午前9時過ぎまで 国領、布田、調布間の地下化切換工事が実施された。柴崎駅を過ぎて野川を渡り150m 程先から地下へ入り、本線は西調布手前で再び地上に戻る。一方、相模原線は、京王多摩川手前で地上に戻る。このほぼ出来上がった地下線路への繋ぎ込み工事が夜を徹して行われたのである。現場は3か所で、ほぼ同時に始まり、1か所1500人を超える人員で作業が進められた模様(警備員を含む)。大型クレーンなどが狭いところを縦横無尽に動作し、広い区域にわたって通行・進入禁止になった。深夜にもかかわらず多くのカメラマンが押し寄せたが、安全上の警備が厳しく、作業を近くから見守ることは出来なかった。

  地上の線路を切断し、必要ない部分を撤去する。そして、地下トンネルで既に敷設されている新線路と接続するには、どのような手順で作業が進められるのか、誰でも興味はある。しかも、自分の目で作業を見てみたい、うーむ、「一生に一度」も切換工事なんか立ち会えないと思う筈である。近所の人たちだけではない、遠くから来たカメラマンは、望遠レンズを通して固唾を呑んで作業を見守っていた。どのような手順で作業を進められたかは、想像の通りなので説明は割愛するが、今日はこの接続された工事中の線路を見ていただきたい。PDFの写真は新宿方面に向かって撮影。



  作業終了後は、地上の踏切警報機は置物になり、線路の隙間は埋め尽くされている。この地下化については、30年以上も前から計画されてきたが、その間も、この区間の踏切待ちによる渋滞は、徐々に増えて、いつしか凄まじい状態になっていたのである。特に、調布の本線と京王相模原線が分かれる調布駅西側の踏切(下の写真)では、車の交通量が多い割には踏切の横断距離が長く、締切時間も長いとされていた。これも近年、電車の増発ダイアによってさらに拍車を掛けてきた。この工事の総称は、「連続立体交差工事」と言うぐらいで、地上にある18ヵ所もの踏切をなくす事が出来たようだ。
ではこちら
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%211185&app=WordPdf

補足1:京王線の記述分類として、本線は、新宿から京王八王子まで。相模原線は、調布から橋本まで。高尾線は、北野から高尾山口まで。井の頭線は、吉祥寺から渋谷まで。途中、明大前で本線と乗り換え接続可。を指す。

補足2:上部写真の説明 一番上の写真は、布田→調布の間の9000系。二番目の写真は、国領駅に隣接する狛江通りの踏切が開いた時の様子(夕刻撮影)。三番目の写真は、切換作業終了後に国領駅手前で地下へ走る8000系車両の先頭車。

補足3:前日は、あちこちで別れを惜しむ人が溢れた。仮設の調布駅とホームに入線している京王線4本を撮影しようと、踏切の中から撮影する人達。京王八王子からの各停が背後に迫っている。


補足4:前回(第1回)の国領駅先方の地下工事紹介(再掲)
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%21957&app=WordPdf

補足5:野川を渡る京王線(再掲)。この左側150m先近辺から下がリ始める。
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%21636&app=WordPdf

2012/08/17

チチヤスヨーグルト

      私が生まれて初めて口にしたヨーグルトは、今日紹介するチチヤスの製品であった(同社は日本で最初にヨーグルトを商品化した企業)。当時は、今の様にプラスティックの容器が普及していなかったため、乳製品は全てガラスの瓶に詰まっていた。その瓶の中に固めてあるヨーグルトは、スプーンで隅々まで拾い集めて食べるのに苦労を強いられた。幼い時にそういう苦労をすると、工夫をする癖が身に付き、スプーンの先の曲線を上手に使いこなす技術を習得することが出来た。ま、そんなことは何の自慢にもならないが、久々にチチヤスヨーグルトの新製品を見付けたので、写真を撮って1度紹介しておきたい。

  昔からある「チチヤスナチュラルヨーグルト=シリーズ商品名」は、舌触りが軽く、「口溶けの食感」がとても良いし、後味の爽やかな酸味も特徴と言える。口にしてみると、「なるほど」と思ってもらえるはずである。この特徴は他には見受けられない食感で、恐らく、生乳に乳酸菌を加えて自然に作ると、この舌触りになり、寒天の量で口どけの感じが作られ、甘味料等を僅かに加えることで、爽やかな酸味が再現されるといったところなのであろう。赤いキャップが従来からある伝統的な商品「チチヤスナチュラルヨーグルト」であり、青いキャップの低糖タイプ(PDF写真の背景)も出ていて、こちらは時流に乗って甘さを控えてさらに軽い感じである。4個パック(1個56kcal)で販売されているため、誰でも1度に2個ぐらいは、さくっと戴けるのではないだろうか。

  この古くからあるチチヤスナチュラルヨーグルトについて、一方では、工夫が足りないとか、面白みに欠けるとか、時代を反映していないとか、様々に批判めいた囁きもあったとは思うが、ここ15年ぐらい全国展開を始めてからは、ふんだんに新たな試みで多様な製品を揃えてきた。そうやって、流行に追いつきながら、やや自然の果物を取入れた独自性を打ち出してきたと言える。しかし、それらは、今1つ都会的で高級志向を目指す商品とはならず、家族で小安い美味しさを楽しむといった商品であった。つまり、製造側としてヨーグルトの範疇を超えて、デザートとして成り立つほどの研究開発までは至らなかったのである。他方で、売上げ数字などからは、いかなる商品を投入しても、やはり昔からあるチチヤスナチュラルヨーグルト(3種)を越えることが難しかったのである。

  ヨーグルトは、スーパーなどで3個あるいは4個パックで販売される程の競争の激しい商品なので、次から次へ新製品を投入しなければ、売り場で目立たず飽きられてしまう。広島県で育った顧客が全国何処にでもいるわけではないし、専業メーカーが所狭しと並ぶ売り場で、どうすれば顧客の手に取ってもらえるか、チチヤスの方向性は、1.安い、2.美味しい、そして3.珍しいを打ち出してきた。今回、その珍しい要素の延長線上に、もうひとつ高級感が盛り込まれた商品が登場したのである。それが、PDF写真の2商品で右がバニラヨーグルト、左の黄色いパッケージが「瀬戸内産100%の夏みかんとレモンの果汁と果皮を使い、ハチミツを加えて爽やかな甘さ」を実現した、心地よいデザート風のヨーグルトである。いずれも、凍らせると格別に美味しい。
ではこちら
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%211183&app=WordPdf

補足:ヨーグルト本来の爽やかさを求め、カロリーを気にするならば、PDF写真の背景にある青いキャップの「チチヤスヨーグルト」をお薦めしたい。今の時期は、やはりシンプルなのが美味しい。

2012/08/14

黄金桃

     果物の生産者は、1つの品種を突き詰めて磨き上げていくことに凌ぎを削り、僅かな改良に生き甲斐を感じている。でも、自然を相手にする仕事は、予測が難しくいくら経験を重ねても、「これで十分ということはない」 と語る生産者は多い。自然から学ぶことは多く、いくら歳を重ねても研究に終わりはないようだ。そんな苦難を乗り越えながら、それでも少しづつ新たな品種にも目を向けていかなければならない。それが我々消費者を刺激し、購入意欲の活性化に繋がるのだと思われる。果物は、日常的に食べなくても「生きていけると考えがち」なので、購入優先度は低いからだ。

  果物は、趣味や趣向品に近い。だから、幾つかの品種の中から選択したり、より良いものを抽出していく満足感が求められている。そんな根底に流れる期待を満たそうとすると、購入者も生産者に劣らぬ味覚を磨く必要がある。そんな常日頃から存在する漠然とした興味から、今日は3種類の桃を比較してみた。現実として、果物は「食べてみるまでわからない」と言えるかもしれないし、一方で「食べ慣れないとわからない」と言われることもある。この2つの言葉は、我々一般消費者と生産者の間に大きな隔たりがあることを示唆している。そこで、販売者は、試食と称して同じ木から採れた桃を食べさせて体感してもらう。実は、これにも限界がある。小安い1個350円程度ならそれも可能だ。しかし、350円は350円の美味しさとして納得するしかないのである。

  果物は価値の違いが顕著である。中でも、桃や葡萄は種類や大きさによって値段が大幅に異なる。桃は350円~4,500円(1個)と値段も幅があり、高級品をそうたやすく試食品にすることはできない。だから、やはりたくさん存在する様々な品種を食べて美味しいものを知っておくしかないのである。結論からいえば、「価格が全てといってよい。しかし、まれに高価なものでも、それにそぐわないもの」もあり、時として覚悟が必要である。今日は、八百屋で珍しく黄色い桃を見つけた。包装紙には、「黄金の桃」とか書いてあり、高級感も漂っているが、ここはひとつ、かたくなに白桃に心を寄せるだけではなく、安い桃でもそこそこ美味しい桃があるなら、一度試しておきたいと考えたのである。
 
  美味しさの感じ方は人それぞれで、あくまで主観的になってしまうが、黄桃は、赤桃や白桃に比べて繊維が多い。甘さは強いが、桃の滑らかな食感は白桃が優れ、薫りのよさは赤桃が良い。黄桃はマンゴウ風で熱帯で育つような薫りが漂い、少々異国感を感じるが、慣れないせいかもしれない。ただ、トロピカルな桃を試してみたいと思われる方には可能性があると思う。やはりここは、比較してみて良くわかるが、子供のころから食べ慣れた白桃が1番安心できる。東京へ来てから食べ慣れてきた赤桃もやはり美味しい、しかし、いまだ良くわからない黄桃は、確かに好んで選ぶことはないにしても、すぐには好きになれないようだ。好きになるには、時間が必要かもしれない。
ではこちら
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%211182&app=WordPdf

2012/08/10

大豆を栽培するキット3

    何が「癒し」に繋がるかわからない。バジルや朝顔は、これといって特別な事はしなくても元気に育つが、初めての大豆は気になってしょうがないのである。毎朝早起きしてベランダに置かれた「大豆の木」を眺めては「よしよし」と呟き、ある時はサンダルを引っ掛けてスタスタと近づいてみたり、あまり陽が当たると暑いだろうから日陰に移すとか、軟弱に揺れるので添え木を刺すとか、メジャーで寸法を測ってみたりと、360度周囲への観察に余念がないのである。何か小さな白いものが見えるけれど何だろう、そういう「単純な興味」が面白いと思えるのである。

  恐らく、これは、自分の思考ルーチンとして「単純な興味→観察行動→未来を予測する」 と言う流れになっていて、人間本来の願望を「何度も何度も」呼び起すようにDNAに組み込まれているようだ。単純な興味とは、「易しく理にかなっているシナリオ」を指す。背景は、概ね予測もしないような事態は起こらないことを意味していて、大前提に「安心」と言う流れがある。これは、人としてとても大切な事のようだ。

 もちろん、想定外の事態が起こらないのは分かっているけれど、まれに説明書とは少し違う事が起こってほしいとも、願っているのである。それが、一種の「観察行動を起こさせる要因」なのである。何か説明書には無い、自分だけの発見を期待しているのかもしれない。そう、説明書には「紫の花が咲く」と書いてあるのに、この「白いのは何故」であろうかとか、また、説明書の花のイラストは葉と同じぐらいなのに、この白い実物は、ずっとずっと小さい花のように見えるのだ。何か違いを発見することは、さらに興味を引くと言う事でもあり、知識欲を刺激するはずだ。

 そして、「未来を予測する」。この大豆の木を例にとって観測を続けると、花が枯れ始めるとサヤが少しづつ伸びてくる。そうやって次から次へとサヤが増えるのである。このまま放置して枝豆として食べられるくらいの大きさになったら、楽しいに違いないと、ほくそ笑んでいるのである。そして、さらに、そのまま木が枯れるまで放置しておくと大豆になる。説明書には、大豆の水煮の作り方の記述があるのだが、そんなことはしたくない、せっかく育てたのに「もったいない」と思うのである。

 そこで次を考えるのである。その実った大豆をまたこの鉢で育てたら、次はソイカラになるかもしれないし、うーむ、夢は次々と膨らむわけである。こういう何段階にも面白さが繋がっていく流れは、それまでキットとして楽しんできたけれど、次は、自分にとって未踏の世界が広がるのである。そうやって経験を積みながら、そこから得られる「癒し」を自分なりに広げられるのである。
ではこちら
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%211181&app=WordPdf

2012/08/07

三次のピオーネ

     東北地震による原発放射能の拡散事故を契機に、弟は陣中見舞いと称して、私の元へ様々な食材を送ってくれている。この歳で、今更体がどうなろうと、知ったこっちゃないだろうが、それとなく放射能の体内被曝を心配しているようだ。それは、あの広島近郊の地に育った全員が背負った、宿命的思考構造なのかもしれない。送られてくるものの大半が、広島よりさらに西で生産されたものが多いことからも、神経質になっていることが容易にわかる。大きな声では言えないが、弟は、必要以上に心配性だ。

  先々週、産地直送の桃の話を書いている時に、一寸まだ早いけど、涼しくなったらすぐに甘い葡萄を腹いっぱい食べたい。そんな、幼いころを思い出して原稿を書いていたら、先週、本家本元の「三次のピオーネ」が送られてきた。偶然にしても、まるで、宝物を送られたような気分になったのである。そこで、ここに続けてページに追加しておきたい。広島県外の人達には「三次のピオーネ」は馴染みが薄いかもしれないが、広島県の三次盆地で栽培されてきた最高級の葡萄である。三次盆地は、昼夜の気温の高低差が大きく、果物にとって「濃縮された美味しさ」が生まれる場所である。ピオーネは、巨峰とマスカットを掛け合わせた品種で、味の濃い巨峰の甘みを備え、マスカット本来の果肉の食感と、甘味の中に爽やかさを兼ね備えた、とても品位の高い美味しさを誇る。

  1年を通して、何度も収穫できない果物は、広大な敷地を上手く利用しながら温室栽培と露地栽培の2つの生産システムを設けて、長期の収穫を確保する場合が多い。この「三次ピオーネ」も同様で、温室栽培は6月頃から収穫が始まり、より甘味の強いピオーネが出荷される。露地栽培とは、外見上の違いは無いが、今日紹介する品物はもちろん温室栽培である。一方、9月頃から収穫される露地栽培は、やや酸味が強く「こくのある美味しさ」になるが、私は温室栽培の方が「断~ん然美味しい」と思っている。もちろんそのままいける「種なし」である。

   値段は、温室栽培の方が2~3割程度高くなっている。因みに、PDF写真の品物は、市場価格で普通7,000円程度である。9月以降は、5,500円程度まで下がる。もちろんピオーネにもピンからキリまであって、生産地、粒の大きさ、房の重さなど品質は様々で、値段もまちまちである。果物に限ったことではないが、この手の冷蔵生物を入手する時は、顔見知りのお店で購入するのが良い。また、特に「贈答品」とするならば、より注意が必要で、出来るだけ手間を惜しまず、少々高い「万惣、千疋屋」といったところで求めれば、「唸るほど高いが、失敗は無い」筈だ。そんなことを考えながら1粒々を口にすると「首をかしげるぐらい美味しい」。つい弟へも感謝の気持ちが沸き上がるし、逆に長生きしてほしいと思うのである。
ではこちら
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%211180&app=WordPdf

補足:8月6日は、広島市に原子爆弾が落とされた日である。
それに関連したことに興味のある方は、
広島赤十字病院(再掲)
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%21565&app=WordPdf

平和記念公園(再掲)
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%21577&app=WordPdf

2012/08/03

北野エース

      もう、昔みたいにたくさんは食べられないが、できるだけ美味しい食材を購入したいという年配の為のお店が流行っている。つい先日まで、企業の最前線で体を張って闘ってきた昭和20年代生まれの中高年達にとって、食事は戦闘機の空中給油と同じで、味わう必要もなく腹を満タンにしていればよかった。ところが、会社を定年退職してからは、毎日、自宅退屈男になってしまい、奥様について買い物に出かけたりする。すると、大してお腹も空いていないのに、ついつい、美味しそうなものに手が伸びるようになる。そこで、宇宙人のようにサンプルを口にして 「そ、そ、そうか、地球には、こんな美味いものがあったのか」と改めて気付くわけである。

    調布には、パルコの地下1階にそのお店はある。全国の美味しいと言われる普段使いの食材を所狭しと並べてある。レトルトカレーは、数百種類以上ある売り場が用意され、まるで書籍棚のように並べられている。その他、味噌類、ドレッシング類、醤油類、等など珍しい食材が豊富にそろっている。ちなみに大手スーパーやデパートに比べて3~5倍以上の種類がありそうだ。ただ特別お高い商品が並んでいるわけではない。一般より少しだけ高いけれど、その差以上に美味しいとか、全国から集めた今まで見たこともないパッケージやラベルを眺めて、「うーむ、美味しそうだ」と思うのである。以前、カンブリア宮殿というテレビ番組で紹介されてから一層客数も増えている。

    お店には、コンシェルジュという商品知識を備えた担当者を配置し、客の求めに応じて、商品の産地や特質、あるいは美味しさを丁寧に説明してくれる。人気のある商品ばかり集めてあるので、片っ端から美味しそうな食材や調味料を使ってみればよいのだが、たくさんの商品の中から、客の好みや価値観、健康状態、生活環境、ライフスタイルに合った商品を選んで薦めてくれるようだ。そこのコミュニケーションがみそなのである。だから、時間を持て余している年配の人たちには重宝されているようだ。

    そこのカレー売り場から、今日は、「北野セレクション=大人のためのビーフカレー」を紹介したい。北野セレクションとは、メーカーと共同で開発・製造・販売を手掛けるプライベートブランドで、自分たちの価値観の中で考えつくした商品なのである。また、「際立つ美味しさを提供し、さらに安心・安全が保たれている」と思ってもらえる程、拘った雰囲気が出ている。昔の、惣菜屋さんの商売は、店で作って試食をさせ、その場で販売するという、まさにプライベートブランドの歴史でもあったわけだが、ここで言うところの現代のプライベートブランドは、スーパーなどで使われている手法で、一流メーカーに同じものを作らせ、大量に仕入れてコストダウンを図り、高い利益を確保すると言うものである。ユーザー側から観測すると、他の商品に比べ「コスパ」が優れている商品といえる。少しだけ味付けも変わっている。

   さて、この「大人のためのビーフカレー」という「全く怪しいネーミングだ」が、これは何を意図しているかといえば、この「大人」とは、冒頭述べたような明らかな「自宅退屈男」である。彼らが美味しいと感じるレシピで作られている。まず、ビーフカレーである根拠は、ビーフの固まりがごろごろ実体があるところにある。そして、昔ながらのリンゴ、バター、ラード等を加えてコクを出す。極めつけは、やはり高度成長時代を反映して「汗カキが美味しく感じる塩分量」である。つまり、少々塩分は多めになっている。まさに、かつての企業戦士には「懐かしい味=わずかにしょっぱい=美味しい」に仕上げている。したがって、「同じ大人」でも、若者が好むスパイシーで辛いカレーではないので注意されたい。
ではこちら
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%211162&app=WordPdf

注意) Archivetec Report では、exploreでPDFがキザキザに再生される場合には、 Google Chrome ブラウザをお薦めします。表示までのスピードも改善されます。