2014/04/29

ココナッツミルク味登場

  「ミルクのようにやさしいダイズ」にココナッツミルク味が加わった。実に美味しい口当たりを実現している。今や、健康食品を好む人達は年配者だけではない、既に若年層はもとより、子供たちへも、「体に良い物を選んで与える」風潮がじわっと広がっている。その背景には何があるのだろうか。徐々に日本人がひ弱になっているのだろうか、それとも今後、食品・環境等による健康被害が広がるとの見方があるのだろうか。もちろん、両方だとする考え方が大半だが、それに対する防衛本能として、食品には益々慎重にならざる終えないようだ。特に近年話題になったピンクスライム肉使用のマクドナルド、あるいは、土壌から汚染されている中国産野菜、偽装食材使用の外食産業など、業界の実態から見え隠れからくる「利益優先主義」に、嫌気する人が増えたことも挙げられる。

  健康を気にする、そういう人達にとって、大塚グループが取り組んできた大豆食品は、いずれも高い評価を得てきた。その中に、この「ミルクのようにやさしいダイズ」もあり、同種類の他社商品よりも「大豆の風味が自然で美味しい」と評価されている。そこには、製薬会社の得意とする技術的な裏付けが存在する。しかし、一方で価格が高すぎるという難点も強調されてきた。そこで、その「コスト対商品価値」を高めるために、同社は、随分長い間様々な工夫を重ねてきた。カルシウム、イソフラボン、固形成分の混入などの大豆本来の栄養成分を最大限生かすための製造技術の構築はもとより、フルーツ味、あるいは抹茶や紅茶味など、馴染み深い様々な風味付け等の工夫である。

  一般的に、新たな製品を投入すると、それによって一時的に顧客増を見込むことができるが、漫然とした製品投入になってしまうと、一種の巡回型市場刺激策とも受け取れる。また、バナナ味、ぶどう味など販売実績が伸びない商品が姿を消すことで、それまでの顧客を失う可能性も憂慮される。したがって、そこには、顧客のトレンドの変化や、季節要因などを加味しながら市場投入を繰り返す必要に加えて、「圧倒的な差別化に繋がる商品」の登場を市場は待ちかねているとも考えられる。そのような背景から来る印象を考慮すると、このココナッツミルク味は、高いポテンシャルを持った商品として見ることができる。実際、かつてなかった程の美味しさを実現している。また、よーく冷やすと大豆が含まれる食品とは気が付かないシャーベットになる。そこには、普遍性の高い製品にありがちな品位の高さを持ち合わせていると思われる。

  口当たりの良い商品でも、愛用することで目に見えて健康になったとしても、売り上げ数が飛躍的に伸びるとは考えにくい。健康食品に期待される物は、そう簡単ではないからだ。つまり、健康食品は、あくまで信頼感によって支えられている。それは「全方位的で、きめ細かい納得感」から成り立っていると言っても過言ではない。原材料はどのような物なのか、製造工程はどうなっているのか、栄養成分はどう違うのか、自分の健康管理にどう役に立つのか等、さまざまと言える。また、長期にわたり販売が継続されているか、というのも重要な要素なのである。それは、長い間愛用する顧客が存在することであり、何よりも安全の証明になると考えられるからだ。やはり、そう言ったことも含めて、大塚グループの企業理念が活かされる要素であり、過去の実績を見ることで既に証明されていると言っても良い筈だ。
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2014/04/25

よつ葉牛乳「特選4.0」

  牛乳の配達希望を募る販売店が、今、再び各家庭を回って受注活動を活発化しているようだ。牛乳は生ものなので、新鮮なものが良い。だから、少量でも2日に1度の配達が良いというのもわかる。しかし、私のような世代は、契約という半ば強制されるような条件を付けられると、抵抗感がつきまとう。それは、小学生の頃、学校の給食で毎日飲まされた経験から蘇ってくる嫌悪感のようなもので、当時は、日々当たり外れがあり、美味しいものは極わずかで、途中までしか呑めないものがあったり、瓶の蓋を取っただけでも臭いで飲みたくなくなるものがあったり、そんな毎日の給食に不安を感じることが多かったからだ。そして、その後といっても、ここ半世紀程、牛乳は自分にとって「危険飲料というレッテルを貼ってしまっていた」のである。

  現在は、そのような品質の牛乳はない。しかし、このレッテルはなかなか剥がせないでいた。そこには、当時は、義務教育という名を借りた牛乳の強制であったことから、牛乳を配達=強制力に繋がると感じてしまうのである。元々、何でも強制されることが嫌いで「反逆精神の旺盛な子供」だったこともあって、強く印象が残ってしまったのだと思われる。それでも、牛乳の進化には、興味を持って見守ってきた経緯はある。その長い時間には紆余曲折があって、途中、成分調整などの技術が蔓延し、さまざまな目的別、あるいは機能別の牛乳が製造されてきた。しかし、最近では、そのような小手先の技術だけではなく、本質的で健全な試みが主流を占めてきたようだ。また、それらを上手に組み合わせることで、より自然で馴染みやすい美味しさの商品が増えている。それが、本来の姿といえるもので、逆に言えば、「何十年もかけてやっと、多くの人たちの賛同を得てきた」のである。

  よく、我々の体は、食べたもので出来ていると言われる。確かに、食べたものやストレスの環境によって、健康状態や体調、あるいは汗の臭いまでも変わることを自覚できるし、それに気を配ることも多い。牛さんにおいても、もちろん牛さんの種類や性格によっても違いはあるにせよ、健康状態はもちろん、食べている牧草や餌、運動している環境、あるいは、ストレスの有無などによって、牛乳の成分や臭いも変わる筈である。したがって、それらを突き詰めると、やはり、牛乳の品質を追求すればするほど、酪農自体は大きなコストのかかる事業であることを認識させられる。それでも、わずかな違いに着目して、品質を高めてきた精神は、資源の少ない日本ならではの特徴であり、さらに、常に安全で美味しいものを追求する気持ちは、日本人の拘りである。牛乳を通して、つくづくとそれを実感することが出来るようになった。
  
  今日は、そんな牛乳の品質を最も重視してきた、美味しい乳商品を製造する「よつ葉乳業」の商品の一部を紹介したい。乳脂肪分3.7%の牛乳と、冬季にしか販売されない季節限定の乳脂肪分4.0%以上の特選4.0牛乳、それらから製造されているバター類、熟成カマンベールチーズの5種である。カマンベールと言うのは、もともとカマンベール地方で製造されたチーズを指すが、ここは、あくまでもカマンベール風という解釈でよい。さすがに、これらの商品は洗練された歴史を感じさせる逸品である。これらの製品からは、「牛の乳臭さのようなものは一切感じない」にもかかわらず、牛乳らしい甘みや風味がより生かされ、優れた品質と味わいを実感できる。その風味こそ、長い間まじめに酪農に取り組んできた同社の姿勢が現れているようだ。
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2014/04/22

認知症予防に効果

  「あんた、いつ帰るんね」と口癖のように何度も問いかけてくる母は、私が東京へ帰る日が気になって仕方なかった。既に30年以上も離れて生活していたので、「老いると寂しがるんだ」と勝手に納得していた。普通なら、父が口を挟みそうなものだが、それはなかった。その時、既に父は母の病に気が付いていたかもしれない。確かに年齢もそれなりだったのである。その後は、実家へ帰っても母は、私が息子であることを時々忘れ、客人のように扱ったり、正気に戻って、夜中、私が幼かった時のように、言葉をかけながら布団を直してくれたり、記憶の出し入れに散漫な状態が続いていた。自分が父や母の年齢に近づくと、そんなことを思い出すのである。

  そんな想いからか、早くから認知症には何かと神経を尖らし、何でもいいから、予防の為の対策を始めたいと考えるようになっていた。しかし、一体何をどのように準備したらよいか分からないままだった。そんなある日、「たけしの家庭の医学」という番組で「認知症予防に効果」のあるアロマ療法が紹介された。それを見ながら今にでも始めたい、即やってみようと思った。心の中で、これが自分を含めて世の中の大方の人に効果があれば「悲劇は減る」と明るい気持ちになった。悲劇は、すべて周囲がそれに気づかないか、無関心でいることから始まっている。もちろん本人に自覚はない。そして、自覚のない私も効果があるかどうかはわからないが、とにかくやってみないと始まらないと思ったのである。ここでは、「たけしの家庭の医学」を見逃してしまったが、周囲で話題になっていて「気になる」という人に紹介しておきたい。

  経緯を要約すると・・・認知症の予防方法の1つとして、鳥取大学医学部の浦上克哉先生によって開発されたアロマオイルを嗅ぐ方法である。それは、においによる刺激によって脳の若返りを促すというもの。認知症は、MRIの画像から脳全体や海馬が縮小している状況を確認するだけで、原因がつかめないままであった。先生の研究によると、この海馬の破壊が始まる前に、その海馬に繋がっている「嗅神経」が最初にダメージを受けていることが分かったという。つまりそれが、認知症初期段階であり、何年も掛けて徐々に海馬に影響を与えていくらしい。そこで、「嗅神経」を刺激し、機能を回復させることで、初期段階から認知症の改善を図ろうとするもの。そのために、「嗅神経」を回復させるための研究は、10年という長い年月の間、認知症の人たちの「認知機能の改善度との相関」を捉えながら、どのような香りが嗅神経に効果があるか、その香りの種類を探し出したというもの。

  不安を抱えた視聴者にとって、感化された人が多かったに違いない、翌日から爆発的な情報の広がりをみせ、アロマ取扱店から4種類の香りが消えたのである(店頭での話)。今では、大方のアロマ店で「家庭の医学セット」として販売されている。さて、その、香を嗅ぐオイルの種類は、午前中用はローズマリー+レモン(2:1の比率で混合したもの)、夜用はラベンダー+オレンジ(2:1の比率で混合したもの)。用法は、午前中に2時間以上嗅ぐ。夜用は就寝1時間前から2時間以上嗅ぐ、ということになっている。香を嗅ぐための方法として先生のお勧めは、ペンダントにアロマオイルを注入し、首からペンダントをぶら下げ(鼻からある程度離れている)て生活の中でアロマの香りを嗅ぐ。効能は、劇的というより穏やかなようで、歴然とした効果(3カ月以上継続)を自覚できるわけではないが、一時記憶力が改善されるようだ。
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補足1:「認知症は、周囲が気が付いてからでは、明らかに手遅れである。なのに、認知症は既に40代から始まている」ことも分かっていて、早くから手を打っておくことは無駄ではない。
補足2:今日PDF写真は、専門家に指導により天然物が良いとのことで、取り寄せてもらった品物。やや、セット物より高価になっている。

2014/04/18

テラズフーズのビーフシチュー

 最近、「自称美人天才マジシャン山田奈緒子が、瀬戸内海の名所を巡る JR西日本のCM」が流れている。海辺の映像に引き込まれながら、故郷を思い出す。新幹線が走りぬける映像でCMは締めくくるが、山陽新幹線では、人生で一番忙しかった時代に利用していた「グランドひかり」を思い出す。今となっては、そんな時間的な余裕はなくなってしまったが、ゆったりと東京→広島間を走りぬける「JR西日本の100N系 (2車両2階建て連結)」が使われていたのである。所要時間はおおよそ5時間少々。何故そんな「グランドひかり」を利用したかと言うと、「割安に設定された 広島東京 往復グリーン切符」というのがあったからだ。勿論、のぞみに比べると当時は45分~75分ほど長く乗ることになりるが、往復グリーン車でくつろげるのが魅力だったのである。

 そして、もう1つの楽しみは、乗車する時間帯にもよるが食堂車にあった。それは食堂車を利用できる時間帯のことで、11時頃から19時ぐらいまでの営業だったからだ。結局、自分にとって最も貴重な時間を「グランドひかり」に合わせて消耗することになっていた。しかし、乗車してすぐに、開いたばかりの食堂車で腹ごしらえをして、グリーン車に戻って「うとうと」すると、広島まで意外に早く到着する様に思えた。その食堂車で、よく注文したのがビーフシチューである。東京の新橋あたりのレストランで食べるビーフシチューとは違って、ロシアのボルシチのような野菜の入った田舎風のデミグラソースという感じで、結構美味しかった印象を持っていた。

 そんな食堂車もいつしか無くなってしまい、スピード最優先の時速300kmの500系のぞみに乗るようになってからは、そのような楽しみも無くなり、少々寂しい思いをしてきた。後に、時々神田、神保町、渋谷、品川、五反田あたりのレストランで、事あるごとにビーフシチューを頼んできた。どこかで、同じようなビーフシチューを探していたのかもしれない。しかし、それを思い起こさせるビーフシチューは存在していなかった。その後、何年か経って、すっかり忘れていた頃である。西新宿の地下道の並びの喫茶店で、軽くお昼にと思ってビーフシチューを頼んだ時の事である。確かに喫茶店でビーフシチューは珍しいなとは思ったのだが、そう思いながらも、テーブルに出された瞬間、おっと「グランドひかりのビーフシチュー」は「ここにおったんかあ~」と、20年ぶりに再会することができたのである。その味をかみ締めながら一挙に記憶が呼び戻され、忘れかけた当時のことを次々と思い出してしまった。おそらく、業務用食品会社のパックだったのだろう。

   今日は、それより端正な作りで魅了するフレンチレストランTERA’s(テラズ:横浜市青葉区)が提供する、国産牛による「牛すね肉のビーフシチュー」を紹介したい。中身はデミグラソースと牛肉のみで、野菜は含まれていない。煮込んだ国産のすね肉には、脂分は見当たらず、牛肉は見た目より柔らかな仕上げになっている。沸騰しているお湯に、袋のまま投入し15分程度加熱する。全体は170gで、固形分のお肉は65g前後と全体の1/3程度、その他は液体のシチュー分となっている。デミグラソースは重厚な本格派で、肉の旨みと合わさり、飽きの来ない本格派のビーフシチューになっている。ビーフシチュー単独で戴くよりも、ソースを活かすために、ジャガイモ、人参など野菜を加えて田舎風にするのも良い。それには、野菜の皮を取り除いて裁断した後、電子レンジで3~4分ほど加熱する。野菜を加えることで、十分なボリュームに仕上がる。
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2014/04/15

亀山みそ焼きうどん

   B級グルメというのがある。その曖昧模糊とした言葉から来る印象は、ラーメン、うどん、お好み焼き、焼きそば、カレーライス、丼物、その他、ハンバーガーなどの軽食的要素に、さらに素早くできるメニューの中から美味しそうなものを、「食べ比べを楽しむ人達」のことである。 また、そのメニューそのものも「B級グルメ」と呼ばれることがある。B級とは、どことなく最上位より少し下がったランクという印象があり、そこには、格式やマナーより、実質的な美味しさとコスト対パフォーマンスを追求する気持ちが優先される。

  「B級グルメ」の範疇に入るメニューは幅広い。それらを一堂に集めて、その評者の投票によってグランプリ(最上位)を決めようとする動きも盛んに行われてきた。そこには、興味を持った少しだけうるさいファンが集まるので、提供する側は切磋琢磨し、独自の工夫を凝らして挑むことになる。その競争する心意気の下、限られた時間の中で新たな美味しさが創造されることになる。グランプリ開催は一種のイベントであり、そのB級グルメを通して、多くの人に町や地域を知ってもらうことにも繋げる、まさに地域の宣伝活動である。また、グランプリで上位を取れば、それを求て、遠い地から再び人がやってくる。地域に対して、それを開催する刺激が加わり、何度かその時間を掛けた過渡現象によって、最終的には町興しの一端を担うことになる。これも、マーケティングの基本セオリーといえる。

 本来は、その地元のお店で「B級グルメ」が提供されている筈である。したがって、訪れる人が、その町や地域の人たちと触れ合いながら味わう「B級グルメ」だからこそ価値があって「美味しさの背景や由来がわかる」というものだが、テレビのニュースで知った程度の情報で、さらに地理的に距離のある人達からすれば、ふーん、1度ぐらい食べてみたいとは思うが、北九州や三重まで行くのは無理だと諦めるわけで、駅弁のように、東京でも入手できれば、それも身近なものになる筈である。誰でも「B級グルメ」のグランプリという理由だけで興味が沸くとは限らないが、「B級グルメ」として出展したものの中には、いくつか興味のあるものが存在し、入手してみたいと思うものがあるかもしれない。

 たまたま、その中から「亀山みそ焼きうどん」を入手することができた。この商品を手に取った背景には、興味のあった「B級グルメ」であること、あのシャープの工場があった「亀山」であること、さらに、「みそ焼きうどん」という名称から受ける、少々甘辛な味噌が旨そう、と想像できたことである。そういう断片的な情報と感覚の寄せ集めと、想像可能な味の方向性から来る一種の期待感は、他の食材とは一線を画する優位性が見て取れる。「亀山みそ焼きうどん」の袋には、豚ばら肉とキャベツを別途用意するよう求めている。味噌と豚、キャベツとくると、ちょうど回鍋肉にうどんを加えたようなお味に思えるが、本品は少々甘みと辛味のバランスが異なり 「あれっ!と思うような意表を突かれるお味を」印象付け、どこか懐かしく美味しい風味に包まれる。うどん自体は、この地域の特徴なのか、あるいはパックによる限界なのか分からないが、少し柔らかすぎが残念。
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2014/04/11

タコ足のオリーブ漬け

  人には、それぞれ先入観を持った食材がある。海産物の中にもそれは存在し、その固まった先入観は、何十年経っても変わらず一生付きまといそうだ。中には、異様な形をしていて、無理に口にしたくは無いが、実際は意外に美味しいと感じる物も少なくない。古くから伝統的に、食べ継がれてきた食材にそのような物が多いが、それらをわざわざ用意しなくても生きていけるので、いずれその流れは終わるかもしれない。中でも、その代表格と言えるのがナマコだが、今では食べる人も少なく、大衆性は殆どない。それに対して、やはり、今後も食べ続けられるのはタコである。タコは、それ自体の味は希薄だが、その歯ごたえや食感を大切にする人にとっては、実は貴重な存在なのかもしれない。それを顕著に生かした食べ物が「タコ焼き」である。

  ソースの味にまみれた生地の中にプリッとしたタコがあり、そのプリプリ感は、幼い頃から食べ慣れた食感によって、無条件の美味しさとして受け入れられる。そこに、「タコ単独は滅多に食べないが、タコ焼きは好き」という人が多い理由と言える。そういう隠れた美味しさに、食材の面白さを感じることができないとすると、たとえば、タコをやわらかく仕上げるために使われる酢の味が先入観として残っていたり、あるいは、活きのよいタコの吸盤が口の中で吸いつくことによる、珍しさと気色の悪さを体験するなど、やや普通ではない楽しみ方もあるにはあるが、一般的な先入感としては、それ自体は「味気ない食材」にもかかわらず、どこの寿司屋にも必ず置いてある、めったに頼まないネタの1つという程度の印象である。

  そんな背景から、缶詰になっていると言われても、いきなり飛びつくような期待感は持てる訳はない。しかし、そのパッケージの美的感覚には、誰しも魅力を感じると思う。その缶詰の原産国でもあるスペインのお国柄かもしれないが、そこには、タコに対する食文化の水準の高さまでも滲ませる。さらにその食材に対する思い入れが、そのデザインに活かされていると感じられる。スペインでそれほど大切に扱われるなら、そこに伝統的で美味しい味付けがあるかもしれないし、骨まで?食べれるかもしれないし、多少期待してよいと思うのである。それにしても、スペインでもタコを最初に食べた人は偉いかもしれない。

  どのような先入観でも、いずれ払拭される時がくるとよい。まさか、あの「プリプリ感」のある食感を、ことごとく忘れさす缶詰だとは想定していなかった。缶詰という性質上、理屈では納得できるのだが、これほど「柔らかく仕上がり、オリーブオイルとよく似合う」美味しさになっているとは思えなかった。それが正直な感想である。味付けに、おそらくタコの肝というか内臓の一部が溶け込んでいたり、海水程度の塩分濃度が加えられていることから、お酒のつまみとか、海鮮サラダの具や、パスタソースには良く似合うかもしれない。意外にこの缶詰が美味しいことを知って、タコに対する先入観は少し変わったものの、美味しくなった物はやっぱり高いという先入観はさらに充実したものになってしまった。
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2014/04/08

黄金柑

  何年か前、「せとか」という1個1,000円以上もする柑橘(温室栽培で高価)を紹介したことがある。年寄りが美味しい物を口にした時「咽の巣を落とす」という言葉を発することがある(関西地域だけかもしれない)が、まさに、その表現がピッタリの美味しさではなかっただろうか。温州みかんや伊予柑の出現以降、数十年来のことだが、その風味や美味しさに興奮してしまった。さらに、「せとか」の魅力は、皮が非常に薄く(1.5mm程)丸ごと楽しめるところだ。そんな完璧な柑橘に、興味を持った人は多かったようで、PDF写真を印刷して果物専門店を訪ねた人がいたほどだ。現在では、同じ品種がスーパーなどで一山いくら(4個480円程度)で売られている。専門筋によると、全く同じ品質や美味しさを誇るものとは言えないが、それでも市場では十分美味しいとの評価を得ているという。

  今日は、黄金柑(別名:ゴールデンオレンジ)という小さな柑橘を買ってきた。黄金柑の存在を知らなかったので、「小さくて珍しい」と思ったが、お店の人からは、押しつけがましい能書きや説明がなかったことから、知らないのは、どうも、私だけのようだった。周囲の空気を読み取りながら、珍しそうに覗き込んでいたので、代金支払い時に一言「食べるときは、種に気を付けて」と言われたぐらいである。昔、良く似た柑橘に黄蜜柑(きみかん)というのがあった。気管支を傷めやすかった幼いころに、よく口にした記憶があるが、このような風味ではなかった気がする。黄金柑は、温州みかんと柚子が自然交配して生まれた品種という説もあるようだが、日向夏のような風味もしている。直径50mm程の外形だから、丸ごと1個そのままいきたいが、外形は小さくても中の種が割と大きくて、丸ごと口にすると少々違和感を伴う。

  丸ごと良く洗って、半分に裁断して種を取り出してから戴くのが良い。小さいという理由だけで、そのまま全部戴ける訳ではなかった。しかし、「丸ごとに拘る」には柑橘類に共通する理由がある。それは、果肉の袋には食物繊維が多く、白いすじにはビタミンB、Cが豊富に含まれている。また外皮の部分は、それらが凝縮されていて、漢方薬などにも使われている。特に、2~3個で1日分のビタミンCとクエン酸を摂取できるので、特に寒暖の差が大きな、今頃の春先にかけては欠かせない果物といえる。濃縮されている風味の中にも、口の中では、みずみずしさが広がり密度の高い美味さが印象的だ。おまけに、外皮を剥く時の飛び散る薫りが素晴らしいので、この部分を少し別に採り、乾燥したら細かく裁断して即席蕎麦の薬味に使うことにした。とっても良い案配だ。黄金柑も他の柑橘と同じで、酸味の強いのがお好きな方は、クエン酸が強く残っている捥ぎたてすぐを、甘いのがお好きな方は、しばらくテーブルの上で薫りを楽しんでから、といった感じになるが、酸味が無くなると黄金柑の風味はまるっきり変わってしまうので、お店に並んで1週間ぐらいを目途にしたい。

 世の中、知らず知らずのうちに、美味しい柑橘の種類は増えているようで、その味のバランスも時代とともに広がりを見せながら種類は細分化され、お味は洗練されてきた。今、また、柑橘同士を掛け合わせた「新たな柑橘」も生まれているようで、黄金柑とそっくりの大きさなのに、 黄金柑と清見の交配種で「媛小春(ひめこはる)」というのもあるらしい。初めてだと黄金柑と区別はつかないという。残念ながら口にしたことはないが、それは、黄金柑より酸味が抑えられ、糖度14度と「せとか」に迫る美味しさだ。媛小春というぐらいうだから、今のところ「愛媛」県の特産で入手しにくいかもしれないが、早く市場に出回るいことを楽しみにしたい。今日の黄金柑(別名:ゴールデンオレンジ)はこちら 


2014/04/04

時代を追う4

  最近、あの南朝鮮の所業をまとめたムック本や週刊誌が空前のヒットを飛ばしている。まさにバカ売れ。有名な芸能人のスキャンダルを扱うより売れるという。同じテーマを扱った単行本の中には「呆韓論(ぼうかんろん)」という異色作もあって、それは20万部を越えたという。客観的な事実を並べて分かりやすく解説する。「ひえっ~と思う」いやらしい内容もあるが、南朝鮮の現実を顕にした論拠集として興味深い。しかし、その「呆韓論」を朝日新聞が批判している。いくら他社の出版物がバカ売れしているからと言って、それを批判するのは「恥ずかしい行為」といえる。思い出すに、話は少し戻るが、先の都知事選で、同社は田母神さんを応援する「貧しくて教養のない若者」が増えていると吹聴し、それを「最近、世の中は何かおかしい」とまで言い切っている。あの「自ら→いい人」に向かって、全く失礼な話を「でっち上げた」ものだ。応援する若者に対しても、余計なお世話である。人の「癇に障る」ことをすれば、いずれ嫌われる。

  朝日新聞は既に発行部数も年々下がり、TV CM を打つなどして喘いではいるが、これからも読者は減る一方だし、広告収入も減っている。結局、他を批判をするのは、収入の減り方が顕著で「自分たちの思うようにならない」という苦し紛れの反応に他ならない。経営が苦しくなればなるほど、社内に多くの問題が噴出し「隠れていた実像」が表面化する。そして、文字の並びに無理強いや歪曲、偏向が強められるようになる。本来マスコミは、「報道しない自由を駆使」して読者を誘導するものだが、最近、同社は特に自己顕示が強く、明らかな焦りが見受けられる。しかも、以前、こんな逸話が週刊誌を賑わせた。・・・電車の中で新聞を細かく折りたたんで読んでいたら、会社の先輩が途中で乗ってきた。しばらくして、先輩は小声で「おめえ、そんなだせえ新聞読んでんじゃねえよ!」と叱られた。何故かと聞いたら「女にもてなくなるぞ」とのことだった。・・・ ある時期から、それを嫌う女子が急激に増えたそうだ。

  何故か考えてみたが、ひょっとするときっかけは、あの本かと推察した。文庫本だけで390万部を突破し、映画でも若者から圧倒的な支持を得た「永遠の0」の中に思い当たる節がある。作者の百田尚樹さんは、登場人物「武田貴則」を通して言葉にしている。それを読んだ若者は、それって「どゆこと?」と疑問を持ち、自らWEBで次々と調べることになる。ある時は「田母神さんのブログ」へ寄ったかもしれないし、「日本文化チャンネル桜」を覗いたかも知れない。また、「青山繁晴さんの話」にも耳を傾けたかもしれない。そうやって自らの疑問に答えを導き出したのではないだろうか。それが、主人公の姉である佐伯慶子の選択に共感した背景になったと思われるのである。そして、それらの調査によって、歴史が引きずる様々な不条理を知ることになる。読者から「お金を貰っておきながら事実を偏向するマスコミ」が多いことも認識できた筈だ。これは丁度、歴史ある米屋で毒の含まれるお米を買っているのに似ている。将来、体が痺れて動けなくなっても、そのお米が原因だと思わない。始末が悪いのは、有名なお店だというだけで信頼しているところだ。

  そういえば、「従軍慰安婦の軍関与」の問題も「朝日新聞と社民党の党首(当時)」による捏造から始まった。既に海外で仕事をしている若者にとって、これこそ「永遠に続く営業妨害」といえる。政府はとんでもない談話を出してくれたと怒っている筈だ。しかも、我々は反論が出来るほど「我が国や周辺諸国の近代史」を教わっていない。年号と見出しは覚えたが、内容は詳しく知らないとういうのが実情だ。「歴史の事実こそ検証と教育への適用が必要」な筈だ。生まれるずっと以前のことでは、認識しがたい様々な実情が潜んでいる。特に、「当時の貧しさ」を実感できないことは事実確認を遠ざけている要因の1つと考えられる。したがって、「軍の関与という権力による構図」にすり替えたほうが都合がよかったと考えられる。そして、やはり、捏造であることを裏付ける証拠が出てきたのである(補足:1を必ず参照のこと。ずいぶん引っ張ったが、今日のポイントはここ)。

  この様な問題以外にも、我々の世代は、それでも父や母、あるいは祖母から何かにつけて事実を聞かされてきたが、学校では教科書を始め、GHQの理不尽な「言論や思想の弾圧」、また教師達の見識不足もあって、中立的な立場で歴史的事実を学ぶことは出来ていない。我々より若い人はなおさらだ。だから、益々怒りが増してくるのである。ただ、ずっと無関心でいたことに反省する余地は大いにある筈で、それは、どの世代でも平等である。今からでも知識欠如の穴を埋める努力は続けていきたい。今日は、妙なタイトルの本を買ってきた。しかし、内容はいたって普通。日本の近代史の「代表となるテーマ」を並べた本である。さらに、参考文献が詳細に記されているので、調べたいことはいくらでも掘り下げられそうだ。内容はもちろん面白いし、とにかくテーマが多いのが魅力。
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補足:1 テキサスの親父は、従軍慰安婦は軍による強制(性奴隷)ではなく、「商売であった」という米軍報告書を国立公文書館から取り寄せて、分かりやすく解説してくれている。
     http://www.youtube.com/watch?v=ggQaYD37Jm4

補足:2 YOU TUBE 上に [ 韓国人慰安婦問題 ~信憑性に欠ける元「慰安婦」の証言 ] というのもある。
     https://www.youtube.com/watch?v=9UDKrUVEeww

2014/04/01

冷凍食材・食品2

   この商品の潜在的なマーケットは、まさに私自身を含めた中高年のおっさんではないだろうか。このような商品が冷凍食品で登場するとは、全く持って思いの及ぶことではなかった。だから「素晴らしい商品を開発してくれた」と、その味も確かめず、最初はやや盲目的に絶賛したのである。魚を「毟しっ」て(=身などをほぐして)という表現が日本語として適当かどうか分からない(俗語の可能性あり)が、鯵を「毟しっ」た身がたっぷり入っていて、一緒に野沢菜とにんじんを細かく刻んである。そんな、冷凍の「お魚ご飯」が登場し、食べたいときに、すぐに戴ける環境が整ったのである。確かに、昔はこのような混ぜご飯は、お昼の軽食としていくつも種類が作られていた。

  この焼き魚の旨味と、それを引き立てる野沢菜の発酵した旨味が微妙に重なり、組み合わせる食材としては大変優れている。それも、食べる時には全く手間は掛からないが、提供する側としては、単に手間が掛かるという上っ面では表現しきれない、まさに「愛情を注ぎ込んだ」と思えるほどのきめ細かさが要求されるが、今や家庭で作られることは殆どない。まれに、鮭のフレークを使って作るケースはあるかもしれないが、鯵を使われることはない。それは、「お魚ご飯」を一般的な手順で考えると、1.鯵を包丁で裁き、2.鱗を取り除き、3.焼いて、それから 4.箸を使って身をほぐす、という手順になるが、この商品には、更にもう1つ、「鯵は骨まで食べられる加工をしております」という記述もある。それこそ、家庭では真似の出来ない処理と言えそうだ。

  実際に商品を口にしてみると、おっと、「かなり塩っぱい」ぞって思った。塩分の多い食事は、体によくないと控えている年配の人には、残念ながらお勧めできそうにないが、「ご飯のおかず?」になら食べられるかもしれない。発売当初はそんな感じであった。折角、優れた企画の商品なのだが、これでは勧めようがないと考え込んでしまった。包装プラを隅々まで読みあさった。そこには、用途として「おにぎり」、「お茶漬け」にもどうぞ、と書いてある。この2つは、確かに多少「塩っぱ」くても、食欲をそそる感じで良いかもしれない。原材料として塩分の多いものを探し出してみると、鯵、野沢菜漬け、しょうゆ、さば削り節、食塩、魚醤等があげられる。これらを見る限り、完成した商品としては、まだ塩分を下げる余地は残されていそうだ。そこで半年ほど様子を眺めることにしたのである。

  消費者の反響が「塩っぱい」という人が多ければ、塩分を控えるに違いないと思ったからである。それでも、現状で手軽に塩分を下げる方法としては、新たなご飯を加え、フライパンで混ぜ合わせながら本品を解凍することで可能になる。実際に試してみた結果だと、「冷凍のあじと野沢菜ご飯430g」に対して「150g程度つまり3割程度を白ご飯」を加えて作り変えると、かなり良い線まで改善ができることが分かった。一方、発売当初は、期待に胸を膨らませ、わくわくしたが、このように「塩っぱい」商品だったことで随分の時間を様子見に使うことになってしまった。発売当初からすると大方1年ほど待ったと思う。実は、4ヶ月に1度チェックはしてきた。今こそ、塩分が控えられたいい感じの商品になっているが、まだ、もう少し下がればいいと思っていたので、後回しになってしまったが、人それぞれ塩分の好みはあるとして、このくらい、「魚を毟しった身がたっぷり入っていて、鯵は骨まで食べられる加工がなされていること」には好感がもてる。子供たちも、骨があっても美味しくいただける筈である。子供たちが、この「冷凍のお魚ご飯」の美味しさを知れば、きっと将来魚好きになるだろう。
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補足:発売から4ヶ月おきに食べてきたが、直近の商品の塩分はかなり減っている。