2012/12/31

謹賀新年

  毎年毎年、年末年始をせわしなく過ごす人は多いはずだ。確かに、田舎へ帰省していた若かりし頃は、切羽詰まった仕事を年内に片付けなければならないとか、往復の切符の手配やら、親戚縁者へのお土産げやら、体だけ動かすってわけにもいかず、色々面倒で仕方なかった。しかし、今は、その様な時期があったことを懐かしく思い出す。帰省しても、もう、父もいないし、正月料理を作ってくれる母もいない。幾つになっても、人は親元へ帰る気持ちだけは残っているのだろう。確かに、墓参りもしなければならないし・・・、今時、新幹線をみるだけでそんな気持ちが蘇ってくる。

  またまた、「何か食べたいものがあれば送るけど、でも今日、牡蠣が行くよ!」って、一昨日大量の牡蠣が送られてきた。我が家は満席でも2名なので、そんなに一度に大量は食べられない。だから牡蠣飯にして、コツコツ食べることにした。そういえば、わざわざ牡蠣の美味しい2月頃にも帰省して、腹が割れるほど食べた記憶もある。そうやって、新年を迎えた実感を得ていたのかもしれない。「何か食べたいもの?・・・」 うーむ、と思い出したのが、幼い頃(半世紀ほど前)、母の実家でよく食べた雑煮である。広島県の福山の方では、お雑煮の上に「ブリの照焼き」をのせる習慣がある。「とりたててそんな食べ方をする必要はない」と思われるかもしれないが、ブリの旨みが徐々に雑煮の出汁に溶け出し、雑煮が美味しくなるのである。

    それだけの事なので、どうのこうのと屁理屈をこねまわすつもりもないが、ブリの照焼きを作るには、一般的に七輪を使う。炭の赤外線を使ってブリの内部まで火を通し脂を落とす。しかし、ブリから出た脂が燃え、大量の煙が台所に充満して往生する。一方のフライパンで作るには、ブリから出る脂を丁寧にペーパータオルなどで取り除きながら作業を進めていく必要がある。まず、最初は、強い火力で焦げ目を付けて焼く。気をつけながらひっくり返す。次に、火力を小さくして内部にじっくり火を通し、常に脂を取り除く。その時、タレには浸し煮つめて濃くなるようフライパンに放置するだけでもよい。火から降ろして温度が下がるときにタレが浸透する。火力をしばしば適正に管理することで脂の少ない仕上がりが可能になる。


  お餅は、杵つきの滑らかな舌触りが得られ、コシと粘りが昔ながらの「南魚沼産のこがねもち」を用意した。出汁は、先週紹介した「ほめられ香りだし」に日本酒と創味のつゆを加えた。後は彩りに蒲鉾、人参、椎茸、ほうれん草などを載せただけである。手前味噌になるが、材料もそこそこなので美味しい。手前味噌で思い出したが、鳥取で味噌ベースの松葉ガニにもちを入れた雑煮があった。それもなかなか美味しいので、簡単に渡り蟹で代用してみたい。これも、蟹の表面をよく荒い、一度沸騰したお湯を通して、くさみを十分洗い流してから使うのがポイントで、蟹の味が強すぎると返って美味しくない。雑煮の下に敷く円形の大根も一緒に火を通したい。こちらも簡単な割には美味しいのでお勧めできる。


  ついでに、箸やすめに「かぶの漬けもの」でも用意したい。さて、それぞれの食材は手近な物で、作り方も気まま勝手にやっているので、もはや昔に食べたものとは違うが、何故か「やった」と想う満足感がひとしおで、気分的に嬉しい一杯になった。

  今日のPDFは、初詣へ行くまでの間の雰囲気作りに、深大寺の元三大師堂の正面を選んでみた。
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2012/12/28

昭和の流行歌10

  昭和の時代は、活気があってよかったという人は少なくない。この活気を背後から支えたもの1つに流行歌がある。音楽は人の気持ちを楽しくし、歌はストレスを発散し人を元気にする。そんな背景からなのだろう、最近、再び「昭和の歌謡曲を特集する番組」が増えた。何せ、30~40年くらい昔の曲ばかりなので、番組では3種類の再現方法が使われる。1つは、保存されているビデオテープから再編集したもの、2つめは、ご本人が登場して当時流行った曲を聴かせる、そして、3つめは、別の人が番組中だけで古い曲をカバーするというものである。いずれも、かつての流行歌を耳にしながら、ほのぼのと青春を思い出すこともあるし、元気が漲ってくるという人も少なくない筈だ。

  実際、ご本人が声をからして当時の曲を歌うとか、別の人が流行した曲を歌うというのは、当時を鮮明に思い出すにはやや不向きなことが多い。今1つ、あのような歌い方ではなかったし、よく聞こえないフレーズがあったとか、逆にフラストレーションが溜って、どうしてもオリジナルを聴き直しておきたいと思うこともあるようだ。一方、そういう直接的な刺激とはまるで逆になるが、時折、お昼休みなどに、遠くにあるラジオのスピーカから聴こえてきた当時の曲に、懐かしさがこみ上げてきたと言う人も少なくない。ラジオ番組でも「当時の曲のリクエストが絶えない理由」がそんなところにもあるのだろう。何度も当時「その曲を聴いて気持ちを癒した」人達にとって、オリジナルが一番その頃を思い出すようだ。

  昨年は、山口百恵さんのヒット曲のシングル盤のジャケット写真をまとめた。シングルジャケットの懐かしさは、それを見ながら何度も聴いたという人には懐かしいに違いない。人それぞれ、少し違った想い出もあると思うが、今日は、その第2弾として中森明菜さんのシングルジャケットをまとめてみた。おおよそヒット曲は15程度と思われるが、間違っていたら「ごめんなさい」である。レコード大賞を2回も受賞し、歌は大変上手である。もちろん曖昧な音もない。歌手だから歌が上手なのは至極当然だが、当時は、「音が外れる人が多かった」ので、今でもちゃんと区別しておきたい。加えて、その頃のどのアイドル歌手より映像美術的感性に優れていたと思う。

  そのセンスとは、曲1つ1つに、自分が拘って曲に合わせた衣装デザインや振り付け、メイキングに介入し、曲に合わせたイメージを高い次元で作り上げていた点である。その、優れた映像美をブラウン管を通して視聴者に訴えてきた感性は、最初から他のアイドル女性歌手とは一線を画していたと思える。歌手だから、与えられた歌をそこそこ上手に歌えば良い、あとはスタッフが、曲に合わせて様々に手を変え品を変えてコーディネートしてくれる、そういう忙しないアイドル量産時代であったのも事実である。最近でも、自分の好きなようにやって「個性を出している」ケースが見受けられるが、「センスの悪さ」が目立ってしまうことが多い。そう考えると、無難かもしれないが専門のスタッフの指導の方が良い場合が多い。やはり、難しいことなのである。中森明菜さんは、そんな美学を備えた良い印象の残る歌手であった(過去形で済ませたくはないが)と思う。しかし、15枚のシングルジャケットには、そういう拘りはなさそうである。
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2012/12/25

ほめられ香りだし

  前の日から、鍋に水を入れ、いりこ、昆布、乾燥椎茸を加えてそのまま放置する。朝が来る7~8時間後じっくり溶け出した出汁に、さらに削り節を加えて煮出す。その出汁を、お雑煮、お吸い物、味噌汁、うどんやそばのつゆなどのベースに使う。誰しも、このような母の姿を幼い時から観てきた筈である。地域によって多少材料が異なっても、この姿が、日本の家庭料理の基本の型なのである。出汁作りは、素材が良ければ最終的な料理が「間違いなく美味しくなる」。それを我々は忘れかけている。それは、家族が少ないことや、このような出汁作りが、普遍かつ計画的で手間がかかりすぎるし、コストも割高になる。「拘りの蕎麦屋」でも開店するならいざ知らず、即席の顆粒などで十分美味しいと考えらているからである。

  美味しい素材と、手間と時間の掛かる出汁作りを珈琲に例えるなら「水出し珈琲」に相当する。一方、即席顆粒の出汁を例えるなら「即席珈琲」といったところ。この違いは、歴然としたものがある。さすがに即席出汁は、一度顆粒になるため薫りが激減し、味を濃く仕上げる傾向になり、しいては塩分が強くなる傾向がある。できれば、逆の「味は薄いが薫りが高い」状態が健康にも良いし、それに美味しさを感じて、次々と口へ運びたい動機が満ちてくるのがよい。お味噌汁に例えるなら、この味噌汁と御飯があれば、もう十分満足と言えるような「高級和食店のお味」といったところである。それが当たり前であった昔を思い返すと、現代なら、もっと「美味しいお出汁が簡単に採れるようになってもいい」と思っている人は少なくない。特に昔から拘ってきた奥様方が強く希望してきた。

  今日紹介するのは、そういった人達から推奨されそうなネーミングの「ほめられ香りだし」という商品である。これは、鹿児島の鰹節会社の商品で、薫り高く美味しい出汁が簡単に採れる。これを使い始めると、もう以前の即席には戻れない代物である。それは、はるかに「美味しいし、簡単」だからである。このような形態の商品は、特に珍しいわけでもないが、原材料や鰹節の品質の違いによって、再現される薫りも違うし、美味しさが違ってくる。今回比較として、豆腐とネギと味噌を用意し、「ほめられ香りだし」と「千代の一番」とを全く同じ作り方で比較してみた。「ほめられ香りだし」は、「ああ、これはいい」とにかく「美味しいわ」といった、わかりやすい旨味と美味しさが再現される。一方の「千代の一番」は、昔ながらの美味しさと上品さが引き出せる。恐らく、ブラインドテストをしたら、10人中7人までが「ほめられ香りだし」に軍配を上げるに違いない。

  チャックつきの袋の中に抽出用の10包が入っている。その包には細かい素材が10gほど入っていて、おおよそ500gの沸騰したお湯に2~3分煮出して使用する。これには「焼きあご」が含まれていて、格別な柔らかい旨味と薫りが楽しめる。これが美味しさの大きな決め手になっていると思われる。この包の素材でもある魚の小片は、出汁として抽出するだけではなく、そのまま他の調理の隠し味としても利用する事が出来そうだ。このような出汁をティーパック形式で素早く抽出する自然素材は、高級日本料理店などに古くから存在していたが、業務用として大量仕様がほとんどであった。家庭用に使われるようになったのは、小口仕様で調味料を加えた完全製品で手間が無く、価格も大幅に下がってきたためで、今回の商品は、500gの出汁の制作に40~50円程度なので、かなり無理の無い価格である。是非、年越し蕎麦やお正月用のお雑煮、煮物等に使いたい。
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補足1:「あご」とは、飛魚(トビウオ科の魚の総称)は、日本近海、瀬戸内海などで見られる。飛魚は、水上艇のように胸ヒレを広げて水上を滑空する。飛魚は美味しい魚としても有名で、よく刺身などでも食べられている。

補足2:「千代の一番」を紹介したPDFページ(再掲)。
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2012/12/21

100円ショップDAISO

   今、主婦や子供の出入りが最も多く、繁盛しているお店といえば100円ショップである。かつては、徹底した合理性とコストダウンのみを追求した商品ばかりで、安物を並べたと言う雰囲気で溢れていたが、今や100円ショップならではのマーケティングで独自性の高い商品を取り揃え、激しい戦いを繰り広げている。商品は、国内で企画・検討され、中国をはじめとする東南アジアで製造されている。もちろん通常の流通機構を経由するわけではない。全ての商品は、本社から直接系列店に搬入される。取扱商品は次から次へと拡大し、寝具、衣料、薬、以外ならおおよそ生活が出来るくらい商品が揃えられる。

 世の中はデフレが進む一方である。このデフレが「100円ショップの増加」を加速していると言っても過言ではない。100円ショップの勢力拡大は、隠れていた商品本来のグローバルな価値を露呈していると言える。この価値観が定着することで、他への波及も更に進むに違いない。バブルの前に青春時代を過ごして来た世代は、昔に戻るだけという気分かもしれないが、彼らは、質素倹約を旨とする堅牢な精神を持ち合わせている。その賢い目利きは、商品の品質、価格、使い易さ、無駄等のバランス感覚を体内に備えていて、今、その価値観に耐えうる商品を「100円ショップ」に見出そうとしているし、100円ショップ側は、その様な厳しい要求までも取り込み始めている。

 お店に並んでいる商品を眺めてみると、あくまで「自分にとって」という条件付きだが、この商品が100円なら、こちらは200円しても仕方ないと思われる商品もある。これが、100円ショップの泣き所というか、面白いところなのである。また、うーむ、これも100円か?と、少し前なら、一流メーカーが数百円で販売していた商品の類似品であったり、「この手の商品は、かつて秋葉原にでもありそうだな.」と思う様な超小型の音響商品まで、自分の経験や知識を再認識させられ、価値観を問われる。そして、楽しい思いが出来る場所でもある。それも、お店によって少し商品のデザインが違っていたり、あるいは、全くその店にしかないオリジナルであったりと、幾つかのお店を回ると、100円ショップならではの価値の違う商品が見つかるような気がしてくる。

 今日は、DAISOで手に入れた商品をいくつか並べてみた。ありきたりのものばかりだが、写真の商品は占めて735円である。中でも、ステンレスのトレーの左端に転がっている黒い長い棒のような品物は、鋭い先端を庭の土に埋め込んだり、ベランダに固定しておくと、昼間は太陽光が上部のソーラーパネルにあたって発電し、バッテリーに充電する。夜になると、LEDが点灯して、ほのかな照明になるというもの。フル充電で約5時間点灯する。電池寿命は500回と書いてある。そのまま固定しておけば半年程使えるという計算である。明るさが足りなければ、数を増やせばよい。これも1個100円で楽しめる。どういうわけか、飛ぶように売れているという。そんな商品にちょっとした面白さと、やや強引に実用性を考える人が他にもたくさんいるようだ。
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2012/12/18

きつね蕎麦 どん兵衛

   今頃になると、「今度、蕎麦でも食べに行かないか」と誘われることがある。「そうね、近いうちに」と答えるのはいいが、相手がどのような蕎麦好きなのか、分からないで困ることもある。その手の蕎麦好きは、蕎麦を食べながら、作法だとか、由来だとか、意外にうるさいことを話すことがあるので、少々敬遠しがちである。好きなものぐらい自由にお店を選んで、時には、むかし通ったお店などを覗きたくなったり、空いた時間に一人で気楽に楽しみたいものだ。しかし、気心知れた蕎麦好き同士で行くなら、話はまるっきり違ってくる。お店に入っただけで少々興奮気味で、今日は、何にしようか、そんなお品書きを見ながら迷うこと自体が楽しくなるのである。

    本当の蕎麦好きは、意外に蕎麦の許容範囲は広い。私の友人も、近所の蕎麦屋で「ざる」をよく食べる。笊の上に蕎麦がくっついてゴムの山ようになっていても、器用にほぐしながら食べる。また、深大寺の粗挽き蕎麦も首を傾げながら「旨いな」と感心しながら食べる。その姿は、蕎麦を本当に愛していると思える。そういう彼とは、恐らく何処のお店へ一緒に出掛けても、それなりに満足してくれる筈だ。もちろん、老舗の蕎麦屋の話になると身を乗り出して、日本橋の室町砂場とか、神田のまつやの話をする。

 そんな彼が「これは結構旨い」と教えてくれたのが、日清食品の「どん兵衛のきつね」である。一見、老舗の蕎麦屋とは別世界のように思われがちだが、すぐ蕎麦を食べたくなった時、遠くの店まで出かけたくなっても、今時は、お店が混んでいて落ち着かないし、それを考えると億劫だったりする。一方、即席はすぐに飽きがくることである。なので、最近は、即席蕎麦を美味しくいただく方法を密かに研究しているらしい。ただ、蕎麦で一番重要なのは、やはり「つゆ」で、その美味しさが決め手である。蕎麦つゆが美味しくなければ、いくら喉越しの良い蕎麦でも、好きになれないようだ。最近醤油メーカーの市販の「つゆのもと」商品が大変美味しくなったので、つゆだけ、それらの商品を使って自作することも多いという。

 話を聞いているうちに、我々の年代ならではの拘った食べ方とも言うべき作法があるようだ。しかし、麺は変えようがないし、お揚げは最大の魅力でもある。それをどうするんだろうと思ったが、そこで、残された出汁と薬味に関して、幾つか選択肢を用意することのようだ。1つは、出汁を別途用意する、「煮立ったお湯に、花かつおを投入して薫りを取り、創味のつゆを加えて出汁にする、あるいは甘みを加えたいときは、ぶっかけつゆ(讃岐のうどん用)を使う」。2つ目は、薬味にわけぎを投入して生々しさを出す。3つ目は、一味や七味に代わって山椒や山葵を使いこなす・・・というものらしい。いずれにしても、「蕎麦をじっくり楽しみたい」という気持ちが根底に流れているようだ。ちょっとしたことだが、幾つになっても、真面目に蕎麦を楽しんでいる姿は、親しみがわくのである。

2012/12/14

クリスマスの楽しみ

   もう、今更「クリスマスプレゼント」が欲しいと言える歳ではないが、この時期、街中を歩いていると、「おっと、いいなあ~」と、手に取ってみたくなる物を見つけることがある。特に、ブリキで作られた舶来のおもちゃを目にすると、近づいてしゃがみ込んででも、それをまじかに観察してしまう。それは、ずっとずっと幼い昔に引き戻されるような感覚になるからである。ブリキのおもちゃは、後に登場したプラスティックとは大きく異なる質感を備えていて、直線的な鋭い光沢感に満ちている。なのにエッジは丸く加工してある。なんて素晴らしいことなのだろう。そして、そこに描かれた絵柄の精度も高い。その絵柄の先鋭度や鮮明さが好きなのである。今でも、ブリキにしかできないものは多い。

 今日は、そんな気になったクリスマスグッズをいくつか買ってきた。本来なら、ブリキの汽車だけでよかったのだけれど、他のお客さんもカゴいっぱい商品を載せていたので、ちょっと体裁が悪いと思って、あえて気になった商品を追加してレジへ並んだのである。やはり、雑貨とか舶来お菓子を販売しているショップだと、ちょっと欲しい物があっても、「客層が違うな、俺も場違いか?」とか思ってしまい、買いにくいこともあるし、長蛇の列に並ぶのも面倒になってしまうことがある。やっとの思いで会計を済ませた後は、木枯らしの吹く路上を通り、知らず知らずのうちにショップの喧騒を忘れて地下へさがり電車に乗り込む。すると、どうやらやれやれと疲れが出て、車内の温かさに力が抜けていきそうだった。

 向い側の、赤い長靴を持って楽しそうにしている子供たちを見ると、そんなもので喜んでくれるうちが可愛いよなと思うのである。もう少し大きくなったら、次は学校で流行っているテレビゲームが欲しいと言うに決まってるし、そうなると勉強そっちのけで、そればっかりやるんだろうなあ。そんなことに思いめぐらしていると、眠くなってきて「うとうと」してしまった。ドアが閉まりかけ、小学4年生ぐらいの子供たち3人組が、ガタガタと走り込んできた。彼らは、息を切らしながらドアの方を向いたまま話を始めた。お前、サンタに何が欲しいと書いたんだ?「僕は、LTEと書いたよ」。「僕もだよ、今のは遅いからね」。そうか、でも少し高いじゃねえ?「君は?」俺は、小型高性能の太陽光パネルって書いておいたよ。母さんに蓄めた電気を売ろうと思って。「ふーん!売れるの?」うん、母さんは「使えない電気カイトルビアーン」と言ってたよ。

 そんなひそひそ話のような会話が聞こえきて、全く面白い奴らだと思って、目が覚めてしまった。素直に「君は偉いね」と誉めてあげたいくらいだった。さすが社会事情に敏感なようだ。これなら日本の将来も案外捨てたものではない。今の子供達は、「いじめと闘い」ながらも、勉強して、それなりの「成果を出し」ながら、「将来のこと」を考え、さらに「家計や電気のこと」まで気にしながら学校へ通っているのだ。つまり、全方位であらゆる課題に正面から取り組んでいるのである。ひょっとしたら、お父さんよりしっかりした子供に育っているのではないだろうか。それに気がつくと、全く自分の認識が甘かったことを思い知らされたようだった。そんな子供たちは、日本の将来をどのように考えているのだろうか、ぜひ話を聞いてみたいものである。

  ・・・と、思いを巡らしながら買ってきた物を並べた。やっぱり、自分の性格と言うべきか、一種の甘さが買い物にも反映しているのかもしれない。
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補足:2年前(2010年)に同じようなGoodsを紹介しているが(下記アドレス)、その時、木製だったカレンダー(結構なお値段)が今年は見当たらなかった。それで、今年は198円の厚紙でできたカレンダーを買ってきた。それでも、中にチョコレートが入っている。
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2012/12/11

かるかんと春駒

  今まで食べたこと無いお菓子でも、おっつ、美味しい。しかも、何故かどこからともなく懐かしさが込み上げてくることがある。改めて振り返って考えても、食べた記憶はないのだが、と思いつつ、つい、自然に「美味しい・・すね」って、先輩のお土産に舌鼓を打っていた。そんな空気感とは裏腹に、みんなに配られた白い「軽羹」は、机の上に置かれたままだった。世代の違いと言うべきか、あるいは、甘い物は体に良くないと思っているのか、お菓子のお土産は難しい側面を覘かせる。それにしても、お土産を配られて、すぐに反応しないのは失礼である。


 たった、「美味しい・・すね」と、そんな一言を覚えておいてくれたのか、あるいは、何かのついでか、あるいは他に選択肢がなかったのか、ま、いずれでも構わないが、あの白い「軽羹」が、先輩から届いた。「うれしい、とにかく気持ちが嬉しい」。もうすぐ健康診断という事もあり、甘い物を控えていたところなので、益々「美味しく感じる」。口にすると、何となく、遠いすぎ去った甘さにつつまれ、こういうのって、この歳じゃないと分からないかもな・・・・なんて、大人になってよかったと思う一瞬であった。

 さて、箱の中は、四角い「軽羹」、丸い「こし餡の入った軽羹」、そして「春駒」の3種類の詰め合わせである。それぞれの由来を書いた和紙の間から「美味しいしおり」という1枚が出て来た。裏返すと、「かるかんは、生菓子でございます。開封後は目安として翌日までにお召し上がりください」と書かれていた。そ、そ、そうか、それって無理でしょと呟きながら、いくら好きだからと言って、ゆっくり時間を掛けて食べてはいけないようだ。それで、軽羹はご丁寧に二重包装になっているのか。日が経てば電子レンジで15~20秒(500W)、蒸し器で1~2分程度、オーブントースターで3~5分と、少し焦げ目がつく程度が美味しいと書かれていた。

 軽羹の原材料は、砂糖、米粉、山芋である。この原材料が、時間と共にじわじわと固くなってしまう。素朴で美味しく、日持ちしない和菓子にはこういう理由があったのである。しかし、それで、再び温めると一層美味しくなる理由も然りである。だからこそ、食べた経験のあるような気がするのかもしれない。調子に乗って食べ過ぎると、後でドスンとお腹に響く。これも米粉、山芋の仕業である。春駒は、気持ちがよいくらい、さらにドスンと来る、「うーわ」。もう夕食は要らないって感じなのである。急いで食べるより、色々二次加工をして試してみたい。
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2012/12/07

野川を散策する

   調布を横断するように流れる野川の護岸工事が始まった。この川の周囲がにわかに脚光を浴びているからだ。野鳥や鯉、鮒などを川岸まじかで見れる様に、河川敷そのものの整備とそこへ降りるような階段をいくつか用意しようとしている。しかし、それだけに留まらない。犬の散歩のような、い出立ちでワンちゃんを抱いた奥様方が立ち話をしていたり、何処からともなく集まって、川沿いの公園のテーブルを囲み、夕方まで井戸端会議を楽しむお婆ちゃん集団。何かしら、みんな怪しい面持ちで、はっきり言葉にしていないが色々御不満を抱えているようだ。ワンちゃんからも、もっと気楽に河川敷を走り回りたいと言う希望があったようだ。


  あと2ヶ月で60歳だと言うのに、いまだに突如襲う五十肩の傷みで苦しんでいる。一体どうなってるんだと、右肩を回しながら野川沿いを歩き始める。川の両脇は遊歩道兼サイクリングロードになっていて、様々な世代の人たちがウォーキングやスロージョギングで行きかう。近くに小学校もあるので、子供たちの通学路になっているし、電動椅子に乗った人達も見えるのに、自転車がスピードを出すので危険を感じることが多い。一方、長時間ウォーキングで困るのが休憩場所やトイレだが、川沿いに設けられた小公園にいくつか設置されているので心配は無い。これは、多摩川の土手の遊歩道より安心である。だから、ここはウォーキングにかなりお薦めできる。


     野川に生息する野鳥は、カワセミ、ヒヨドリ、ムクドリ、ツグミ、ダイサギ、マガモ、ハクセキレイ、コサギ、スズメ、メジロ、ユリカモメ、コガモ、カルガモなど種類も多い。群れになって集まる場所が決まっていて、集まれば、くちばしを向い合せにして仲良くするし、飛び立つときは一斉にと、秩序が保たれているように思える。人が集まるより、マナーの良さを感じるのは、どういう訳だろうか。そんな不思議発見に魅かれ、シャッターを切る人も少なくない。何か動くものを見かけるとカメラを向け、タイミングを見てシャッターを切る、それとなくわかるような気がする。


   大きなレンズを川面に向けている人と遭遇する。「428ですか?」と声にしてみると、「54だよ」とすぐに返事が返ってきた。500mm F4 という意味らしい。ボディーの左側にある、これは何ですか?「ああ、これねサイドファインダー、本体のファインダーだと、鳥が飛び立つと視界から消えちゃうんだよ、これで追っかける。このあたりでは、みんなつけてるよ」。全く素人は困るな、と言いいたい口調だった。話しかけるのは、撮影の邪魔なので早々に離散したが、再び遭遇したら、もっと色々尋ねてみたい。


    喜多見にある小田急線の車両基地まで行こうと張り切って歩いていると、途中で再び大きな白いレンズ振り回す集団を見つけてしまった。やはり、なにやら専門的に野鳥を追いかけているようだ。川沿いで大きな声で話し合っている。撮影日和でもないのにどうしたことだろう、色々話を聞いてみたい。こんな重たいものを縦横無尽に振り回せる腕力は凄いと思うが、五十肩をどうやって乗り越えたのか。
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補足:五十肩とは、傷みで肩が上がらない状態。肩内部の炎症で、肩甲骨の筋肉と骨が擦れて筋肉が傷つく状態のこと。最初は結構な痛みがらあるらしい。しばらく放置すると傷みはなくなるが、肩が上がらないなど徐々に動きが硬くなってしまう。専門家によると、おしぎ体操でほぼ解消出来るという。これで改善されないのは五十肩ではないという。予防にはラジオ体操が良いらしい。

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2012/12/04

新宿 東天紅


   一口に中華と言っても様々だが、ちょっとお昼を食べに行きたい中華のお店は、高級すぎては困るが、少し高級でないといけない。この限定的な言い回しは、本質的に中華で苦労してきた証しでもある。餃子やチャーハンを連想させる学生街にあっては二の足を踏むし、銀座の一等地にあっても入りにくい。品川に勤めていたころは、3軒ほどあったホテル内にある中華店によく出かけた。それで痛感したことがある。中華には当たり外れは少ないと言われるが、意外にそうでもない。そして、必ずしも本格的な中華料理が美味しいとは限らない。

  どのような店舗も、お客を呼び寄せるにはその立地条件が大切である。しかし、その立地条件が多少悪くても、他店とは異なる日本人向けの工夫で「美味しいお品」が用意され、それなりの競合他店を意識した価格で提供されるならば、条件反射的に思い出して、「それを楽しみに想いながら」お店に通う事が出来る。しかも、それは、多くのメニューで実現されている必要はない。特別高級料理では困るが、幾つかの主力になるシェフの自信作だけでも良い。

  今日紹介したいのは、新宿センタービル53階にある「東天紅新宿店」である。ビジネスマンだと、お昼休みに、ビル街を歩き、横断歩道の信号を待ち、センタービルのエレベーターで53階、という距離は、時間的に覚悟の必要な距離といえる。なのに、お客が絶えないのは何故だろうか。お客を引っ張る魅力がたくさん用意されているからである。お昼のメニーは、宣伝効果が高いので、どのお店でも、それなりのお品が提供されている。高価な夜のメニューに比べると、多少材料に違いがあるにしても、小安いからと言って一切手を抜かず、お店のコンセプトを貫いている筈だ。ここの東天紅のそれは、定食メニューの「酢豚」にその工夫の一端を垣間見ることが出来る。

  酢豚とは、衣で覆われた豚肉と大ぶりの野菜を甘すっぱいあんにからめた定番料理である。一口で言ってしまえばそれだけである。一般的に家庭でもよく作られるので、様々に工夫があったとしても、それは限定的だと思っていた。しかし、東天紅の酢豚は、豚肉の衣が意外にも堅目で、その中は、熱々のジューシーなお肉が収まっている。この少し硬めの衣を砕いた時の食感は良質の肉汁が溢れ出て、その堅さと熱さの対比が「独特の美味しさ」に繋がっている。そして、隣にある野菜の柔らかさが抜群に心地良く、「うーむこれは凄い」と感心したのである。たったそれだけ?と言ってしまえばそれまでだが、この食感を知れば、人生がまた少し豊かになるし大変印象に残り、後を引く事請け合いである。だから、近くのビジネスマンは「それを楽しみに思いながら」通う事が出来るのであろう。
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2012/11/30

築地寿司店が監修した味噌汁

 平素から朝食は漠然と「コーヒーとパン」があればいいと思っているのだが、肌寒くなってくると、時たま・・・和風総本家のように「炊きたての御飯と美味しいみそ汁」っていいなあ~と思う時がある。そういう時は、何かしら思い出しているような、記憶を辿っている時なのかもしれない。何を隠そう、そのイメージは鮨屋の椀物にあった。お酒が呑める人は、もっぱらそれにマッチした刺身等をのせてもらいながら、徐々に悦に入ることが出来るのだが、呑めない人は「いささか珍しい椀物」を用意してもらうに限るのである。

  早くから目覚めた朝には、そういう特別に「美味しい椀物」を思い出すことがあるというわけである。だからと言って、珍しい椀物を思いついて、すぐに材料が用意できるわけではないので、即席があれば便利に違いないと思ったのだろう、マルコメがそんなニーズを先取りして用意してくれたのである。この「築地魚がし横町のお味噌汁」と言うフレーズが、仲買のプロを相手にした特別な美しさを暗示し、その「お店の監修」という表記が何処となく品質の高さを物語っているのである。


    たまにしか味噌汁を口にしない人には、これは便利で「とても美味しい商品」 と思うに違いない。また、自分で食材に拘って味噌汁を作る人にとっては、どってことない商品に見えるかもしれないが、口にしてみると分かるが、同じものをこの価格で作るのは無理である。そこが、鮨屋の名店の監修で、老舗の味噌メーカーであるマルコメが、合わせ味噌で提供しているという根拠なのである。そこにこそ職人の裏技が隠されていると思ってよい。上にある写真がその監修者である。なぜか自信に満ち溢れて「旨いぞ!」って感じである。

  やはり味噌汁は、ご飯の従属的なものとして、味噌汁の置き位置は決まっている。しかし、老舗味噌メーカーとしては、どうしても味噌汁を主役にしたかったのである。美味しい味噌汁なら、それだけで満足し、おまけにご飯が添え物のようにあればいい、そんな「飛び抜けた存在の味噌汁」に仕上げたいという気持ちが伝わってくる。鯛や蟹は、身がしっかりと再現され、まるでそこから溶け出した出汁のように、大脳がその旨味につい反応してしまう。しじみ汁は、今までの既成概念を超える出汁に濃厚な旨味を感じ、その味わいは驚くほど新鮮である。

  今日は、その老舗マルコメが満を持して発売した即席「かに汁、鯛汁、しじみ汁」の3種を紹介したい。ではこちら
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2012/11/27

アーモンドと小魚

  食品売り場に、山のように積んであるこの商品を見つけた時には、何か体に不足しているものが置いてあると直感した。「小魚だけでは一寸つまらないし、アーモンドだけでは体に強すぎる」 などと考えながら手にとって、198円? ならあのプレミアム・ヨーグルト1個分だから迷わず買いだ!という流れになったのである。原材料には、アーモンド、片口いわし、砂糖、醤油、ごま、トレハロース。商品は透明の容器に詰められ、中味が全て見える。蓋には商品名とイラストが描かれ、成分表が掲載されている。

  こういう商品を企画して世に問うという、正面から勝負する会社の姿勢は好感が持てる。まるで、「どっからでもかかってこい、中味は見ての通り自然の恵みを組合せただけ、これほどシンプルで子供のおやつから、酒の肴にぴったりで、体に良いものが他にあるか!」と訴えているようだ。口にすると予想通りの香ばしさが広がった。片口いわしは良く乾燥させ、醤油と砂糖で甘味が付けられている。このあたりは、好き嫌いが分かれるかもしれないが、そこに、裁断されたアーモンドが入ることで、片口いわし特有の魚臭さがなくなる。いくらでも食べられる感じで、「なかなか止まらない」気分が続くが、アーモンドが多く入っているので、食べ過ぎは禁物である。

  つい、ぼりぼり食べ続け、どこで作っているのかと容器の裏を覘く。株式会社 オカベ、愛媛県伊予市市場150番地とある。おー、瀬戸内海だと安心な気分にひたる。大地と海の恵みが仲良くパッケージの中に収まっていて、中高年の健康にもありがたく、魅力ある商品である。もちろん、ダイエットにも効果的である。同社では、同じコンセプトの自然の恵みを組み合わせた商品を幾つも用意していて、インターネットで注文も受けているようだ。透明な容器なので中味が全て見えて、それがまた素朴で好感のもてる商品ラインナップである。

  見た目は、それほど美味しそうに見えないかもしれないが、とにかく口の中で微妙な噛み心地と香ばしさで、美味しい。栄養成分は、PDFの方を参照されたい。飽きるまでしばらく続けて食べることになるかもしれないが、人の体は良くできていて、身体に不足している時はとても美味しく感じるし、十分足りていると逆に手が伸びなくなる。たくさん欲しいなと思ったとすれば、いくつか買っておくとよい。
ではこちら
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2012/11/23

ディスカバリー7

   人の記憶は、新たな記憶を追加してしまうと、古い記憶と新たな記憶を分離して管理することが難しい。簡単な例を挙げると、たとえば、今、作文を書いているとする。書きたいことから始める人もいれば、起承転結を考えて書く人、あるいは、構成を階層化して文章を設計して書く人など、様々だけれど、途中で「表現方法や言い回しを変更したい」と思って書きな直すこともある。この書き直した後に、いや、待てよ、よく読むと論理矛盾が発生してしまったとか、音の流れが前の方がスムーズだった、等の理由で、元へ戻そうとしても、まったく同じに元の状態へ戻せないことが多い。・・・・・そんなことは、海馬が破壊されつつある私だけの症状なのだろうか。

 もっと、切実な事もあった。たとえば古い記憶の中に、母方の田舎の「美しい風景の故郷」があった。おばあちゃんと一緒に西瓜を収穫したとか、桃の木の下のクワガタを採ったとか、鶏が放し飼いになっていたとか、様々に楽しい記憶と一緒になっていたが、30年後にそこへ寄ってみると、そこには、もう祖母もいないし、赤ん坊だった娘がおばはんの様になっていたりして、にわかに自分の古い記憶が遠ざかっていることに気づく。昔の何でも良い!面影が幾つか残っているのではないかと、様々に探すのだが、ほんのわずかしかそれを見出すことが出来ず、記憶が途切れ途切れになってしまいそうだった。そこで残念な面持ちで誰かに尋ねてみたくなる。ここには、「鯉のぎょうさんおった池がなかったかいね」・・・なんて。首をかしげながら「ふーん、そうかいね」と言う返事で終わってしまう。

 そして、東京へ戻ってきてから思い返すと、その「新たな風景」が古い楽しかった記憶に追加してしまい、つい最近まで「美しい風景の故郷」と思っていた風景そのものを、呼び出せなくなっていることに気付くのである。それらの記憶は、古い風景と新たな風景が交錯して、はっきり時代考証できなくなることもある。だから、懐かしいからといって「むやみに昔のその場に訪れてはならない」。できれば、1度も「美しい風景の故郷」へ訪れたりせず、その「記憶を大切」に思い出して哀愁に浸った方がよい。このように、記憶と言うのは、繰り返し思い出すことで鮮明に記憶に焼きつけることが出来るが、いとも簡単に破壊することも出来るのである。大切な思い出は、「想像力をたくましくして、今を直視しない方がよい」のである。

  文章を書くという論理的な思考でも、風景と言う画像認識でさえも、大脳は、どこか同じような振る舞いをしてしまう怖さを実感しているのである。


 幼いころから父の仕事の関係で、中国四国を転々としているので、時折、昔懐かしい場所に行ってみたくなることがある。実は、かつて何度かそんな場所を訪れてみたのだが、案の定、後々記憶の順序が新旧入り乱れて目茶苦茶になってしまったのである。そもそも、こんな話になったのも、先週、弟から、懐かしい写真が載っている本を見付けたといって、上の写真の本が送られてきた。琴平電鉄の車両がたくさん掲載されていて、そこに映しだされた背景や電車の姿を見て、色々昔を思い出したのだろう、私に、一緒に四国高松まで行かないかとの誘いであった。でも、経験上「行かないほうがよい」と説得しようと思っている。こればかりは、経験をしてみないと分からないのかもしれない。

  という事で、本の中に掲載されている「懐かしい写真」は残念ながら紹介できないので、私がかつて訪れた時に撮影した「高松築港と琴平電鉄の車両」の写真で、その代わりの記憶として保管しておきたい。
ではこちら
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補足1:琴電は今でも撮影できるが、連絡船は、瀬戸大橋が出来て以降、その使命を終えている。
このブログでも、よく昔の話を紹介するのに宇高連絡船と書いているのは、この船の事。甲板には、美味しい「うどん屋」があって楽しかった。

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2012/11/20

ダニサ・バタークッキー2

   今時の若者からすると、そんな話題はどうでもよいと思うが 「ダニサのバタークッキーを知っている?」と問いかけたり 逆に「それは美味しいよ」とこたえる年配の人は多い。そんな定説は中高年が独自に広げた口コミで、お安く売っていれば買い求め、半ば強制的に、「どうよ!美味しいでしょう」などと、甘いものにはとんと興味のない周囲の若者にまで押しつけて、美味しいクッキーという印象を、ほしいままに広げて来たのである。事実、昔はバタークッキーの種類は多かったし、ポピュラーなお菓子であった。それにしても 「その美味しいという感覚」は、世代の差を露骨に感じさせる。

 それは、一体どういう事なのだろうか。今から30~40年前は、街には演歌や歌謡曲が溢れ、喫茶店に入れば、ジャズが流れ、濃い珈琲と共に「だらだらと長い会話」を楽しみ、そして蒸気と混然一体になった煙草の煙の中で、奥の席まで霧がかかったような空気感を楽しむ人も多かった。そんな琥珀色の濃い珈琲には、ナッツなどの添え物が付くお店もあった。珈琲、周囲の時間、蒸気やナッツの油分まで、濃いのが好まれた時代である。そんな時代には、当然のごとくクッキーもバターやマーガリンを使うと、粉っぽさがなくなって、少々作りが粗っぽくても、滑らかな食感が魅力的に感じられたのである。

 今は何処へ行ってもアメリカンな珈琲ばかりになってしまった。珈琲は競争価格で小安くなっているにもかかわらず、ケーキやクッキーは、その2~3倍ものお値段がする。それが嫌なら、もう自宅で濃い珈琲を楽しむしかない。その、ちょっと口寂しい時に、このダニサのバタークッキーがあれば、かつてのあの時代を思い出しながら、心行くまで当時の演歌や歌謡曲を聴き、哀愁に浸って過ごすことが出来るというわけである。ほ、ほんまか?

 どのような時間の過ごし方であっても、年配の人々は、このダニサのバタークッキーを口にすることで、ある程度は気持ちが和む筈である。昔の仲間を呼び寄せ、腹が割れるほど好きなだけ食べて、「懐かしいね」と話しながら、楽しい時間を過ごすことが出来るからである。10箱購入しても1000円でお釣りがくると言う、もはや信じられない価格のクッキーである。今日も前回紹介した安い方のお店で、チョコカシューのバタークッキーをたくさん購入してきた。こちらの中身は、1種類のクッキーのみだけど、なかなか美味しくて食べごたえもある。
ではこちら
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2012/11/16

白クマ塩ラーメン

 いくら毎日美味しいパンを食べていても、時にはごはんも食べたくなる。同じように、麺が革命的に進化した最近のラーメンも、確かに美味しいには違いないが、やはり同じ味では「飽き」がくる筈だ。人は、飽きると別の選択肢を求めて次々と目線を広げていく。眼を皿のようにして新たな刺激を求めるが、特に、口コミ等で人気になった商品にも特別興味をそそり、試してみないと気が済まなくなる。今日紹介するこの「白くま塩ラーメン」は、札幌で製造されて、北海道の物産展などでは必ず売り切れてしまう商品である。パッケージは「白くまの顔」に似せてあり、そのデザインが北方感を漂わせ、おまけに可愛いく見えることもあって人気が出た。

  それでは、なぜ「白クマ塩ラーメン」なのだろうか、それには理由があった。白クマとは、絶滅危惧種に指定された「ホッキョクグマ」を指している。その絶滅危惧種の飼育と繁殖に1963年から努めている札幌市丸山動物園へ、このラーメンの売上金の一部が援助されているということのようだ。確かに、お値段(1袋148円)を聞いて、少々驚きを隠せないが、マツコデラックスさんが深夜のテレビ番組で大変美味しいと絶賛したこともあって、益々人気が高まったということのようだ。


   上の図は、パッケージの裏に記載されている調理方法だが、この作り方をそのまま実践したのでは、正しい評価に繋がらない可能性がある。そこで、初めて口にする人に、お薦めの調理方法を補足しておきたい。まず、スープ用と麺茹用に2つの鍋を用意する。次に、「麺がゆったり回転するような大きめの鍋」にたっぷりのお湯を満たし、麺を入れて茹でる。スープ用のお湯は200~220cc程度用意する。スープの素を袋ごと麺と一緒に、麺を茹でる鍋の中で温める。スープの素は1分ぐらいで取出して丼に移し、スープ用のお湯を使い丼にスープを単独に作っておく。麺は3分ぐらい経過すると自然にほぐれ始めるので、箸で軽くほぐし、4分程で笊にあげてよくお湯を切り、スープの入った丼へ移す。最後に、焼豚、かいわれ、薬味等をのせて完成となる。

  この作り方のポイントは、「たっぷりのお湯」を使って麺を茹でることにある。良くできたスープの味を際立たせるためにも、「麺をゆでたお湯」でスープを作ってはいけない。たっぷりのお湯を使って麺を茹でると、麺の表皮がつるつるになりラーメンというより、ヌードルに近い食感に到達する。スープは、ほのかに上品でまろやかな塩気に満ちて、洋風な雰囲気が漂っている。できれば、丼と言うより、洋風な真っ白な器に盛って戴きたい。スープは少し茶色い。
ではこちら
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2012/11/13

紅葉の深大寺

  先月、蕎麦の取材に来た時よりも秋も深まり、空気も冷えてきた。紅葉の境界線がいよいよ深大寺にまで広がってきた様である。深大寺は、たくさん写真を撮って来たので、自分では少々飽き気味ではあるが、この紅葉の深大寺を撮影した記憶は1回しかない。この時期は訪れる人が多いので、「おちおち撮影なんかしていられない」と懲りたのだろう。そんな経験から、今回は比較的混まない時期に、しかも空気が冷え込んだ夕方を狙って、さらに人の気配が少なくなるギリギリの時間帯にやってきた。それでも本堂あたりは、まだポツポツ立話をする年配の奥様方、犬の散歩をする方、若い二人連れなどが消えることはない。

 写真好きの方々は、この時期は、雄大な紅葉を目指して、遠い山岳地帯までお出かけになるのではないかと思うが、デジカメやスマホカメラの撮影練習は近くが良い。そんな撮影スポットとして、深大寺の「こじんまりとした庭園」はお手軽でお薦めである。見本として、この下の3枚の写真を撮ってみた。門前から右側へ道を「雀のお宿」方面へ向かって移動しながら撮影したもの。


 撮影してみた感じではまだ早く、2~3週間ぐらい後の方が紅葉が進んで、撮影に向いた色彩になると思う。写真を撮りに来たついでと、時間つぶしに十割蕎麦でも召し上がってほしいが、まず本堂では、手を合わせて「撮影にトラブルや事故がないこと」をお願いしておきたい。ついでに、帰り際の楽しみに「おみくじ」もひいておこう。平素から信心を怠らないので、おみくじは、今回も「金銭其他万事心任の大吉」であった。しかし、「うーむ!ちょっと複雑」である。ひょっとしたら、末吉、中吉、大吉の3種類しか用意されてないかもしれない。そんな筈はないが、たとえそうでも、それなりに気分は良好だ。


 深大寺境内を回り、元三大師堂から左の坂道を開山堂へ上がり、下りは延命地蔵を通って深沙大王堂へ抜けてみる。境内の木々よりも、周囲を囲む木々は早く色づいている。主な撮影スポットを挙げてみると、山門の周囲から、本堂と元三大師堂の間にある「五大尊池」あたり、「釈迦堂の隣にある池」の周囲、「開山堂」の周辺、「深沙大王堂」周囲、「亀島弁財天池」周囲など、水周りと組み合わせると深大寺を象徴した写真になると思う。


  今日のPDFには、「釈迦堂の隣にある池の周囲」を元三大師堂へ上がったところから撮影した写真。背景には木々の色彩が絡み合い、手前は水面が写る場所を選んでみた。
ではこちら
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2012/11/09

冷凍食材・食品1

 少々本物と違っているとか、何か食った気がしないとか、満足感に欠けるとか、そんな贅沢をいったのは昔の話で、現在は大変上質の食品が提供されている。しかし、誰が何と言おうと、冷凍食品・食材の強みは、防腐剤を使う必要がないという点に尽きる。また、-18度保存という状態は、生では危険な寄生虫なども死滅する。おまけに、新鮮な状態で冷凍されたものは、栄養素もそのまま閉じ込める。これらは、まさに革命的なことである。理屈からいって、こんなに優れた仕組みは少ない。正しく解凍される前提では、子供たちに向けた食品としても優れている。

  冷凍食品を多用することは、家庭の食事に何処となく、創作者の愛情を感じられないのではないかと心配する向きもある。確かに忙しい現代人にとって「早くて便利」という点は優位性の1つであることは間違いない。しかし、冷凍食品メーカーとしては、大量仕入による材料原価の低減、技術革新による美味しさへの追求、大量生産による生産効率の向上等によるトータルコストパフォーマンスを追求するように努めてきた。だから、明らかに家計への貢献度も高くなっている。しかも賞味期間は、「正しく保存した場合」に約1年である。その長い賞味期限を上手く活用して、冷凍と生食材を適宜、組合せて「自慢の手作り料理への応用」を図るべきだろう。

  冷凍食品・食材が広く馴染める製品になれば、全国的に生産されている野菜、肉、魚などの原材料の無駄をさらに抑えることが出来るようになる可能性が高い。新鮮さに拘り、優れた素材を厳選して使用する日本料理などは、料理文化として大切にしたいが、一方で、徐々に生産者が減る分野では、冷凍する力を借りて原材料を少しでも大切に使う必要がある。外食産業を始め、料理に拘る人達も、既に無視できない領域に入ってきた筈である。しかし、昔の冷凍食品のイメージを払しょくできない古い人達も多い筈で、昔十分懲りてきたという人も少なくない。そこで、現在はどのような状況なのか、自分なりに調べてみることにした。その中から、確認できた美味しい冷凍食品を抽出して紹介してみたい。

  ただし、いくら美味しい冷凍食品と感じても、1つ気を付けるべきことがある。それは、水が凍るときに、体積は9%程度増えて細胞を破壊してしまうことにあり、先行きも避けることは出来ない。それを減らすため、水分の多い具材は細かく裁断したり、濃い味つけへの調味になっていることである。そのことが必然的に全体を高カロリーに仕上げてしまうのである。特に、濃い味は食べやすいので、味覚が鈍感になってきた人達は気をつけなければならない。

 今日は、味の素の「油・水なしでパリッと焼けるギョーザ(自社工場製)」を筆頭に紹介したい。これは、フライパンに冷凍餃子を入れて5~6分焼くだけ、特別何も気を使わ無くて良い。油を使う必要もなく完全に男の調理向けといえる。恐らく10人中8人までの方が、「価格、調理時間、仕上がりの美味しさ」を評価する筈である。もう1つは、マルハニチロ(あけぼの)「焼豚炒飯(材料全て国産)」で、電子レンジ4分で復元する。ギョーザ、炒飯の同時進行だと最大6分で調理が終了である。
ではこちら
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補足:PDF写真にある中華スープは、中華店などでも多用されている「ウェイ パァー」と呼ばれている中華だしの素を少量お湯で溶いたもの。ネギと醤油を少々加えている。これで本格的な中華定食になる。

2012/11/06

ウォーキング4

 最初からちゃんとアドバイスを受けたり、それなりの研究をしておけば、すぐに思い出せたかもしれない。身につけている靴や小物が揃って、それらが機能していれば、何も不満は無いし戸惑う事もなかった。さらに一歩踏み込んで、いつしか使えなくなる時が来るという「先を見通す気持ち」があったとしたら、その商品の「ラベルや説明書」を採り置くとか、こうやって、ブログに残しておけば後悔もなかったのである。必要な物が、都内の何処で売っているのか分からなくなるのは、残念としか言いようがない。

  ウォーキングに使うソックスがいくつか痛みかけてきた。少々厚手なら何でもいいと思っていたのは昔の話で、使ってきた経過と共に最低これでないと駄目だと思うものが残ってくる。シューズとソックスは、切っても切れない深い関係にあって、それは、履き潰してみると良くわかる。普通の健全な骨格に比べて、足の向きや重心位置が幾分ずれている私にとって、シューズの両外側の後ろ部分の摩耗が早い。また、それをそのまま履き続けると、腰の痛みとなって現れることがある。そんな時に、やっぱり長時間楽に歩け、さらにクッション性の良いソックスが必要になる。勿論、摩耗し始めたシューズは、早め早めに交換したいが、新しいのに慣れるまで時間がかかるし、摩耗し始めると早いし、意外に使える期間が短いのである。

  秋の薫が色濃く漂う今頃になると、ウォーキングをする人も増える。みなさん歩くコースもだいたい決まっていて、休憩する場所も同じである。休息には、シューズやソックスを脱いだりして足を顕わにするが、くたびれた足を投げ出すのは、みっともない光景である。そういう人たちに限って、シューズやソックスに自分の考えの無いのがよくわかる。特別マニアックな拘りは必要ないが、当日歩く距離や、今の疲れ具合、その後の足の負担などを自分で把握できるようにしておきたい。少しでもウォーキングに競争意欲や目標数値を持てば、そんな意識も変わるし、人前で足を投げ出したりすることもなくなる筈である。やはり、人生は綺麗に歩きたいと思う。

  最近、その穴のあきそうになったソックスの製造元・販売元を、やっと見つけることが出来た。このソックスのクッション性や汗を吸いとる能力の優秀性について、説明を受けて納得することもできた。ここまで苦労すると忘れることもないとは思うが、ブログに追加しておくと後々有効かもしれないと思って載せた。それは、Mont-bell という会社の商品だった。登山やアウトドア専門のメーカーらしい。これは、その会社の商品の中でも、最もポピュラーで素人用の商品になるという。でも、価格の安い割には商品が優れていて、好感が持てる。いつまでも使いたいソックスである。
それはこちら
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%211195&app=WordPdf

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2012/11/02

そよかぜ

 東京では、あまりメニューにないのが「ビーフカツレツ」である。関西では「とんかつ」よりもポピュラーで、ちょっとした「老舗の洋食屋」では、ごくごく普通に用意されている。しかも、家庭料理としても古くから高い地位を誇ってきた。かつて神田小川町で仕事をしていたころ、昼食には神保町あたりまでの広範囲をテリトリーとし、洋食などは片っぱしから食べ尽くしてきたわけだが、ビーフカツレツだけはなかなか遭遇しなかった。ただ、1軒だけ、三省堂の地下レストランに用意されていた。それからは、メニューから消されないように夕食にもよく食べに行った。

 そんなもの、「何が美味しいのか、ステーキの方が美味しいのでは?」と改めて聞かれても、「うーむ、難しい質問だ」と思う事がある。今だに、そういう習慣的好みは、母の料理に強い影響を受けていて、好みにも幼いころの育ちが出るのだろうか、その味については、なかなか忘れられないでいる。だから、あまり大した理屈もなく、ただ、ふと昔を思い出したように食べたくなる、というだけのことである。結局食べ物は、同じ食材でも色々加工を工夫することで、また違った趣が出ることがあり、ステーキと比較されても、聞かれる方には申し訳ないが、そこに理屈はないと思う。

 作り方は、とんかつとかなり共通し、豚肉が牛肉に代わっただけという印象が強いが、実際は少し違う。手順を紹介すると、薄切りの牛肉を3~4枚用意する。なければ3~4切れのお肉を叩きながら伸ばして薄くする。両面に塩、胡椒を少々、さらに、それぞれに小麦粉をふり、それを重ねて再び上下に小麦粉をふって、押さえながら薄く伸ばして形を整える。次に、揚げるための衣をつける。小麦粉、溶き卵、生パン粉をまぶして衣をつけ、180℃の油に入れて2~3分で揚げる。とんかつとの違いを挙げると、お肉の薄切りを重ねる前加工の仕方である。

 余熱でもお肉に火が通るので、あまり時間をかけないのが良いらしい。揚げる油としては、バターとサラダ油を適切な比率で作る。バターの占める割合は100%、75%、50%と調理する人の好みだが、一般的な作り方としては、バター100%と言われている。そうなると、揚げるというより、たっぷりのバターで両面を焼きあげると言うのに近い。三省堂の地下のレストランで作り方を聞いてみたが、やはりバター100%で作っていると説明してくれた。その揚げ方は、やはり、とんかつとは随分違う。しかし、関西での作り方は、必ずしもバター100%ではないようだ。

 こうやって、取材した作り方を思い出して文章にしていても、食意地が張っていて「ビーフカツレツ=とにかく食べたい」という短絡的な構図が出来るわけだが、日頃、嬉しそうに、「秋はビーフカツレツだ」と話をしていたら、「そんなにビーフカツレツ食べたければ、西新宿にあるよ!」という話を耳にした。ええ、新宿にあったの?と半信半疑になりながら、即、食べに出かけてきた。最近は、バター100%だとカロリーが高すぎるのか、バターの風味は少ない。興味があればぜひに確認されたい。もちろん、専門のステーキハウスで、他にも色々牛肉系のメニューは揃っている。
それはこちら
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補足:西新宿 明宝ビルB1 にある「そよかぜ」と言うお店(下図参照)。ビーフカツレツは数に限りがあるので、早めに出掛けてほしい。

2012/10/30

来年のカレンダー

 最近は、早めに手に入れないと無くなるものが多い。欲しいのは卓上カレンダーである。いよいよ、来年早々還暦を迎えることになった2013年であるが、歳を重ねたせいか必要な物はすぐ近くにないと困る事が多い。こまごました物を卓上に並べ、コックピットの様な状態にしておくことで、安心な気分なのである。それらは、充電式電池、LED懐中電灯、時計、ラジオ、モニターTV、卓上カレンダー、ウォークマン、メガネ、携帯電話とかで、一口でいえば日常設備である。この手の配置は、年寄りが、盆栽をいじるのに似ている。もし、今、巨大地震が襲ったら 「せめて、愛するそれらと一緒に運命を共にする」ことができる、ということで安心なのだろう。でも、何処へ行くにしても、日常設備と一緒でないと、すぐに困るだろうと思う。

 社会的な視点でカレンダーを眺めると、その年を占う傾向があって世相も反映しやすい。もちろん、戴き物で十分と言う、大昔から「変らない習慣と感性に縛られている人」も少なくないが、女性は、好きなカレンダーを購入する「トレンドに敏感な価値観」を持ち、用途や趣味に合わせて室内が数種類のそれでコーディネートされる。男性は、常々憧れる対象を近くに置きたいと願っているが、そう簡単にできない物が多いのでカレンダーの写真で楽しみたい。特に、機械物は人気が高く、スピードやデザインなら高速列車関係、歴史の象徴としては世界遺産、科学なら火星や探査機といった宇宙開発と様々に憧れが反映される。ところが、来年は、戦闘機、イージス艦、迎撃ミサイルといった軍事関係のカレンダーが売れるとお店側は見ているらしい。ま、せいぜい写真を見ながら心を静めてほしいものだ。

 そんな世相に逆らうように、京王電鉄とSuicaのペンギンのカレンダーを購入してきた。全く平和主義に徹する「おっさん」なのだが、やっぱり、なんのかんのと言っても、あの「8.18 京王線地下を走る」の頃から、来年の京王線のカレンダーには、どのような写真が使われるのか、例年にはない興味を持って購入したわけである。すると、「ああ、やっぱりな!」と思う写真が表紙を飾っていた。さすがに、もう「2度と撮れない地上の調布駅」の写真である。おまけに、現行の3種類の車両つまり、7000、8000、9000系が、全て揃って入線しているという、緻密に「計画性の高い写真」といえ、最後の記念写真としてもふさわしい。

   Suica カレンダーは、13ページ(上が表紙)全てオリジナルのイラストで構成されていて、ペンギンは様々に表情を変えている。カードの場合は、何回叩かれても変らぬ愛嬌を振りまいているが、カレンダーには意外に多様な表情が見てとれて楽しい。実際に近づいて観るとその世界に吸い込まれていくようだ。知らず知らずのうちに、作者の意図を思い浮かべたり、それを題材にして12ページにも及ぶ長編ストーリーを考えてみたり、観る側の創作意欲を掻き立てるようだ。こういった愛嬌のあるものは、絵の中に一緒に入って、自分勝手に想像を巡らせ、自然に魅きこまれてしまうのである。誰でも、何となく日常から離れて楽しい気分になれる筈だ。
ではこちら
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2012/10/26

大長みかん


 この大長(おおちょう)という所は、全国でも有数の美味しいみかんの産地である。瀬戸内海のほぼ真ん中に位置する大崎下島にあり、古く知る人は、広島県豊田郡豊町(ゆたかまち)大長といった。それが、最近2005年3月広島県呉市に編入されてから、私にとって、今や地元の「みかん」の産地ということになったのである。そんな背景もあって、急がないので、ついでがあったら、「初物が欲しい」と伝えてあったのが、ようやく一昨日届いた。やはり、初物は格別に美味しい。昔から瀬戸内海は、美味しいみかん、檸檬など柑橘系が豊富に採れる自慢の地域なのである。

 どういうわけか、葡萄や梨、あるいはみかん等のみずみずしい果物は、温暖な気候で、雨が少ない地域、さらに、水はけのよい場所でなければ、美味しく育たないと言われている。あたかも苦難の路を歩み続けることによってのみ開花する人生のようなものである。少なくとも、温暖という条件では、瀬戸内海は絶好の場所である。日本海側の冷たい風を中国山地が遮り、四国の石鎚山と剣山山が太平洋側からの強い風を遮る、まさに、のどかで静かな海域なのである。さらに瀬戸内海は年間を通して降雨量が少ないという好条件が重なる。そしてもう1つ、「大崎下島」独特の地形に恵まれて、水はけがよい急峻な斜面で育てられている。

 今日の写真のみかんは、そんな場所で育った初物で、大きさはまちまちだけれど、樹の上で完熟したものを収穫してある。もちろん、そのために、ワックス掛け、ブラッシングや洗浄を一切行っていない。まさにその場所に出向いて口にするような印象の薫と新鮮さが漂う。急な斜面を滑りながら登ることもなく、途中、小虫に襲われる危険もなく、部屋の中で大人しくテレビを見ながら戴けるのである。自然な果汁が迸り溢れ、故郷に想いを馳せながら美味しさに浸ることができたのである。不思議なくらい、何個食べても飽きることがない。

 この大長のある大崎下島へは、仁方から下蒲刈島→上蒲刈島→豊島の3つの島を経由して今や橋で繋がっている。途中、「恋が浜海水浴場や県民の浜海水浴場」があり、昔、そこの「安らぎの館」の温泉へ入りに何度か行ったことがある。夕日が瀬戸内海の島々の間に沈む姿をお風呂から望める、まさに癒しを絵にかいたような場所である。美味しいみかんを食べながら、秋から冬にかけて温暖で美しい瀬戸内海を楽しめる場所として行楽にもお勧めである。ついでに、平清盛ゆかりの場所を尋ねる旅にしてもよい。
ではこちら
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補足:蒲刈=かまがり。
注意:仁方から下蒲刈島→上蒲刈島→豊島→大崎下島への路順は、正確で最新のGoogle地図で参照されたい。
補足:平清盛ゆかりの場所→呉市の音戸の瀬戸(再載)右上写真
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%21770&app=WordPdf

    同じく廿日市市宮島町の厳島神社の大鳥居(再掲)
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%21574&app=WordPdf


    さらに詳しくは、呉ナビ参照のこと
http://www.kurenavi.jp/index.html

2012/10/23

今、新蕎麦が美味しい

  深大寺門前あたりのお店では、かつて若旦那達がお店を引き継ぐ世代交代の時期だったと思うが、じわじわと蕎麦も工夫され、美味しくなってきたという現実がある。それには、お店ごと特徴付けが割り振られて、単純な構図で競争するのではなく、「個性を出しあって」新たな蕎麦街を深大寺の門前に展開しようと、腕をふるってきたのである。もはや単なる蕎麦屋の域に留まらず、深大寺蕎麦文化と例えられそうな店が軒を連ねている。勿論、その背景には技術の修練、蕎麦の品質向上、競争意識など、評価は店ごと異なるにしても、数十軒ある蕎麦屋が「深大寺蕎麦」という一種のブランドとしてまとまって、広く集客に貢献していると思われる。しかし、まだまだ若旦那達の向上心は留まるところを知らないようだ。
 
 「年末年始の頃に、ブログで蕎麦の話をするのはタイムリーなのかもしれないが、美味しいのは、いつ頃なのか」という質問が意外に多かった。確かに、時期的な食べごろというのも重要には違いないが、それぞれのお店が「個性を出しあって」いるので、お店ごと味わい方が異なるということも忘れないでほしい。経験的には、一年通して一定の水準は保たれていると考えて差し支えないと思う。むしろ、季節によって戴くものを選ぶことが大切だ。ただ、あくまで時期的な食べごろが、参拝のきっかけになるとすると、深大寺蕎麦が今どのような状況なのか、ひとっ走り、参拝がてら取材してくることにしたのである。

 今日は、季節がら気温は丁度よい案配で、寒くもなくお出かけ日和でもある訳だが、深大寺は特別に日が暮れるのが早いので、1枚上着の準備が必要だ。平日だと言うのに何だか「深大寺周辺も、蕎麦屋も」大変混み合っていた。11月15日に向けて七五三の祈願を受け付けているようだ。因みに、祈願料は5,000円~とのことで上限は無い。これで「健やかに成長して、出世してくれる」なら、お安いものだ。しかし、晴れ晴れと着飾った子供達は見当たらなかった。おおよその参拝層は、やはり、年配の人が一番多く、次が定年を過ぎたくらいの御夫婦、若い二人ずれ、子供連れの夫婦などの順である。こういう場所でも、「定年を過ぎたくらいの御夫婦」が増えているということは、今後まだ20年くらいは、深大寺への参拝客も増えそうである。


 さて、この時期は既に「新蕎麦」が出ていて、お店によっては100%蕎麦粉使用、つまり「新蕎麦で十割蕎麦」が用意されている。十割蕎麦は、都内の蕎麦屋で取り扱う事はないので、一種の珍しさが人を集める。製造方法も難度は高く、様々のノウハウが積み重なってお客に提供されている。これがいわゆる「若旦那が腕をふるう」証なのである。それには、蕎麦粉を超粉末にしなければならないとか、蕎麦打ち、茹でなどに神経を使うし、にも拘らず、決して食べ易い蕎麦麺にはならないからだ。つまり、時間と手間がかかる割には、評価する人が少ない。しかし、薫は高く、喉越しにも独特の食感があり、お好きな人にはたまらない「究極の蕎麦」と言えそうだ。ということで、今日はとりあえず、一休庵で十割蕎麦を堪能してもらいたい。時間帯は早めの11時半以降か、午後なら14時以降がよい。
ではこちら
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2012/10/19

多摩川を望む


  ゆったりと歩きながら大きな川を眺めることが、これほど気分転換になるとは、思ってもみなかった。今は、「そんなつまらんことは考えなくなった」が、かつて若い頃は、課題が増えると多摩川の河川敷に出かけて気分を宥めた。その壮大な空間と果てしない川の流れを眺め、それに今の課題を重ねると、様々な想いが湧き上り広がっていった。そのうち、日が暮れる頃には、ちっぽけな人生観に呆れ、お尻にくっついた砂埃を払いながら、再び立ち上がって前に進んでいたのである。誰でも、穏やかに見える川の流れに、戦略もなく1人でボートを浮かべたら、やはり早い流れにのみ込まれてしまうに違いない。

  どのような時間を過ごしてきても、同じ毎日、同じ場所、あるいは、同じ人間関係にいずれ飽きることがある。その様な環境は、微妙なバランスでとりあえず秩序を保っているように見える。だが、結局、それを毎日許容して生きていることで、時たま消化不良を起こし、体調を壊すこともある。そういう事を何度も繰り返しながら、そのうち、漫然とした平穏な日々に、「この環境でよかった」と思う事もあるだろう。一方で、「新たな刺激」を受けると、果たして、今のこれを「そのまま続けて、先行き何になるのだろうか」と思い返す事もあるはずだ。人生は、そのような気分の浮き沈みが続くものだが、毎日漠然と「先が見えない不安」を恐れているのである。

  川に浮かぶ浮草の様に、時の過ぎゆくままに身を任せていると、時折、誰か将来の青写真を見せて、自分を導いてほしいと思う事もある。しかし、それはない。「絶対にない」のである。そのくらい今の社会には、リーダーは不在といって良い。むしろ、早く自分を諫めた方がよい。なぜなら、自分を意識的にそう導かないと、「見えない巨大な力が自分の毎日を管理」し、好むと好まざるとに関わらず、行くべき道筋や存在する秩序を勝手に決めて、その先へ押し出そうとするからである。不本意にも、その巨大なエネルギーに押しつぶされそうになりながら、いずれ敵わないことを悟り、観念して、逆に「それが一番いい」と思うようになってしまうのである。・・・それも悪くは無いが。


  日常の巨大なエネルギーの中では、みんな同じ方向に同じスピードで移動しているために、小さな変化にしか気が付かないことが多い。小さなことにばかりこだわるようになる。まして、羅針盤を持ち出して方向性を問題にすることは皆無といってよい。だから、知らず知らずのうちに全員で迷路に進むのである。そこから離脱するためには、常にその場所から離れて自分を眺める必要がある。

  人は、どういうわけか巨大な自然に敬意を払ったり、その存在に対して自分の立ち位置を見直そうと努力することがある。それが「離れて自分を眺めるために、大いに役に立つ」ことになる。川の流れや、潮の満ち引き、あるいは太陽の動き、我々にもそんな大いなるエネルギーが影響しているからだ。それは、他人の考えの及ばない「不変で継続的な刺激」だと思う。その自然界の刺激は、かつて我々の祖先もそうであったように、それは「明日への希望がわき上がる様」にDNAに組み込まれているのである。日々の努力を一種の徒労感に終わらせないために、明日の為に今の時間を大切にしておきたい。

 ・・・・ そんな事を考えていた昔を思い出し、今日も、20分でいける巨大な空間「多摩川」へ久々に出掛けて来た。ぼーっと釣り人を眺めていると、いつの間にか、また日が暮れてしまった。
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2012/10/16

麺の力 ちゃんぽん

    サンヨー食品は、ついに「太麺の美味しいちゃんぽん」を完成させたようだ。この領域まで来ると、もはやマルハニチロ食品の冷凍「レンジだけ!ちゃんぽん」とか、日清食品冷凍の「海鮮ちゃんぽん」さえも少し影が薄くなってくる。もちろん、専門店のちゃんぽんも同じだ。リンガーハットは、長崎発祥の「ちゃんぽん専門の全国に展開するお店」である。だから、そこそこのお値段で、ちゃんぽんの代表的な美味しさが実感できると言えよう。もちろん、全国展開に当たり、必ずしも伝統的な美味しさのみで店舗数を拡大してきたわけでもなく、やはり、何らかの工夫や地域社会のニーズの違い、あるいは、競争原理などを経て現在に至っている筈である。ならば、やはり「地元の長崎にあるリンガーハット」で食べる「ちゃんぽん」が、一番バランス感覚に優れていると考えるのは自然である。・・・うー、よくわからんが。

 前回、「麺の力 中華そば」を紹介した時にも強調しているが、「坦々麺とちゃんぽん」は、サンヨー食品の長期にわたる、袋めんへの思い入れを垣間見る製品といえる。実際の台所における「袋めんの最大活用術」というか、難しいのは、いずれも袋めんの持つ「少しだけ手を加えて美味しく戴く作法」を顧客が活用できるかという点にある。もちろん、同社が別売りしている「坦々麺の具」とか「ちゃんぽんの具」を併用して、手軽に本場の気分を味わうのも1つの選択肢に成る筈だが、いまだその優位性は不明である。しかし、早々に使ってみたいと思っている。

 ちゃんぽんの歴史を紐解いて、材料の魚介類や野菜、つまり「いか、えび、あさり、豚肉、キャベツ、もやし、玉ねぎ、かもぼこ・・・」などを揃えようとしても、案外面倒である。種類の多さだけではない、これだけの種類を使って1食分のみ作るのは、少量過ぎて返って煩わしい。かといって、お仕着せの具だけでよいか?と聞かれると、そこに何か自らの手を使って 「自由で気ままなお腹を満足させたい」と願っている筈である。ともあれ、そこは、自分の好みを生かして、どのように仕上げるかにかかっているし、それを考える時にこそ「少しだけ手を加えて美味しく戴く作法」という、一種の賢さが生まれるのである。

  今、この手近にあって、ちゃんぽんに最適な食材としては、シーフード(いか、えび、ホタテ)の冷凍食材とか、ベーコン、玉ねぎ、キャベツ、焼き豚、メンマぐらいなので、それを使って何とかまとめてみたい。結局、今回のPDF写真では、麺が隠れてしまう野菜は取り除いている。手順としては、シーフードを電子レンジで解凍し、「麺の力 ちゃんぽん」に入っているスープの素を少量加えて炒める。また、ベーコンをフライパンでカリッとするまで炙る。その後、そのフライパンで玉ねぎ、キャベツを炒め、それぞれの具材は別々に保管し、麺の上に載せるときに一緒に盛りつける。どれも、余った材料を再利用できるように保存しておく。「サッポロ一番の味噌ラーメン」にも利用できそうである。
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2012/10/12

続 天下鯛へい

 秋は、歌会や俳句、あるいは短歌など、自らを表現する文芸や文化と関わり合いが深い季節である。暑さから解放された安堵感によって、感性がすこしづつ湧きあがり、一種の言語手法を通して想いを巧妙に表現してみたくなるのである。俳句や短歌は、季節の移り変わりの美しさを言葉として表現することが多いが、そのイマジネーションをさらに際立たせるために、それを背後で操っているのが季節を感じさせる和菓子なのである。つまり、自然の風景の変化や、漂う冷たい空気感のみならず、喉越しから得られる幸福感も、それには重要な役割を果たしているのである。

 喉越しから伝わってくる季節の薫りは、時折、古くて遠い記憶を呼び起こすことがある。年配の人たちが、毎年季節の変化を感じさせる果物やお菓子を好んだり、それに同世代の人たちと会話を通して協調性や共感を求めるのは、そういった、かつての古い記憶と自己の抱えた感性や感受性を再認識し、一種の安心感や歳を重ねた充実感に浸ろうとする行為そのものである。そこに、季節の美味しいものが重なって、ついつい感動を呼び起こす源泉になっているのではないだろうか。逆に、年中、同世代に共感を求める年配者も多い。ま、それは季節とは関係なく、一種の老化にほかならない。

 人は徐々に歳を重ねて、季節を感じさせる僅かな趣向でも感動できる感性が備わり、その心地よさが少しづつ分かってくるらしい。特に秋は、周囲にあるものは何でも美味しく見えたりするし、事実美味しい季節だが、私のように、何か取り違いをして、食卓を前にして「秋こそビーフカツだとか、アウトレイジ ビヨンドだ」とか馬鹿な事を言っているようだと、いつまでたっても大人になりきれないと思うのである。一方で、仕事か何かに没頭し、忙しなく日々が過ぎてしまったりすると、いつのまにか季節の移り変わりさえも見逃してしまったという、何か美味しい物を食べ忘れて損をしたような気になることもある。やはり、日本人の季節感には、食欲に通じた強い欲求があるに違いない。え、俺だけ?

 今日は、日本橋屋の和菓子「天下鯛へい」を再び登場させるが、同社の商品は今回で4度目になる。意外にも「柿乃木坂」が人気があるようだが、今頃は季節感のある「天下鯛へい栗餡仕様」が販売されているようで、これを手土産で頂戴したのである。戴き物で恐縮だが、私も栗系は大好物で、一度に沢山はいただけないが、何気なく季節感を感じるお菓子なので、やはり嬉しい。お味の方は、普通の「こし餡の天下鯛へい」と比べると、栗餡の方が塩分が控え目で上品な甘みに仕上げてあり、やはり、今頃はとても美味しく感じられる。
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2012/10/09

オーディオマニア29


  人は興味のあることについては、日常的に改良を行うとか工夫するのが好きである。特に継続できる趣味のオーディオでは、細かいパーツに分けて検討し、改良とか交換することができる。それによって、低予算でアップグレードすることも可能になるので、それを楽しみにする場合も多い。黎明期から続く歴史的背景を持ったセオリーで、自分の考える「理想を実現するために、それにそぐわないものは交換すれば」よいという考え方である。それを何度も繰り返しているうちに、いつしか理想に近づくと、都合良く考えたのである。しかし、その手法は、理論的に最終的な姿を明確にしてこそ実現可能になるが、やみくもにそれを繰り返しても、ただ時間の浪費に終わってしまうこともある。それも、趣味性が高ければ高いほど顕著になるが、オーディオを趣味とした大半の人達のたどり着く執着点なのかもしれない。

    スピーカにおいて、誰にでも分かりやすい性能向上は、再生周波数範囲の拡大である。しかし、1980年代でもそうたやすいことではなかった。まず、周波数の低い方を拡大するには「オーディオマニア23」で紹介したような、巨大な低音装置が必要になる。しかし、一方の高い周波数はこのタイトル写真にある様に、既存の装置に付け加えればよいわけで、誰でも簡単に実験を始められた。あえて気をつけるとしたら、楽音でスピーカが破損しないように不要な低い周波数をカットしてからシステムに組み込むぐらいである。今でこそ20kHzの再生は、さほど珍しいことでもないが、当時はレコードにその様な周波数が記録されているかどうかさえ不明であった。また、前回の「インパルス応答」に関連づけるつもりはないが、正確な波形伝送という概念からは、高い周波数のレスポンスは、Hi-Fi再生条件の1つと考えられていた。

  当時は、トゥイータより高い周波数を受け持つスーパートゥイータとして使える存在は無く、あくまでも、現状のトゥイータを、僅かに高域再生に優れたものと交換するぐらいのことであった。それは、例えばユニット全てがコーン型なので、トゥイータだけでも能率の良いホーン型に交換してみると言うようなケースである。その背景の1つが、物理的な制約で、トゥイータは実口径30mm 程度では、13kHzあたりまでしかレスポンスがない。それは、ここでも紹介ているJA-0572(アル二コマグネット)等も同じである。それを実口径13mm程度の口径にできれば、20kHz あたりまで再生できる可能性がある。しかし、一方で能率が極端に低下してしまい、いくら磁気回路を強力にしてもそれを補えるほどではない。さらに製造も難しくなって、聴こえない周波数を扱う割には、高価すぎるという結果になるのである。

  そんな諦めかけた時、パイオニアがリボントゥイータを、遅れてテクニクスがリーフトゥイータを発売して、高い周波数応答への関心をぐっと引きよせたのである。人は、「強い関心を持っている時ほど盲目的になりやすい」、そのお陰で、超高域再生への足がかりとなるリボントゥイータやリーフトゥイータは飛ぶように売れていた。さらに、雑誌などでも評論家の聴感レポートは数多く紹介され、それらの殆どが賞賛されたものになっていたのである。ただ、それで期待通りの結果が得られたのかはなはだ疑問であった。一方で、個人的には、全く必要性を感じていなかったが、現状のシステムに簡単に付加して楽しむ人たちの為に、何か役に立つ接続方法が考えられないのか模索し、実際に無響室にシステムを持ち込み、クロスオーバー・ネットワークの定数を変更しながら、高い方の周波数特性を拡大する実験を試みたのである。最終的には、8kHz前後で-6dB でクロスオーバするのが最も無難で聴感上も良いという結果になった。(おっと、この話は1983年の話である)
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2012/10/05

世羅梨

 弟から梨が送られてきた。ここんとこ度々果物が送られてきて、色々考えてしまうが、ま、素直にありがたみを感じている。この梨は「世羅梨豊水」である。世羅とは、その梨が育った土地の広島県世羅郡世羅町で、豊水という梨の種類である。決して珍しい梨というわけではないが、優れた環境で丁寧に作られていて、「たいへん美味しい」ので有名である。梨の種類としては、一般的に幸水、豊水、新水、二十世紀などが知られているが、特に幸水、豊水はどこでも収穫されている。

 我々の世代で、広島あたりで育った者は、二十世紀梨がもっとも一般的で、梨は緑色だと信じて疑わなかったが、40年前、東京へ来た当時は、二十世紀梨の入手が困難だったので、広島から送ってもらったりした。しかし、東京で長十郎、幸水、豊水を知ってから、茶色の梨にはやや抵抗があったが、口にしてみると、見た目より美味しいので驚いたことを覚えている。以降は、もっぱら幸水を好んで戴いている。

 幸水は、大小を問わずいずれも美味しい。特に酸味は少なく、甘い果肉が緻密に入っていて、シャキシャキした食感とみずみずしさが特徴と言える。最近は大量に水分を含み、果肉が果汁で満たされ透明度が増したものがあり、冷やすと天然のシャーベットのようになる。夏から秋にかけて「口にできる自然のみずみずしさ」は、格別の美味しさと言える。梨の種類による美味しさの違いは、よく酸味と歯ごたえとして比較されるが、豊水は幸水に対し甘み、酸味いずれも抑えられて、さっぱりしたみずみずしさが特徴で、果肉は少し柔らかく丁度よい。その違いは、誰にでも分かりやすい。

 二十世紀梨は、それに適した土地で日本海側の鳥取県近郊のみで作られているが、世羅郡世羅町は、丁度三次と瀬戸内海の中間に位置し、三原から少し内陸に上がったところで、長い日照時間、昼夜の温度差、適切な雨量などが梨や葡萄の栽培に適している。やはり、山梨と似た気候といえそうだ。瀬戸内海という冬場でも独特の温暖気候も加わって、将来は、年間を通して様々の果物の栽培が行われるようになる筈である。
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補足:8月には三次ピオーネの温室栽培が贈られてきたのできて紹介したのだが、今回は、9月から収穫できる露地栽培の三次ピオーネ(同じ生産者)が贈られてきた。2つのピオーネは少し違っていたので補足しておきたい。確かに温室栽培の方が「甘味の強いピオーネ」で、果皮や果肉がやわらかく上品な感じであるが、露地栽培は、「果皮や果肉がしっかりしていて、1粒々が大きくみずみずしい」やや強い生命力を感じる。温室栽培の方が高価になるがその分美味しく感じる。

2012/10/02

甘栗アイス

  今日は、甘栗アイスバーを登場させる。単なる栗ではなく甘栗である。テレビのCMは数えるほどしか見なかったが、ふと秋を感じさせるアイスバーだと思った。ま、夏場のアイスケースは競合他社の「強烈な冷え冷えアイス」で溢れかえっているから、これからの季節を美味しくいただける商品は価値がある。まさに、「栗という秋のイメージ」をはっきりと打ち出していて、しかも「ほっくり焼けた甘栗」という追い打ちをかけるダブル攻撃で、CMのみならずパッケージにも「この期間に食べないと、食べれませんよ」というメッセージが込められて、アピール度も優れている。

  時の流れとして、確かに栗が豊作だった年でも、甘栗で使用するだけでは十分な消費には繋らなくなっている。確かに、昔から甘栗はむくのが面倒なので、綺麗にむいてあったら売れると考えた時代もあった。でもそれは、恐らく40年前のニーズで、まだまだ、店頭で「天津甘栗」と称して回転台で焼きながら、甘い薫りを周囲に漂わせながら購入意欲をそそった時代のことである。最近は、徐々に甘栗の売り上げは下降線をたどりながらも、その味覚を楽しむ一部の年配の人たちによって、一定の消費量を確保していると推察されるのである。

  一方で、どうやって甘栗の美味しさを広く掘り起こすか思案したに違いない。柔らかい食べ物ばかりで、噛み砕くことに慣れない子供たちにとって、甘栗を噛み砕いてそしゃくしながら食べる美味しさは、なかなか理解できるものではないだろう。ならば、子供たちの好きなアイスバーに餡子状にして仕込んだらどうだろう。昔は、栗アイスというものはあった。ただ、栗と小豆がアイスクリームの中に離散している状況を想像してもらうとわかるが、この状況では、微妙な栗の味は、小豆とアイスクリームにかき消されてしまい、小豆と栗の区別がつきにくかったのである。

  その反省からかどうかわからないが、こちらは、栗餡仕立ての贅沢なアイスの中に、さらに空洞を設けて、そこに特製の「甘栗ピューレ」をたっぷり挿入して、甘栗の美味しさと栗餡の絶妙なハーモニーを楽しみながら、甘栗の美味しさが際立っているのである。やはり、ポイントは、甘栗と言う二次加工品を上手に使ったということに尽きるわけで、あの「白くま」に使われた甘納豆と同じ着想である。この栗餡アイスに甘栗ピューレを組み合わせることで、甘栗を口の中いっぱいに実感できる美味しいアイスバーになっている。子供たちだけではない、ずっとずっと年配の人たちにも愛されるアイスである。
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2012/09/28

オランジェットビターチョコ

 かつては、チョコ専門店を覗いて、店内の厨房で白い姿のパテシエがチョコを作っている姿をみると、今「出来たてのチョコ」を食べたいと思う事があった。そのチョコとはオレンジの洋酒漬けをビターチョコで覆ったオレンジピールチョコ、あるいは、チョコの中にサクランボの洋酒漬けを入れたサクランボチョコの2種類である。しかし、そんな専門店で買い求めるには、ある程度の数量を購入しないと失礼かなとも思うので、最近は敬遠しがちである。それも、前ほどチョコを食べなくなったせいもあるのだが、それでも、ちょっとだけ欲しい時がある。

 集中した後の気分転換に、一息入れる1回分のチョコの量は、やはり少量で、恐らく50g程度が最適だと思う。もちろん、価格のこともあるが、オレンジピールチョコなら3本程度、洋酒漬けサクランボチョコなら2個ぐらいがよい。あるいは、市販のロッテのバッカスチョコだと6粒ぐらい、同じくラミーチョコだと1本程度である。もっと食べたいな?というところで止めておくのが丁度いい。そうすると、余ったチョコは冷蔵庫で保存という事になるわけだが、ウォ-キングに携帯するのも抵抗があり、何時かそれを忘れてしまったりする。だから、やっぱり、「1箱50g程度の食べきりで提供されている」と便利なのである。もちろん、ストックが必要ならば3~5箱買っておけばよい。食べかけが残っているのが気分的に良くないのである。

 これからも、チョットだけ美味しいチョコが欲しいと思う気持ちは変らないだろう。そして、ほんの少量でも、満足できる美味しいチョコのニーズが益々高まって行くに違いない。いくらデフレといえども、森永エールチョコのような「大きいことがいいこと」という時代には、到底逆戻りするはずもないのである。では、具体的にそんなチョコがあるかと聞かれれば、明治のMyチョコBOXシリーズの「フィールミントチョコスティック」、「コーヒービート薫るエスプレッソブレンド」を挙げたい。今回、そのシリーズに新たに「オランジェットビターチョコ」が加わったので紹介しておこう。

 この「オランジェットビターチョコ」は、蜂蜜に漬けたオレンジピールにビターチョコで包んであり、大変魅力的で美味しい。いくらでも食べれそうだ。1つ1つは少し小ぶりで、やや高価なオレンジピールの実体がつかみにくく、専門店のそれと比べると「今1つオレンジ・ピールを食った!という充実感」は乏しいが、それでも、おおむねミニチュア的なイメージの美味しさで満足できる。ただ、気をつけなければならないのは、少量でも十分なカロリーを含んでいるので、いくら美味しいからといっても食べ過ぎないようにしたい。あと、幾つかの新製品も出ていたので、まとめて写真に構成した。
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2012/09/25

カロリー美食亭80

  今日は、スーパーのレトルトカレー売り場で驚いた。な、なんと、「80kcal」という驚異的な数値を叩きだした商品「ハウス食品㈱のカロリー美食亭80」である。それらは、欧風カレー、ハヤシライスソース、5種類野菜のカレーの3種類で、全て新製品。今年の初めに「瞬間美食」と言う低カロリー(130kcal 前後)の「フリーズドライのカレー」を紹介したことがあるが、これよりもずっとずっと低い数値になる。普通売られているレトルトカレーは、おおよそ内容量 200g で 230kcal と相場が決まっている。一般的に、美味しさを感じるバロメータがエネルギー量であり、その単位がカロリー値である。つまり、同じ内容量でカロリー値が大きいほど「美味しい」と考えて差し支えない(そう作られている)。しかし、このカロリー値の高い食品の中には、動物性油脂が豊富に含まれていて、若いうちは、これも元気の素と考えがちだが、歳を重ねるにつれ「激しい運動は嫌い、食事制限もいやだ」と言う人にとって、これは体に蓄積する良くない成分と考えられている。

 戦後、日本人に最も多く食べられた食事の代表は、カレー、ラーメン、ハンバーグの3種と言われ、いずれも、安い割には元気のでる食事の代名詞で、これよるパワーが高度成長時代を躍進に導いたと言っても過言ではない。しかし、その食事が今の様なマイナス成長時代も変らないとすれば、国民総摂取エネルギー量は当時と大して変わらず、もちろん体の中で燃焼もせずに、余った油脂は形を変えて、最終的には医療費の負担に繋がっているのではないかと考えられる。つまり、カレー、ラーメン、ハンバーグの3種のエネルギー量をある程度減らすことが出来れば、先々の医療費を下げることも可能になるかもしれないのである。うーむ、ほんまかぁ?

 そんな目標意識の中で、極端に低い 80kcal 3種の商品に驚き、手に取ってみたというのが本音である。仮に、これら3種類を全て食べても、240kcal と普通のレトルトカレー1食分程度に収まるのである。ここで1つ例えだが、お腹の状態を数値として表してみて、最も空腹時を-100、最も満腹時を+100 と仮定すると、-30 ぐらいの空腹を+80にしたいと思う「満腹感を重視する人」には、従来の高カロリー商品が望ましく、無理をして食事や生き方まで変える必要はない。しかし、お腹が空いた状態を -80 まで我慢でき +30 ぐらいの、あくまで「空腹」を満たす程度の状態を基準に置くような人達には、この 80kcal の食品は重要な商品になりうるのである。これは健康維持にとても良い。逆にいえば、今までレトルトカレーは、高カロリーであるがゆえに苦手だったと言う人も多い筈で、この商品の市場導入がもたらす効果は大きい。

 早速、3種を食べ比べてみたが、1/3も低カロリーな割には、「確かに少し軽い感じは否めないが、それにしても、とても美味しい」と思う。高カロリーな油脂を使って食材を長時間煮込まないと生成されないようなコクや旨味があり、これは何か別の工夫がなされていると感じる。こういうところに、いわゆる食材のイノベーションを体感できるわけである。そして、消化も早く胃腸への負担も少ないが、腹持ちは良いので、特別病院食の様な扱いをする必要はない。普通のレトルト食品として、おじいちゃんやおばあちゃんにも美味しく戴けるはずだ。そもそも、180gで80kcal とは、グラムあたりに換算すると、チチヤスヨーグルト(赤ラベル)85gで79kcal の半分程度のカロリー値である。

 この超低カロリー80kcal の効能は、ダイエットを心がける女性や糖尿病予備軍の中高年はもとより、胃腸が弱くなってきた人達にも好都合だし、夜勉強に勤しむ受験生や、食事が夜遅くなる人など、有効性の範囲が広い。おまけに、これらの「超低カロリーで美味しい食品」作りのノウハウは、国内外を問わず、病院食、養老ホーム等の食事のバリエーション拡大にも有効と考えられる.。もうひとつ、レトルトであるがゆえに長期保存(1年)にも優れ、カロリーの低さで、防災時でも誰でも親しまれる非常食としても優れている。
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2012/09/21

九州名物 白くま

  この夏は、九州名物と書いたこのアイスキャンディーにお世話になった。パッケージには、「エスキモーに出てくるような白クマ」が描かれていて、会社の名前は「丸永製菓」と印刷されている。何か少しだけ変なの?と思って、最初は敬遠するしかなかった。これは、後から考えると、実物の「美味しさ」よりはるかに遠い印象を与え、商品として少し損をしている。パッケージなどの多少の安っぽさは、親近感すらわいて好感が持てるが、若干「違和感」を感じると、人は手に取らなくなる。普通の人は、そんなことを考えることもないとは思うが、今から54年ぐらい前の話になるが、幼い時の記憶の中に、「類似のお菓子を販売する」会社が多かった。その記憶と一瞬交錯してしまったのかもしれない。

  僅かに、そんなことを感じていながらも、この会社の別の商品が、どこのスーパーの冷凍庫の中にも置いてあることを知ると、にわかに美味しそうな気がして、実物を手に取ってみたのである。これは、「九州名物」なのだと思いながら、小豆かと思ったら「甘納豆」が使われていたのである。これは、甘味センスのいいやつの仕業だ、その絶妙な甘味感覚がきっと美味いに違いないとの印象を受けたのである。今まで口にしなかったのが恥ずかしいぐらいで、正直素晴らしいアイデアのアイスキャンディーだと思える。とにかく「文句なく美味しい」のである。もちろん、1箱6本入り297円という価格の事も考えての事なのだが、この「九州名物」は全国展開できる商品である。

 角型バーアイスと言うのは、はっきりした主張があるのが普通である。例えば、パインとみかんの味とか、小豆入りの抹茶味とか、かき氷練乳味とか、はたまたクリームソーダ味とか子供たちに分かりやすい表記でなければ手に取ってもらえない。それは、子供にも「味が簡単にイメージ」できる必要があるからで、この九州名物アイスキャンディーの最も分かりにくいのは、大きな文字で「白くま」と書いてあるところにある。ひょっとしたら、「母さん!これ白くまが入ってるの?そうだよ~怖いね~」。白くまの着ている「ふわふわとした雪」が入っているかもね。おまけに 「パイン、黄桃、あずき」を一緒に楽しめるおいしいアイスとも書いてあり、うーむ、一体どんな味なんだろう・・・それが競合他社の表記に慣れた子供たちには難解に映ってしまい、手が出せなくて困るのである。

 そういう表記で大いに損をして、子供たちに怖がられているのではないかと、ひたすら心配しているのだが、一度口にしてみると「みんな美味しい」と思うに違いない。そして大好きになる筈である。だから、「嫌なら、子供達には無理をして食べて戴かなくても結構で、下手に人気が出て在庫不足になるより、大人の我々が代わりに戴きますから」と言いたくなりそうである。今時、アイスキャンディーは夏だけの食べ物ではない、これからも、一年を通してお世話になると思う。
ではこちら
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補足:ブランドなのか、商品名なのか、キャッチフレーズなのか分からない表記には、製造者の思い込入れが出すぎたり、あるいは社内の散漫な考えがそのまま映し出されることは多い。世の中、パッケージや取説、はたまたホームページなどの表記にも笑えるものは多い。

2012/09/18

サッポロ一番 中華そば

 ここんとこ麺業界も慌ただしい動きになってきた。次から次へと各社、麺の独自製法を誇る新製品の市場投入が続いている。マルちゃん正麺も、日清ラ王も、色々と凝ったCMを展開したが、それよりも何よりも、あの湾岸警察署の青島俊作巡査部長が画面にアップになって「美味しい」と言うのは、説得力がある。だから、黙って指をくわえて映画を見た後は、みんな「サッポロ一番 中華そば」を買って帰るのだろう。これが今、身近で起こった同時多発麺事件なのである。手掛かりは、製法の違いと、それによってもたらされる喉越しにありそうだ。

    次こそは、是非「ラ王」と比較してみようと思っていた「まるちゃん正麺」派の人達も、1個飛ばして「ラ王」より先に、この「麺の力 中華そば」に心を動かされたに違いない。この絶妙なタイミングで、新製品を登場させたサンヨー食品こそ、まさに「王道」の技といってよい。これまで新たな製法で作られた麺の喉越しに驚いた人達も、どうやら、揃って油揚げ麺の「麺の力 中華そば」に注目しているようだ。さらに、三者三様の美味しさを自分たちの物差しで一刀両断に切り取ってしまう、そんな麺食いにとって、心躍り奮い立つような楽しい時期になったのである。

 サッポロ一番というブランド名と、「味噌ラーメン」の美味しさから、サンヨー食品は、札幌にある会社だと誤解していた時期があった。いつしか、群馬の会社だと知ってからは、同社の独自性の高い商品企画に興味を魅かれる様になった。とても難しい麺類の即席麺化に挑戦しているからである。最近では、あの「坦々麺」を、そしてこの度は、もっと難しい「ちゃんぽん」を、袋めん市場に投入してきたのだ。どちらも、市場規模は小さい割には、即席麺のスープとしては個性的で、さらに、それに見合う麺作りをしなければならない。それを承知で、市場投入したのである。もちろん、ある程度のシェアを確保できれば「味噌ラーメン」に次ぐヒットに繋がるはずである。難しいのは、いずれも袋めんの持つ「少しだけ手を加えて美味しく戴く作法」を顧客が活用できるかという点にあると言えよう。

 この「中華そば」は、醤油味のラーメンと競合するものではない。あくまで、中華そばなのである。このネーミングからは、懐かしい麺の喉越しやスープの風味が蘇ってくる。はるか昔、街角にあった「中華そば」と書いた暖簾をくぐった食堂にあり、現在50歳以上の人達にとって、共通するイメージと言えよう。すでに、そういう大切な記憶の中に刻まれているものなのである。鶏がらや豚骨の旨味に醤油、生姜、香味野菜を合わせて、手間を掛けた「懐かしい本物の味」が堪能できる筈である。我々が大切にして来た思い入れに、真っ向から、正々堂々と「中華そば」という大胆なネーミングで登場させたところにサンヨー食品の自信が現れている。
それはこちら
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2012/09/14

続 京王線地下を走る


    京王線の地下化の話を紹介したら、その後、知り合いから「結局どうなった?次回が楽しみだ」とか言われてしまった。もちろんその予定はなかったが、うー、うんとか返事が口をついて出てしまった。京王線の地下がどうなったかは、いつでも確認できるが・・・・、既に、地上の線路は錆びつき、ところどころ駅舎の解体が始まって、無残な姿を露呈している(上の写真:調布駅4番線ホーム新宿側より望む)。こんな姿は見せたくないが、それでも、調布を離れて遠くにいる人達は、程良い哀愁を感じるかもしれない。うーむ、気がつかなかった。次回は、いずれ地上にあった線路が全て綺麗になくなった頃に、「こんなに変わってしまった」と言う報告をしたいと考えていたのだが、それでも、京王線の変遷を楽しみにしている人がいるなら、ということで、ここで1発補足をしておきたい。


  京王線が国領→布田→調布間で地下を走るようになってから、ほぼ1か月が経過した。地上と地下の駅の切換当初は、まだ設備等が不十分だったようで、もちろん工事はまだ続いているが、案内や警備する人はずいぶん減った。人は新しい環境にすぐに慣れて、地下への違和感は消える。今やこれが当たり前になって人々に馴染んでいる。かつてはどうであったかなど、既に新旧比較など興味もないようだ。それもこれも、以前より通行がスムーズで便利になった効果と、予想もできなかったほど「都会風で綺麗な駅」が作られたことで、より親しみ易いやすい環境になったからだ。


 駅構内は、いずれも歩行に迷いのないように、構造が細部まで検討されていて、それらをより鮮明にするカラーリングや掲示板とが相まって、機能的になっている。さらに、全ての駅にホームガードが設置され、より安全性を重視した印象を与えている。地下のホームに降りると、誰でも圧迫感や閉塞感を受けることがある。ホームのスペースが小さければ小さいほど顕著だし、また、電車が入線するとか通過するときの騒音は、トンネルを響き渡り大きい。年配の人たちの耳には辛いだろう。それに精神的抵抗感を覚えることも少なくないが、それこそが地下に収まった駅構内の宿命といえる。調布駅は、全ての電車が停車するので、通過騒音は無いが、国領駅は特急、急行、快速と、何本も大きな音が響いてくる(上、下の写真は調布駅の構内)。


 ところが、布田駅(下の写真)は大きなホームドアが全てを覆い隠してホーム自体を密閉構造にしている。下り側のドアはネイビー、上りのドアはマゼンタのカラーリングがなされ、車両が通過するときに発する騒音はかなり抑えられている。電車が停車した時だけ密閉構造が解かれる。ドアは大きめで、将来の更なる大型車両にも対応できそうである。3つの駅では最も乗り降りの客数の少なく、しかも、調布駅と目と鼻の先と極めて近く、地下で繋がっていても良いくらいの、もったいないような布田駅だが、ホームにいる乗客のみならず、電車の乗務員にも精神的な負担が減っているようだ。調布、布田、国領の3つの駅の中で一番洗練されているのがこの布田駅といえる。


 先日、6000系車両が写っていたフイルムがあったことで、気を良くして丹念に探していたら、今度は2000系の各停車両が出て来た。おまけに、国領駅に入線している写真もあったので、これを使って3枚の組写真にしてみた。上りと下りが別々の出入口になっている当時の国領駅の様子が分かり懐かしい。「上り」側の駅舎の前には三角形の空きスペースがあり、改札から外に出ると正面に2階建ての西友ストアー、右には銭湯とコインランドリーがあった。そのあたりは、この写真には写っていないが、この写真を見て初めて思い出せるロケーションと思える。現在の国領駅の様子は、一番下の写真になる。
それはこちら
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補足:カラーリング=ネイビーとマゼンタの京王電鉄のイメージカラー2色を効果的に使ってある。

2012/09/11

日清ラ王

 それを食べた人748人、その人たちの平均の値付けは532円だったという、そんな無料ラーメン店が話題を呼んでいる。恐らく覆面メーカーが、ラーメンを無料で提供し、モニターをお願いしているのだ。あなたなら「いくらの値段をつけるか」というアンケートに答えた統計結果である。あの「綾鷹のこりゃうめえゃ!」というCMより具体性が高いといえる。店舗はプレハブで、殆ど具もなく、素ラーメンに532円がついたというのは、普通に考えると、かなり「美味しい」と思えるのだが、無料という状況が生んだ体裁のよい「日本人的儀礼」ともとれる。それを、額面通り受け取るのは、いささか危険かもしれない。

 視聴者に、それがきっとあの「ラ王」だろうと思わせるところに、日清食品の練られた戦略がある。即席袋めんの市場は、既に歴史的に評価を得た商品が売り場を占有している。この歴史的というのは、即席めんが出たころからのファン、つまり今の50~60代が青春時代を共にした定評ある商品(チャルメラ、サッポロ一番、出前一丁等)ということである。そんな商品が並んだお店に持ち込んでも、既に自社の商品(チキンラーメン、日清焼きそば等)が並んでいることもあり、置き場がないという理由で拒まれることも多い。売れるか売れないかわからない商品を売り場には置けないのが1番の理由だ。

 また、一方で唯一支持されている商品がある。それが、まるちゃん正麺(味噌、醤油、塩、豚骨)であり、それは思いのほかグングン売り上げを伸ばし、置き場のスペースを自ら広げていたのである。今やマルちゃんは、このシリーズだけで売り場の3割を占有していると言っても過言ではない。テレビCMの独創性やキャラクター人気の効果もあって、若者から年配にまで「美味しい」と評価されたのである。

 そういうマーケットのトレンドに対処するには、お客の「指名買い」を促すしかない。お店の担当者に常連客から「袋めんのラ王」は何処にありますか?と次々と声をかけるとすると、まず、「うちも置かないとまずい」と思うだろう。そして、テレビを通じて「美味しいわ」という大きな広がりで後押しをする。さらにもう1つ、顧客の選択肢に楔を打つ必要もある。どんなに美味しいラーメンでも、同じものは飽きる。他も食べてみたい、あるいは、あのラ王を食べてみたいと思った時がチャンスなのである。そうやってマルちゃんの牙城に一石を投じるのである。幾つかのチャンスを掴んで、袋めんのマーケットの大部分を奪回しようとしているのである。特に、これからは、「容器を捨てるのに困るカップめん」から「コスパの優れた袋めん」の時代へ戻りつつあり、力を入れざるおえない筈である。

 ・・・そんな事を考えながら、やや興奮して焼き豚を刻みすぎてしまった。麺を袋から出して「沸騰したお湯で4分茹でよ」と書いてある。茹で上がったら、少なめのレタスや卵焼きと合わせたい。「麺だけを取り出して、これは美味しい」というのもいかがなものか、と思うが、この表面つるつるの麺は、間違いなくとびきり腰が強く美味しい。実はゆで時間3.5分で、口にするまでに4分。スープは日清独自でモダンな印象の四川風味噌で、コシのある流行りの麺と、日清得意のスープで新たな世界を切り開くといった意気込みを感じる。それを生かすには、そのままストレートで戴くのもよい。
ではこちら
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補足:日本人的儀礼=日本の慣習によって定型化されている礼儀。ここでは、場所まで用意して、温かい食べ物を戴いたと言う意味でのお礼。食べたものの美味しさより、その「誠意を重んじる」と言う意味で日本的である。少々口に合わなくても、「良い数字を出しておけば無難」と言う意味でも日本的と言えよう。

2012/09/07

大豆を栽培するキット4

  分野の違う事について、我々は如何に無知か分かる。極端な言い方をすると、興味のない人にとって園芸や農作物は、種を撒いておけば勝手に育つぐらいにしか考えていない。そういう知識の現実を十分認識した上で、この大豆キット「Soylution」は提供されている。この環境があくまで自然にベランダに置いた大豆の鉢植えを「美味しそう?」に育てたのである。これは、徹底して完成度の高いキットだったと思える。私は水を与えただけだ。ただ、それでも誤解してはならないのは、全てがうまくいくわけではないし、それでも、絵に描いたように大豆が育てば嬉しいし、満足度も高い。

  この時期、朝顔や昼顔を育てても虫がついて困ることがある。バジルも同じだ。いずれにしても、何時でも、何回でも、安定して植物を育てるのは簡単ではない。だから、1つ1つ葉や幹を観察しながら、危険をいち早く察知して対処する習慣の必要がある。分からないことがあれば調べるしかない。今は、昔と違いネットでおおよそのことを調べることが出来る。その基礎的な知識を駆使して、専門家に尋ねるのがよい。そうやって、熱心に専門情報を受けることで、一方的な情報収集では得られない、より実際に適した対処法を入手することが出来る。さらに、知識として持つだけでは「実に付かない」ことでも、実践を積み重ねることよって、次第に大きな果実を得ることが出来るようになる筈だ。

  かつて、祖母の庭いじりを思い出すに、きっと、この何気ない触り具合で楽しむ世界にも、ある程度の「コツ」というのがあるに違いないと思っていた。だが、コツとは、原理や原則を飛び越えたところに臨機応変に浮遊していたりするので、ある意味では危うい知識とも言える。やはり、それを伝授されたところで、一般解答のようなわけにはいかないのである。たまに花屋で鉢植えを買ってくることもあって、ある程度時間が経過すると、何故か枯れてしまうこともある。もっとも、販売した方は、小安い鉢植えを未来永劫楽しまれても困るとは思うが、あっ気ない終わり方をすることも多い。それがいったい何であるか、それこそ専門家に尋ねるしかないのである。環境が悪かったのかと思って反省し、再び購入してくる。これが答えなのかもしれない。

 そういうものと一緒にはできないけれど、スーパーの野菜売り場の茄子やトマト、胡瓜や大根などをみて、これだけの美しい色や形を作り、おまけに洗って袋詰をし、おじさんの顔まで出して安全性を保証する。これで195円は、「めちゃめちゃ安いぜ!」と感じるのである。農家の高齢化が進んでいる現在、一体いつまでこのような「美しい野菜」を提供してもらえるのか心配になる。そういう想いを理解した上で、今日の写真を見てもらうわけだが、やはりスーパー等にある枝豆は、豆がたわわに実っていて、「素晴らしいな」と改めて感動するわけである。それもこれも、大豆キット「Soylution」を育ててみてわかったことで、もし、枝豆の段階で食べたければ、スーパーで塩茹でしたものを買って来た方がよい。そして、できれば、この大豆キット「Soylution」を眺めながら食べるとよい。
ではこちら
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補足:文中で使われている Soylution =Soy(大豆)+solution(解決)という造語。誤解のないように。

2012/09/04

ディスカバリー6

  京王線とは、東京へ来てからずっとお世話になり、すでに41年が過ぎた。いつまでお世話になるか分からないが、今回は地下化に伴い、1つの区切りとして「国領→調布」間の地上を走る電車をいくつか撮影した。炎天下で線路の脇をポツポツと歩いていると、ふと「前にも歩いたことがある、写真も撮ったかもしれない」という妄想のような記憶が呼び戻されてきた。「こういう事ってあるんだよな、来たこともないところでも、前に一度来た事があるような錯覚、前世の記憶なのか・・・・あー、やだやだ。頭が熱暴走しているのか」。いや、それとは少し違うようだ。ただ、歩いたのはいつ頃だったか、あるいは場所はどこだったかはっきりしない。もしそれが過去の事実なら、フイルムが残っているはずだが、「うーむ」と首を傾げてしまった。

 日に日に、記憶の曖昧さでフィルムが残っているという自信を希薄にしていくが、あるとしたら、どうしてもこのブログに1ページとして加えておきたいのである。とりあえず、地下化切換工事の写真をアップした後なので、ゆっくり探すことにしたのだが、見当がつかない。探すついでに、関係のないビデオやオーディオ関連のフイルムばかり出てきてしまった。それらは、いずれ「このディスカバリー」で紹介していきたいが、あの、昔撮影したと思っている京王線の写真は、妄想だったかもしれない。本当に撮影していたのだろうか、だったら何故見付からないのだろうか?。そうやって、探すきっかけと言うか、何の手掛かりもないことが不安だったのである。

 そんなある日、つつじヶ丘で各駅停車に乗り換えようと車両の最後部で降りた。向かい側のそこには、各停がホームいっぱいに停車していたのである。ホームが細くなって互いの車両の距離が2m弱ぐらいまで接近しているのを眺めながら、将来は車両の編成がもっと増えるのではないかと余計な心配をしたのである。その瞬間、昔の「大型7両編成で電車が来ます」というアナウンスを思い出した。現在はステンレスカーの10両(一部8両)で運行されているが、当時は大型7両は画期的で、京王線自慢の車両だったのである。あの時は、あちこちでホームの延長工事をしていた。そのことが記憶の引き金になったのか、霧が晴れるように記憶がはっきりしてきた。当時の大型7両編成は確かに車体が大きかった。その編成の特急も急行も快速も国領駅には停車しないが、国領の駅を出たところで急激に右カーブをするため、その手前で必ずスピードを落とす。そうだ、その同じ手前で写真を撮ったのだ。

 今でこそ、速いスピードで近づいてくる被写体を撮影するのは、カメラの動体予測モードを使う事が出来る。しかし、当時はそのような機能のカメラはなかった。ただ、単に露出計がついているだけだった。だから、車両がスピードを落とす場所こそが、最適な撮影ポイントになったわけである。仕事ではフイルムをF、SSまたはエクタクロームを使っていたが、個人的な撮影には全てコダクローム64で、もし残っているとしたら家族を撮影したフィルムの後ろにあるかもしれない。そんな可能性が出て来た。まさかとは思ったが、丹念にフイルムを調べると、どれもフイルムの最後部に、調布市内の風景や畑、等にまぎれて京王線の電車が数点写っていたのだ。家族の写真と一緒に残っているなんて想像もしていなかったが、やっぱり撮影していた。
こちらが残っていたその1枚。
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%211187&app=WordPdf

補足:コダクローム64=コダックのスライドフィルムの1種。フイルム感度=ASA64。
現像は、約一週間かかったが、このフイルムは、映画などにも使われるため、長期保存に適していると思い、あえて家族の写真は全てこれを使って撮影していた。

2012/08/31

体の調整にジャリネア

    あんなに、今年の夏は「暑かった」のにと、もう過去形で書いて良いかどうか迷うが、少なくとも8月は個人的にもイベントが多くて、忙しなく日々が過ぎた。気象庁の呼びかける「熱中症対策」も徹底していたせいか、さほど食欲も落ちず、おまけにクーラーの掃除は丹念に行っていたのだが「終始OFFまま」元気に夏を乗り切ることができた。ただ、毎年夏は体重を落とせるチャンスであったにもかかわらず、今年は増えてしまった。

 そんな話を溢したら、「楽(らく)しすぎとちゃうん」とあっさり切捨てられてしまったが、加えて、原因は明らかに「オリンピック観戦」にあると付け加えられた。何か「いい歳をして、言い訳をするほど情けない事はない」ので、そんなことは、おくびにも出さなかったが「やっぱりな」という気分であった。例年の夏なら食欲もなく、冷やしものばかり食べて、夏痩せをするぐらいなのに、今年の夏は興奮し過ぎたのかもしれない。

 もちろん、興奮するだけで、体重が増えるわけではない、そこにはストレスから食欲を巧妙に誘導するメカニズムがあった。それは、もう単なる応援者の領域を越えて「代表選手と同じ気持ち」になることで、応援にもかかわらず緊張感やストレスが生成されるのである。そのストレスは徐々に増加しピークを迎える。そのストレスを抑えようとして、何か食べ物を口にする行為に走るのである。これによって、大脳は満腹感を得てストレスが緩和される。大脳は誤った判定をしているわけだが、一瞬は楽になる。ところが、ストレスは継続し、再び何か口にしたくなるのである。そうやって、ついつい、「腹8分目のルール」は崩壊していったのである。

 ほとんどの人たちは、日本代表選手の活躍を楽しみにして、夕食もそこそこにすぐに睡眠に入り、0時もしくは3時過ぎに起床して「オリンピック観戦モード」に入る。観戦が終わると疲れ果てて、再び少しの仮眠をとるようだ。そのルーチンは、まるまると太った豚の様な「食べては寝て、食べては寝て」を繰り返したことになる。そして、知らず知らずのうちに、体重の増加を引き起こしていったと考えられるのである。しかし、それもこれも日本代表選手が頑張ってくれたことによるもので、久々に興奮したし、とても嬉しく元気になった。だから黙って、これからのワクワクする「食欲の秋を返上」して体重を調整するために、それなりの工夫をすることにしたのだ。
それがこちら
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補足:このスープは、最初は慣れないので、あまり美味しく感じないが、我慢して体重が落ちる頃には俄然美味しく感じるようになる。最初それを補うために、ミールバーを併用していく。

2012/08/28

暑くても何とか過ごすために

  この暑さにまだ我慢しないといけない。気象庁のデータも1990年以降は急激に平均気温が上がってきている。あの広島の暑さ(熱い)を知っていると、館林以外なら、どこへ出向いても対応できると最近まで考えていた。実際1971年に東京に来た頃は、やはり東京は涼しいところだと嬉しくなったのを覚えている。しかし、包み隠さず申し上げて、今は以前よりはるかに辛くなった。よくわからないけれど、先行き、再び低温化に向かって折り返すこともないだろう。「暑ければ冷房を入れればよい」などと単純な理由で電気を浪費するのも憚れる。この程度の暑さでは「冷房なしで生活できる」ぐらい高温対策を覚悟しないと、「2030年迄に原発を0」は叶わない。それでは、何をすればこの暑さに対抗できるのであろうか。

  対策はたくさん準備しておきたい。去年はベランダに防水加工を施し、全域で水を溜めることができるようにした。これによって、朝、夜は僅かに涼しい空気の循環が得られ、体感温度を下げることができた。次は、いずれミストの噴出にチャレンジしたいと考えている。就寝時は、竹シートの上に「熱さまひんやりジェルマット」を重ねて横になることにし、適度に寝返りをうちながら気持ち良い寝心地を確保できた。薬局では、去年の「ひんやりジェルマット」の好調な売れ行きに気を良くして、今年も様々なサイズを店頭展示している。一般的に、少々高額なので小型を考えがちだが、実は、体から吸収した熱を放出するためには、ジェル側は、体との接触面積以上の空きスペースが必要で、大きければそれだけ早く放熱して涼しくなることになる。
  
  今年は、徹底して体感温度に拘った。といっても、他に拘るものはないのだが体が「すーっ」とするメンソールを大量に含んだシーブリーズを多用してみることにした。7~8月と2ヵ月使ってみたが、意外に効果的である事が分かった。メンソールには、独特のハッカ臭と清涼感が漂い、肌に触れると冷たく感じる作用があるので、メンソール成分が皮膚に残っている間(1時間程度)は涼しさを満喫できる。これだけなら、「ふーんそうだよね」となるだけなのだが、その他、都合良く考えると様々に効能がある。まず、蚊が近付いてこない効果がある。蚊は、人の体から発散されている炭酸ガスを感じて近づいてくるが、メンソールのハッカ臭を嫌気するようだ。

  一方、朝の洗髪では血管を拡張し血行を改善するため、頭を冷やしてリフレッシュするには最適だ。特に汗かきには高い抗菌作用がありがたい。もちろん日焼けの後に抗炎症作用もある。そしてシーブリーズを少し洗剤に混ぜて使用することで、洗濯物の抗菌効果も期待できる可能性がある。たとえば、シーツやタオルケット等の洗濯時に少量加えることで蚊や虫が寄り付かない。さらに意外にもう1つ、様々にシーブリーズを多用しても、風呂場やその他流れ出る下水道にも悪い影響はないようだ。むしろ、水が一時的に貯まる場所が綺麗になっている事を確認できる。これは、夏場として良い結果と言えそうだ。このように、メンソールの効能は体感温度の低下だけでなく、他にも優れた効果がありそうだ。お風呂で使える関連商品を並べてみた。
ではこちら
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2012/08/24

かぼちゃのカレー

  夏はやっぱりカレーを食べたい。単純かもしれないが、「口から火が出るCM」を観てそう思ったのだ。単純に辛い物を食べたいだけなのかもしれないが、それでも、自分で何とか辛さを調整できるカレーを作ろうという気になったのである。それにしても、カレーの為に何度も部屋を熱くするのは辛いし、昼間は特に億劫になりがちである。そして、もう1つ、それは自分好みの「辛口で美味しいカレールー」がないというのも背景にある。かつては、スパイスも取り揃え工夫を凝らした時期もあったが、そんなことはもう面倒になった。もっと単純に素早く作りたい。そこが、様々なリスクを背負いながらも、今1つカレー作りに前向きになれない要素だと思えるのである。だから、簡単に美味しいカレーが作れるようになれば、創作意欲が芽生えるに違いない。

  少しでいいから、まず「辛くて爽やかなカレー」を作ろう。しかも、「短時間で涼しく」作らなければ意味がない。その自ら企てた課題を乗り越えるために、まず、カレールーを幾つか試してみた。その中からお薦めできるのは、 S&Bのゴールデンカレー「バリ辛」第2弾 夏季限定品である。これが、なかなか美味しい。あの、「ハバネロを超える激辛唐辛子としてギネスに認定済みのブート・ジョロキアを使った刺激的な辛さ」という宣伝文句が効いていて、ワクワクしたが、期待に応え旨味のある辛さだったといえる。やはり今の時期は辛さが決め手で、「激辛と言う言葉」を目にして洗脳されたのかもしれない。
  
  主に使う野菜は3種、じゃがいも、大根、そしてかぼちゃを別々に作り試してみた。じゃがいもは、標準的な材料なので、このカレールーがどのくらい辛いのかの基準になり、その他の材料の選定に影響する。同時に使う野菜の種類を増やすと味がぼけるので、できればオーソドックスに人参、玉ねぎなど3点にとどめたが、このルーには、かぼちゃの相性が良かった。今までも、幾つかの野菜を使ったカレーを紹介してきたが、かぼちゃのカレーは今回が初めてである。じゃがいもの代わりに大根を使うと消化も早く、胃腸が疲れている秋口はお勧めだが、若干口当たりに水っぽさを感じる。それをかぼちゃを使うことで、じゃがいもよりも少しだけ甘くてこくがあり、激辛のカレーソースとのコントラストが美味しく感じるのである。
 
  最終的なイメージが出来上がったら、野菜を用意し適当な寸法に裁断したら、あらかじめ電子レンジ(玉ねぎ、人参4分、かぼちゃ5分)で加熱しておくと、火力を加える時間が減らせる。鍋は保温型の鍋を使う。これは、一度食材すべてを火を通した後、温度を保つ容器に挿入しておく。1時間程度放置すれば、野菜に火が通り柔らかくなる。その後にカレールーを投入し、再びそのままを保つ。さらに1時間後には出来上がる。かぼちゃが型崩れしないようにかきまぜて出来上がりである。出来上がったら、必ず保温器から取りだすことを忘れないように。保温器がなければ、今の時期なら陽のあたるベランダに放置しておいても良い。
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2012/08/21

京王線地下を走る


   また1つ大切な記憶が消されそうである。今は、まだそこに存在しているので、この風景は絶対に忘れないと心に刻んでいるのだが、しかし、人の記憶は意外にも脆く、新たな風景を見た瞬間、古い記憶が遠のいていくという現実がある。もちろん、電車や駅が地上から姿を消そうとどうしようと、大勢に影響は無く、我々の生活は変わらないし。交通安全上もその方が良いに決まっている。だからつまらないことを気にしないでもよいのだが、40年間見慣れてきた風景が姿を消すことや、イライラして踏切を待つことも無いだろうと、それにも1種の寂しさを感じている。そして、じっと快速をまって、特急を待って、各停をまって、「やっと、渡れる。そして急ぐ」 そんな喜びそれも、もう無くなるのである。


京王線は、18日(土)の終電後から翌19日(日)午前9時過ぎまで 国領、布田、調布間の地下化切換工事が実施された。柴崎駅を過ぎて野川を渡り150m 程先から地下へ入り、本線は西調布手前で再び地上に戻る。一方、相模原線は、京王多摩川手前で地上に戻る。このほぼ出来上がった地下線路への繋ぎ込み工事が夜を徹して行われたのである。現場は3か所で、ほぼ同時に始まり、1か所1500人を超える人員で作業が進められた模様(警備員を含む)。大型クレーンなどが狭いところを縦横無尽に動作し、広い区域にわたって通行・進入禁止になった。深夜にもかかわらず多くのカメラマンが押し寄せたが、安全上の警備が厳しく、作業を近くから見守ることは出来なかった。

  地上の線路を切断し、必要ない部分を撤去する。そして、地下トンネルで既に敷設されている新線路と接続するには、どのような手順で作業が進められるのか、誰でも興味はある。しかも、自分の目で作業を見てみたい、うーむ、「一生に一度」も切換工事なんか立ち会えないと思う筈である。近所の人たちだけではない、遠くから来たカメラマンは、望遠レンズを通して固唾を呑んで作業を見守っていた。どのような手順で作業を進められたかは、想像の通りなので説明は割愛するが、今日はこの接続された工事中の線路を見ていただきたい。PDFの写真は新宿方面に向かって撮影。



  作業終了後は、地上の踏切警報機は置物になり、線路の隙間は埋め尽くされている。この地下化については、30年以上も前から計画されてきたが、その間も、この区間の踏切待ちによる渋滞は、徐々に増えて、いつしか凄まじい状態になっていたのである。特に、調布の本線と京王相模原線が分かれる調布駅西側の踏切(下の写真)では、車の交通量が多い割には踏切の横断距離が長く、締切時間も長いとされていた。これも近年、電車の増発ダイアによってさらに拍車を掛けてきた。この工事の総称は、「連続立体交差工事」と言うぐらいで、地上にある18ヵ所もの踏切をなくす事が出来たようだ。
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補足1:京王線の記述分類として、本線は、新宿から京王八王子まで。相模原線は、調布から橋本まで。高尾線は、北野から高尾山口まで。井の頭線は、吉祥寺から渋谷まで。途中、明大前で本線と乗り換え接続可。を指す。

補足2:上部写真の説明 一番上の写真は、布田→調布の間の9000系。二番目の写真は、国領駅に隣接する狛江通りの踏切が開いた時の様子(夕刻撮影)。三番目の写真は、切換作業終了後に国領駅手前で地下へ走る8000系車両の先頭車。

補足3:前日は、あちこちで別れを惜しむ人が溢れた。仮設の調布駅とホームに入線している京王線4本を撮影しようと、踏切の中から撮影する人達。京王八王子からの各停が背後に迫っている。


補足4:前回(第1回)の国領駅先方の地下工事紹介(再掲)
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補足5:野川を渡る京王線(再掲)。この左側150m先近辺から下がリ始める。
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2012/08/17

チチヤスヨーグルト

      私が生まれて初めて口にしたヨーグルトは、今日紹介するチチヤスの製品であった(同社は日本で最初にヨーグルトを商品化した企業)。当時は、今の様にプラスティックの容器が普及していなかったため、乳製品は全てガラスの瓶に詰まっていた。その瓶の中に固めてあるヨーグルトは、スプーンで隅々まで拾い集めて食べるのに苦労を強いられた。幼い時にそういう苦労をすると、工夫をする癖が身に付き、スプーンの先の曲線を上手に使いこなす技術を習得することが出来た。ま、そんなことは何の自慢にもならないが、久々にチチヤスヨーグルトの新製品を見付けたので、写真を撮って1度紹介しておきたい。

  昔からある「チチヤスナチュラルヨーグルト=シリーズ商品名」は、舌触りが軽く、「口溶けの食感」がとても良いし、後味の爽やかな酸味も特徴と言える。口にしてみると、「なるほど」と思ってもらえるはずである。この特徴は他には見受けられない食感で、恐らく、生乳に乳酸菌を加えて自然に作ると、この舌触りになり、寒天の量で口どけの感じが作られ、甘味料等を僅かに加えることで、爽やかな酸味が再現されるといったところなのであろう。赤いキャップが従来からある伝統的な商品「チチヤスナチュラルヨーグルト」であり、青いキャップの低糖タイプ(PDF写真の背景)も出ていて、こちらは時流に乗って甘さを控えてさらに軽い感じである。4個パック(1個56kcal)で販売されているため、誰でも1度に2個ぐらいは、さくっと戴けるのではないだろうか。

  この古くからあるチチヤスナチュラルヨーグルトについて、一方では、工夫が足りないとか、面白みに欠けるとか、時代を反映していないとか、様々に批判めいた囁きもあったとは思うが、ここ15年ぐらい全国展開を始めてからは、ふんだんに新たな試みで多様な製品を揃えてきた。そうやって、流行に追いつきながら、やや自然の果物を取入れた独自性を打ち出してきたと言える。しかし、それらは、今1つ都会的で高級志向を目指す商品とはならず、家族で小安い美味しさを楽しむといった商品であった。つまり、製造側としてヨーグルトの範疇を超えて、デザートとして成り立つほどの研究開発までは至らなかったのである。他方で、売上げ数字などからは、いかなる商品を投入しても、やはり昔からあるチチヤスナチュラルヨーグルト(3種)を越えることが難しかったのである。

  ヨーグルトは、スーパーなどで3個あるいは4個パックで販売される程の競争の激しい商品なので、次から次へ新製品を投入しなければ、売り場で目立たず飽きられてしまう。広島県で育った顧客が全国何処にでもいるわけではないし、専業メーカーが所狭しと並ぶ売り場で、どうすれば顧客の手に取ってもらえるか、チチヤスの方向性は、1.安い、2.美味しい、そして3.珍しいを打ち出してきた。今回、その珍しい要素の延長線上に、もうひとつ高級感が盛り込まれた商品が登場したのである。それが、PDF写真の2商品で右がバニラヨーグルト、左の黄色いパッケージが「瀬戸内産100%の夏みかんとレモンの果汁と果皮を使い、ハチミツを加えて爽やかな甘さ」を実現した、心地よいデザート風のヨーグルトである。いずれも、凍らせると格別に美味しい。
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補足:ヨーグルト本来の爽やかさを求め、カロリーを気にするならば、PDF写真の背景にある青いキャップの「チチヤスヨーグルト」をお薦めしたい。今の時期は、やはりシンプルなのが美味しい。

2012/08/14

黄金桃

     果物の生産者は、1つの品種を突き詰めて磨き上げていくことに凌ぎを削り、僅かな改良に生き甲斐を感じている。でも、自然を相手にする仕事は、予測が難しくいくら経験を重ねても、「これで十分ということはない」 と語る生産者は多い。自然から学ぶことは多く、いくら歳を重ねても研究に終わりはないようだ。そんな苦難を乗り越えながら、それでも少しづつ新たな品種にも目を向けていかなければならない。それが我々消費者を刺激し、購入意欲の活性化に繋がるのだと思われる。果物は、日常的に食べなくても「生きていけると考えがち」なので、購入優先度は低いからだ。

  果物は、趣味や趣向品に近い。だから、幾つかの品種の中から選択したり、より良いものを抽出していく満足感が求められている。そんな根底に流れる期待を満たそうとすると、購入者も生産者に劣らぬ味覚を磨く必要がある。そんな常日頃から存在する漠然とした興味から、今日は3種類の桃を比較してみた。現実として、果物は「食べてみるまでわからない」と言えるかもしれないし、一方で「食べ慣れないとわからない」と言われることもある。この2つの言葉は、我々一般消費者と生産者の間に大きな隔たりがあることを示唆している。そこで、販売者は、試食と称して同じ木から採れた桃を食べさせて体感してもらう。実は、これにも限界がある。小安い1個350円程度ならそれも可能だ。しかし、350円は350円の美味しさとして納得するしかないのである。

  果物は価値の違いが顕著である。中でも、桃や葡萄は種類や大きさによって値段が大幅に異なる。桃は350円~4,500円(1個)と値段も幅があり、高級品をそうたやすく試食品にすることはできない。だから、やはりたくさん存在する様々な品種を食べて美味しいものを知っておくしかないのである。結論からいえば、「価格が全てといってよい。しかし、まれに高価なものでも、それにそぐわないもの」もあり、時として覚悟が必要である。今日は、八百屋で珍しく黄色い桃を見つけた。包装紙には、「黄金の桃」とか書いてあり、高級感も漂っているが、ここはひとつ、かたくなに白桃に心を寄せるだけではなく、安い桃でもそこそこ美味しい桃があるなら、一度試しておきたいと考えたのである。
 
  美味しさの感じ方は人それぞれで、あくまで主観的になってしまうが、黄桃は、赤桃や白桃に比べて繊維が多い。甘さは強いが、桃の滑らかな食感は白桃が優れ、薫りのよさは赤桃が良い。黄桃はマンゴウ風で熱帯で育つような薫りが漂い、少々異国感を感じるが、慣れないせいかもしれない。ただ、トロピカルな桃を試してみたいと思われる方には可能性があると思う。やはりここは、比較してみて良くわかるが、子供のころから食べ慣れた白桃が1番安心できる。東京へ来てから食べ慣れてきた赤桃もやはり美味しい、しかし、いまだ良くわからない黄桃は、確かに好んで選ぶことはないにしても、すぐには好きになれないようだ。好きになるには、時間が必要かもしれない。
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2012/08/10

大豆を栽培するキット3

    何が「癒し」に繋がるかわからない。バジルや朝顔は、これといって特別な事はしなくても元気に育つが、初めての大豆は気になってしょうがないのである。毎朝早起きしてベランダに置かれた「大豆の木」を眺めては「よしよし」と呟き、ある時はサンダルを引っ掛けてスタスタと近づいてみたり、あまり陽が当たると暑いだろうから日陰に移すとか、軟弱に揺れるので添え木を刺すとか、メジャーで寸法を測ってみたりと、360度周囲への観察に余念がないのである。何か小さな白いものが見えるけれど何だろう、そういう「単純な興味」が面白いと思えるのである。

  恐らく、これは、自分の思考ルーチンとして「単純な興味→観察行動→未来を予測する」 と言う流れになっていて、人間本来の願望を「何度も何度も」呼び起すようにDNAに組み込まれているようだ。単純な興味とは、「易しく理にかなっているシナリオ」を指す。背景は、概ね予測もしないような事態は起こらないことを意味していて、大前提に「安心」と言う流れがある。これは、人としてとても大切な事のようだ。

 もちろん、想定外の事態が起こらないのは分かっているけれど、まれに説明書とは少し違う事が起こってほしいとも、願っているのである。それが、一種の「観察行動を起こさせる要因」なのである。何か説明書には無い、自分だけの発見を期待しているのかもしれない。そう、説明書には「紫の花が咲く」と書いてあるのに、この「白いのは何故」であろうかとか、また、説明書の花のイラストは葉と同じぐらいなのに、この白い実物は、ずっとずっと小さい花のように見えるのだ。何か違いを発見することは、さらに興味を引くと言う事でもあり、知識欲を刺激するはずだ。

 そして、「未来を予測する」。この大豆の木を例にとって観測を続けると、花が枯れ始めるとサヤが少しづつ伸びてくる。そうやって次から次へとサヤが増えるのである。このまま放置して枝豆として食べられるくらいの大きさになったら、楽しいに違いないと、ほくそ笑んでいるのである。そして、さらに、そのまま木が枯れるまで放置しておくと大豆になる。説明書には、大豆の水煮の作り方の記述があるのだが、そんなことはしたくない、せっかく育てたのに「もったいない」と思うのである。

 そこで次を考えるのである。その実った大豆をまたこの鉢で育てたら、次はソイカラになるかもしれないし、うーむ、夢は次々と膨らむわけである。こういう何段階にも面白さが繋がっていく流れは、それまでキットとして楽しんできたけれど、次は、自分にとって未踏の世界が広がるのである。そうやって経験を積みながら、そこから得られる「癒し」を自分なりに広げられるのである。
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2012/08/07

三次のピオーネ

     東北地震による原発放射能の拡散事故を契機に、弟は陣中見舞いと称して、私の元へ様々な食材を送ってくれている。この歳で、今更体がどうなろうと、知ったこっちゃないだろうが、それとなく放射能の体内被曝を心配しているようだ。それは、あの広島近郊の地に育った全員が背負った、宿命的思考構造なのかもしれない。送られてくるものの大半が、広島よりさらに西で生産されたものが多いことからも、神経質になっていることが容易にわかる。大きな声では言えないが、弟は、必要以上に心配性だ。

  先々週、産地直送の桃の話を書いている時に、一寸まだ早いけど、涼しくなったらすぐに甘い葡萄を腹いっぱい食べたい。そんな、幼いころを思い出して原稿を書いていたら、先週、本家本元の「三次のピオーネ」が送られてきた。偶然にしても、まるで、宝物を送られたような気分になったのである。そこで、ここに続けてページに追加しておきたい。広島県外の人達には「三次のピオーネ」は馴染みが薄いかもしれないが、広島県の三次盆地で栽培されてきた最高級の葡萄である。三次盆地は、昼夜の気温の高低差が大きく、果物にとって「濃縮された美味しさ」が生まれる場所である。ピオーネは、巨峰とマスカットを掛け合わせた品種で、味の濃い巨峰の甘みを備え、マスカット本来の果肉の食感と、甘味の中に爽やかさを兼ね備えた、とても品位の高い美味しさを誇る。

  1年を通して、何度も収穫できない果物は、広大な敷地を上手く利用しながら温室栽培と露地栽培の2つの生産システムを設けて、長期の収穫を確保する場合が多い。この「三次ピオーネ」も同様で、温室栽培は6月頃から収穫が始まり、より甘味の強いピオーネが出荷される。露地栽培とは、外見上の違いは無いが、今日紹介する品物はもちろん温室栽培である。一方、9月頃から収穫される露地栽培は、やや酸味が強く「こくのある美味しさ」になるが、私は温室栽培の方が「断~ん然美味しい」と思っている。もちろんそのままいける「種なし」である。

   値段は、温室栽培の方が2~3割程度高くなっている。因みに、PDF写真の品物は、市場価格で普通7,000円程度である。9月以降は、5,500円程度まで下がる。もちろんピオーネにもピンからキリまであって、生産地、粒の大きさ、房の重さなど品質は様々で、値段もまちまちである。果物に限ったことではないが、この手の冷蔵生物を入手する時は、顔見知りのお店で購入するのが良い。また、特に「贈答品」とするならば、より注意が必要で、出来るだけ手間を惜しまず、少々高い「万惣、千疋屋」といったところで求めれば、「唸るほど高いが、失敗は無い」筈だ。そんなことを考えながら1粒々を口にすると「首をかしげるぐらい美味しい」。つい弟へも感謝の気持ちが沸き上がるし、逆に長生きしてほしいと思うのである。
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補足:8月6日は、広島市に原子爆弾が落とされた日である。
それに関連したことに興味のある方は、
広島赤十字病院(再掲)
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平和記念公園(再掲)
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2012/08/03

北野エース

      もう、昔みたいにたくさんは食べられないが、できるだけ美味しい食材を購入したいという年配の為のお店が流行っている。つい先日まで、企業の最前線で体を張って闘ってきた昭和20年代生まれの中高年達にとって、食事は戦闘機の空中給油と同じで、味わう必要もなく腹を満タンにしていればよかった。ところが、会社を定年退職してからは、毎日、自宅退屈男になってしまい、奥様について買い物に出かけたりする。すると、大してお腹も空いていないのに、ついつい、美味しそうなものに手が伸びるようになる。そこで、宇宙人のようにサンプルを口にして 「そ、そ、そうか、地球には、こんな美味いものがあったのか」と改めて気付くわけである。

    調布には、パルコの地下1階にそのお店はある。全国の美味しいと言われる普段使いの食材を所狭しと並べてある。レトルトカレーは、数百種類以上ある売り場が用意され、まるで書籍棚のように並べられている。その他、味噌類、ドレッシング類、醤油類、等など珍しい食材が豊富にそろっている。ちなみに大手スーパーやデパートに比べて3~5倍以上の種類がありそうだ。ただ特別お高い商品が並んでいるわけではない。一般より少しだけ高いけれど、その差以上に美味しいとか、全国から集めた今まで見たこともないパッケージやラベルを眺めて、「うーむ、美味しそうだ」と思うのである。以前、カンブリア宮殿というテレビ番組で紹介されてから一層客数も増えている。

    お店には、コンシェルジュという商品知識を備えた担当者を配置し、客の求めに応じて、商品の産地や特質、あるいは美味しさを丁寧に説明してくれる。人気のある商品ばかり集めてあるので、片っ端から美味しそうな食材や調味料を使ってみればよいのだが、たくさんの商品の中から、客の好みや価値観、健康状態、生活環境、ライフスタイルに合った商品を選んで薦めてくれるようだ。そこのコミュニケーションがみそなのである。だから、時間を持て余している年配の人たちには重宝されているようだ。

    そこのカレー売り場から、今日は、「北野セレクション=大人のためのビーフカレー」を紹介したい。北野セレクションとは、メーカーと共同で開発・製造・販売を手掛けるプライベートブランドで、自分たちの価値観の中で考えつくした商品なのである。また、「際立つ美味しさを提供し、さらに安心・安全が保たれている」と思ってもらえる程、拘った雰囲気が出ている。昔の、惣菜屋さんの商売は、店で作って試食をさせ、その場で販売するという、まさにプライベートブランドの歴史でもあったわけだが、ここで言うところの現代のプライベートブランドは、スーパーなどで使われている手法で、一流メーカーに同じものを作らせ、大量に仕入れてコストダウンを図り、高い利益を確保すると言うものである。ユーザー側から観測すると、他の商品に比べ「コスパ」が優れている商品といえる。少しだけ味付けも変わっている。

   さて、この「大人のためのビーフカレー」という「全く怪しいネーミングだ」が、これは何を意図しているかといえば、この「大人」とは、冒頭述べたような明らかな「自宅退屈男」である。彼らが美味しいと感じるレシピで作られている。まず、ビーフカレーである根拠は、ビーフの固まりがごろごろ実体があるところにある。そして、昔ながらのリンゴ、バター、ラード等を加えてコクを出す。極めつけは、やはり高度成長時代を反映して「汗カキが美味しく感じる塩分量」である。つまり、少々塩分は多めになっている。まさに、かつての企業戦士には「懐かしい味=わずかにしょっぱい=美味しい」に仕上げている。したがって、「同じ大人」でも、若者が好むスパイシーで辛いカレーではないので注意されたい。
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2012/07/31

旨辛担々麺


  「胡麻と山椒の組み合わせ」は、体に絶対良いはずだと考えていた時期がある。相当昔になるが、それを信じて「美味しい担々麺」を探して様々な中華店を訪れていたことがある。それは、確かに消化器系の調子改善に効果があるような気がしていたのである。そんなことも、最近はすっかり忘れて、近所の上品で薄味の「もやしそば」なんぞをすすっていたのだが、先週再び、担々麺の美味しいお店の噂を耳にしたので、思い出したように出掛けて来たのである。それも、帰りの道順から少し外れただけで、いつでも気楽に訪れることのできる便利な場所にあった。
 
 人の噂は、なかなかのものといえる。コシのある麺、胡麻のスープ、そぼろ状の肉味噌等、それらが、混然一体になった美味しさが、口にするたびに幸福感となり、徐々に食べる勢いが増していき、最後は、大いなる満足感に浸ったのである。メニューから選んだのが、下の写真の陳麻飯(左)と担々麺(右)、杏仁豆腐のハーフのセット(半分づつの量)と焼き餃子(写真はないがこれもいける)である。この陳麻飯と担々麺の組み合わせによる辛味の共演は、徐々に発汗を促し。食べ終わる頃には、汗が滝となってあふれ、それも、あくまで自然にさらっと流れてしまったのである。そうやって、くたびれていた体が、徐々にエネルギーに満ちて、迎撃戦闘モードというか、暑さと戦える体に戻って来たのを実感したのである。


  最近、そんなに体が反応する食事に遭遇することは無かったので、半ば驚きなのだが、これがまさに「胡麻と山椒の組み合わせによる」ものなのではないかと、帰りの電車で、遠い記憶を呼び戻そうとしていたのである。しかし、テーブルの上に妙に敷き詰められた能書きというか、その中のサンショオールとカプサイシンの効能に関する講義と書かれた、文言を思い出していた。そこには、山椒に含まれるサンショオールは、脳下垂体を刺激し、全身のホルモン分泌を促し、心臓にも作用しアドレナリンを分泌する、と書かれていた。そ、そ、そうか、まさに今、自分の体がその反応をしていると思えて来たのである。

 最近の極端な暑さと戦うために、担々麺のお好きな方は、温かい方を是非にでも一度口にしてもらいたい。今時、熱いのは苦手と言う人には、上の写真のような、冷やし担々麺もある。冷やしに使われている麺は、温かい担々麺に使われている物とは全く別物だが、これがまたいける。ま、好みによって分かれるにしても、どちらかと言えば、個人的なお薦めは温かい方になる。焼き餃子も美味しいので一緒に頼むべし。お店には他にもたくさん珍しいメニューが並んでいるので、この強烈に暑い夏場の間は通い詰めても大丈夫なようだ。もちろん、全てのメニューでリーズナブルな価格設定になっている。
 お店の夜の外観はこちら
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