2015/08/23

割けるチーズ

  チーズを使った料理には、まだまだ可能性の残された美味しさがあるようだ。そこには、直接口にする時にも、形状であったり、食感などに未経験の美味しさが隠れているというのが、メーカーの主張すべきことのようだ。もちろん、商品単独に棚に並んだ種類だけを分類しても、既に無限といえるほど市場に存在する。柔らかいものから硬いものまで、口当たりのみならず、風味や塩気までも様々だが、さらに、チーズの持つ形状の違いによる食感の違いにも、目を付けてきたと言うわけである。チーズを薄くしたスライスチーズ、上から降りかけれる粉チーズ、そして様々な使い方が出来る「割けるチーズ」がそれである。それらは、いずれも料理を豊かで味わい深いものにしてきた。

   割けるチーズと言うのは、相当古くから出回っているにもかかわらず、地道な人気の中で、少しづつ改良が加えられてきた。実は、これに似たものを私は知っている。あくまで似たものという程度だが、それは「蟹カマ」である。割けるチーズは、暖かいうちに「伸ばしては、折り曲げ、また、伸ばしては、折り曲げ、その操作」を繰り返すことによって繊維状の形を構成する。しかし、蟹カマは細かく裁断することで、蟹肉の食感を得ようとしたものである。大昔(40年ほど前)に食品会社にいたことがあるが、その工場の片隅で幾度となく蒲鉾を使った特別注文品として作っていたのを見たことがある。左右42cm厚み5.5cm奥行き80cmもある(=上表面が5mmほど朱色に塗られている)大きな蒲鉾を縦横に順序正しく何回も裁断して、最終的に2mm角の5cmの長さにまで細分化する。それは大変精度が必要で、おまけに手間も一際で偽物という指摘は免れないまま、それでも採算性に課題を残していた。当時は、まだ限られた納入先向けの試作品レベルだったと思う。

  この2つの共通点は、食材に巧妙な「ほぐれる細工」を加えることで、より優れた食感を求め、その独特の食感によって、食感→食欲という付加価値を創造し、最終的に商品販売力に繋げると言う思惑である。うーむ、それにしても、かなり遠回りな戦略と言えたものだ。しかし、僅かな食感に優れた可能性を見出す人たちがいたようだ。そこに、素材から製品までの製造工程に、日本人ならではの「職人的要素と、他では真似のできない高い技術」が使われている。その、高い技術力を販売に結びつけるところが、独自の創造性というべき「日本のものづくりの原点」に繋がっているのである。今では、人気の高い「蟹カマ」を作る製造機械そのものを、全世界へ輸出している。

  ブロックのチーズだと、適当に裁断してそのままおつまみにするしかないが、割けるチーズには独自の特徴がある。それは、割く細かさによって食感が異なり、そのまま食べるだけでは到達し得ない「柔らかい空気感と渾然一体化した食感」を実現できるのである。また、割く度にチーズの中に埋め込まれた風味のようなものが漂い、それを料理に乗せたり、料理と混ぜ合わせたりすることで、料理の持つ味わいに奥行きが加わったり、時にはドレッシングのように料理全体の風味を増したりと、様々に使い分けることが出来るのである。
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%211390&app=WordPdf

2015/08/20

オークラの雑炊スープ

 最近の炊飯器には、「雑炊モード」と言うのがあるので、胃腸のことを考えて、時たま「今日は美味しい雑炊」を戴きたいと思うことがある。勿論、理屈は簡単なので、土鍋で 0からの自作も可能だ。例えば、和風なら鰹節の出汁、昆布出汁、細かくした人参、大根、椎茸、あと、塩とか醤油でベースのスープを作り、冷ご飯を加えて数分間煮立たせて仕上げる。更に、梅干しを乗せるとか、帆立を潰して加えるとか、蟹の缶詰を開けて上に乗せるとか、お好みの具材を入れれば、味としては、それなりにまとまるはずだ。

 ただ、味には独自の好みってものがあったり、何度か味見をしながら作り込むなんて、朝からそんな面倒なことはしたくない、だから「大手メーカーの洋風雑炊の素」を使うとか、「お吸い物の素」を使って簡単に作るとか、人それぞれだとは思うが、もっと「簡単に和のテイストで美味しく」と言うのが本音だ。そんな要求にぴったりなのが、ホテルオークラの雑炊スープ。同和食堂「山里」ならではの伝統と技術が伝わり、日本情緒豊かな味わいを備えた雑炊が堪能できる。

 この雑炊スープの使い方は、スープ(=250g)が袋詰めになってるので、まずそのスープを鍋に出し沸騰させる。そこに冷ご飯1杯(110g程度)入れて2~3分煮立たせる。一応これで完成である。この雑炊スープは、既に商品ごと帆立、蟹、梅など、好みを選べるので、その商品を選択した時点で味が決まっている。仕上げに何か追加するとすれば、定番過ぎるかもしれないが、とき卵を加えたり、みつば、塩昆布少々と言ったところ。

 雑炊なんて「さらっとした、柔らかいご飯と、鰹スープと椎茸があれば」十分美味しく出来る・・・と自作に自信のある方は、雑炊ごときで、何故ホテル・オークラの商品なんだ?と思われるかもしれないが、「口にすれば、うーむ、なるほど!」と美味しさに納得されるに違いない。残念ながら雑炊で思い出すのは、幼い頃お腹を壊したとか、お酒の呑み過ぎの時とかで、苦し紛れの時にしか食べないこともあって、あまり、その出汁の味にまで拘わる人も少ないかもしれないが、やっぱり美味しいものは朝から戴いて元気を出したいものだ。
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=cfbf77db9040165a%212257&app=WordPdf
 

2015/08/16

圧搾法の一番搾り 亜麻仁油

  医者の考えることは、おおむね決まっていて、その周辺つまり近所の患者を継続的に増やすことである。生かさず殺さず長い間通院してくれる人が大好きなのである。しかし、中には煩わしい事を嫌い、孤独を好む変わった医者もいる。そんな先生にかかると、外来では、いつも叱られている様な錯覚にとらわれる。血液検査の結果を観ながら、「脂を採ってはいけないと言ってるわけじゃないけど、どうせ採るならオメガ3を採ってほしいと言ってるんですよ」 と先生は、その数値を指差しながら、まだ分っていないのかといった面持ちで口を開いた。⇒太り気味でコレステロール値の高めの人は、参考にして欲しい。
 
 要約すると、脂肪は「飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸」の2つに分けることが出来る。前者は、豚肉、牛肉、乳製品などの動物性の脂肪に多く含まれている。また、それは体内で生成できるので、特に意識して摂取する必要は無い。一方、不飽和脂肪酸は、オメガ3系、オメガ6系、オメガ9系の3種類に分類されていて、オメガ3系は、認知症予防、神経疾患の予防、炎症の抑制、メタボ体質の予防、血栓抑制、血管拡張、がん予防等に期待できるという。また、オメガ6は、日常的な脂としてよく使われているが、採りすぎるとアレルギー促進、炎症促進、血栓促進、血液の凝固等の危険が挙げられる。あの米国でさえも、オメガ6系は心臓疾患のリスクが高まるとして、2006年にニューヨーク市で、飲食店での全面使用禁止を条例で定めている。

オメガ3は、青背の魚の油、えごま油、亜麻仁油、チアシードオイル、インカインチオイル(2013/12/17に既に紹介) など、あえて「意識して」口にしなければならない。また、紫外線や熱を嫌うため、保存は冷蔵庫になる。オメガ6は、べにばな油、コーン油、ごま油、サラダ油、マヨネーズ などで、油炒めに使ったり、ドレッシングに使われている馴染みの深い脂といえる。また、オメガ9は、オレイン酸で、オリーブ油、キャノーラ油、紅花油などが該当する。酸化しにくく、加熱処理にも向いている。なお、オメガ9は、食べ物から摂取するほか、飽和脂肪酸と同様に体内で作ることもできるらしい。

 このブログでオメガ3の商品を紹介するのは2度目になるが、医者から薦められたのは初めてだ。
詳細に調べれば、いつでも分ることだけど、重み付けという意味では、初歩的な血液検査で、医者から言われると、そろそろ脂に注意するようにという警告として受け取れる。そこで、探し出したのが「カホクの圧搾法の一番搾り 亜麻仁油(オメガ3が56%含まれる)」である。2013/12/17 紹介のインカインチオイルは、酸化に強い反面、ナッツ風の味(サチャインチ種子風味)が付きまとい、食材との相性があるが、この亜麻仁油は、取り扱いがデリケートな反面、透明無臭で、どのような食材にも使用できる。もちろん和食にもマッチする。
 同社のホームページはこちら http://www.kahokuseiyu.co.jp/docs/index.htm
☆ホームページ上の商品カテゴリーは、外国産原料使用商品となっている。

 

2015/08/12

青森りんご100

 暑さが続く折には、無意識に冷蔵庫を覗き、清涼飲料水へ手が伸びる.。それでも、昔はラムネのような炭酸の入った飲料水が体に染み渡って気持ちいいと感じたものだが、今ではめっきり体に優しい自然に近い物を選びたいと思うようになった。しかも、体内に取り込める水分摂取の限界量も減ってきたように思う。つまり、若い頃は体から発散した分以上に摂取しても、違和感は感じなかったが、最近は、発散した水分を補う程度に抑えなければ、その後は胃腸の調子を崩してしまい、しばらく空腹感までも失ってしまうことがある。

 体に優しい自然に近い物となると、トマトジュースとか野菜ジュース、あるいはスムージーとか、どちらかといえば健康志向が強まり、重要な要素ともいえる清涼感から遠ざかってしまう。喉越しからも選びずらく(少々重たく)感じるが、色々目新しい製品も増えているので、ついつい試してみたいと思い手にとってしまう。ただ、成分表を覗いてみると多種多様な野菜や果物が含まれており、味の方向性を見失い、首を傾げてしまうこともある。

 長年の経験から推し図るとやはり、愛媛のポンジュースか、青森のりんごジュースが美味しいと思いだすことがある。自然な口当たりや喉越しが、採れる地域を連想させるほどの透明感を感じ、冬場は温めても、夏場は冷やしても、それなりに口当たりも良い。さらに、他の香料つき清涼飲料水を陳腐に感じる程の自然な風味が魅力といえる。

 先日、高級食材を取り扱うスーパーで、数段積んである「青研の葉とらず りんご100」というのを見付けた時に、そんなイメージが蘇ってきた。なにその「葉とらず」とは?(俺しらねぇ)と思ったが、迷いもせず過去の経験から数本購入してみた。それは、かつての「青森 りんごジュース100」より、味が爽やかだった。その特徴として、新たに青りんご(緑色のりんご)を直接かじった時のような風味が加わった新鮮で瑞々しい味わいが伝わってきた(あくまで個人の感想)。その風味から、改めてパッケージを眺め直してしまったほどで、さらに、在庫を用意したいと思い、再びスーパーに買いに戻ってしまった。

 では、その違いとも言える、「葉とらず」とは、いったい何を意味するのか、実は、りんごを収穫するまで、果実の周囲に存在する葉を「取り除かない」らしい。それによって、収穫する果実は、周囲の葉から光合成によって得られた栄養分(ソルビトール)を取り込む。それが酵素の働きによって、果実をより美味しくするというもの。そのかわり、収穫するまで葉を取らないので、果実の表面はすべて真っ赤にならず、葉が覆っていた部分は、まだらに黄色くなるようだ。

 このような手法で作られた「りんごジュース」は、インターネットを通じて情報が広がり、大変な評判を呼んでいるという。 
㈱青研のホームページはこちら www.ringo-seiken.co.jp 





 

2015/08/08

ミッション=インポッシブル ローグ・ネイション

 この映画のテーマ曲ほど「昔の人の心」を揺さぶるものは無い。かつて、1967年から始まったテレビドラマ「スパイ大作戦」のイントロのテーマ曲である。当時14歳の私としても強く印象に残っている。多少アレンジは異なるが、今、なお映画「ミッション=インポッシブル」で継承されてきた。そこでyou tubeにアップされた方に感謝しながら、当時を思い出してみたい。
 www.youtube.com/watch?v=erUcduVIt2A

 ミッション(任務)がインポッシブルな(難しい)ので、特殊な技能を備えた者が、さらにその腕に磨きをかけ、表向きの組織に属さないスパイ・グループの活躍を映像化したもの。つまり、この作品の面白さは、指令を出す当局は一切関知しない(関与を否定する)という、味方をも欺く難度の高い任務に、有能で失敗しない集団(組織名は↓説明)で、知恵と強靭な肉体を使って任務を遂行するところにある。「そこに、うーむなるほど」と思う、凄い見所がふんだんに盛り込まれてきた。それらは、秒を刻む程の正確に遂行する作戦であったり、その為の優れたマシンの用意や、人間の能力限界まで引き出した即戦力、あるいはメンバーの組織力であったりと、素人が考えるスパイらしさが満載であった。


 この映画シリーズの主役は、ご存知トムクルーズだが、あの「トップガン」でブレークした大好きな俳優だ。それは、F14トムキャット(艦載機)が正確無比の傑作と言われた全盛時代(28年前)に公開された映画で、ストーリーよりも、特に戦闘機の可変翼のビジュアル(コンピュータ制御:低速で主翼を広げ、高速で主翼を閉じ、旋回時にも主翼の幅を広げ高い旋回性能を得る)や背後に流れるサウンドが作品を一層盛り立てた。勿論、そのトップガン=米国海軍戦闘機戦術教育プログラムの中で、敵の戦闘機役を果たす特別有能な人材の合格メンバーを演じたことをきっかけに、その彼のイメージそのままに魅力を引き出す作品が次々と作られてきた。だが、トップガンのような映画に出演した後は、どんな作品に出演しても「少しゆるく見える」ことも確かだ。
 ☆F14トムキャットの可変翼に興味のある方のみ参考:トップガンから抜粋
 https://www.youtube.com/watch?v=vwBbrngafl0

  しかし、ミッション=インポッシブルだけは、彼自身の趣味性が強く「自ら企画を考える、不可能への挑戦」と思えるほど危険極まりない作品ばかりだ(その危険シーンを安全に撮影する技術こそスパイ作戦的技術と思わせる要素かもしれない)。確かに、観客が興奮し歓喜するから「自らがやってのける」。その気持ちこそがファンを引き付ける最大の要素かもしれない。そこで、「すべて本物という2例のアクション・シーン」のメーキング映像を参照されたい。
 こんなの見たことない!飛行機アクション
 https://youtu.be/WISQ_Uy2dV8

 撮影車、撮影機(ヘリ)も併走する、バイク・アクション
 https://www.youtube.com/watch?v=mT5Kxj4V3XA

 IMFと言っても、偉そうに他国の文化に余計な発言をした銀髪頭のおばさんがいる「国際通貨基金」のことではない。IMF=Impossible Mission Force 訳して、「難しい任務を遂行する部隊」である。なんと分りやすいことか!おっと、ついでに、今回の副題である ローグ・ネイション=Rogue Nation とは、「危険な組織、とか、ならず者国家」のこと。まあ、世界で通用する、これ以上の意味深な表現も無いと思われる。あと、作品の中でよく出てくるシンジケートとは、「人殺しをも厭わない組織犯罪集団」と考えられる。また、エージェントとは、「組織から依頼され、その代わりに行動する者」のことだが、イーサン・ハント自身もIMFのエージェントと見ることができる。それでは、今回のIMFの5人のキャラクターを覚えておこう。
   https://youtu.be/_J655H0XnQs
    
   既にシリーズ5作目になった今回のストーリーは、最後のミッションと豪語している。アクションの構成や映像の過激さからして、それにふさわしい。元諜報部員達が結成したスパイ組織(シンジケート)の活動の手がIMFにも及び、IMFは解体の危機に陥る。イーサン・ハント(トムクルーズ)は、かつての仲間と共に「世界の危機を救うため史上最難関のミッション」に挑む。それが、スタントなしで挑む幾つかの見せ場になる。共演は、シリーズ出演3作目となるベンジー・ダン(サイモン・ペッグ)、前作から登場したウイリアム・ブラント(ジェレミー・レナー)のほか、イルサ・ファウスト役の新ヒロイン(スウェーデン出身のレベッカ・ファーガソン)も参加。今回は、見所アクションの集大成とも言える作品だ。見逃してはならない。
それでは、予告編
 https://www.youtube.com/watch?v=_Dg3eAwCuVA

2015/08/06

青汁のめぐり

  改めて調べても、青汁を販売しているメーカーは増えている。サントリー、大正製薬、ヤクルト、ファンケル、世田谷自然食品、アサヒ緑健、ダイレクトテレショッピング等馴染みの他にも、4~5社ピックアップできるのに、それぞれの会社で数種類の派生商品までも用意している。先日来、ヤクルトの「まろやかケール」をヤクルト(乳酸菌飲料)に溶かして試してきた。毎日1~2回ほど飲み続けると、気のせいかにわかに胃の調子が良くなり、お通じもよく、なかなか快調と言える(個人の感想)。しかし、果たして、継続するのに、これをこのまま飲み続けるのが良いのか、あるいは、もっと何か自分に適した商品があるのか検討してみたいと考えるようになった。

  青汁の商品企画には、少なからずその会社の特徴を生かし、健康への思想や市場性が反映している。元々の青汁の理想を考えると、大麦若葉を「生のジュースの形」で摂取するのが良い。つまり、「加熱処理をすれば酵素の大半が無くなってしまう」からだ。昔からあった青汁スタンドは、ここを重視したもので、ブームの発端となった経緯がある。それには、目を見張る効果があったようだ(あくまで体験者の感想)。その次が、大麦若葉、ケール、明日葉の乾燥粉末に他の「幾つかの栄養素を加え」たものになる。混ぜ物が多くなると、何がどのように効いているのかわかりにくくなるし、曖昧な商品になる。逆に、青汁をより生かすための工夫をしたものは別だ、消化吸収を改善する目的で乳酸菌やオリゴ糖を加えたものは効果的とも思える。ただ、「飲みやすく」するために何か添加して青臭さを紛らわす目的のものは、(自分としては)論外と言える。

 最初のうちは、飲みにくいこともあって、食物繊維の代表である「抹茶」を加えたものを選ぶ人も少なくないようだが、その効果を実感しはじめると徐々に要求が専門的になって、やはり加熱処理の少ない商品を探すようになる。勿論、その効果が顕著な「生の青汁」を扱う会社もいくつかあり、ファンケルでも、冷凍の商品(プレミアム冷凍)を販売している。逆に、大正製薬はさすがに製薬会社だけのことはあって、コレステロールを低下させるキトサンを配合して別の市場を開拓しようとしている。また、武田薬品工業でも「緑の習慣」というミドリムシの入った製品(59種類の栄養素)を用意している。


 それでも結局、たとえ粉末でも製造工程で出来る限り加熱処理が少ないものから選びたい。そうなるとやはり、工場公開のヤクルトが候補にあがってしまう。やはり、そこには豊富に採れる原材料を如何に上手に工夫して、人の体に効果的に働かせるかを考えているように思えるし、またそれが、生産者を支えることでもあるという、そういった、地域と一体化した生産システムを構築している背景がより優れた商品への挑戦を促すと思われる。

  そのヤクルトから可能性を見出せる製品が、上の写真の「青汁のめぐり」で、めぐりとは、「大地から得られた緑の栄養素を体に巡らせるため、栄養素自体と吸収力に着眼し、青汁が腸の中でどのように働き、どのように機能しているかを研究した結果、腸内細菌の活性化のために、生きたまま腸まで届くガラクトオリゴ糖(自社のオリゴ糖)を加えたというもの。何故か先述の(=ヤクルトの「まろやかケール」をヤクルト(乳酸菌飲料)に溶かして)と似ているようだ。

 なるほど、食物繊維が腸内で活躍するための土壌を整備したともいえる。青汁の原材料としては、ケールと大麦若葉両方で商品化されており、基本的な考え方として食物繊維3g、ヤクルトのガラクトオリゴ糖2.5gが1日2袋で摂取するようになっている。原材料の違いを大まかに比べると、ケールは、βカロチンに加えてカルシウムが多く含まれ、一方の大麦若葉はβカロチンに加えてカリウム、鉄が多く含まれていると記載されている。結局、ヤクルトの「まろやかケール」と「青汁もめぐりケール」に落ち着いた。
同社の青汁商品ページ
https://www.yakult-hf.co.jp/products/aojiru/index.html