2009/12/11

洋菓子ウエスト

 世話になったというお礼の印に年末の届け物には気を使う。しかし、お世話になっていないけれど、「おお、元気か?」の挨拶代わりに何か贈るというのは楽しい。それは、「着いたぞ」という電話であったり、「今どうしてる」という会話の中に何故か安心感を伴い、そこに仲間としての存在価値を見出せるからである。それも、のっけから生活観や仕事観が覗く話題より、お菓子の話から入るのが無難である。と思うが、最近は健康志向も案外話題の中心になる。だからお菓子にも、それなりに難しさがある。食べたいけどたくさんは駄目という迷いの中で、誰しも諦めがちで究極の選択をする苦悩が存在しているのである。みんなそれぞれ体調によって、苦しみが違うのである。

 人は、甘味においても長い人生経験の中で取捨選択された得意分野が存在する。例えば、私などはあんこ系が好物で、小豆をこよなく愛している。この種の加工品を戴くと、その人は無条件に「センスの良い人というレッテル」を貼ってしまうのだが、逆に、こちらからの届け物に関しては、あんこ系は相手も迷惑だろうと思ってしまう。あんこ系はなにせ歴史も古く、美味しい物はいくらでもあるけれど、砂糖との関連が強く理解してもらえないことが多いので、最近はそういう誤解を生むような商品は避けたい。その分、モダンでCM等で理解されやすく、低カロリーな「ソイジョイ」をまとめて贈る事が多い。大人は少々がっかりするかもしれないが、子供さんには評判が良いらしい。届け物には、やはり信頼感のある大塚製薬が良いと思っているのである。しかも、これなら、あっても邪魔にはならないだろうし、賞味期限も長いので安心なのである。

 今日は、戴き物で、自ら進んで購入することの無いカテゴリーだが、「上品で美味しい」と思ったので、ぜひ贈り物の参考にしてもらおうと思って登場させる。戴いたのは、出版社にいた頃の最初に仕えた編集長で、駆け出しだった頃よく銀座へ美味しい物を食べに連れて行ってもらった。決して豪華でも、高価なお店でもなかったが、ちょっとお洒落で美味しく小安い、というお店だったことを思い出す。今はすでに、ご自分で後期高齢者になったと威張ってらっしゃるが、それでも、文化人の薫りがして、「軽く一流」なのである。今回紹介するものは、決して高価なものではないが、上品なクッキーである。

 忙しい毎日を過ごしていると、贈り物などにこだわることも無いと考えることも多い。しかし、実はこれが一番人柄を表していると思うのである。歳を重ねれば重ねるほど、その選択眼が重みとなって自分に伸し掛かる。このようなクッキーやお菓子に限らず、やはり、平素から歴史的背景を踏まえて、美味しい物、体に優しいもの、珍重される物、などを豊富に食べて勉強しておきたい。自分で平素からそう心がけないと、贈り物でさえ、気持ちを伝える時の品物に困るに違いないし、逆にセンスの悪い人は、うんざりされてしまう。 やはり、少しだけでも、ちょっといいものを贈りたい。
ではこちら
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