2010/02/19

昭和の流行歌1

 今、昭和の流行歌が脚光を浴びている。テレビでは、今では滅多にお目にかかれない年配の歌手が30~50年前の当時の曲を歌う。また、TVショッピングでは、その頃流行した曲をレーベルに関係なく組み合わせた、CD数枚組セットが売り上げを好調に伸ばしているという。「まじかよ」と耳を疑うが、人口比率を考えると、それはありうる話である。電車に乗っても、バスに乗っても、観光地でも、もちろん温泉でも、そして近所のマーケットでも、あらゆるところで、昔に比べ年配者が圧倒的に多い。その様な人たちには、今の曲には付いて行けず、古い流行曲を楽しむしかないようだ。さらにカラオケ練習などでも威力を発揮すると思われる。

 それにしても、長短を問わず誰にでも過去はある。映像であったり、写真であったり、音楽であったり、笑い話であったり、食べ物の味であったり、薫りであったりと、五感で刺激を受けることで、昔の記憶を呼び起こすきっかけを掴んでしまうことは多い。それが音楽の場合、鮮明過ぎても良くないし、不鮮明すぎてもよくない、イメージを壊してしまうと返って記憶を破壊してしまう事がある。適度に情報が欠落しているとか、自ら想像を巡らす要素がなければ、記憶を呼び起こして楽しむことは出来ない。欠落部分があるから、一生懸命記憶を辿ろうとするのである。また、それに関連した記憶も一緒に連れて呼び戻すから、より楽しめる。たとえば、雑音の多いラジオから昔の曲が途中からフェードインしてきたりすると、たまらなく懐かしい。

 そこで、自分でも懐かしいと思う曲の入ったメディアを探してみた。昔の曲と言っても、どの時代が一番印象深く感じられるのだろうか、それは人によって違うので特定など出来ないが、やはり共通している時代として、「若さの学生時代」の頃かもしれない。当時を思い出して、そのころの活力を呼び起こしてみたい。紹介するにも、さすがに、著作権があるため、この場で音を再生するわけにもいかない。そこで、商品のジャケットと曲名等を観ていただこうと思う(ジャケット写真にも肖像権、商品には意匠権などもある、しかし、引用の範囲と言うことでお許しいただこう)。テレビでいくら古い流行歌の番組があったとしても、なかなかお目にかかれない、当時を再現するのが難しいグループ・サウンズが良いと思う。

 PDFの写真は、ブームが終わってから発売になった、ミュージックカセット3種(当時各2,000円)のジャケットである。今から、40年くらい前の1968年頃に爆発的に流行したグループ・サウンドで、代表格のザ・タイガース、スパイダーズ、テンプターズ。この時代に熱狂的な人気を誇ったグループといえる。それぞれのボーカルを担当した、沢田研二さん、堺正章さん、萩原健一さんは、その後テレビで活躍されている。彼等は、ジュリー、マチャアキ、ショーケンと愛称で親しまれ、今でも当時女子であった中高年のおば様からの支持も多い。

 一方、富士通のFMVパソコンのCMや、映画、ドラマで大活躍の岸部一徳さんは、ザ・タイガーズの出身である。当時の愛称はサリー。芸名は岸部おさみでベースギターの担当だったと思う。芸能ブログではないので、ぼろが出る前に、このくらいにしたいが、そのほかにも、多くのグループサウンズが存在していた。どのグループ名に、頭にザが付くか当時から分かりにくかったが、ジャッキー吉川とブルーコメッツ、ゴールデンカップス、パープルシャドウズ、ザ・ジャガーズ、ザ・カーナビーツ、ワイルドワンズ等が深く印象に残っている。この当時活躍していたグループサウンズ出身のメンバーは、今もなお多くが音楽業界で活躍されているので、同世代にとっても、少し後輩の我々としても、心強い存在となっている。 最近の話題として、ジュリーとワイルドワンズがコラボして新曲をリリースしたらしいが、コラボならではの特徴を活かした曲調の音楽であって欲しい。

 残念ながら、グループ・サウンズのヒット曲を集めたメディアとして、この3種のカセットしかなかったが、このカセットの注意書きには「ステレオで録音されていますので、ステレオ演奏機ではステレオになりますが、モノ演奏機でもご使用いただけます」とある。この時代を髣髴とさせる説明書きである。今でも音はちゃんと出る。
ではこちら
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%21511&app=WordPdf