2010/02/12

バレンタインの戦略チョコ

 年間を通して商品の動きが止まるのは2月と8月で、この月のバジェットは、最初から下げてあるというのが商業界の常識である。3月決算を前にして、2月は営業にとって最も辛い季節ということになる。そこで、チョコレート業界は、バレンタインデーなるものを企画して、売り上げ確保に余念がない。菓子業界も昨年来、冷え込みが続く中、今年こそはと、様々な企画で全面戦争の構えを見せている。ところが、今までは無縁と思われてきた他の業種まで、これに便乗して新商品を企てて参戦している。洋酒、果物、和菓子、せんべい、大福など、おいおい、それは対象外だろう、と思われる商品にまで広がっている。しかも、隠れた消費意欲の「自分チョコ」とかいう種分け(アンケート結果によると4割が自分チョコ)をして、チョコ好きの、まさに老若児女を巻き込んでお祭り騒ぎになっている。
 バレンタインは何も愛の告白だけに使われるとは限らない、義理チョコの果たす役割は大きい。義理と人情の義理で、「付き合い上仕方なくする行為」ととられがちだが、本来は「人として守るべき物事の正しい道筋」と解釈すべきである。これは、あくまで正しい行為である以上、手を抜いてはならないが、道筋は多種多様に広がっているため、安価な物を大量に活用せざる終えない。それによって、日常の人間関係も改善したり、修復したりする機能を果たす。そこで、今日はそれだけに留まらず、女子向けに「社内戦略チョコ」を考えてみたい。これは、バレンタインデーをチャンスとみて、「人として守るべき物事の正しい道筋」を更に拡張する企画で、平素コミュニケーションのない会社の偉い人にも、一寸お洒落なチョコ関連のお菓子を用意しておこうというものだ。ここで言う「偉い人」とは、必ずしも「はるか高い役職」の人とは限らず、にわかに「実力と影響力を持った年配者」も含まれる。
 だいたい、会社の偉い人たちは、コンパートメントに追いやられたり、そうでなくても孤独である。口には出さずとも、売り上げ、業績はもちろん、社員の成長や仕事、その家族の生活のことまで色々考えているのである。当然自分にも息子や娘がいたりすると、自社の若い人たちに対しても、ご両親からお預かりしているという意識を持っている筈で、それも社員からは悟られないようにしている。暇そうに見えても、それなりに目に見えない苦悩というものを背負っている。だから、本来現場の若い人達の生の声を聞いたり、直接話して情報を得たいと思っている。また、「昔のように仲間と一緒に仕事することに喜びがある」と考えている。まれに、自分の定年後のことしか考えない人もいるかもしれないが、おおむね「偉い人」というのは、そのように考えているはずである。
 さて、人はどのような小さな品物でも、自分宛に贈られることに喜びを感じるものである。その人が営業畑出身で苦労をした人ならばなおさらで、きっと、贈り主の気持ちを素直にありがたく思うに違いない。加えて、そういう「人の気持ちが分かる」とか、「人を喜ばせる心意気のある後輩」がいてくれることに安堵するに違いない。そして、贈り主に興味を持ち、お返しとまでは行かないにしても、何か少しだけでも期待に応えようと考えるのである。結果、評価は上がるのである。贈る側には、バレンタインだからという言い訳もあり、挨拶程度と軽く考えてよいが、ちょっとお洒落な品物だと、センスがよいと思われるし贈られた側は、益々そういう送り主と何か色々話を聞いてみたいとも思うのである。
 こういう場合の贈り物は、チョコレートでなくても良い。だいたい若い頃一生懸命仕事をした人ほど、持病を抱えていたり、糖尿病に苦しんでいたりする。そのあたりに配慮して対応を図るのが良い。贈り主は個人より、○○課女子一同とかで行うのも良いと思う。そんなちょっとした海老で鯛を釣る、そんな甘くはないかもしれないが、何か作用するはずだ。「ありがとう、何か困った事があったら、いつでも相談に来てよ!」という言葉の1つも掛けてもらえるに違いないし、廊下で出くわしても、「頑張ってるね!」と応援してくれるかもしれない。まして、人事異動、春の昇給、夏のボーナスまで少し期待できるかもしれない(それはない)。そうすれば、会社も一層楽しい場所になる筈だ。男子は盆暮れに、お世話になった先輩や上司にお中元やお歳暮を贈る習慣もあるが、女子は、バレンタインをこのようなタイミングとして活用すると良い。
 そこで、今日は、その1例として千疋屋の果物をとり挙げてみた。この場合は、美味しいとか、美味しくないとか、ぐずぐず考える必要はない、出来るだけ分かりやすい物が良い。「味よりも心意気」なのである。PDF写真のイチゴは、1個ずつ透明プラスティックの容器に入っており、ほこりや雑菌が入りにくい。これなら、ポストイットで課の名前を貼り付けて秘書の人に預けると良い。また、オレンジゼリーなどは、ご年配の方には嬉しいはずだ。にこにこしながら「よしよし」と昼食後のデザートの楽しみにもなる。勿論、千疋屋ならそんな偉い人で知らない人はいない筈だ。
ではこちら
http://cid-cfbf77db9040165a.skydrive.live.com/self.aspx/.Documents/%e6%9e%9c%e7%89%a9/%e5%8d%83%e7%96%8b%e5%b1%8b.pdf