今、輸入食品の値段が末端でバラついている。今に始まったことではないと思われるかもしれないが、「スーパーから量販小売店に及ぶ範囲」にまで、正規輸入商社で取り扱わなれなかった商品が低価格で販売されるようになってきた。リーマンショック以来、不況も世界的広がりをみせて、グローバル商品は原産国で大きく値下がりをしている。また、為替も大きく円高に振れてしまって、少し戻してはいるものの、はっきりしない状況が続き、最近は90円前後で安定したようにも見える。どうでもよいことだが、円相場は、円を買ったりドルを買ったり、それで差益を得る人がいる以上、実体よりも大きく変動する。投資家はあくまでも敏感でかつ精神的に脆弱のようだ。このことは、為替や株価の変動が関数的であることからしても良く分かる。
さて、さて、この円高と原産国の価格低下がビジネス・チャンスとみている輸入業者は多く、これを契機に、輸入ルートを拡大し、様々な分野にも手を広げ始めている。当初は、インターネット上の店舗に限られていたが、それらの販売では価格に大きな開きがあると、偽物や類似品と誤解されたり、一方では、商品自体が安価でも、消費者側からすると運送費用・振込み料(あるいは代引きの取扱手数料など)が別途かかり、一店舗で必要な物が揃えばまだしも、専門化されているため日常品の購入品種としては少なく、確実に割高になってしまう。また、インターネット上では価格比較が容易で、輸入商社あるいはメーカーの指導による価格を厳守させられる。加えて、付加価値による違いを出しにくい。そこが食品等を扱うインターネット店舗のビジネス限界になってしまい、最近のスーパーや量販小売店が見直されつつある理由と考えられる。
また、古くから輸入品を手がけて、正規ルートであることを売りにしてきた会社は対抗上価格対策をしようとしても全国規模で価格を下げることで経営的に苦しい状況を生み、そう簡単なことではない。根本的に価格対応できない企業構造に加えて、自ら市場を破壊するわけにもいかないからである。そこにつけ込まれる隙間が発生する。しかも、極度に定着した安心感と肥大化した社内の仕組みとが、それにも手を拱いて待つ状況を作っているといえる。現在は、消費者全体の準備している予算というか購入意欲に限りがあるので、先にその費用を得る事を考えた方が賢い。当然、食品には消費期限もあるので早く対応しなければならない。 消費者は、商品の市場価格をよく知っている。
そんな折、今日は身近な輸入商品の代表格といってよいトワイニングの紅茶を例に取ってみた。パスタ、トマト缶やジャムなど、缶乾物および保存品は同様な傾向を示すが、紅茶の利用頻度は高く、一般的ではないかと思われる。さて、昔から国内販売の正規輸入ルートともいえる片岡物産のトワイニングの100g缶入り紅茶の価格は、お店によって850円前後で8%程度は既にバラついている。それに割り込んだのが、他社輸入品の200g入りの缶で、内容量が2倍にもかかわらず、100g缶よりも18%程度安いという現実なのである。しかも、これは、ある量販小売店の価格である。インターネットでも販売されているが、5%以上高い値段がついている(それは、ポイントや送料無料として還元される場合もある)。もちろん、これが身近な量販小売店で販売されると、店頭では、飛ぶような売れゆきで、種類別40缶が朝入荷して夕方にはもうなくなるのである。さすがに誰でもわかるデザインなので、手にとって食い入るように横文字を読むご婦人方も多い。今日の写真がこのトワイニング200g入り缶で、いずれも1缶598円である。今でも、100g1缶を850円前後でお買い求めの折には、他の店を当たってみた方が良い(もちろん、価格は全て税込価格)。今まで購入してきた100gの品物の品質の違いは、茶葉の細かさの違いで、風味や味は残念ながらどちらでも満足できる。多少拘るとすれば、後からイギリスで添加されたフレーバーの違いぐらいかもしれない。それも新缶を開けて2~3日で分からなくなる。
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