こんなに、水分を吸収して、さらに速乾性にも優れた繊維があったのかと、正直驚いている。繊維が髪の毛の1/100の細さだとか、綿の5倍の早さと、さらに3倍の給水量という卓越した能力を備えているらしい。かつては、それなりに理屈を理解していたものの、現実に自分の身の回りで使い始めると、その実力に感心させられる。 私の様な古いタイプの人間は、何かにつけて物事を素直に受け入れられない時があって、何でも疑ってしまう癖もある。しかし、この様な形でマイクロファイバーが束になってかかってくると、そんな疑い深い自分を根底から覆し、足先の全ての水分を一気に吸いとってしまう、まさに、恐るべし吸収性と速乾性で「心地よい風呂上り」と、今更ながら嬉しくなるのである。
優れた素材にも、商品化のためのマーケティングが必要であったり、売り方にも工夫が必要なことは多い。昔は、秋葉原駅の前とか、田舎のデパートの一角で、雄弁な語り口調で実演販売をする人たちがいて、ご婦人方も「ほんまかいな?」と疑いながらも、楽しそうに聞き入っていたことを思い出す。男性は理屈だけでも、勝手な推測を巡らして(騙されやすい)購入する人が多いが、女性は、その場で見た事実以外は信用しないらしいく、「細かく順を追って説得する必要がある」という話を聞いたことがある。だから、商品が画期的であればある程、その様な実演を主体とした販売方法が有効に機能したのである。勿論、今でも実証主義的な販売手法は魅力的な側面をふんだんに備えている。
それでも、この商品の売り上げは、想像に反して当初は厳しいものがあったようだ。デパートに限らずスーパーなどの売り場では、たくさんのカラフルなタオルやバスマットの中にあって、一寸安っぽく派手な色に染められて、さらに「小安い値札」が付いていれば、ちょっと敬遠してしまう人も少なくないはずだ。さらに、いくら優れた性能でも、「マイクロファイバーという言葉に反応できる御婦人方が、何人いらっしゃるであろうか」と思うのである。それこそ、技術革新を装う「あらての偽物商品」ではないだろうかと不安を覚えたり、おまけに、MADE IN CHAINA とも書いてあり、仮に真っ当な商品であっても、ちょっと敬遠したい気分になってしまったかもしれない。
最近でも、一般家庭で、お風呂場、洗面所、台所等で使うことを考えるならば、少し落ち着いた色を選ぶかもしれないし、デザイン性やさらに芸術的絵柄や雰囲気までも要求するにちがいない。つまり、商品価値のウエイトを時代に沿って何処に置くかが、重要な競争力を決定づけると推察されるのである。そして、既にマイクロファイバーという言葉を良くご存じの方でも、それだけでは競争を制するのは難しくなっている筈である。そんな能書きを振りかざす私も、最初からもろ手を挙げて喜んだわけではない。何度も同じ場所を使って吸収力をみたり、使った後ひっくり返して浸透力をみたり、意地悪な使い方もした。でも、しばらく使い慣れると徐々に納得し、今では「素晴らしい」と感心しているのである。様々なサイズが用意されているが市販の価格は、サイズ約550mm×800mmで1,700円程度である。
ではこちら
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