2013/01/11

100円の詰替えインク

  もう、去年のことになってしまったが、あの100円ショップ「DAISO」でキヤノン、エプソンとブラザーの詰替えインクを見つけた。もちろん各色すべて100円である。年賀状の季節でもあって、各色しばらく歯抜けが続いたが今年になって赤色を除く6色が全て揃ったので買い求めた。それにしても、なぜ100円ショップでプリンタの詰替えインクを扱う優位性は何なのか、もちろん、国内の詰替えインクのマーケットは巨大である。かといって、提供する側としては、何か商品に確たる根拠がないと、後々苦労することになる可能性もある。おそらく、プリンタ業界に精通した経験者が商品化に参加しているに違いない。それでも、赤、緑などの特別色は、売れる数が少ないので取り扱うことはないだろう。どのプリンタでも使えて、たくさん売れる商品しか扱わないのが詰替えインクサプライヤーの特徴といえる。

  詰替えインクは、プリンタメーカーが迷惑を被るので嫌われてきた。迷惑とは、1.メーカー純正インクが売れなくなる。2.詰替えインクが原因でプリンタ自体にトラブルが起こりサービスに持ち込まれる。その他にも、3.印刷時の色バランスがよくないとか、4.印刷後の色あせが早いとか課題も抱えている。そのため、プリンタメーカーは、1と2に関して、新モデルでは自己防衛を施して解決しようと努力している。3と4は、あくまでユーザーの自己責任になる。さらに細かく、色々なトラブルの可能性が指摘されているが、それは、プリンタメーカー側の防衛の手段の一部と考えるとよい。本当にお客のことを考えているなら、「純正の詰替えインクを安く」提供すれば済む筈だ。3.4などの課題は、インクという性質から染料、顔料にかかわらず、「純正、互換、詰替え」関係なく存在する。

  一般的に詰替えインクに収容されている中身はインクだけではない。ビニールの手袋や、インク噴出口止めシールとか、詰替え時の固定ホルダー、クリーニング液などさまざまに作業用のミニ工具類が同梱されていて、商品化には手間がかかる。また、ユーザーとしては、それらを適切に使いこなす指先の器用さも必要になる。しかし、やはり詰替えインクを活用したい場合の問題はコストに集約される。そこで、工具類や内容量を含めてキヤノンの7eシリーズを例にして価格を比較してみると、a.このDAISOの詰替えインクは、内容量は25mlで100円である。b.サンワの詰替えインクの内容量は100mlで1,610円である。ちなみにc.キヤノン純正インクカートリッジは内容量 7~8mlで780円(カートリッジが使い捨て)である。このb.の詰替えインクの場合、自分で使い捨てカートリッジに2mmの注入口の穴を開け、注射器でボトルから吸い上げてカートリッジに注入する。これが面倒な場合は、注射器を使わずに注入できる先端の尖ったボトルのタイプも用意されているが多少割高になる。a.はそれに近い構造のボトルになる。

  詰替えインクという表現より、「補充用インク」という方が自然な感じを受ける。インクを補充するには、カートリッジに2mm程度の注入用の穴あけ(ドリルはDAISOにある)、そこに、インクを補充する。そのためのカートリッジ固定ホルダとか、注入口栓などがあるとよい。これは、サンワの詰替えインクを使ったことのある方には、それらの道具が既に手元にあるので、すぐに試せる筈である。さらに準備するものを加えると、ヘッドの目詰まりに、クリーニング液で対応できなかった時のために、洗剤のマジックリンとそれを注入する注射器そして、超音波洗浄器などがあるとよい。さらに、部品としてメーカーからヘッドブロックを1個手元に在庫しておきたい。そうやって、リスクを様々に考えて準備したとしても、それでも詰替えインクはメリットが大きいと思われていて、幾つかの種類と形態で「補充インクがビジネスとして成り立っ」ている。しかし、DAISOが小口で一番安いと思われる。
ではこちら
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%211240&app=WordPdf

補足:このDAISOの詰替えインクの使用感は、しばらく使ってみた後でまとめたい。