世の中、数年前までは濃厚なラーメンがシェアを伸ばしてきた。一方で、さっぱりとした野菜や魚介を中心にしたラーメン店もぽつぽつと話題を広げたが、そんなお店へ足を運ぶチャンスは殆どなかった。その影響で、濃厚な流行りの味に置き去りになった人がいる。どうも、あの「とんこつ系の臭みだけは戴けない」という人のことだ。最近は、どこへ行ってもその臭いが少し鼻についてしまうように、「とんこつとのブレンド」が幅を利かせている。私も、どちらかと言えば、透き通ったスープが好きなので、最近は興味本位の不見点(みずてん)で入るラーメン店はなくなった。そういう意味で即席ラーメンは、はっきりと○○味と書いてあり、避けることが出来るので安心だ。
何度もここで即席ラーメンを扱ってきたが、飽きの来ない商品として、最近ではサンヨー食品 「頂」の味噌味が気に入っている。なんとも優しい味作りが好きだ。今日は、その「頂」シリーズから「とんこつ味」をお薦めしたい。ええ、本気か?と思われるかもしれないが、そんな私が勧めるぐらいだから、かなりいけているのである。もちろん、「とんこつ系」の流行りに置き去りになった人にもお勧めできる。その背景には、とんこつの臭みが極限まで抑えられていることが一番に挙げられるが、ただ単に薄味と言うのとは違い、旨みのある「げんこつ」仕立てで、スープのような品の良いお味に仕上げてある。何とも「優しく、ごちそう気分」で戴ける。
とんこつラーメンの出汁としては、お店によって様々な部位が使われている。「げんこつ」とは、豚の大腿骨のことで、それを煮込んで出すスープは、一番臭みがなく美味しいとされている。単独で下処理の茹時間が1時間程度、その後、野菜、果物、ネギ、にんにく、生姜、 塩、胡椒、月桂樹の葉、酒、醤油等を加えて8時間程度煮込んだものを指す。もちろん、「頂のとんこつ味」には、ポークエキスのうち「げんこつエキス25%」使用と明記されている。それに香味野菜と昆布を加え、優しい和風の旨みに融合させている。麺は、自慢の生仕立で、スープを包み込む細麺仕上げになっている。
作り方としては、お湯を500mlと書かれているが、少し少なめの方が良い。そして2分間の茹時間を推奨している。茹で時間も少し短めで2分間で口に運べるぐらいの、盛りつけ準備時間も織り込んでおいた方が良い。そして、そこには「とんこつ味」を満喫するため、紅生姜、ねぎ、チャーシュー、煮玉子等が必要だ。こういう細麺で、しかもしっかりとコシの残る麺だと、一般的なやや固めのチャーシューよりも、箸で型崩れしてしまう「豚の角煮」のような柔らかさがマッチする。紅生姜とねぎは豚の臭みを取り除く為だが、紅生姜だけでも良いが、ねぎがたくさん入ることで色どりが良くなる。=旨そうになり、食感も良い。
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補足:不見点(みずてん)→「どこでも、いつでも、手当たりしだいに」。上記では、「見ず知らず」のお店と言う意味。