2014/10/07

佐賀牛のハンバーグ

 最近の自家製ハンバーグの流行りは、動物性脂肪の少ないお魚かお豆腐になってしまい、わざわざ「美味しい牛肉」を買い求め、ハンバーグに調理するっていうことは少ない。美味しい牛肉なら、フライパンか網であぶって脂を落として食べればよいからだ。しかも、味付けは、塩と胡椒で十分だ。時たま、山形牛や神戸牛を口にすると、馴染んだ和牛肉としての実感が蘇り、やっぱり「美味しい」と思うことがある。おおよそだが、ヒレ牛肉で「牛脂を落として焼く」と肉の旨みが遠ざかる。一方で、普通程度の牛肉に「美味しい和牛の脂」を注入すると、まるで別物になり、「美味しい」と感じるそうだ。そんな「牛脂注入製造ライン」の画像を見せつけられて、考え込んだこともあった。確かに、すき焼きなどには、牛肉屋さんで牛脂を付けてもらう習慣が残っている。

 最近の食肉に関する不信感は、メーカー製ハンバーガーのみならず、ハンバーグをも直撃してきた。原材料の生産地表示が無いからだ。それは、ウインナーを始め食品全体に言えることだが、子供の好きな食品がこれでは、先が思いやられる。特に、多くの女性が社会に進出する時代になると、益々子供たちは食肉加工製品もしくは外食産業に頼るケースが増える。そこに「食に対する不信感が益々強くなり、それが広がって、今、消費者庁で加工食品の生産地、加工地、等の表示を義務付けるような動きがある。それにしても、根本的には、優れた商品を製造していると自負するなら、自主的な原産地、加工地、品質管理を自慢するような表示が望まれる。ただ、同じ表示でも、我々は「何でも良い方に解釈する癖」が付いているので、それでも注意が必要だ。

 今日は、そんな気分を「なだめるかのような」純国産の「ハンバーグ」を入手したので報告しておきたい。それは、佐賀牛と肥前桜ポーク(何れもJA佐賀の登録商標)を使った贅沢なハンバーグなのである。佐賀牛は、佐賀県産和牛より上位にランクされ、全国の銘柄牛の中でもトップクラスの肉質等級5と4、BMS7(脂肪交雑:さしのきめ細かさの程度)以上の品質を誇るとされている。もちろん最高級の国産黒毛和牛で、ステーキ用のみならず様々の食材に使われ、その佐賀牛の美味しさを全国に広めている。かつて、佐賀牛の入ったカレーを紹介したことがある。一方、肥前桜ポークは、豚肉独特の臭みが少なく、肉のきめが細かいソフトな食感が得られている高級ブランド豚という。これらは、時間を掛けてゆったりと育てられるため、肉色は鮮やかなさくら色になるということが名前の由来らしい。

 冷凍パックの「特製ハンバーグとして15個入りと10個入りの2種類」の商品が用意されている。物々しいパッケージではなく、いたって質実剛健の発泡スチロールの大箱に、5個づつ分けてビニールに入っている。火を入れて焼く前に、冷蔵庫で十分時間を掛けて自然解凍し、柔らかくなったら、フライパンを加熱し、油を引かずに乗せる。牛脂が徐々に溶けて広がるが、両面に焦げ目が付くぐらい焼く。元々1個100gとやや小さめだが、焼けてくると脂が抜けてさらに小ぶりになる。若者なら2枚は平気で食べられると思うが、かなり佐賀牛の味が強く残るので、食べた実感は1個でも満足する。1個あたり424円(15個送料込み)で、和牛を実感できるハンバーグとしては大変うれしい。佐賀牛の「独特の脂肪と肉感」が強いという方は、出来るだけ脂を落として戴くのが良い。少々牛脂肪は多めに入っていて、飽きが早く来るかもしれないが、真面目な製品には違いない。
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