どうしても、「食意地(くいじ)」の張った私は、食べ物の話題にみなさんをどんどん引き込もうとしています。良くない良くないと戒めながらも、安易な方向へ寄っていくのです。出版社に勤務していた10年間で神田、秋葉原、神保町あたりでお昼を食べていたという背景もあるのでしょうが、先輩が良くなかった。いえ、よかったです。仕事は勿論こだわっていたのですが、スタッフで取り組む以上、案外マニアックなことは外れていきます。
しかも、作り手側ですから、広く読んでもらわないといけないし、入門風のこともやんないといけません。しかし、「カメラと食いもの」は、毎日のように含蓄の嵐でした。カメラは我々にとって仕事の道具ですから要求は厳しいものがありましたが、食いものはまさに、評論家でいられるのです。のびのびと、「ああでもない、こうでもないと」好き勝手なことを言い合い、どんどんエスカレートしていきます。その影響が現在も魂のどこかに色濃く残っており、ついつい出てしまうのだと思います。それでも、想像もされないでしょうが、私なりに気を使って載せているのです。
人様に紹介するのに、「ただ美味しい」ではつまらないし、半完成の原材料を購入して調理したら、どのくらい費用がかかるものか、とかをデパートで調べたり、大型マーケットで価格を聞いてみたり、バックグラウンドの取材にも時間を割いています。そして、料理人の仕事の価値をどのような形で評価するか、と言うところに重点を置いています。味には好みもあり、様々な価値観もあると思います。しかし、「失敗だったとだけは、絶対に言わせない」自信はあります。少々絶対額が高いお店でも、それなりの価値を見出すことができれば、その洗練された仕事ぶりが、御自分の仕事にも参考になるはずです。特に、老舗と言われるお店が何故長年継続できるのか、その仕組みや心意気を評価してほしいのです。そういう意味で、「試してほしい」と付記しています。
・・・・と、いつも能書きと、前置きが長いのですが、「神田シリーズ」と称して、時々「神田」の名店を紹介することにしました。
今日は季節柄こちらです。
http://www.nextftp.com/suyama/%E3%81%8D%E3%81%8F%E3%81%8B%E3%82%8F/%E7%A5%9E%E7%94%B0%E3%81%8D%E3%81%8F%E3%81%8B%E3%82%8F.pdf