2009/04/17

自作料理10

 人は、経験で想像さえしなかったものを観てしまうと、やはり驚く。もっとも、いくら歳を重ねても、知っていること以外は知らないことである。これを強く認識し興味を持って命果てる日まで、何事にも謙虚であると同時に、「知らないこと」へ誠実に接して行きたいものだ。 先日、2泊3日で伊豆高原まで出かけてきた。ひょんなことから、お土産屋で一息ついていると、たまたま「海老蕎麦」というのがあったので、珍しいさが先に発ち、勇んで購入してきた。

 実は、一碧湖の見物をするため、駅前で数十人の人に紛れバスを待っていた。随分時間があると思いながら、ゆったりと座り込み、やや放心状態というか、眩しいような暖かい日差しに、気持ちの良い風と、ゆったりとした時間の流れに身を任せているといったところで、それはそうと、1時間に1本しかないのは辛いけど、どんなところなのかなあと、一寸だけ夢を膨らませていた。このような時は、回りのざわめきもあまり聞こえてくることも無い。ところが、遠くの、おばさん連中の話し声が少しかん高く聞こえてきた。「何も無いところよねぇ、そうよぉ、あんなところ誰が行くのかしらねぇ、そうね、酷かったわね、もう2度と行かないわよ、行く人がいたら教えてあげるのに」と、どこかへ行った時のことのようだった。「どうせ、つまらないところへでも出かけたんだろう、どこへ行くのにも、よく調べてから行けばよいのに、馬鹿だなぁ」と心の中でつぶやく。 しばらくすると、サボテン公園、御室山登山口行きのバスがきて、殆どの人がそれに乗っていく。さっきのおばさん連中も、話の続きなのであろうか、バスのステップに足を掛けながら、また、時間表を指差して、「湖しかないの、他に何も無いとこよ」と友達を戒めるように話しながら乗り込んで行った。

 その次の瞬間、ゆったりとしてたるみ過ぎた体に電気が走ったように、筋肉の末端にまで力が伝わるような感覚を覚えた。「何?湖」だって、あれ、ひょっとしたら「やべえ、そんなつまらないところ」へは行けねえ、と思い、一碧湖行きのバスが来る前に、忘れ物をしたかのような振りと、涼しい顔をして、お土産屋へスタスタと逃げ込んだのである。 しばらくして、落ち着きを取り戻しながら、保冷庫を何気なく覗き込んでいると、偶然、「海老蕎麦」なるものを見つけたという訳である。もし、そうでなかったら、一碧湖の「つまらない?比較画像」になっていたところだ。

 いつものように、温泉と伊勢海老目当てで伊豆まで出かけ、2晩とも伊勢海老のロースト・アメリケーヌソース付きコースを食べて、いたく満足してきたつもりだが、それでも、家に帰るまで「海老蕎麦」なるものが気になって仕方がなかったのである。早速、帰ってきてすぐに茹でて食べてみたのだが、なかなか食べ応えのある一品なので紹介しておこう。 やや、期待感というか商品のイメージが先行していたかもしれない。いや、伊勢海老を食った後にもかかわらず、美味しく感じるのは只物ではないと思う。

 ただ、この海老蕎麦だけ紹介するのも殺風景で寂しいので、得意技でもある野菜の天ぷらを加えてみる。何種類かの野菜を一寸づつ用意して、一気に揚げてしまう。これが、普通の蕎麦なら、「海老の天ぷら」でも、「小柱や小海老を玉葱」とかで、「かきあげ」もよいが、海老蕎麦には、やはり少々「くどい」感じがする。簡単な手順と準備するものを忘れないように、PDFに調理例をまとめたので参考にして欲しい。 名称は、「海老蕎麦(半生)粉付き」になる。原材料は小麦粉、そば粉、食塩、海老の粉末、酒糟、プロピレングリコール、コチニール色素、と記述がある。付属のつゆの方は、本醸造しょうゆ、かつおぶしエキス、昆布エキス、ブドウ糖加糖液糖、砂糖、米発行調味料、植物性蛋白加水分解物、アミノ酸、アルコール等。とあるが、やはり、少々甘すぎるので、これと昆布醤油、本醸造醤油、帆立のだしの素を使って独自のものにした。うふふ。

 販売者はカネヨ商店 静岡県静岡市清水区蒲原神沢340-1 電話0543-85-4855 となっている。 ではこちら
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