そもそも、こういったパッケージのデザインは、人の意表を突いてみたい関西人の考える定番様式である。素直にデザインしても、店頭では他の商品に同化して溶け込んでしまい、目立たなくなってしまうからだ。また、綺麗で上品なデザインにすればするほど、PR効果は半減する。食品には、それ自体でエネルギー感を伝へるパワフルなデザインが好まれる事が多いし、ことカレーに関しては、口にしたカロリー以上のエネルギーを排出して活動的になりたい願望もある。したがって、いつでも、発汗の強い辛口が好まれる。カレー好きの大半(80%)が辛さに魅かれると答えているように、カレーを評価するには、辛さは重要な要素である。
このパッケージ・デザインは、そのニーズを見事に反映している。こんな、口から火が出る、とか目から火が出ているイラストをみて、興味を持たない人はいないだろう。おまけに、パッケージに「辛口 CAUTION」と、まるで危険物でも扱うように、シールが貼り付けてあるのも、ユーモラスで楽しい。恐らく、個人的にもこんなの見たの生まれて初めてと思う。しかし、「神戸」という2文字は、一種の「美味しいもの」に対するブランド力がそこはかとなく漂っているし、さらに、続く「はいから」というフレーズは、文明開化を思わせるノスタルジックな美味しさを、丹精に再現しているというニュアンスを含んでいる。そして、共通するキャッチである「脳裏に焼きつく」と言う言葉には、どうゆうわけか苦労した中高年には懐かしい。
それにしても、よくもまあ、これだけのインスピレーションに訴える言葉とイラストを並べられたと思えるほどのパッケージ・デザインだが、手にとって見れば見るほど、「うま辛カレェ~」なんて、製造者の気持ちが伝わってくるようで嬉しい。さしずめ、「美味しいから、騙されたと思って食ってみな、辛いのが好きな人にはぴったりだよ」と言った感じである。京都より東の人達には、こういう露骨で派手な感覚はお好きではないかもしれないが、私は関西系なので、言葉から来る印象が壷にはまってワクワクしてしまったのである。何故なら、こういう方が分かりやすくて好感が持てるからだ。とかく食品は、素材を厳選しているとか、多くのプロセスを踏んでいるとか、時間を掛けたとか、手間隙を掛けたとか、味との因果関係がありそうで、そうでもない事を推し着せて宣伝したがる。そのような表現は、我々のような素人には分かりにくい。
それにしても、このカレーは、パッケージから受ける印象よりも、味わい深く美味しい。確かに、辛口は「しゃっくりが止まらない」くらい辛いのだが、ヒック、ヒックしながらも、「旨い」と叫べる!食べ終わる頃は、汗!汗!・・・そんな案配で、ここ数ヶ月楽しみながら病み付きになっている。お味を一口で言えば「一流ホテルの伝統が活かされた、クラシック風なビーフカレー」の超辛口と言ったところ。これは是非にでも、このブログの読者の方々には「伝へておかにゃあいかん」と思ったわけである。食べたら、病み付きになるよ。
さて、製造者のホームページを閲覧すると、元々コーヒー屋さんらしく、なるほど、こういう「一寸くどい感じで、個性的なやつが趣向ね」という感じである。おおよそ、コーヒー店が扱う食品は、たいがい個性的で味が濃くて美味しい。いわゆる、このようなコーヒーを扱っている製造者のこだわりなのだろう。さて、それでは、美味しいのは良く分かってもらったとして、関東では何処で販売しているのかと聞かれると、それだけが困るのだが、案の定、近所のイトーヨーカドー、西友、マルエツでは取り扱いが無い。PDF上に製造・販売元のURLを載せてあるので、興味のある方はそちらに問い合わせてほしい。 私が購入しているのは、西関東エリアに出店の多いOZAM(オザム)である。
実際に食べる時には、レトルトなので暖めてから御飯に乗せるだけなのだが、じゃがいも、にんじんを電子レンジで2~3分加熱後に、お湯で少し茹でてから上にのせたり、玉葱を炒めて追加するなど、色々工夫をすると辛さも緩和され、食べやすくなる。PDFは調理例として作ってみたが、写真のお皿の直径が270mm と少々大盛り仕様、構成材料としては、サフランライス、うま辛カレー、らっきょ、福神漬け(天然色素使用)、ゆで卵、小分けレタス、オリーブオイル、塩など。カレーのルーが美味しく出来ているので、さらに、つけ合わせを都度変えても美味しく戴ける。
ではこちら
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%21666&app=WordPdf
補足 OZAM(オザム) 本社 東京都青梅市友田町5-350 事業内容は食料品、日用雑貨などの販売だが、レジャー事業も展開中。http://www.ozam.jp/index.htm