鰻、寿司、カレー、ハンバーグ、ラーメンは国民食だ風に明言した手前と、さらに連休中という緩んだ緊張感、加えて久々の「冷たい雨」によって、普通では紹介しないラーメンをあえて登場させてみたい。ただ、どうも最近流行の若者向けの「こってりラーメン」に関しては、とんと興味をそそられることはない。それでも、時折そんな麺類を食べたくなると、近所にある昔ながらの中華屋さんへ出かけることもあるが、私にとって肝心な「坦々麺」だけはメニューにない。そこで今日は、様々な即席ラーメンの中から、個性的な「黒胡麻仕立ての坦々麺」を取り上げる。この商品はとにかくスピーディーに調理できるし、味は本格的な感じを漂わせてまとまっているし、濃い仕上げなので追加野菜なども自由自在なので、常に1~2個は冷凍庫に入っている(購入は特売日に限る)。
かねてから、私の好物というか、ある一定の腹周期でたまに食べたくなる「濃厚ラーメン」の1種が坦々麺で、古くは味自慢でこだわりの坦々麺の専門店などが都心には数多くあったが、やはり、お客の嗜好と利益率の悪さが、このメニューの足を引っ張ってきたようで、最近、坦々麺を扱うお店は極端に減っている。高級な中華屋さんでさえも、このような定番的なメニューを用意しなくなっているし、残っていたとしても、やや仕上げも充実感に乏しいものになっている。やはり、需要と競争の無いところには、美味しいものは生まれない。先日も、新宿伊勢丹の向かいにある、古くからの中華専門店でがっかりしたばかりである。
そのような、時代背景を残念に思ったのかどうか分からないが、最近は具材のない即席タイプの坦々麺が発売になったりしている。さすがに、具材もなくスープの薄い即席坦々麺は、いくらお安くても、物寂しいのである。それは、肉味噌の製作が難しいとか、一方で代用できる物もなく、なのに、そのパッケージの裏の記述には、「お好みにより、そぼろ肉、野菜などを加えますと、一層美味しく召し上がれます」、などと無神経な一文を加えてあったりするからである。もちろん、悪意はないが、即座に虚しさが押し寄せてくるに違いない。そんな、諦めムードに押し流されて、昔から根強い坦々麺ファンから言わせると、それも同情を誘う嘆かわしい話になる。
ということで、本題の冷凍「黒胡麻仕立ての坦々麺」を見ていただくが、本パッケージ品の中には、 完全ともいえる具材、1.電子レンジ用のたけのこ、揚げ茄子等の入った肉味噌パック、2.スープパック、3.黒胡麻パック、4.チンゲン菜と一緒に冷凍された麺パッケージが用意されている。この1の電子レンジで調理するものと、4を鍋で再加熱する作業を並行処理することで、おおよそ3分以内で完成する。 出来上がりは、黒胡麻の薫りが広がり、さらに濃厚感も十分あり、それなりに味わい深い印象だが、もし、物足りなさを感じるようだと、他の具材などを追加してもらいたい。たとえば、インゲンやさやえんどうをボイルした物とか、トマトを四角のさいの目に切ったものなど、一寸野菜が入ることで、味にまろやかさが出る。個人的には、今日のPDF写真のように、ザーサイを細かく裁断したものとか、加熱した茄子を加える(エクストラバージンオイルを絡めフライパンで90秒加熱したもの)とかを用意する。あとは山椒やラー油等を使って適宜辛味を加えるとか、自分なりの工夫をすることで満足感を高められると思う。
ではこちら
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%21783&app=WordPdf
補足 日清食品は年間数百種類もの即席調理麺を新発売している。同社の冷凍商品の中にも生産の終了を余儀なくされる商品もあるかもしれず、市場で、該当商品が見当たらない場合もあることをご了承いただきたい。