何処へ出かけて行っても、時間があると、ついつい目的も無く目ざとく探して歩き回ってしまう。せっかく遠くまで来たのだから、一寸美味しそうな物とか、地元でなければ入手できない物とか、「何かないかな」と漠然と商店街を歩くのである。だいたい、その様な衝動を収めるには、直感的に気に入れば何でもよいのだが、そう簡単にあるわけはない。珍しいとか、あるいは、新鮮であるとか、豊富に獲れるとか、何らかの特徴があれば、やはり、大阪・東京方面へ送られることになるからだ。しかも、ガイド本などで仕入れた情報を元に、特産品に群がる観光客を相手にしているお店は、決して安いわけではない。やはり、良く考えてみると、その地元に住んでいたとしても、たまには食べたいと思うようなもので、ある程度の価格が維持されていて、珍重されるような物を入手するのが良いのではないだろうか。そんなことで、お手軽にも70周年記念の「超特選タルト70」というのを見付けて買い求めた。ただ、全国展開している「一六本舗のタルト」なら、近所のイトーヨーカ堂でも時たま販売しているので、わざわざ松山まで来て買うこともないが、丁寧な「手作りの六時屋」なら、買って帰ろうと思えたのである。ただ、今はインターネットでも購入できるそうだ。
では、紹介する「超特選タルト70」は、どのような特徴を備えているのであろうか。元々、六時屋の創業は1933年で、タルト一筋に伝統を守る製法を続けているが、1953年 昭和天皇陛下御用命を賜るなど、輝かしい実績を持つ。そして、既に70年の月日が流れてしまった。それを契機に、改めて「創業者の銘菓は原料を選ぶ」の理念を念頭に置き、より優れた素材を選び出しながら、最新の技術を投入し、拘りに拘りを重ねて、登場させた商品なのである。同社では、まず、とことん原材料に拘り、1.石づち山の美味しい水、2.アローカナという鶏の青い卵(チリ北部アンデス山中のアラウカ地方の固有の鶏)、3.砂糖はグラニュー糖、4.北海道産小豆100%など。特に2.の青い卵によって、きめ細やかな甘さと、比類のない深い味わいの作品に仕上がったとしている。実際に戴いてみても、確かに格調高く、奥深い味わいで美味~しい。冷やすとさらに美味い。まさに、松山の銘菓として何処へ出しても、誇りにできるような品格がある。
基本的に六時屋は、商品を松山市勝山町2丁目の本店と、松山市道後湯之町14の道後店の2箇所しか販売していない。このことは、銘菓と言われる商品にとって特に重要な要素なのである。タルト一筋でタルト作りに情熱を燃やし続け、商品の賞味期限でさえも拘り、さらに、原材料の安定入手、更なる美味しさの追求、品質の均一性などを加味すると、安易に商売ルートを拡大できないと言う考えに到達するとされている。つまり、同じ松山生まれでも、広範囲な販売戦略をとる一六本舗のタルトとは、商売の方向性とスケールが異なるわけである。もちろん、一六タルトも柚子がよく薫り美味しいし、お安い価格で提供されている。いわば、六時屋の職人気質に対し、一六のタルトはメジャー路線を駆け上がってきたといえる。この2社が存在することによって、タルトという松山の銘菓を守り続けているのである。
お土産に最適なお菓子としては、数十年前の定番といえば、1.坊ちゃん団子、2.タルト、3.母恵夢 が定番であった。最近は、お土産のお菓子類は何処もよく似ていたりするし、新たな銘菓も増えている。「坂の上の雲」関連のお菓子も加わっているようだ。もっとも、小安く手軽な甘い物をお土産に持って帰っても、さしたる評価も得られないと思うので、ここは1つ、やや貴重で高価(木枠1本入り2,625円)な商品だが、昭和天皇御用命当時よりも、さらに拘った商品として、これならば、何処へ持って行こうと恥をかく事はない。お土産で迷うようなら、これがお勧めである。
ではこちら
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%21764&app=WordPdf
補足 タルトの由来を「六時屋の解説書」から引用する。原名はタルトレート(Tart lette)といい、約300年前にオランダ人によって伝えられている。当時、幕府より長崎探題を命ぜられていた松山藩主・松平定行公は、ポルトガル船2隻が入港したとの知らせに急遽長崎へ向かい、海上警備にあたっている。結局、争いも無く南蛮船はそのまま引き上げたが、この時にオランダ人を通じて南蛮菓子タルトを味わった松平定行公は、その風味を大変気に入り、製法を詳細に調べさせて、松山へ持ち帰ったといわれている。当時の南蛮タルトは、カステラの中にジャムが入っていたもので、現在のようなあん入りタルトは、松平定行公が考案したもののようだ。その後、御殿菓子タルトの製法を城下の商家に伝え、原材料、製造工程に改良が加えられ、松山の名産になったと言われている。
では、紹介する「超特選タルト70」は、どのような特徴を備えているのであろうか。元々、六時屋の創業は1933年で、タルト一筋に伝統を守る製法を続けているが、1953年 昭和天皇陛下御用命を賜るなど、輝かしい実績を持つ。そして、既に70年の月日が流れてしまった。それを契機に、改めて「創業者の銘菓は原料を選ぶ」の理念を念頭に置き、より優れた素材を選び出しながら、最新の技術を投入し、拘りに拘りを重ねて、登場させた商品なのである。同社では、まず、とことん原材料に拘り、1.石づち山の美味しい水、2.アローカナという鶏の青い卵(チリ北部アンデス山中のアラウカ地方の固有の鶏)、3.砂糖はグラニュー糖、4.北海道産小豆100%など。特に2.の青い卵によって、きめ細やかな甘さと、比類のない深い味わいの作品に仕上がったとしている。実際に戴いてみても、確かに格調高く、奥深い味わいで美味~しい。冷やすとさらに美味い。まさに、松山の銘菓として何処へ出しても、誇りにできるような品格がある。
基本的に六時屋は、商品を松山市勝山町2丁目の本店と、松山市道後湯之町14の道後店の2箇所しか販売していない。このことは、銘菓と言われる商品にとって特に重要な要素なのである。タルト一筋でタルト作りに情熱を燃やし続け、商品の賞味期限でさえも拘り、さらに、原材料の安定入手、更なる美味しさの追求、品質の均一性などを加味すると、安易に商売ルートを拡大できないと言う考えに到達するとされている。つまり、同じ松山生まれでも、広範囲な販売戦略をとる一六本舗のタルトとは、商売の方向性とスケールが異なるわけである。もちろん、一六タルトも柚子がよく薫り美味しいし、お安い価格で提供されている。いわば、六時屋の職人気質に対し、一六のタルトはメジャー路線を駆け上がってきたといえる。この2社が存在することによって、タルトという松山の銘菓を守り続けているのである。
お土産に最適なお菓子としては、数十年前の定番といえば、1.坊ちゃん団子、2.タルト、3.母恵夢 が定番であった。最近は、お土産のお菓子類は何処もよく似ていたりするし、新たな銘菓も増えている。「坂の上の雲」関連のお菓子も加わっているようだ。もっとも、小安く手軽な甘い物をお土産に持って帰っても、さしたる評価も得られないと思うので、ここは1つ、やや貴重で高価(木枠1本入り2,625円)な商品だが、昭和天皇御用命当時よりも、さらに拘った商品として、これならば、何処へ持って行こうと恥をかく事はない。お土産で迷うようなら、これがお勧めである。
ではこちら
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補足 タルトの由来を「六時屋の解説書」から引用する。原名はタルトレート(Tart lette)といい、約300年前にオランダ人によって伝えられている。当時、幕府より長崎探題を命ぜられていた松山藩主・松平定行公は、ポルトガル船2隻が入港したとの知らせに急遽長崎へ向かい、海上警備にあたっている。結局、争いも無く南蛮船はそのまま引き上げたが、この時にオランダ人を通じて南蛮菓子タルトを味わった松平定行公は、その風味を大変気に入り、製法を詳細に調べさせて、松山へ持ち帰ったといわれている。当時の南蛮タルトは、カステラの中にジャムが入っていたもので、現在のようなあん入りタルトは、松平定行公が考案したもののようだ。その後、御殿菓子タルトの製法を城下の商家に伝え、原材料、製造工程に改良が加えられ、松山の名産になったと言われている。