2010/12/10

飛騨牛ビーフカレー

 その地域独自の特産物をふんだんに投入し、全国で販売できる独創的なレトルトカレーを作ろうとする活動は再び増えている。すでに、独自のアイデアを活かして地域の活性化を進めてきた経緯はあるが、目指す方向性として、高級志向で素材を厳選使用し、味を吟味し尽くした商品が増えている。そして、まれにそんな雰囲気のレトルトカレーを店頭で発見すると、少し気持ちがわくわくすることがある。使ってある原材料に期待を寄せてパッケージの裏に目をやると、美味しそうな能書きが現れる。それが、どのくらいカレーの中味に貢献しているのか気になってしょうがない。ただ、その様な気持ちにさせるパッケージデザインも重要である。先日もデパートの中で、「広島の牡蠣カレー」のパッケージを手に取ってはみたのだが、これが、残念なことに食欲をそそるパッケージではなかった。結果的に美味しいかどうかは、個人の好みになってしまうが、視覚的にはパッケージにも熱意や美味しさを感じられる必要があり、それが手に取る要素にもなっている。

 その次に、重要になるのは小売価格である。一般論としては「お安く手軽にが良い」という気分があるかもしれないが、こと地域特産のレトルトカレーには、その様な価格戦略は返って逆効果で、あくまでも素材と味に拘ったという心意気で、家庭では絶対に作れない満足感を提供することで、再びそのパッケージを探すことになるのである。つまり、価格は少々お高くても、それなりに美味しい個性的な商品であることの方へ価値が移動しているのである。賞味期限も2年ほどあり、単身で赴任している人達や、多忙に毎日を過ごしている方々にとって、温める事が楽しみになるとか、しかも、安全・安心である食品を期待しているのである。

 今日は、全国へ向けて出荷されている、その豊富なレトルトカレー群の中から、岐阜県大垣市で作られている、「飛騨牛をふんだんに使ったビーフカレー」を紹介したい。飛騨牛自体は、元々現在の兵庫県で高い評価を得ている丹波牛と同じ種類で、一流の黒毛和牛の流れである。そのブランド牛のお肉の霜降り断面写真をパッケージにあしらってあり、その感じ方は人それぞれにしても、好きな人にとってみるとストレートに牛肉の旨味が伝わってくるようだ。とかく霜降りの牛肉には、牛肉の旨みと言うべき動物油脂が強い匂いを放つ。これが、牛肉好きにはたまらない薫りになり、たとえレトルトカレーに紛れ込んだとしても、はっきりと本物として識別出来るのである。そして、それこそがこのビーフカレーとしての人気の決め手になっていると思われる。

 実際に口にしても、期待を裏切らない美味しさが嬉しい。上質の脂肪分が溶けて薫り高く、満足感も高い。ただ、カレーは、御飯と共に食べる為のソースの役割もあるので、少々の大盛り御飯も考慮してか、10%程度の容量増仕様(220g)になっている。とにかく具沢山で満足感もひとしおである。また、カレー自体は、ある程度塩分が重要な役割を果たすことから、その調整には神経を使われているようだ。このくらいの塩味の方が美味しく感じると言う人が多かったに違いないとは思うが、私の個人的な感覚だと、若干塩味が効き過ぎているように思える。詳細は、栄養成分表示を参照されたいが、スポーツマンとか活動的な若者向け仕様になっているのかもしれない。
ではこちら
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