2010/12/24

美味しいハンバーグ

 何年か前のことだけど、食肉偽造問題が発覚してから、食肉加工食品に関しては、よりシビアな視点が注がれてきた。今日紹介するハンバーグもその様な食肉加工食品の典型例といえる。ハンバーグ自体はポピュラーな商品なのに、案外小安い商品が多く、ただ小安いという理由だけで不安がよぎり、手に取る事は少ない。しかし、自分しか食べないので、自作するにはスケールメリットもなく、美味しい商品があれば買っておきたい物の1つである。その価格の目安として、単品として1gあたり2.5円から3.5円つまり、1個150gで 375円~525円 が望ましい価格帯で、スポット的なターゲットとして1個450円と心得ている。このあたりは、食品会社にいた頃に得た価格感覚である。何かにつけて、その時代の視点が邪魔をするけれど、時おり、商品によっては、そんなに安く作れるはずはないと思う事も多い。

 一般的に、野菜や魚は別として、特にお肉の加工食品は、調味料やフレーバー、防腐剤などによって味が決まると言ってよい。工場から出荷される時は、「こんなに美味しいと売れるよな」と思っていても、時間が経過したものを口にすると、案外そうでもない。小安い原材料を使って味付けや香料に工夫をしたものほど時間が経つと美味しさが「へたる」のである。だから、商品の宣伝文句に「原材料に拘った」と言う言葉がよく使われるが、出来るだけ不必要な添加物を入れないのが良い。出荷時はもとより、時間が経っても、素材のよさは残りやすいので、最初から最後までそれなりに美味しいと思えるのである。つまり、それこそ原材料に拘る重要性を痛感するのは、製造者自身であると言っても過言ではない。

 食品加工で一番問題になるのが、原材料の品質のばらつきである。顧客の口に入る時には、やっぱりこの会社の製品を選んでよかった、少々高くても納得できる、などとと思ってもらわなくてはならないにもかかわらず、原材料の品質は加工技術だけではどうにもならないからだ。少しでも味が落ちたと思われると、コストダウンしたのではないかとか、品質が劣化したのではないかと推測されるからだ。そのあたりの難しさは、長い歴史の中で、原材料の入手先を多数契約することで乗り切るしかない。すると逆にその製造部門は、原材料を消費する為の商品を専門に製造するように変貌してしまうわけで、やはり、歴史のある専門店はそれなりに安定した品質で価値が高いと言うことにもなる。それは、たやすく真似のできることでもない。

 今日の写真は、六合ハム販売株式会社のチーズ入りのハンバーグで、1個 490円である。チーズのないタイプも同一価格で、どちらも美味しい商品といえる。熟成ロースハムもベーコンも美味しいので並べてみた。いずれの商品も食肉科学研究所による特定JAS製品で、工場内の品質管理は徹底したものがあり、お肉の美味しさがそのまま残っていて、品質は大変優れている。他社品に比べて、全体的に少々高額になっているが、それだけのことは十分感じられる。
ではこちら
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%21829&app=WordPdf

補足:美味しさが「へたる」=味のバランスを崩して、元の状態がわかりにくくなること。