2011/03/08

肉じゃがカレー

 今日は、身勝手ながら、わが故郷の名前を使ったカレーを紹介したい。まるで、明治時代からあったようなキャッチフレーズで少々怪しい輝きを放っているが、パッケージにはSince2002と刷り込んである。どのような商品にも、広く情報を集め、それを巧みに組み合わせた「キャッチコピー」を使うことによって、まことしやかな情景を想像させることが出来る。そして、それが自然にその商品の付加価値を高めるわけである。この商品もその外装パッケージから、たっぷりと我々に訴えてくるものがあった。地元の呉で育った人達は、呉海軍亭などというお店はないことを知っているし、そんなお店が仮にあったとしても、遠く明治時代の噂話だと思う筈である。

 なのに、「今、昔し語り継がれる」というコピーは、紛らわしい!と怒るより、もはや捏造として受け入れるべきである。どれ1つとっても、真実は1つ「Since2002」ということだけらしい。呉市が「肉じゃがの発祥の地として名乗りを上げている」とも書かれているが、どこでジャガイモが採れるのか教えてもらいたいものである。呉は、すでにこのブログでも何度も紹介しているが、軍港で栄えた町である。少なくとも、それは、我が祖父の時代からそうであった。情報や新しいものは、すべて海から入ってきた、いわゆるインポート物なのである。つまり、それは、肉じゃがの様なビーフシチューだったかもしれないし、単にカレーの調理法が肉じゃがに近いというだけかもしれないのである。あと、海軍や自衛隊の金曜日はカレーという習慣は確かに歴史もあるし、今でも江田島幹部候補生学校では金曜日にカレーが出ている。

 さらに、パッケージには水兵さんが敬礼をしているイラストが描かれていて、確かに呉の市内をこのような姿で闊歩する水兵さんを、昔はたくさんお見受けした。そういう意味では、私としても、ため息が出るほど懐かしい。ただ、パッケージの表には広島と書かれていて、少し納得感がない。さらに裏面の販売者の欄には、広島の住所が書かれていて、これも呉とは全く関係がない場所である。つまり、呉の昔の海軍の習慣を誘い水にした商品と言えそうだ。まったく、このような商品は、怪しいなあ、と思いながらも、とりあえず食べてみることにしたい。

 様々なトリックで固められたパッケージなのだが、わが故郷の名前を使い、ありそうな捏造を重ねているが、意に反し、中身のカレーは凄くオーソドックスで美味しいカレーになっている。「ま、許そう」 と思ってしまったほどである。いやーまんまと、引っ掛かってしまったが、それによって、わが故郷を、ほんのひと時だが思い出させてくれたし、こうやってブログのネタを提供してくれた。おまけに価格も安いときている。「肉じゃがの具材感を大切にした」とあるが、食べてみた感じでは、肉じゃがという印象は希薄で、ビーフシチュウ風の濃厚で味もしっかりしていると思う。また、こんにゃくを使って肉の触感を出していて、いい感じである。そこで、今日は、付け合わせのスペースに黒毛和牛の薄切り肉を炙った物を加えてみた。なかなか良いバランスになったと思う。お勧めだよ。
ではこちら
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%21909&app=WordPdf

補足:このカレーを食べてみたい方は、メールで連絡をしてください。平素のご愛顧に報いるためにも、おみあげに今度たくさん買ってきます。