よくご存じの方には、ええっ?何だ今頃、と思われるに違いない。前回、原子力の話を書いたのをきっかけに、つい思い出してしまったのである。それは、暗黒魔王に体を乗っ取られ、原子力発電所からパワーを吸い上げて、それを迎撃力として、あくまでも「ハワード」が研究所に入るのを拒む科学者(ジェフリージョーンズ)のことである(参考写真上中央)。その凄まじい「POWER=原子力エネルギー」を軽くFSXで映像化してあった。さすがにその圧倒的な表現力に満足し、そのジョーンズの演技にも感動し大変印象に残ったのである。まったく、原子力エネルギーの平和利用とは、このように今後は映画の中だけの話にしてほしいと思うのである。
今日紹介する、ジョージルーカスが映画化した「ハワード・ザ・ダック」は、1986年頃と相当古い映画でもある。原作はアメリカンコミクスなので奇想天外な展開の中に、宇宙人ともぬいぐるみとも思えるハワードに対して、とても、手繰り寄せられそうもない地球人の愛情が様々に絡み合うのである。ジョージルーカスは1944年生まれなので、私より9歳上(現在67歳)だと記憶しているが、その時代のストレートな宇宙活劇物の香りが漂い、私には今でも懐かしく心地よい。ま、今の若者にとって見ると、マンガチックすぎると思われるに違いないが、そうやって映像の背後に隠されたテクノロジーをさりげなく織り込む奥ゆかしさも、ルーカスの人柄なのかもしれない。
上の参考画像でハワードの手を握りかけている、ロック歌手のビバリーは、もちろん、みんな見覚えのある「バック・トウ・ザ・フィチャー」(同時期)で10代の少女から40代までの女性をこなしたリー・トンプソンである。地球に引っ張り込まれたハワードをロック歌手のビバリーが助けるところから話が始まる。ハワードは、アヒルの格好をした宇宙人なので、様々に研究者の興味をひいたりするが、結局、生まれ育った星に戻れるように研究者に頼み、もう少しで実現しそうになるが、暗黒魔王の邪魔が入るという流れ。果たしてハワードの運命は如何に!と言ったところ。とにもかくにも、ストーリーの中身は大したことはないが、次から次へと展開してゆく映像が楽しいという、まさにルーカス調のサービス精神が満載されている。
そんな、マンガチックなことを思い出すまでは良かったのだが、このレーザーディスクを再生する装置が家にない。そう、引っ越しをしたときに処分したのである。当時はまだ、レーザーの発生装置が真空管だったので、半導体になればもっと再生装置が小型化するだろうと、それらが発売されるまで待っていたのだが、逆にレーザーディスク装置そのものがなくなってしまったのである。とても寂しい話ではあるが、いつの時代も同じなので、DVDとかブルーレイのディスクを集めている人は慎重であってほしい。今でもどちらかのフォーマットで同じ映画が販売されていると思うが、私も再びコレクションするほどお調子者ではない。今日の話は、そういう意味で、映画を御存じの方は、思い出して懐かしがってほしいし、一方で、安易に映像ディスクをコレクションしてはならないという、アドバイスなのである。
ではこちら
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%21918&app=WordPdf
補足:日本ではパイオニアのみがレーザーディスク装置の製品LD1000を販売しており、レーザーディスクそのものの水平解像度は400TV本以上と、当時としては精細度の高い抜けの良い画質が魅力であった。ピックアップがレーザーに接触しないためディスク表面の劣化はないが、ディスクの保存の仕方によっては、水分がディスク内部に入りやすく、強烈なドロップアウトに見舞われること(映像が判別できないほど)もあった。それを体験した翌日から、ディスクそのものを集めることをやめた。