RAIDとは、ディスク・ユニットを幾つか集め、「1つの信頼性の高いディスク装置として扱う」技術で、単独でキャビネットに収めた形をディスク・システムとも呼ぶ。容量の少ないディスク・ユニットを使って、大容量のディスク装置として使用する場合もある。・・・といまさらRAIDの用語解説をするつもりは無いのだが、これは元々サーバー用として成長してきた製品で、ディスク・ユニットが1本故障しても、ディスク装置全体が破壊されることもなく、さらに、単体ディスクよりも高速でファイルを書込んだり、呼出したりする事が出来て、全構成が破壊されない限り、あらゆる面で快適といえる。そんな優位性が一般にも評価されて、最近はもっぱら、家庭用として「趣味こそ本気のカメラマン」が、写真の元データーを保存するのに使っていると言う。
それには、目的にあわせてディスク・ユニットの構成方法が幾つか用意されているが、信頼性を確保するか、あるいは高速性を重視するかによって、多少構成方法が異なる。少し古い話で恐縮だけど、SUN StorEdge シリーズは12本入りキャビネットで RAID 5 とホットスペアを設定するのが定番になっていたし、IBM EXP-300~400 などは14本入りのキャビネットなので RAID5EE とホットスペアを設定するのが普通だった。僅かな違いだが障害発生時には、どちらも構成状態が頭に叩き込まれているので、万が一の障害でもリカバリーの対処に困ることは無い。しかし、新しい方法を使って構成してしまうと、傷害が発生する頃は構成方法を忘れていることも多く、不安と苛立ちが重なり、障害の拡大に繋がる恐れがあるので、やはり、いつも同じ方法を貫いておきたいことになる。
サーバーとの接続方法は2種類あり、SUNの初期のディスク・システムA1000は、サーバー側のSCSIアダプターとケーブルで接続するタイプで、A1000側にRAIDコントローラが組込まれているので使いやすい。ディスクの構成は、OS上から raidutil または drivutil を使って行い、稼動中の状態も把握できる。一方のIBM EXP-300~400 はRAIDコントローラをサーバー側に設置しなければならないが、RAIDの構成は、専用のソフトウエアで簡単に出来るし、状況のモニターもそれで可能である。また、別に Windows 2008 Server や Solaris10 など最近のOSには、RAIDをソフト的に構成できるユーティリティーが標準で用意されているので、キャビネットに3台以上のユニットが搭載できれば、RAIDが簡単に構成できることになる。
今日のPDF写真は、随分古い装置 SUNのStorEdge D2 で、これも、どのようなサーバーにでもU160のディスク・システムとして構築できる。Solaris 10 では Solaris Management Console からDisk Suite やStorage Manager を使って簡単にRAIDを構成出来るし、Windows 2008 Server からでもRAID5ならば簡単に構成できる。ただし、どのサーバーメーカーも同じだが、ディスク・ユニットは純正品を使わなければならない。純正品でなければ警告され、電源再投入時にRAIDは解除される。これが、システムを高価にしている理由とされるが、同一メーカー内で容量やセクター、回転数など互換性を確保するためである。
ではこちら
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%21949&app=WordPdf
補足1:ディスクを数台並べて使用している状態をディスクアレーと呼ぶ。また、そのディスクアレーにRAIDの構成情報を設定するのがアレーコントローラまたは、RAIDコントローラである。
補足2:ディスクアレーの構成情報は、拡張性や冗長性に違いがあり、RAID 末尾に番号をつけて区別しているが、ファイルやデーターを分割して記録すると言う点においては、昔から大きな違いは無い。
補足3:PDF写真のディスク・ユニットには、長期連続稼動をする為に、全て放熱器が取付けられている。