再び重たい装置の発掘になった。だいたい、このような、サーバーとか、ディスクアレーのような製品は撮影にも一苦労するし、片づけも進まない。発掘されるものは、どこかで必ず同じものを販売した経緯があって、タイムアップしたからさっさと廃棄したいと思うが、そうも出来ない状況なのである。したがって、撮影後はそっと、再び元どおり放置されることになるだろう。ここまで古い機材に関して、さほど役に立つ話はないと思うが、万が一にも困ることがないように記憶を整理しておきたい。今回も、RAIDを構成できるディスク装置である。RAIDは、集められた複数のディスクに対して、ファイルを指定されたサイズで分割した後、パリティーを付加して、それぞれのディスクへ分散して書き込む。それによって、ディスクシステムとして信頼性を確保しながら高速性を実現するものといえる。
サーバーと連携して動作するディスク装置は、同時期のオペレーティングシステム、インターフェイス・カードなど、関連する周辺も一緒に確保しておく必要がある。このA1000の場合は、インターフェイス・ボードの中には、RAIDのパリティ演算を行うプロセッサやメモリーなどが搭載されている。この部分の設定はサーバーから行わなければならない。まず、Solaris 8 (7/01)が動作する当時のSUNのULTRA SPARC サーバーと、ディファレンシャルSCSIカードX6541Aを整備しておきたい。RAIDの構成には RAID Manager 6221が必要になる。勿論、そのパッチ、最新版ファーム等も必要だ。ところが、D1000の方は、SCSIインターフェイスが内部で並列になっているだけなので、おおよそ、どの種類のサーバーにでもULTRA2 SCSIのみで連結出来るディスク装置である。
あの頃は、ディスクが壊れるのは日常的なことだったので、ホットスペアを用意して対処してきた。A1000 / D1000 ともにサポートSCSIは、 ULTRA 2 だが、ホットスペアとしてはその上位のULTRA160 / 320まで使用できる。ただし容量も同じで、回転数も同じ、その前にSUNの認定(SUNの部品番号表記)でなければならない。キャビネットは前面からディスクを最大12本挿入できる。もし、空きスロットが出来た場合は、必ず硬い発泡スチロールで成形された「ディスクと同じ形状のダミー」を装着することを忘れないように。背面からは、電源ユニットが2基、冷却用の大型ファンが2基、そしてA1000にはRAIDカード、D1000にはSCSIカードが挿入されている。これらの内部構造はStorEdge D2と全く同じで、違いを探すと、挿入されるディスク(ULTRA160)と前面扉のデザインのみで、コンストラクションは全く同じである。PDF写真のRAIDカードは、アルミフレーム、バッテリー(手前の切りかけ部分に入る)などをはずして主要部品だけにしているが、これは、フレームとカバーを取り外し、CPUやメモリーが見えるようにしたもので、それらの補修部品は、保守期間7年間で1度も使用することはなかった。ただし、バッテリーは2年に1度必ず交換してきた。
D1000を使ってRAIDを構成するには、DiskSuite、Volume Manager 等が使われる。これらのソフトを使用すると、D1000ではアクセススピードにやや問題があるにしても、スピードを要求しなければ、今でも問題なく使用できる。RAID5はもとより、ミラーリングやストライピングも構成できるので、OSを導入するシステム・ディスクのミラー構成にも DiskSuiteやVolume Manager が使われる。現場へ出掛けてサーバーのメンテを行うチェンジニアの人たちは、A1000の障害ならばディスクを交換するだけで済ませられるが、D1000やシステム・ディスクの障害には、状況によっては、この2種のソフトを柔軟に使いこなす必要があり、今だに面倒な作業を強いられている。
PDF 写真は、左上がA1000のキャビネット。中央部がA1000用のRAIDカード、最下部がD1000用SCSIカード。写真はないが、ディファレンシャルSCSIカードX6541Aは、サーバー側のPCIスロットに導入される。忘れないように確保しておきたい。
ではこちら
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%21984&app=WordPdf
補足:インターフェイスとしての最大転送速度: ULTRA2 SCSI = 40MB/sec ULTRA2 WIDE = 80MB/sec ULTRA 160 =160MB/sec ULTRA320 = 320MB/sec あくまでも瞬間最大値。一般的にディスク単体では、15K の ULTRA320TYPE で、シーケンシャルリード・ライトで平均データ転送速度はおおよそ 70MB/sec 程度である。しかし、ULTRA160 / 320等の優位性としては、SCSIコマンドの送受信の速度が瞬間最大値あたりまで向上しているところである。