2012/05/04

落花生


   人間だけかと思っていたら、「外見で判断してはならない」ものがここにもあった。というより、その言葉は、落花生の為にあったのかもしれない。先日、スーパーで袋詰めの落花生が並んでいるのをみながら、チョッとだけ食べたいなと思った。殻を割って、中から実を取り出して、薄皮を取り除いて口に運ぶ。この手順に一種の懐かしさを感じ、ほんのわずかな時間かもしれないが、殻割に浸ってみたいと想像したのである。この時点では、まだ殻割作業が楽しみの中心にあったように思う。その皮を取り除いた実は、どんなものでも、殻に収まっている状態では同じだという印象を漠然と持っていた。もし違うとしたら、それを「柿の種」に混入させたりすることで、異なる味に仕上げるのだろうと勝手に考えていたのである。

 400gが1,400円程度する国産と、同じ400gで400円の中国産があり、国産は、殻の色もまばらで汚れたままの様であったが、中国産は殻が綺麗だった。どう見ても、安い中国産の方が丁寧に作業されていて美味しそうに思えたのである。「そうか、そんなに人件費や土地の広さに差があるのか、どうせ、全部食べることもなく途中で飽きてしまうのだし、あえて汚れた国産を買う必要は無い」と考えたのである。ということで、中国産を買って帰り、殻を割って実を食べてみると、広大で肥沃な大地で育った自然な感じのはずが、広大でも肥沃でもない土地で、自然と言うより野生で採れたかのような印象であった。不味くは無いが、こういう落花生もあるのか、「野生味があっていいかも」とまで考えたのである。

  そんな話をしていたら、先日土産に千葉ピーナッツを2種類買ってきてくれた。ナカテユタカ190gが680円、千葉半立400gが1,655円だったようだ。この千葉半立を口にして分かった。「ああ、全然違う、柿の種に入っているピーナッツより美味しい」と思ったのである。ピーナツが噛み砕かれる食感は、まるでマカデミアナッツより少し硬い感じで、歯が砕くときにきしむ感じがする。あと、味わい深い香ばしさ、これは特別美味しい品種なのではないかと思ったほどである。確かに千葉の落花生は、上記の2種類が主な品種で、それが全国シェアの70%を占めていると言われている。それでも、消費に対して生産量が減って来て、中国、南アフリカ、アメリカ等から輸入されているそうだ。

  落花生にはビタミンE、ビタミンB1,B2,ナイアシン、オレイン酸、リノール酸等が大量に含まれていて栄養のバランスが優れている。自然の大地が育んだものと言うこともあり、時たま落花生を無性に食べたくなることもある。ただ、1日10~20粒が適当とされていて、食べ過ぎには注意が必要である。
ではこちら
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%211131&app=WordPdf