2012/09/14

続 京王線地下を走る


    京王線の地下化の話を紹介したら、その後、知り合いから「結局どうなった?次回が楽しみだ」とか言われてしまった。もちろんその予定はなかったが、うー、うんとか返事が口をついて出てしまった。京王線の地下がどうなったかは、いつでも確認できるが・・・・、既に、地上の線路は錆びつき、ところどころ駅舎の解体が始まって、無残な姿を露呈している(上の写真:調布駅4番線ホーム新宿側より望む)。こんな姿は見せたくないが、それでも、調布を離れて遠くにいる人達は、程良い哀愁を感じるかもしれない。うーむ、気がつかなかった。次回は、いずれ地上にあった線路が全て綺麗になくなった頃に、「こんなに変わってしまった」と言う報告をしたいと考えていたのだが、それでも、京王線の変遷を楽しみにしている人がいるなら、ということで、ここで1発補足をしておきたい。


  京王線が国領→布田→調布間で地下を走るようになってから、ほぼ1か月が経過した。地上と地下の駅の切換当初は、まだ設備等が不十分だったようで、もちろん工事はまだ続いているが、案内や警備する人はずいぶん減った。人は新しい環境にすぐに慣れて、地下への違和感は消える。今やこれが当たり前になって人々に馴染んでいる。かつてはどうであったかなど、既に新旧比較など興味もないようだ。それもこれも、以前より通行がスムーズで便利になった効果と、予想もできなかったほど「都会風で綺麗な駅」が作られたことで、より親しみ易いやすい環境になったからだ。


 駅構内は、いずれも歩行に迷いのないように、構造が細部まで検討されていて、それらをより鮮明にするカラーリングや掲示板とが相まって、機能的になっている。さらに、全ての駅にホームガードが設置され、より安全性を重視した印象を与えている。地下のホームに降りると、誰でも圧迫感や閉塞感を受けることがある。ホームのスペースが小さければ小さいほど顕著だし、また、電車が入線するとか通過するときの騒音は、トンネルを響き渡り大きい。年配の人たちの耳には辛いだろう。それに精神的抵抗感を覚えることも少なくないが、それこそが地下に収まった駅構内の宿命といえる。調布駅は、全ての電車が停車するので、通過騒音は無いが、国領駅は特急、急行、快速と、何本も大きな音が響いてくる(上、下の写真は調布駅の構内)。


 ところが、布田駅(下の写真)は大きなホームドアが全てを覆い隠してホーム自体を密閉構造にしている。下り側のドアはネイビー、上りのドアはマゼンタのカラーリングがなされ、車両が通過するときに発する騒音はかなり抑えられている。電車が停車した時だけ密閉構造が解かれる。ドアは大きめで、将来の更なる大型車両にも対応できそうである。3つの駅では最も乗り降りの客数の少なく、しかも、調布駅と目と鼻の先と極めて近く、地下で繋がっていても良いくらいの、もったいないような布田駅だが、ホームにいる乗客のみならず、電車の乗務員にも精神的な負担が減っているようだ。調布、布田、国領の3つの駅の中で一番洗練されているのがこの布田駅といえる。


 先日、6000系車両が写っていたフイルムがあったことで、気を良くして丹念に探していたら、今度は2000系の各停車両が出て来た。おまけに、国領駅に入線している写真もあったので、これを使って3枚の組写真にしてみた。上りと下りが別々の出入口になっている当時の国領駅の様子が分かり懐かしい。「上り」側の駅舎の前には三角形の空きスペースがあり、改札から外に出ると正面に2階建ての西友ストアー、右には銭湯とコインランドリーがあった。そのあたりは、この写真には写っていないが、この写真を見て初めて思い出せるロケーションと思える。現在の国領駅の様子は、一番下の写真になる。
それはこちら
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%211189&app=WordPdf

補足:カラーリング=ネイビーとマゼンタの京王電鉄のイメージカラー2色を効果的に使ってある。