2012/11/20

ダニサ・バタークッキー2

   今時の若者からすると、そんな話題はどうでもよいと思うが 「ダニサのバタークッキーを知っている?」と問いかけたり 逆に「それは美味しいよ」とこたえる年配の人は多い。そんな定説は中高年が独自に広げた口コミで、お安く売っていれば買い求め、半ば強制的に、「どうよ!美味しいでしょう」などと、甘いものにはとんと興味のない周囲の若者にまで押しつけて、美味しいクッキーという印象を、ほしいままに広げて来たのである。事実、昔はバタークッキーの種類は多かったし、ポピュラーなお菓子であった。それにしても 「その美味しいという感覚」は、世代の差を露骨に感じさせる。

 それは、一体どういう事なのだろうか。今から30~40年前は、街には演歌や歌謡曲が溢れ、喫茶店に入れば、ジャズが流れ、濃い珈琲と共に「だらだらと長い会話」を楽しみ、そして蒸気と混然一体になった煙草の煙の中で、奥の席まで霧がかかったような空気感を楽しむ人も多かった。そんな琥珀色の濃い珈琲には、ナッツなどの添え物が付くお店もあった。珈琲、周囲の時間、蒸気やナッツの油分まで、濃いのが好まれた時代である。そんな時代には、当然のごとくクッキーもバターやマーガリンを使うと、粉っぽさがなくなって、少々作りが粗っぽくても、滑らかな食感が魅力的に感じられたのである。

 今は何処へ行ってもアメリカンな珈琲ばかりになってしまった。珈琲は競争価格で小安くなっているにもかかわらず、ケーキやクッキーは、その2~3倍ものお値段がする。それが嫌なら、もう自宅で濃い珈琲を楽しむしかない。その、ちょっと口寂しい時に、このダニサのバタークッキーがあれば、かつてのあの時代を思い出しながら、心行くまで当時の演歌や歌謡曲を聴き、哀愁に浸って過ごすことが出来るというわけである。ほ、ほんまか?

 どのような時間の過ごし方であっても、年配の人々は、このダニサのバタークッキーを口にすることで、ある程度は気持ちが和む筈である。昔の仲間を呼び寄せ、腹が割れるほど好きなだけ食べて、「懐かしいね」と話しながら、楽しい時間を過ごすことが出来るからである。10箱購入しても1000円でお釣りがくると言う、もはや信じられない価格のクッキーである。今日も前回紹介した安い方のお店で、チョコカシューのバタークッキーをたくさん購入してきた。こちらの中身は、1種類のクッキーのみだけど、なかなか美味しくて食べごたえもある。
ではこちら
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