信号を渡ってマクドナルドの横を通り過ぎて、しばらく歩いたが、お腹が空いているわけでも無いはずなのに、珍しく「もっと手元に欲しい」と思ったのである。夜でも、明日でも、また食べたいと思ったからである。信号無視し、きょろきょろ左右を確認しながら路を渡り、お店まで戻った。おじさんに「美味しいんで、その残りの6個もらっていいですか」と頼んだのである。一人ごとのように、しみじみと「どこか懐かしく、美味しい~す」と呟くと、おじさんは、ニコニコしながら「昔ながらの作り方だから、旨いでしょ」と話しかけてくれた。「そうそう、やっぱりそうなんだ」と思った。この手のコロッケは、スーパーでも、おおよそ120円前後で販売されている。もちろん、先日「最近ハマッテいるもの1」で紹介したミートデリカカイゼルでも販売しているが、これほど、美味しいと思ったコロッケは無い。しかし、この「昔ながら」と言う言葉に、「昔の味を変えず、油を健康的に改良する、匠の技」が隠されていて、少しだけ昭和を感じられたのである。
この美味しさとは、外がカリカリの感じで、中が少々しっとりしているところにある。じゃがいもに質の良いお肉のミンチがちりばめられて、そのお肉の旨みが封じ込めてある。さすがにお肉屋さんだけのことはあり、ちょうど、上質の牛肉を買ってきてミンチにして、その肉を加えながら一緒に「じゃがいもを練り上げた」ようなマイスター的な手作りのしなやかさなのである。一般的にコロッケは、じゃがいもがほくほくした感じで、口の中の水分を吸収してしまうが、それとは全く違う滑らかな食感である。これは、フランスパンに挟んだらきっと美味しいだろうなと思った程である。そこで、とっておきのフランスパンに、両サイドにチーズを塗り、コロッケを挟んでみることにした。買い求めたフランスパンはトロワグロである。サイドに塗ったチーズはブルサン、これで一応最高のサンドといった気品が漂うのである。
ではこちら
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補足:やはり出来上がりが一番美味しい。トレーに品物が無いとき、次の出来上がりの時間を聞いて、また寄ってみると良い。金曜日は定休日。メンチカツもお勧め。