どんなに美味しそうで、想像力をかき立てる商品であっても、宣伝、価格、美味しさ、あるいは入手し易さや商品在庫量など、さまざまな条件がバランスよく揃わなければ、市場は受け入れてくれない。何か1つでも欠落すると、それがきっかけで、忘れ去られてしまう可能性さえあるからだ。特に、海外のチョコレート菓子の輸入は、大量に扱えばそうでもないが、多品種を少量で扱う事が多く、在庫が十分確保できず、売りたい時に在庫が無いという現実に直面することも少なくない。また、為替の変動で販売価格が値上がりを余儀なくされたり、いくつかの苦難に直面することが多い。それにもかかわらず、まれに根強い人気を誇る商品もある。ただ、数がたくさん売れる商品であれば、すぐ国内メーカーが真似をして類似品を発売するが、最近は、意外にも輸入される人気商品は高価格な物が多く、売れる数量自体が少ないこともあって、まれに独走状態が続くこともある。
それには、珍しい食材を使っているとか、形が可愛らしいとか、どのような美味しさなのか想像を巡らせてしまうとか、色々あるようだが、最近はもっぱらネット上の「口コミによる美味しい感想」が大きく影響して、販売への後押しをしているようだ。本来、チョコレート菓子は、純粋なカカオマスに砂糖、香料、脱脂粉乳やココアバターなどを混ぜ込んで作られているが、少量でも高い品質を味わう板チョコから、洋酒を内部に閉じ込めたり、果物をチョコレートで包んだ商品など、カカオマスの使い方に無限のバリエーションが存在する。日本国内では、チョコレート自体をバリバリ食べるというより、ソースのようにチョコレートが一部に固められ、その美味しさと一緒に噛み砕かれながら「お腹の足しになる商品」が若者に愛されている。ポッキーとか、きのこの山とか、タケノコの里などが良い例といえる。また、たくさん食べない大人としては、甘さ控えめで、少量なのに「純粋で高品質なチョコレート」例えば、カレ・ド・ショコラカカオ70等が好まれる。いずれにしても、カカオマスの消費量は案外少ない。
カカオマスには、大量のポリフェノールが含まれていて、健康に対する諸悪の根源と言える「活性酸素」を抑える働きがあると言われている。それによって、動脈硬化の予防、コレステロール値の抑制、癌発生(特にチョコレート摂取量と胃癌との相対関係が統計的に示されている)のリスク低減、運動機能の低下や白内障などの老朽化の防止などにも、良い結果をもたらすようだ。また、カカオマスには、食物繊維やミネラルが豊富に含まれていて、食の細い女性や働き盛りのお父さんの健康増進に欠かすことの出来ない食材ともいえそうだ。今日は、最近話題になっているスペイン産の独創的なチョコレート菓子「ラビトス ロワイヤル」を紹介したい。これは、いちじくにトリュフクリームを詰め、それをチョコレートで包んだ構造になっている。
いちじくにも、大量の食物繊維、カルシウム、ビタミンB1、B2、鉄分、灰分、ビタミンCなどが含まれ、薬効としては、消化器系の不調である便秘や痔などにも著しく効果があるとされる。カカオマスと組み合わせると、たいへん優れた健康食材となっているようだ。このラビトス ロワイヤルには、いちじくとトリュフクリーム、おまけにブランデーといった高級食材を惜しげもなく使ってあり、密度の濃い印象が滲み出て来る。充実した甘さの中に、粒々した食感のいちじくの懐かしさが感じられ、トリュフクリームやブランデー、いちじくといった順に異国情緒が広がりを見せる。確かにかつて口にしたことの無い美味しさといえる。商品として高価な部類に入るためか、年配の人たちからも高い評価を得ている。人生で一度は食べておきたい商品といわれている理由も分かる気がする。
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