年末、年始は人に逢う機会が増える。平素は電話やはがきで済ませていても、この季節にそんな悠長なことをしていると、年間を通して逢う機会が無くなってしまう。歳を重ねると、人生を引っ張ってもらった先輩のことを大切に思い出すこともある。若いうちは、ただ尊敬の念で、話を聞かせてもらうことで、自らが洗練されていくような気分になったものだし、今は価値観を摺り合わせて行くことで、ますます師弟関係に高みを見るような充実感が残る。そんな先輩が年々老いて行く姿を見ると、いとおしい親父のように思えてきたりもする。だから、つい時間的余裕が生まれると、声をかけるのだが、返事は、その心配をよそに「そっちまで行くよ!」と、元気そうな高い声が聞こえてくるのである。そんな、こんなで、この時期は割合忙しい時間を過ごすのである。
どのような相手でも、いくら親しくさせてもらっていても、そんな時に、何を実弾(贈答品)として持っていけばよいか迷うことが多い。まして先様の体のことを考えると「虎屋の羊羹」というわけにもいかず、無難で体に優しいお品を用意したい。そこには、好き嫌いとか、体に合う合わない、家族も口に出来るとか、あるいは、奥様も喜ばれるという側面を備えていなければならないし、また、過去のお付き合いの中から趣向を汲み取っておく必要もある。そして今時の社会の動向であったり、商品の品質に対する信頼性であったり、もちろん価格というのもある。そういえば、先輩は、よく私を銀座へ食事に連れて行ってくれた。神田周辺にはないものを選んで食べに行った。少量でも旨いものを楽しむ(味わい勉強する)という考えからだ。当時は、それは決して高いものでもなく、古い馴染みのお店という感じで、昭和30年代の頃から、先輩が自ら取材した足跡を感じさせるものであった。そんな膨大な背景をすべて織り込むのは、やはり難しいのである。
結局、品質とか信頼できる、老舗中の老舗だとかは神田や銀座にはいくつもあり、ほとんど先輩は把握している。そうなると、そういう先輩には、むしろ今流行していて、興味は持っているが、それをわざわざ探し求めるのが面倒と思う商品がよい、そして、私も自ら口にしていて、自分が信じているものがよいと納得したのである。そこがポイントで、生活の中で役立ち、絶対に害にならないものがよい。そこで、今年このブログで扱った「大塚製薬、大塚食品、大塚チルド」の健康食品をいくつかづつサンプルのように詰め合わせて贈る事にした。それらをそろえるのは結構大変な手間なのだが、それが独創性という形を作るのである。そして、またきっと、そのリアクションが次回の話題になるかもしれないと思ったのである。
案の定、先輩の新しいものに対する興味度合いは、昔とまったく変わっていないようで、中味を1つ1つ、より細かいところまで調べ上げるなど、大変気に入った様子であった。それに対して、お返しに頂戴したのが今日紹介するWESTのクッキー詰め合わせである。このWESTのクッキーは、若い頃銀座で暴れまくった先輩としては、凄くお似合いの手土産のように格好よく見えたのである。きっと、先輩が用意したぐらいだから、大昔から美味しいクッキーとして銀座で有名だったに違いない。事実、老舗中の老舗で知らない人がいないくらいである。そして、ずっと以前、WESTのクッキーは「美味しいすね」と言った事を覚えてもらっていたようだった。
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