2014/01/24

黒にんにく

  医食同源という言葉がある。普段から、薬やサプリメントなどに頼らず、自らの体調に合わせて継続的に食材を選んで摂ることで、徐々に体調を改善し、免疫力を上げたり、体の内側から健康になろうとする概念である。そこに健康食品という分類の存在価値がある。しかし、一方では、健康食品という言葉の中に、「今すぐは効かない」ので根気が必要であったり、あるいは、ずっと続けることで、すこしづつ「体によい効果をもたらす」という期待感が隠されていたり、あるいは、ずっと続けても、「自覚できる効果が得られるとは限らない」という疑心暗鬼も含まれている。年齢を重ねると、健康に対する依頼心が強くなるようで、そのために食品に拘ることが増えて、その概念に沿って健康を維持するのが良いと思っている人は多い。

  古代エジプトでピラミッド建造に携わった人たちは、体力増強・健康維持のためにいつも「にんにく」を食べていたと伝えられている。それ以前から、にんにくは、種々の病気の治療に使われてきたようで、長い歴史と実績があり、今も効能について研究が進められている。また、個人的な話で恐縮だが、にんにくを高い頻度で摂取するという大先輩が周囲に2人もいて、よく話を聞かされた。それは、共通していて「毎日1粒程度摂取することで、積極的に健康が維持できる」というもので、もし、今後、年齢によって体力に不安を感じるようになったら、「にんにくはよく効くよ、効果は絶大でね」という話であった。今から20年ぐらい前の話である。

  そのころは、まだビンビンに元気だったので、「ふーん」という程度だったが、45歳を前後する頃から、風邪が治りにくくなったり、今ひとつ活力や頑張りが足りない、など不安を抱える様になってしまい、自然にその話を思い出すようになった。ただ、にんにくを毎日1粒食べると言っても、それ単独では胃に穴が開きそうなくらい強力で、結構臭いも強い。にんにくの輪切りからオリーブオイルにエキスを抽出して、それをパスタに使う程度にして、それでも、週に1回ですら体にまとわり付くような臭いに苦しめられる。その割には、風邪で苦しんでいる時でも、今ひとつすっきり元気を取り戻すわけでもなかった。

  その数年後、スーパーの即売会でこの「黒にんにく」と遭遇することになる。一般の天然未加工の国産にんにくに比べて10倍ぐらい高くて、当時(13年ぐらい前)は、なかなかその効能の情報も無く、その価値を見出す実感はなかったが、販売者の熱心な説明に説得されて購入してみた。しばらく冷蔵庫の中に厳重に保管されたままで、気分的にも半信半疑の日々が続いていたが、あるとき風邪で悪寒が走る事があり、苦し紛れに意を決して夕食後に口にしてみた。2時間ぐらいすると、「体が温まり、みるみる元気になってしまった。結果的に夜はその影響で熟睡できなかったにもかかわらず、翌朝の調子までまるで元気な」のである。首をかしげながら、「すげーっ」といった感じであった。それ以来、疲労回復、風邪予防、腰痛、体の冷え、食欲不振などに重宝している。ただ、在庫を0にしない程度で、姿を見かければ買ってくるが、それでも、もう10年以上お世話になっている。

  販売者の話によると毎日一粒ぐらいがよいらしい、この臭いも、強い刺激もない黒にんにくなら毎食後でも食べられそうだ。一粒あたり90~110円なので、1日2粒として「リポビタンD」相当と考えると、特別疲れた日でも2粒程度、あとは、寒い日に1粒程度という感じで口にすると、生姜や唐辛子は必要なくなる。今の年齢になっても、確かに「黒にんにくは効果が穏やかで、自然にみるみる元気になる」感じがする。その効能に関して、現在ではインターネット上に数多く書かれているので、そちらを確認してもらいたいが、若い人でも外食が多く、冬に風邪を引きやすい人は、一日おきぐらいに1粒ぐらい食べておけばよいので、冬場は常備しておきたいものの1つと言えそうだ。間違いなく穏やかな効き目を実感できる。
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