くどくど理由も説明せずに「良薬は口に苦し」と言われることがある。これは、「良薬は口に苦いが病に効果あり」と受け取る場合と、「厳しい忠言は耳ざわりになるが、受け入れて行動することで自分のためになる」と解釈される場合がある。ほとんどの知識人は、後者の意味で使っているが、しかし、一般的には額面通り受け入れ、例えば、腹部を眺めながら健康維持のためには、「脂肪の吸収を抑える」とか、「体脂肪を減らそう」とか、それには、それ相応の努力が必要で、食事を人より減らしたり、お酒も控えるなど、それなりに我慢も必要だという意味で使われる。
最近は、腹部とか体脂肪という言葉から連想されるのが「特定保健用食品(=トクホ食品)」という言葉である。これは、その食品に含まれる成分が、体に好影響を与えて、体の調子を整えるのに役立つ(保健機能成分を含有)効果があることが証明され、それを消費者庁から有効性や安全性の認証を得たものを指す。そして商品にその表記(人がのびをしている姿のマーク)ができるのである。最近は、従来の食品より「脂肪の吸収を抑えるとか、体脂肪を減らす」といった効能のある清涼飲料水が増え、血圧やコレステロールを正常に保つとか、お腹の調子を整えるなど、このマークが付いた食品が増えてきた。これは、健康を気にする人には好都合の食品といえる。
ただし、トクホ食品は少々お値段が高めというのが実態で、マークが付いた値段の高い商品とマークなしの安い従来品が並んでいると、つい従来品を選択してしまうことも少なくないが、そこには「おっと、と思うような意外性」が潜んでいることがある。その1つが、なんと「美味しさ」なのである。以前、試しにと思ってペプシのトクホのコーラを買ったことがある。ペプシと言えば、それまでの印象として、炭酸は強いが、甘みや酸味、香料などが少し薄めで、軽くさっぱりとした喉越しと心得ていた。しかし、このトクホのコーラはZEROカロリーにもかかわらず、酸味と甘みに深みというか、コクのある美味しさで、口にした瞬間「ああ、これ美味しくなったわ」とボトルの表示を改めて見直したぐらいである。
そこで、今日の「黒烏龍茶とBOSS COFFEE」の話になるわけだが、そうそう、あの金融庁の黒崎検査官が今度は病院の院長になって、事あるごとに飲み干す CM のBOSS COFFEEである。片岡愛之助さんのファンとしては、とりあえず飲まずにはいられないわけだが、缶コーヒーには若い時に少々懲りていて、かなりの抵抗感があったのだが、口にしてみると「おっと、すっきりしていて美味しいじゃないか」と思えたのである。それに味をしめて、同じサントリーの黒烏龍茶にも興味を持った。これもまた、渋みや刺激的な嫌みがなく、すっーと飲める喉越しで、香高くかつてない優しい美味しさを感じた。これだけ美味しく感じる食品が増えると、もはや価格が高いからと言って、選択肢から外す訳にはいかない。むしろトクホを選ぼうと思うようになってしまった。まさに、特定保健用食品という「良薬は美味しい」といえる時代を迎えようとしているのかもしれない。お勧めである。
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