江戸前とは、江戸の前の湾で取れる海産物を使った加工食品に使われてきたが、海外から多くの海産物が輸入されるようになった現在では、材料はともかく、加工または調理の仕方に残されている。関東と関西では加工工程の異なる鰻には特別に区別して使われる。一方、寿司の江戸前とは大阪押し寿司の「発展型」であるとされている。
「神田の生まれだってねぇ、おぅ、食いねぇ、寿司食いねえ ... 」「おぅ、神田の生まれよぅ」 「そうだってねぇ、おぅ、寿司くいねぇ。」・・・ これは、江戸の話のような扱いをされているが大阪での話(押し寿司を勧められている)である。ここで、着目すべき点は、次郎長一家の石松の性格である。おだてに乗りやすく、人情味溢れ、喧嘩っぱやく、せっかちであること。・・・・これが「神田の生まれ」の特徴である。だから、押してしばらく放置する大阪押し寿司は、神田っ子のせっかちな性分には、合わなかったのではないだろうか。
寿司飯に刺身をのせて、一口大にしてすぐに食べられる、これがよかったのである。せめて、刺身に、あらかじめ下味をつけることが、江戸前になった所以ではないだろうか。その典型が「づけ」として江戸前の特徴として残る。したがって、しっかり、下味の付いた江戸前寿司に醤油をつけるなんてことは、本来、「本筋」から外れることなのだ。 せっかち者に食べさせる江戸前寿司はファーストフードである。ぶらっと寿司屋に入り、片っ端から好きなものだけ注文し、食べ終わったら、そそくさと仕事に戻る、そんな、忙しい商売人の食べ物なのである。
今日は、もっと「せっかち」で忙しい、食べながら仕事をするあなたのための一品を紹介しよう。大阪押し寿司の流れを継承し、もちろん、丁寧な職人の仕事が冴える「江戸前の味付け」だ。弁当にもなる。美味いよー。
それは、こちら
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