猫さんの写真集はいつも面白いし人気も高い。猫嫌いの人も少なくないので、大きな声では言えないが、吾輩は猫好きである。だから、猫さんと仲良くしたいと常々想いを寄せているが、大概は猫さんから誤解をされて、近づこうものなら、さっと逃げられてしまう。飽きもせず、見かけるとつい声をかけるが、そっぽを向かれ、すた、すた、と物陰に隠れてしまう。
かつて25年位前に、家にも「ライオン丸」という猫がいたが、現在は彼の写真しか残っていない。当時は、朝方まで仕事をする境遇だったし、彼が、帰宅する頃がちょうど仕事も終わる頃で、その余ったフィルムでよく撮影をした。3板式カメラ・テストの6x6フイルムの間のフレームに今も残っている。部屋のスピーカの前にも、その代表的な2枚を写真建てに入れているが、いずれも、彼は疲れて眠っている。それでも、それを見て和むことも多い。写真の中にいれば、健康状態を心配することもないし、喧嘩で怪我をして大手術をすることもないからだ。写真は、個人的な理由による場合が多く、古い写真で昔を思い出すことも多い。それによって記憶を効率的に整理することや、情緒を豊かにすることもできる。
自分の飼っている猫でさえも撮影が難しいのに、写真集で何故あんなに面白い写真が撮れるものだと感心する。きっと、そのカメラマンは、猫さんと事前の打ち合わせや、取引をしているに違いない。いつか、俺もそうなりたいと願っているが、どうも、うまくコミュニケーションが取れない。しかし、まれに、仲良くできる場合もあるが、必ずと言ってよいほど要求が先に出る。生活がかかっている仲間がいるようで、最低でも猫缶3週間分の内餌が相場らしい。もちろん、その後のサポートも必要だと言う。そんな中、「きじ猫さん」だけは、初対面でも仲良くしてくれる場合が多い。そういえば、ライオン丸も「きじ猫」であった。
話は少し横道にそれるが、下の階に住んでいた霊能者のおばさんが、うちの玄関に立ち「お宅、猫を飼ってる?」と尋ねたことがある。「いいえ」と返すと、「いるわよ」、俺の部屋の方を指し、「今、そっちへ行ったわよ」。部屋から持ってきた写真を見せながら「こいつ?」と聞くと、「そうそう、これよ」と言われた。なんとも不可思議な話だが、いまだ成仏できず、家でちょろちょろしているようだ。そういわれてみると、時折「ライオン丸」が、俺の右肩の方から布団へ入ってくる夢をみることがある。
今日は、そんな霊現象ではなく、実体のある「猫さん」の写真だ。旅先での初対面にもかかわらず、よく我慢してくれた。猫好きな方に解説は必要ないと思うが、スペースがあるので補足をした。おっと、霊能者のおばさんの話は別の機会に。 (初めての方は、続デジタルカメラ3の本文を参照のこと)
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