2008/12/10

舶来お菓子1

 今、輸入物が少しづつ安くなってきた。とりわけ、輸入菓子店では、円高還元セールとかで購買意欲をそそるポスターが貼ってあり、人だかりも多いし、試食コーナーなんかもあったりするので、何気なく覗き込むことも多い。国産品には申し訳ないが、舶来品は特別パッケージデザインが優れていて、特にヨーロッパ系のその「色使い」には、つい心を寄せてしまう。中身は未知でも、その優れたパッケージ・デザインの魅力によって「ひょっとしたら、美味しいかもしれない」と勝手な想像をしてしまい、つい購入する人も少なくないだろう。私も同様の経験があるが、それは、人として正常だと思っている。その場で、「物は試し」という気持ちと、優れたパッケージデザインに対価を支払う事を覚悟してしまうのだ。

 どのような商品でも、パッケージ・デザインは商品を象徴したものであるべきだと心得る。特に、何度も購入するものは、個性的で異色を放つものがよい。製造者が販売者であるとは限らないため、どのような環境でも「商品を個性で自立させる」必要がある。それを上手に表現するには、やはりパッケージでしかない。我々は、そのデザインの持つ魅惑の罠に知らず知らず引き込まれ、購買意欲につなげてしまうのだ。人は誰でも「美しいものに弱い」。それにしても、中身は案外意表を突かれ、当たり外れがある。簡単に不味いとは言えないが、「失敗!」のカテゴリーに入れてしまうことも少なくない。

 今日は、そんな未知の舶来お菓子の中から、我々の口にもぴったり合う「いけてる」やつを紹介しようと思う。 こんな、「チョコレート・クッキーは初めて」である。どのように「いけてる」のかを知ってもらおうと、チョコレート・クッキーのカットモデルをこしらえた。作業前にまず、20分ぐらい冷凍庫で冷やし、硬くなったチョコレート・クッキーを、フランスパン裁断用カッターでゴリゴリ削りながら、切りそろえようとするが、何度も失敗をしてしまう。中がクッキーになっているため、途中でよく割れてしまうのだ。また、こすり過ぎるとチョコレート・ガナッシュが溶け出し、断面が汚くなってしまう。普通なら理屈どおりに行かないと腹も立つが、その断片からは独特のチョコレートの薫りが漂ってくるせいか、何度失敗しても心地よい。作業が長引くと、照明の熱で表面のチョコレートがすぐに柔らかくなるので適当にすることにしたが、この商品を「知ってもらう」気持ちは、製造者と同じかもしれない。まさに、写真と文章による伝言ゲームだ。この二重の「魅惑の罠」に耐えられるか。

 もちろん、このような商品の特徴は、写真や文章だけで簡単に伝わるものではない。この分野に明るく、美味しいものをよく知っているあなたに「ベルギー産」と付け加えることにする。 もちろん、糖尿病予備軍には極秘扱いだ。ここで見たものを決して、彼等に話してはならない。
ではこちら
http://www.nextftp.com/suyama/%E3%83%81%E3%83%A7%E3%82%B3%E3%82%AF%E3%83%83%E3%82%AD%E3%83%BC/%E3%83%81%E3%83%A7%E3%82%B3%E3%82%AF%E3%83%83%E3%82%AD%E3%83%BC.pdf