料理づくりは自分にとって、1つのイベントである。「1度食べたことがある」という記憶と、自分の持つ少ない発想でまとめ上げるところに面白さがあるが、すでに空腹を抱えていると、段取りを考えながら、「最も早く作る」ことに執着する。それにしても、「何を食べようか?」と自分に問いかけるところが一番苦になるところだ。たいがい、空腹時は「食べれれば、何でも良い」という気持ちが先走り、材料を冷蔵庫から物色する。「ちょっと違うな」と思いながら、そこに存在するもので何か作れないかと、さらに、「考えが閉鎖的」になるのが普通である。
誰も、それを監視しているわけではないので、自由に考えればよいのである。食材が無ければ、ひとっ走りマーケットまで出かけてくるのも良い。そして、材料を目の前にして、食べるときの事を思い浮かべながら、ボチボチと楽しむのである。
添付のPDFと、同じものを作って「本当に、美味しいね」なんて、オカマチックに同調してほしいわけではない。意地でも 「他人が作ったものなんか美味い訳がない」 と思ってほしいのである。ここでは、あくまでも、創作意欲をそそり、自分も 「何か作ってみようかな」 と思ってもらえればよいだけのことである。現代人には、そんな、創作することの面白さを満喫する自信さえ失っているし、美味いものと、一寸美味しくないものの区別さえ曖昧になっている。だから、美味いものは、一流シェフのいる、評価の高いお店へ出掛けないと駄目だと思っている人も少なくない。 味覚まで他人任せなのである。そんなことでは、これから会社で「新しい仕組みを作る役割」は果たせる筈はない。そこで、これからの時代の、担い手になるトレーニングとしても、「自分の考えを具体化する」経験を積む必要もあるのだ。だから、料理ぐらい、こだわって作ってほしいものである。
そんな志向の中で、今日は平凡な、ベーコンとほうれん草のスパゲッティーである。身近にある材料を磨き上げて完成させる。このポイントというか、検討結果はベーコンの厚みにある。厚切りベーコンを少し時間をかけて、ベーコンの脂肪をフライパンの熱で搾り出すところが重要だといえる。抽出した油は、小さめのキッチンタオルなどでふき取りながら作業を進める。大方、油が出つくした頃に、ほうれん草を加えるが、ほうれん草は冷凍タイプでも、生ほうれん草を湯通ししたものでも、いずれでも良い。少しバターとぬちマース(塩)、胡椒等を加えて、ほうれん草自体にも、あらかじめ風味をつけておく。後は、スパゲティーと攪拌するだけ。途中のにんにくチップや鷹の爪も忘れないように。
出来上がってみると、どうってことない普通のものではあるが、自作の強みは納得感というか、「出来た!」と思う満足感にあり、さらに、次回も何か挑戦しようとファイトが沸いてくるところにある。最終味付けでは、焦がし「昆布醤油」でちょっと和風にしても良いし、アンチョビ・ソースで塩味風にまとめるのも良い。ここが、自作の強みだ。少し焦げ目が付いた厚めのベーコンがボリューム感を演出し、自作ならではの味わいを満喫できる。この、極めて当たり前の事が、より次への創造的発想を刺激するところに、このPDFの意図するところを理解されたい。おっと、こからも、 まだまだ続くよ。
ではこちら
http://www.nextftp.com/suyama/%E8%87%AA%E4%BD%9C5/%E8%87%AA%E4%BD%9C5.pdf