2009/01/05

重ねすき焼弁当

 昨年の最多アクセス・ベスト10に入ったページの、食べ物は、「浅草今半の牛肉弁当」であった。それを意識しているわけではないが、再び「浅草今半の弁当」を取りあげる。

 牛肉弁当は、私も大好きで、度々いただくことになっている。 ここの各出店舗にも、ポイントという制度があり、ポイントが貯まると、ついグレードアップをして、今回紹介の「重ねすき焼弁当」を賞味することになる。これも、なかなか食べ応えのある一品で、上質の黒毛和牛に、たっぷりとした秘伝の割り下が染込んで、一寸辛めの関東風な味わいは、比類がなく、珍重感に心が躍るのである。価格は1,575円と、弁当として平素食べるには少々贅沢かもしれないが、ポイントを使うと負担も少ない。中味は価格を上回る上質感と充実感を備え、明らかに「ぶっちぎりの弁当」になっている。正月明けは、これでも食べて、エンジンのアフタバーナーを全開し、みんな元気に加速してほしいものだ。

 若者は、「牛肉弁当」のような、牛肉のタレが御飯に染み込んだスタイルが大好きだ。しかし、年配の方は、こちらのように、別容器にした単独で、白く輝くような光沢のご飯を好むらしい。このことを「その人達が育った時代背景や、歴史上の事実」と組み合わせて考えると、少し寂しいものがあるが、人の育ちや伝承的価値観として受け入れるなら「品格」を感じる。このような人の心の奥深く、琴線に触れる部分を商品企画に活かせるのは老舗の得意技である。いわゆる、米国風の「言い訳だけのマーケティング」では到達しえない、「お客の気持ちを大切にする」商品企画の成果でもあるが、これによって、世代の違いを巧みに捉え、きめ細かいラインナップを構成している。

 こような商業精神は、今後、本格的な高齢化社会を迎えるにあたり益々重視されるようになってゆくと思われる。特に、最近は様々な分野で「日本流のやり方」が見直されてきており、老舗の普遍的な商売の手法とも言える、「客を大切にし、長いお付き合い」をする姿勢が再び評価されているのである。

 暖簾を重んじ、老舗という歴史的文化を封じ込めた 「上品でお得感」 のある、ここの弁当群は、この不況にあっても、全く人気は衰えず、益々微増を続け、次から次へと世代を受け継いでいるのであろう。これが本来 「日本人が好む継続の姿」 なのである。ではこちら
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