都路里を出て、高台寺の門前を北に向かう。正面には、異様な寺院「大雲院」が見えるが、その手前を左にまがると、小料理屋さんを眺めながら東大寺通りに出る。あのバスを降りた通りだ。そのまま路沿いに右へ行くと、祇園のバス停に出る。京都駅へは、清水道、五条坂バス停の手前になり、満員になる前に、ここからなら確実にバスに乗れる。
一方、大雲院から右に入ると円山公園に出る。円山公園では、イカ焼きとか、たこ焼きとか、焼きソバなどの街頭出店が並ぶ。これは、左へ下ると分かるが、八坂神社の境内から続いているものだ。八坂神社は厄除け、「商売繁盛の神様」なので、ちょっと、お参りをする。おみくじを引くと「末吉」であった。しばらくいいことも無いらしい。「今年は、末吉が多く印刷されたのだ。もっとも、大吉を増やしても、神社の信頼感に影響するし、中吉などでは、今の社会環境にはそぐわない」、神社も今年だけは気を使う。と思いながら八坂神社を抜けると、やはり東大寺通りの祇園の交差点に出る。祇園のバス停は、ここでは少し左にある。目の前の、横断歩道を渡り、西に向かうと四条通りである。
京都は、横に「四条、五条、七条」と北から順に南へおおよそ750mごとに大きな通りがあり、縦には、東から順に西へ、「河原町、烏丸、堀川、大宮、西大路」と大きな通りがあり、それらが格子状に重なっている。そこで、この二つの名前を組み合わせて、ある程度場所が特定できる。つまり、四条河原町とか、烏丸五条、七条堀川、九条大宮と斜めのラインになる。どちらの「通りの名称」が先頭に表記されているかは、わからない。という補足付きで話を続ける。祇園の交差点から四条河原町に出て、四条烏丸まで行くと、直線約1.4km程である。このあたりは、市内でも人出が一番多く、「京極」商店街に繋がっているので、茶房、カフェ、甘納豆屋で楽しんだり、特に女性には場所柄、呉服、和装小物、扇子、足袋等を探すには好都合である。少し余談になるが、自分の美術監督は自分自身である。美術監督には、最低限のベースになる「調査・分析と時代考証、実用性や公式性」などの知識が必要で、それらは、「様々なものを目にし、専門家の話を聞く」ことから始めるのがよい。特に老舗では、商売の王道ともいえる「物を売って、尊敬される」ことに「こだわり」を持つため、老舗のお上から指導を受けるのが、最も低コストで早道である場合が多い。そのような経緯を通して、美学の裏付けを持ち、それが自信となって、「みんな」綺麗になるのである。
話を戻そう、四条烏丸を左に曲がり、烏丸五条、烏丸七条と烏丸通りを行く。そのまま行くと京都駅に出る。京都駅の場所に仮に名前をつけるとすると、「八条烏丸」といったところ。足早に歩きながら、「では、六条はあるのか」、と言う疑問が当然のように湧いてきた。 烏丸五条を過ぎた頃から、注意深く周囲を観察しながら歩く。
烏丸五条と烏丸七条の間に東本願寺があり、その裏通りを「花屋町通り」というが、そこにあるバス停には、「烏丸六条」と書いてある。ここだ。烏丸五条から烏丸七条に歩いて約250mの地点である。「六条」は、今後の長い歴史の中に埋もれて行く運命なのだろうか。ならばそこで、記念に写真を撮っておくことにしよう。勿論、バス停を撮影するわけではない。
この花屋町通りを堀川の方(西)へ向かって歩き出すと、東本願寺の「壁」が続く、なまこ壁を思わせ妙に美しい。壁と言っても、外敵から守る塀の役割である。手前には4m程の堀があり、満々と水を湛え大きな鯉もいる。その手前には、これまた立派な松が植わっている。その構図からは、倉敷や金沢を思い浮かべるが、壁の高さが全然違い、2階建てはあろうかという高いもの。手前に写っている門の軒先は、1階の屋根相当の高さである。これが、東本願寺の北面全てを囲い250m程続く。
今回の京都の「画像比較」の撮影テーマは、白と黒を試すことに決めていた。まず、ここを、白テーマとして撮影してみる。カメラは、いずれも色温度の設定は、太陽のマークである「晴れ」にしてある。この場合、どちらのカメラも、かなり近い色バランスになるはずなのだが、Fuji が青色系、Panasonic が黄色系と分かれてしまった。さらに露出補正値を見ると、Panasonic が画像としては若干明るいにもかかわらず、それでもFuji と約1絞りも異なった値を示している。この違いは、メーカーの「反射率と露光値」におけるポリシーなので、コメントはしにくいが、少し違いが大きすぎる様に思える。このシリーズはこちら。 (初めての方は、続デジタルカメラ3の本文を参照のこと)
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=0FF68288DD53524E&resid=FF68288DD53524E%21789&app=WordPdf