2009/02/27

自作料理7

 自分で料理を作る楽しさは、様々だけれど、最も簡単に作れて誰でも好きなカレーを作ってみた。今回から何回かに分けてカレー丼と言う形で紹介してみたい。大脳を活性化するといわれているターメリックを食べるきっかけにでもして欲しい。

 ターメリックの効能については、既に昨年の8月「カレー粉末」で紹介した。しかし、先日テレビで、あのイチローも8年間、毎朝カレーを食べているという番組を観て、それに触発されるように、再び時々カレーを研究している。そんなに毎朝食べられるカレーとは、いったい、どのようなものなのだろうか。しかも、ターメリックは、加熱しすぎると効果が薄れるそうだ。そうなると、ターメリックをオブラートに包み、朝、お水で呑むのが一番良いことになるが、似たものは胃腸薬としても販売されており、これを呑む苦しさは良く知っている。

 今回紹介するカレーのポイントは、「和だし」を使うところにあり、少々変わったものに思えるかもしれないが、予想外に美味しい。これに使用する「だし」は、日本料理の基礎になるもので、普通は家庭に常備されている食材(調味料)である。通常は、いりこ、こんぶ、かつお、などを数時間水に浸しておく、あるいは、煮るなどしてその「旨味成分」を抽出するが、最近はそれらが顆粒粉末になった形で販売されており、水で溶くだけで簡単に作業は完了する。種類も豊富で、組合わせも容易になり「だし」の可能性を拡大している。水は、浸透力の高いアルカリイオン水を使用する必要はないが、せめて天然水を使用し、「だし」の組合わせによる味の違いを確認してほしい。この段階で味噌汁の「だし汁」としても使用できるので、その違いが分かるようになると重宝する。また、これらの「だし」は、醤油、みりん、お酒等と組合わせることで、煮物、煮付け、吸い物、うどんつゆ、蕎麦つゆ、など、おおよそ全ての日本料理に使われており、これらを使いこなすことは、普遍的(生涯活用)な味覚を把握することに繋がる。

 それでは、素材選びの根拠を説明しながら追ってみたい。手順の詳細は1例として添付のPDFにまとめてあるので、そちらを観ながら独自の工夫を考えてほしい。 まず、にんじんとじゃがいもは、皮を剥き裁断するが、大きく裁断すると火が通るのに時間がかかり、小さく裁断すると早い。これは一般的な熱伝導の原理で、CO2削減のためには細かく切るのが望ましい。大きく使いたい場合は、あらかじめ電子レンジで前加工の加熱をお勧めしたい。素材の密度や大きさで「熱の通る時間」が異なる事を、念頭に置いて作業を進める事が、手際のよさと食材を生かす基本となる。次に、この野菜を日本酒で煮るが、この工程で素材の臭みがなくなり、素材本来の美味しさが引出せる。日本酒は、甘い種類を使えば、最後まで甘みが残ってしまうので、辛口の日本酒がよい。玉葱はオリーブオイルで炒める。植物から採取した鮮度の高いオイルを少量使用する。また、炒める時間によって、後々の「苦味」が異なるため、この塩梅は好みで調整されたい。

 最終的な味を決める要素は、甘味、辛味、塩分、酸味、苦味、そして雑味であるが、それらは組合わされた味で評価されることから、最も重要な調整項目になる。また、油分は極力減らすことに主眼を置いているが、少しは残さないと奥深い旨味を引き出せない。一方、カレールーには、様々な動物性油分が混入しており、体に入ってからの負担が大きいため、朝の摂取には適さない。したがって、カレー粉のみの使用になる。甘味は、玉葱、日本酒、蜂蜜から、辛味は、胡椒、生姜、鷹の爪、カレー粉、ターメリック、塩分は、アンチョビ、天然塩のヌチマース、酸味は、トマト、りんご等から構成するが、りんごは甘みも強いので注意が必要だ。そして雑味は、天然素材などに含まれるミネラルによって作られ、ここでは、アンチョビ、ヌチマース、蜂蜜で構成する。 それら素材を投入する鍋は、厚手の鉄製が良い。そして加熱は、むやみに継続するより余熱を上手に使おう。また、温度を上下させることで味が染込むので、時間の工夫をしてこまめに火力を調節する。これによって、CO2の節減にも努める。 加えて、加熱中は絶対に火力の傍から離れないようにされたい。

 これらの、どの味覚も際立つことのないように、素材の組合わせは慎重に。一方、加熱と冷却の繰返しでスパイスの薫りは消えていくので、カレー粉、ターメリック、シナモン等は再び追加する必要がある。 最後に、好きなトッピングを制作して個性を出す。ここで初めてトッピングにバターを少量加え、薫りと旨味を強調する。これらが、主な流れになる。 たかがカレー丼なのに、長い手順のように思われるかもしれないが、素材や量を考え、手順を楽しむ事、これを試行錯誤ともいうが、大きく大脳を刺激するところだ。 さらに、この制作に使われた、鍋やお皿は、カレーに含まれる油分が極めて少ないこともあって、洗浄が容易である。これは、とりもなおさず体にも吸収・分解に優れている事を示唆している。

 料理は、方向性さえ間違っていなければ、自分で考えることが一番楽しい筈で、何度か繰り返すことによって、組合わせる味の予想が出来るようになり、手順も大きく改善される筈である。 ではこちら。レイアウト・デザインも一新した。どうよ。
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