2009/07/24

深大寺7割蕎麦

 写真は、たとえスナップでも想像力をかきたてる事がある。スナップ写真というのは、テーマを決めず「気ままに撮るという意味で使う」ため、あまり意味の無い写真のように思われるかもしれないが、実は撮影者本来の隠された願望や欲望が表れやすい写真になる事がある。スナップを見せてもらうときは、それを思い出して観察してほしい。自分の深大寺で撮影したスナップ写真を並べてみると、深沙大王とか元三大師とか、開山堂とか、分かったように偉そうな事を言っているにもかかわらず、よく見ると「蕎麦屋」の写真が多いのである。だいたい7割ぐらいは、フレームの中に「手打ち蕎麦」という旗が立っているのである。恥ずかしながら、低GI修行中でも、やはり食意地だけは隠せないようだ。それを利用して、深大寺蕎麦第2弾は「7割蕎麦」の食べ方の紹介になる。

 今回の「7割蕎麦」も、前回と同じスーパーなどで販売されている物だが、ここで使っている写真は深大寺で撮ったスナップを元にページに合わせて横長に撮影しなおしたもの。この2つを強引に組み合わせて、あなたの胃袋に「蕎麦を渇望する刺激」を与えようとしているのである。暑くて食欲の無いこの季節に、何とか食欲を湧かせ、その勢いでしっかり食べて、元気になってもらいたいのである。暑い日が続いていると、夜遅くにテレビで、美味しいお店を紹介する番組を見て、やっと、お腹がすいたような錯覚にとらわれる事がある。そんな衝動に負けては、返って胃腸のために良くない筈だ。できるだけ、いつもの決められた時刻に適度の物を口にして、胃腸に定期的に刺激を与えておく必要がある。そこで、「食意地の張った私が撮影した写真」を見ながら、食欲を思い出して欲しいのである。そして、文字を追いかけ、様々に妄想を抱いてもらうと、想像した風味や食感まで長く心に残ることがある。週刊誌の後方にある「美味しそうな1ページもの」の写真を見て自分が食べたいものを思い出すようなものである。まして、想像もしえない既成概念を覆す提案であった場合、それ自体に疑いを持つ反面、改めてよく考え、徐々に体験してみたくなるのである。その疑いと興味が渾然一体となって無意識のうちに大脳の一部に蓄積され、今何を食べたいか思いつかないときに、何かのヒントになることがある。と、まあ、こんなところで屁理屈をこねていても仕方ないけれど、たまには、好きな物を思い出し、少しづつ取り合わせて、大いなる満足感を得ることも重要な食事療法といえる。低GI修行中の私にも、これは「蝮毒を盛って腹を制する」って感じなのである。

 今日の7割蕎麦の食べ方の特徴は、鰻と梅つゆを使うところにある。梅つゆで蕎麦をすすり、箸やすめに鰻をつまむ。梅の酸味と鰻が程良くマッチして、食べれば、食べるほどにお腹が空いてくる。いくらでも食べられそうな爽やか気分になる。いったいこの食欲が何処に隠されていたのだろうかと、不思議なほど自分が空腹であった事を思い起こさせるのである。空腹感の無い日々が続いたらお勧めである。

 実際、こういう食べ方をさせる蕎麦屋が日本国内に存在するかどうか未確認だが、案外に梅と鰻が相性がよいので、特にこの時期は、私としては大変気に入っている。勿論、深大寺にいらしてもこんな物を出すお店は無く、自分で作るしかないと思う。 使用している写真は、あくまでも深大寺の周辺にあるイメージ写真ということでお許しいただきたい。
ではこちら
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