2009/07/14

自作料理15

 お腹が空いた時ほど頭を使いながら、面倒なプロセスを調理するのが良い。空腹を我慢しながら、少々手間のかかる食事を作ってこそ大人である。それくらい我慢出来ないで、仕事なんかできるはずも無い。そして、自分は食べなくても、家族が「美味しい」といってくれれば、自分も満足感を得る。ウエスト85cm以上のオヤジとは、そういう立場でなければならない。自分は「揚げ豆腐」でも食べていれば良いのである。そういう試練を重ねて、老いていく過程の中で、家族や周囲の人に迷惑をかけない「分相応の精神」を鍛えていこう。老いてからの「精神薄弱」は傍目に見苦しい。

 ということで、今日は、「あの父さんの得意なアサリ」入りの海鮮パスタ第2弾である。前回(ずっと前)使った調理済みアサリを使う。いくつかの工程を別々に作り、最後に合わせる形式で作業を進める。良い例として、日本食の煮物の椀の中身と同じ作り方である。椀の中には異なる旬の野菜が一緒に盛られていることがあるが、それらの野菜は、それぞれの野菜に適した個別のだしで、しかもそれらに適した時間割で煮込んであることだ。手間も鍋も野菜の種類だけ必要になるが、それらは並行作業で進められる。しかも、暖かさも美味しさの条件の1つであり、盛り付け時間を揃えるために、それぞれ微妙に作業開始時刻は異なる、そこにこそ野菜の目利きとしての職人の技が生かされる。それによって、客は一口づつ「微妙に異なる旬の野菜の美味しさをじっくり」満喫できるわけである。

 パスタの具材も、色々乗っているのに何を口にしても同じ味になってしまうのは、楽しくない。できれば、それぞれの食材の美味しさを引き出せるようにこだわりをもって、あたかも、海鮮丼を作るぐらいの気迫と心意気で始めたいものだ。そこで、帆立、冷凍シーフード、アサリなどの海の幸を使い、ステージごと別々に味付けして、最後に合わせることにしたい。これによって、一口づつ楽しめる海鮮パスタにする。それでも即席の域を脱することの無い素材選びをする。これも、練習の1つである。

 まず、条件は、調理用の火力は2つとする。いつものように、ベビーリーフをお皿に並べて敷いて置く。パセリは細かく刻んで別の皿に取り置く。生の帆立は、フライパンにオリーブオイルとにんにくのみじん切りを加えて炒める。両面に焦げ目が出来たら、これも別のお皿に取り置く。次に別のフライパンで冷凍シーフードを入れて今度は、バターと日本酒を加えて解凍しながら炒める。同時に、お湯が沸いたら、トマトを湯銭にかけて亀裂が出来たら取り出して、皮をむき細分化する。それをシーフードの入っているフライパンに入れて、一緒に攪拌する。これに、「フェメド・ポワソンの顆粒」を加えてさらに攪拌し、待機させる。一方、トマトを取り出した鍋に、次にアサリを袋ごと湯銭に掛けて、火が通ったら取り出して置く。袋から出すのは最後だ。次も同じ鍋で ディチェコ パスタ o.9 を1.5分ほど茹でる。0.9mmのそうめんの様な細い麺なので、すぐに取り出して笊でお湯を切り、フライパンのシーフードとトマトに混ぜる。ここで、トマト、シーフードミックスと共に攪拌。お皿に盛り、次に、アサリを袋から出し、適当な数だけ乗せて、アサリのエキスも加える。次に、帆立をこれも適当な数だけ乗せ、最後にパセリを載せて出来上がり。 と、さほど面倒ではなかった。それでは、家族に食べさせてみよう。反応はどうかな。自分は、修行中なので、蕎麦と揚げ豆腐でも食べることにする。

 何でもまぜこぜにして食べるのと違い、少々味わい深く楽しめると思うが、どうだろう。
ではこちら
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